ロンドン旅行ガイド
11 宮殿 2 ハンプトンコートパレス
何もチャレンジしない人生に何の意味があるのだ
(英 劇作家 シェイクスピア)
面白味のある観光施設なのですが、人気・知名度は今一だと思います。
実際の旅行スケジュールを立てると、どうしてもプライオリティが下がるのはやむを得ません。時間を割くことが無理な方は、「都心にあるケンジントン宮殿を優先」ということになるのだと思います。
ハンプトンコート・パレス(宮殿)はバッキンガム宮殿とウィンザー城の中間あたりに位置しています。
ロンドンの中心部からは少し離れたところにあります。ハンプトンコートへ行く手段が鉄道になることが人気を下げる一因になっているのだと思います。
ハンプトンコート・パレスの歴史は、ヘンリー8世の時代(1500年ごろ)に貴族から王へ献上されて、王宮として使われ始めました。今でも広大な敷地が残されていて、その脇を取り囲むようにテムズ川が流れており、自動車が普及前の時代では水利(水上運送の便利や飲料、農耕への水の利用)の面から相当便利で、一等地だったと思われます。
その後宮殿は部分的に建て替えられ、チューダー様式と言われる当初の建物は現在では一部を残すのみですが、宮殿全体としては王の居所としての威厳を保ったまま現在に至っています。
18世紀に入り歴代の王がロンドンの宮殿に住み暮らすようになり、この宮殿の本来の主はいなくなりましたが、19世紀にビクトリア女王が一般開放するまでは何らかのかたちで王室の施設として使われていたようです。
今でもハンプトンコートパレスは当時の状態が維持されています。
見学するとわかりますが、驚くべきことは、王の居所として使われなくなって300年が経つのですが、極めて保存状態が良いことです。
絵画1枚をとっても、修復がきちんと行われていたり、宮殿内の装飾品が丁寧に維持されているとの印象を受けました。この宮殿のお勧めは、現役の宮殿ではないため見学の制約が少なく、館内の見学や絵画鑑賞を比較的自由に楽しめるという点にあります。
宮殿の庭園は、毎年開催される「ハンプトン・コート宮殿フラワー・ショー」の会場となっています。フェスティバルでは、たくさんの美しい庭園や植物が展示され、多くのガーデン好きが集まります。
また、ハンプトンコートの庭には生垣で作った伝統的な巨大迷路(Maze)があることで有名です。遊ぶのには30分ほど要しますが、素朴なアミューズメントで記憶に残るものですから、時間が許す方はぜひ楽しんでください。
ハンプトンコート・パレスへは鉄道で
ハンプトンコート・パレスへは地下鉄ではなく、鉄道で行きます。
鉄道はやや敷居が高く、ロンドンの他の観光施設ほどの賑わいはないようです。National Railのホームページに[London] [Hampton Court]他を入力して時刻と料金、ロンドン市内の駅名を調べます。乗り換えなしで行くことのできる電車が1時間に2本あり、所要時間は片道30分強です。
ロンドンの駅はウォータールー駅のようです。注意が必要なのは、近くにHamptonという駅があって、別の線路が通っていますから、時刻表で電車を探すときに間違えないよう注意が必要です。
下にナショナルレールのホームページを引用してあります。宮殿の門は駅のすぐ近くです。 ナショナル・レイル(公式)
片道はボートで
途中kew pia(キュー・ピア)で乗り継ぎになりますが、ウェストミンスター・ピアとハノーバーコート・ピアの間はテムズ・リバー・ボート(Thams River Boat)という会社が船を運航しています。
片道2時間程度は覚悟する必要がありますが、テムズ川を航行する船に乗るのも楽しい思い出になります。お勧めしたいのは、ロンドンの中心部を外れて川上に進むと、途中の川辺の景色が日本で味わうことのできない、いかにもイングランドの風景となって楽しめることです。 テムズ・リバー・ボート(公式)
料金は片道£31です。運航しているかどうか、出発時刻は何時か、時刻表の確認が必要ですので、乗船を考える場合には予約が望ましいと思います。
*キュー・ピアとキュー・ガーデン(別のところでご案内します)入り口の間は離れていて、距離がありますので、注意が必要です。