2020年2月2日
(写真・文、 光岡主席研究員)
1. メッシーナ(シチリア島)
BC.8世紀にギリシャ人によって築かれた“メッシーナ”は、シチリア島第3の都市ですが、1908年の大地震で壊滅的な被害を受けたため、街は、古代の遺跡もなく、中世の趣もありません。近代的な20世紀の街並みです。
訪れたのは晩秋でしたが、緯度が下がったため、日本の9月くらいの気持ちの良い暑さでした。
港から数分の所に、街の中心、“ドオーモ広場”があり、古い歴史を持つ“ドオーモ”と“鐘楼”があります。 ノルマン時代の1197年が創建の“ドオーモ”ですが、過去3度の大地震と第二次大戦により崩壊・焼失、現在の建物は、第二次大戦後に再建されたものです。
ドオーモ”と“鐘楼
鐘楼は60mの高さがあり、巨大な天文時計が設置されています。
この天文時計は“からくり時計”になっており、正午になると、音楽と共に、ライオンが吠えたり、聖像が回ります。
鐘楼
第1次世界大戦の戦死者の墓所です。
街一番の高台にあり、メッシナ海峡の素晴らしパノラマが臨めます。
クリスト・レ戦死者記念堂(教会)
19世紀半ばに完成したこの劇場は、シチリア島で最も古い歌劇場です。
1908年の大地震を免れた唯一の建物。
今も、オペラやコンサートが、盛んに催されています。
ビットリオ・エマヌエーレ劇場
(劇場の名前の由来は、近世イタリア王国初代国王ビットリオ・エマニエル2世から。)
2. バレッタ(マルタ共和国)
マルタは、BC.10世紀以降、フェニキア、カルタゴ、ローマ、アラブ、ノルマン、スペインの支配を経て、1530年にエルサレムの聖ヨハネ騎士団(後のマルタ騎士団)の所領に。首都“バレッタ”は、1565年にオスマン帝国の攻撃を撃退したマルタ騎士団長/ジャン・ド・ヴァレットの名前が由来。その後、フランス、イギリスの支配の後、マルタ共和国として1974年独立しました。2004年EUにも加盟しています。
イタリアの長靴の先の地中海にある人口40万人の小国。広さは東京23区の半分。海を隔てて横はすぐアフリカのチェニジアの首都チェニス、11月ですが日本の夏の終わり頃の暑さ、昼間は半袖で十分でした。
全てが褐色で小高い台地にある中世の雰囲気の漂う城塞都市・・・が、バレッタです。
マルタ島1番の眺め(アッパーバラッカガーデンから)
首相官邸
(1574年にスペイン・ポルトガル出身の騎士の宿泊所として建設されました。)
市内巡りの観光バス
国立考古学博物館
謎の文明と言われるマルタ各地に点在する世界最古の巨石神殿( BC.4500~2000年)から出土した発掘品のオリジナルが展示されています。
有名なのは、“マルタのヴィーナス”と“眠れる女神”です。
元騎士団の宿舎だった歴史的建物です。
聖エルモ砦
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バレッタ市街のある半島の突端にある聖ヨハネ騎士団が建設した砦、1565年のオスマン帝国軍との激戦地。
アッパーバラッカガーデン
3. バルセロナ
「サグラダ・ファミリア」
(聖家族教会)
バルセロナ帰港後、飛行機の出発まで少し時間があったので見学しました。ただただ圧倒されました。
カタロニアの建築家アントニオ・ガウディの未完作品。1882年の着工から138年が経過、現時点での完成はガウディ没後100周年の2026年が予定されています。