2015年5月1日
(写真・文、 光岡主席研究員)
「熊野大社」は、「出雲大社」と並んで出雲国の「一の宮」で、紀州の熊野神社はここから勧請されたという説があります、出雲神話でも「木の国」(紀の国)は出雲と関係深く、大国主大神も「紀の国」へ逃げてきたことがあります。 大和朝廷の統一以前、出雲王国は山陰・山陽・四国・近畿・北陸・信越を領域としていたからです。
祭神は素戔嗚尊(スサノオノミコト)夫妻と母「伊邪那美命(イザナミノミコト)と「一の宮」らしい格調の高さです。 きりっと空気が改まる感じのある風格と、でもやすらぎを感じさせる古社です。魅了されました。
出雲一宮・熊野大社
熊野大社拝殿
亀太夫神事
熊野大社は火の発祥の神社でもあり、右の写真「鑚火殿(さんかでん)」には発火に必要な燧(ひきり)の杵と臼が納められています。
毎年10月には出雲大社宮司家(出雲国造家)は新嘗祭で供える料理のための火をもらいに1mもある大きな神餅を熊野大社に奉納しますが、その際熊野大社神職はこれにケチをつけ出雲国造家はひたすら頭を下げやっと「燧の杵と臼」を借りるという「亀太夫神事」があるそうです。
つまり熊野大社は出雲大社より格が高いのです。
鑚火殿(さんかでん)
随神門
熊野大社御本殿(大社造)
出雲の空
拝殿
舞殿