2016年1月3日
(写真・文、 光岡主席研究員)
奈良県桜井市に鎮座する大和一宮の「大神神社(おおみわじんじゃ)です。
御神体は拝殿の後ろに控える”三輪山”、自然信仰を残す最も古い神社形態です。
ここは、伊勢神宮・出雲大社よりも古く
また最高の格式を持つ、
言わば、日本国一宮とも言えるお社です。
古事記によれば大神神社の祭神/大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が大国主命(おおくにぬしのみこと)の前に現れ、国作りを成就させるために「私を三輪山に祀れ」と希望され、三輪山に鎮まれました。
日本書記にも同様の伝承があり、その中で、大物主大神は大国主命の「幸魂(さきみたま)」であると名乗られています。
つまり、2つの神は同一神です。
左から、大和三山の畝傍山 耳成山、そして 大鳥居
大神神社 大鳥居(32m)
鳥居(三輪大神)
参道
崇神天皇の御代(300年前後)疫病が流行した際、皇祖神/天照大神を祀ったものの流行は収まらず、
倭迹迹日百襲媛命が神懸かりして、「大国主命の後裔/太田田根子命を探し出し祭主とし大物主大神を祀れば疫病は収まる」と神託、
その通りに祀ると疫病は鎮まりました。
大神神社が大物主大神の幸魂(さきみたま)をお祀りしているのに対し、
摂社/狭井(さい)神社は、大物主大神の荒魂(あらみたま)をお祀りしています。
大神神社 注連縄
以降、ヤマト王権(天皇家)は出雲系神社/大神神社を国家守護神として篤く祀るようになりました。
不思議な伝承です。
大神神社 拝殿
狭井神社本殿
近くには卑弥呼の墓と目される箸墓古墳があります。
この地は、邪馬台国/卑弥呼⇒出雲国/大国主命⇒ヤマト王権と続く、日本古代王権のルーツです。
大和三山が美しく心が和む地です。
大神神社から見る大和三山 左から、天香久山 畝傍山 耳成山