2019年4月19日
(マラソン講座)データから読み解く航空事業
(第8回; 2019年4月19日)
国内旅客の概観(6)~市場別にみると(続)~
2006⇒2017需要けん引は「LCC」と「沖縄」
1.羽田/成田ローカル線は増加基調
羽田基幹4路線と同じように増加基調を示している。
(2006)2,751→(2006)3,015→(2017)3,189万人
更に路線細分してながめると、
・ 羽田/成田=北海道(除札幌)や本州各地と結んでいる路線の旅客数は2006比で減少。
⇒ 新幹線の影響も大きい。 (富山・小松・青森・函館の4地点で▲203万人)
・ 羽田/成田=四国、九州(除福岡)は増勢にあり、ソラシド、SFJやLCCの効果も出ている。
・ 沖縄(宮古、石垣)も増勢にある。
2.大阪線はLCCによる増が打ち消されている
大阪路線全体では、2000→2006年度に旅客は減少、→2017年度には+30万人増えた
ものの、LCCが積み取った276万人には遥かに及ばず、LCC効果がほとんど消えている状態。
・ 九州(含福岡)、四国路線は低減傾向にあり、LCC効果でも減少に歯止めかからず。
・ 北海道路線(含札幌)はLCC効果によって辛うじて2006比で増加。
・ その中で沖縄線だけは増勢が続き、LCC効果を上回って増加。
. その他路線もLCC効果(仙台等)で辛うじて増加。
3.その他路線も大阪路線と似た傾向
その他の路線(羽田成田や大阪が絡まない路線)全体では、2000→2006年度に旅客は減少、
→2017年度にはLCCが113万人積み取ったものの、全体の減少幅はそれより大きい
即ち、LCCは減少幅を緩和したにすぎないということになる。
・ 中部/名古屋(含小牧)発着路線(含札幌行)、及び札幌発着路線(含福岡行)はLCCが稼いだ
旅客数よりも市場縮小の規模の方が大きい。
JALが中部発着便を縮小したことも一因であろう。
・ 福岡発着路線(含那覇行)は那覇との路線の増加(+59万人)が寄与して増加。
・ 那覇発着路線(既述空港を除く本土との路線や石垣、宮古等との路線、LCCは現時点では未就航)は増加傾向が続いている。
・ その他の路線(大規模空港が絡まない純ローカル路線)は市場縮小傾向が続いている。
次回(第9回)の予定です。
国内旅客の概観(7)~空港別にみた需要動向~
需要けん引は「首都圏」、「LCC」、「沖縄」
以上