貨物事業(1)~国内貨物(1)~

 

                                                                                                              2019年6月2日

(マラソン講座)データから読み解いた航空事業 

(第23回;2019年6月2日) 

 

貨物事業(1)~国内貨物(1) 

 

1.国内貨物・国内郵便; JALANA2社でほぼ独占 

 

    総需要; 貨物は87万㌧、郵便は6.3万㌧(2017年度) 

        JALANA2社でほぼ独占
総収入規模は貨物が530億円、郵便が70億円
 

 

(注) データ源が違うため、厳密な
重量内訳ではない

  

   品目(1); 大半が混載貨物、半分が宅配貨物

 

2016年度の国交省調べの結果(重量による)によりますと、

 

・ 国内貨物のうち88%が、貨物運送業者が一般荷主から集めた貨物をひとまとめにして
航空会社に運び込む混載貨物です。
航空会社が荷主から直接受けて運送する貨物は1割強ですが、その大半は宅配便貨物(直接宅配貨物)で、純粋な一般荷主からの貨物は4%にすぎません。

 

      混載貨物の中でも半分近くが宅配貨物(間接宅配貨物)です。 
直接/間接を合わせると宅配貨物は全体の半分を占めています。

 

 

   品目(2); 多いのは、農水産物、精密機械や部品、書籍印刷物

 

同上の調べで品目別に「件数」、「重量」をみると、

 

      農水産物; 少ない件数で全重量の26%を占めています。 

        地方から大都会への大口貨物が多いものと考えられます。

 

      精密機械や部品; 医療機器薬品も含めて37%の件数で32%の重量を占めています。

 

      書籍印刷物(CD等の電子媒体を含む); 36%の件数で18%の重量を占めています。
                   小口のものが多いことがわかります。

 

      衣類日用品や製造飲食品; 件数/重量ともに14%程度を占めています。

 

      その他; 4%の件数で10%の重量を占めています。

 

              (件数割合)     (重量割合)

 

    空港別貨物実績、発貨物/着貨物の割合; 大半が羽田(+成田)絡み、 発/着はバランス

 

2017年度の発着貨物を空港別にみると(下図)、

 

      羽田(+成田)で44%を占める               
⇒約9割が羽田(+成田)に絡んでいる。
伊丹(+関西)が意外に少ないのは、陸送貨物が多いためと考えられる。    

 

      どの空港も発貨物と着貨物に偏差が余なく、ほぼバランスしている(下図)。
(羽田と那覇が着貨物がやや多く、 福岡とその他空港は発貨物がやや多い)

      (空港別発着貨物の割合)

      (空港別発貨物/着貨物)

      空港別郵便実績、発郵便/着郵便の割合; 羽田+成田)からの発郵便が多い

 

・ 発郵便は羽田(+成田)と伊丹(+関西)で約2/3をを占める。 
・ 着郵便は那覇やその他空港に到着するものが比較的に多い。
  郵便物のながれは2大都市から地方への流れが大きいということである。

 

 

               (発郵便)     (着郵便)

       (空港別発郵便/着郵便)

 

以上