2019年5月19日
(マラソン講座)データから読み解く航空事業
(第18回; 2019年5月19日)
国際線旅客概観(4)~本邦会社の旅客数~
外国社は大幅積み取り増、本邦社はシェア低下
① 2017←2000年度の旅客数について、外国社と本邦社に分けて推移をみた。
・ 外国社; 2000年の3000万人弱から徐々に旅客を伸ばし、2012年以降急伸した。
・ 本邦社; 2000年の2000万人弱をピークに、それを下回る実績を続けてきたが、2016年になってやっとそれを超え、2017年は過去最高の2200万人を記録した。
・ 外国社と本邦社の旅客数の差は大幅に拡大、本邦社のシェアは24%まで落ち込んだ。
(外国社/本邦社の旅客数推移;万人、シェアは%)
② 2017←2000年度の外国社と本邦社の週間便数(旅客便)の推移をみると、
最近10年で大きく開いてきていることがわかる。
(外国社/本邦社の週間便数の推移; 出発便/週)
③ 本邦社の路線別旅客数について、2006⇒2017年度の変化をみた。
~ 本邦社は多数の路線で旅客減、増加の路線も外人需要の伸びに比べると微小 ~
・ 中国路線; 約100万人の増加。 中国人旅客が1270万人増える中での増加としては
極めて微小と思われる。
・ 韓国路線; 約40万人の減。 韓国人旅客が約1000万人増える中でのこと。
・ アジア路線; ほぼ倍増して1000万人となった。 総需要は1460万人の増。
・ 米大陸路線; 約90万人増加。
・ ハワイ/グアム線; ▲36%の旅客減。
・ 欧州路線、オセアニア路線も、外人需要が伸びる中で邦人社は需要減。
外国人需要が大きく伸びる中で、本邦社は多くの路線で需要を落としている。
増やした路線も、アジア路線を除いては外国人需要の伸びに比べれば極めて小さい。
特に+2200万人という大規模な市場拡大の中国路線、韓国路線で、それを殆どつかみ取れていないという、本邦社にとって極めて厳しい実態がある。
ひとつの理由として、LCCが近隣外国に比べて立ち遅れていることもあげられよう。
(本邦社の路線別旅客数推移;万人)
次回(第19回)の予定です。
国際旅客概観(5)~本邦会社の内訳~
JALを抜いてANAが拡大、LCCも伸長
以上