2019年5月11日
(マラソン講座)データから読み解く航空事業
(第15回; 2019年5月11日)
国際線旅客概観(1)~需要推移~
近年需要急伸、本邦会社シェア低落
1985~2017年度の国際線旅客需要と、本邦会社の積み取り旅客需要について概観しました。
1.総需要と本邦会社旅客数; 旅客数は1億人目前、本邦会社シェアは24%
① 総需要(発着旅客数);
・ 1985→2000年; 1700万人から一直線に伸び5000万人時代に。
・ →2012年; 5000万人台で横ばい推移。
・ →2017年; 急伸して9333万人に(1億人が目前)。
② 本邦会社旅客数;
・ 1985→2000年; 650万人から一直線に伸び2000万人にあと一息に迫る。
・ →2011年; 1700万人規模で低迷のあと、リーマンショック影響、JAL破綻、東日本大震災影響 等で1200万人台に減少。
・ →2017年; 回復から続伸へ、2000万人を突破して2200万人超に。
③ 本邦会社の旅客シェア;
・ 1985→2004年; 35%前後でほぼ横ばいの推移(1986~1987は約40%)。
・ →2010年; JALの規模縮小もあって30%を割り込む。
・ →2017年; ANAの規模拡大やJALの回復も、外国社の拡大規模は遥かに大きく
2017年度には24.0%となった。
2.日外人別旅客数; 拡大は外人のみ、日本人は20年前と変わらず
(注) 法務省統計をもとに国際線旅客を日外人別に推計したものです。
① 日本人需要; 20年間横ばい推移
・ 1985→1996年; 1000万人から一直線に伸び3500万人規模に。
・ →2017年; 3500万人規模で今日までの20年間はほぼ横ばい推移が続いている。
② 外人需要; 漸増から急伸へ、2015年には日外人が逆転、2017年は5600万人
・ 1985→2002年; 400万人規模から漸増で1000万人規模に。
・ →2015年; 需要増が加速して日本人需要と逆転、4000万人規模に。
・ →2017年; 需要増が更に加速して2017年には5600万人に。
③ 通過需要; 2005年をピークとして減少へ
・ 1985→2005年; 外人需要とともに通過旅客も増加、400万人を突破。
・ 以後日本を経由地とする乗り継ぎ旅客が減少し、2017年は220万人に。
(機材の航続距離が延伸して、米州=アジア/中国等の直行化が進行している。)
次回(第16回)の予定です。
国際旅客概観(2)~需要の日外人内訳~
中韓アが急伸、日本人を上回り国際線旅客の過半に
以上