2023.4.27.
米国の3大LCCであるSouthwest航空(SW)、JetBlue航空、Spirit航空、それに加えてFSCの4番手
といえるAlaska航空の2022年決算を、コロナ前の2019年と比較しつつ概観した。
なお4社ともに小型機中心に運用している(JetBlueとAlaskaはリージョナル機を併用)。
(概況)
① 4社ともに収入はコロナ前を上回った。
輸送量(旅客㍄)はコロナ前にわずかに及ばなかったが、旅客単価Upが寄与した。
但し規模を大きく拡大したSpiritは、輸送量でもコロナ前を上回った。
② 費用も主として燃油単価高騰のために増加した。
このためSWとAlaskaは利益を計上したものの、コロナ前より遥かに及ばず、JetBlueとSpiritは
黒字転換できなかった。
③
搭乗率は82~84%まで回復したが、コロナ前と比べるとやや低い。
採算ラインを示す損益分岐利用率は8~11ポイントと大幅に悪化した。
燃油高騰の影響(特にJetBlueとSpiritが大)を、旅客単価の向上でカバーしきれなかったことによる。
④
この間、SWとAlaskaは機材更新を進めた。
JetBlueとSpiritは規模を大きく拡大(特にSpirit)した。
(会社ごとの状況)
①
SWは事業規模の大きさ、収益性の高さで、他のLCC2社を圧倒している。
FSCのAlaskaは収益性が高い。
JetBlueはSpiritを吸収統合して規模拡大しようとしている。
②
SWは人件費の高さでは定評があるが、高い収入単価と搭乗率でこれをカバーして、
高い収益率を続けている。
SpiritはウルトラLCCとも呼称されているように、超低コスト・超低単価で躍進してきた。
客況の改善が進んでおり、2023年は4社ともに業績を伸ばすであろう。
以上(赤井)