2022年8月17日
国内線需要はコロナ前の85%まで回復、国際線は未だ3割
ANAが供給を縮減、代ってPeachがシェア拡大
国内の主要10社が発表した夏季繁忙期間(8/6~16日)の旅客実績を取り纏めました。
前年と比較、およびコロナ前(2019年)と比較して傾向を分析していますが、
主に後者(コロナ前との比較)に力点を置き、需要がどの程度回復したか、そして各社の勢力図が
どう変化しているかをみました。
1.概要; 国内線旅客数は331万人、国際線は26万人
① 前年との比較;
・
国内線;供給席数は前年を28%上回る453万席、
旅客数は74%上回る331万人
搭乗率は54 ↗73%と上昇
・
国際線;供給席数は前年のほぼ2倍の35万席、
旅客数は4.4倍の26万人
搭乗率は33 ↗75%と上昇
② コロナ前との比較; 国内線旅客は85%まで回復、国際線は3割となお苦しい
・ 国内線;供給席数はコロナ前のレベルまで回復、
旅客数はコロナ前より▲15%(▲59万人)少ない331万人
搭乗率は86 ↘73%と依然▲13ポイント低いレベル
・
国際線;供給席数はコロナ前の4割弱、
旅客数はコロナ前の3割程度
但し搭乗率はコロナ前より低いものの75%を確保
2.会社別概観; ANAは供給を絞り、Peachにシフト
① 前年との比較;
(国内線)
・ JALは前年の約1.5倍の供給で、2倍の旅客(110万人)を獲得
ANAも1.25倍の供給で1.8倍の旅客(127万人)を獲得
Peachも1.27倍の供給で1.24倍の旅客(24万人)を獲得
SKYとJetstar-Jは84%という高い搭乗率を達成
・ 7月29日時点の予約状況からの変化をみると;
かけこみ需要(全体で32万人)で搭乗率が8ポイント程度上乗せされた。
特にJetstar-Jは23ポイントの上乗せで、84%という高搭乗率を達成。
(国際線)
・ JAL/ANAともに前年の約2倍の供給で約4.5倍の旅客を獲得。
・ JALの供給は僅かながら逆転してANAを上回り、旅客数はほぼ同数。
② コロナ前との比較;
(国内線)
・ ANAは供給を縮減(▲13%)したことで旅客数も▲26%減。
JALはコロナ前を上回る供給(+2%)だったが、旅客数は▲14%減。
Peachは2倍の供給で、1.6倍の旅客を獲得。
反対にJetstar-Jは▲13%の供給減で、旅客も▲19%減。
他の会社は総じてコロナ前を若干上回る供給で、コロナ前をやや下回る旅客状況であった。
・ ANAの旅客シェアは5.5ポイント低下して4割を割り込み、
逆にPeachは3.5ポイント上昇して7.4%となった。
またLCC3社を合わせたシェアは9.8⇒13.1%と上昇した。
(国際線)
・ コロナ前は国際線を運航していたPeach、Jetstar-J、スターフライヤーは今期は実績がなかった。
・ 供給席数はJALが僅かながら逆転してANAを上回り、旅客数では並んだ。
その結果、逆に搭乗率はJALが下回った。
以上(赤井)