2022.1.5.
各社が発表した12/25~1/4の旅客実績(2019~2021の3ヵ年)について、予約値(12/17時点)とも比較しながら分析しました。 比較は主にコロナ前の2019と対比しています。
まず大手2社とSKYの3社についてです。
国内線はこの3社で82%(2019年度旅客数)を占めています。
1.国内線の傾向(3社の合計値)
当期の座席数は339万席で、旅客数は247万人、搭乗率は73%であった。
この数値は、コロナの影響で最悪であった前年を大きく上回るものの、コロナ前との比較では依然低い
数値と言わざるを得ない。
① 予約と実績; 平常では予約→実績で座席数は殆ど変わらず、旅客数は駆け込み需要で
増えます(2019は搭乗率にして7ポイント程度が上乗せ)。
(2020)感染急拡大により、供給を急縮小したが、旅客減も大幅で、予約時点より
▲39万人減少→搭乗率は予約率を▲5ポイントも下回った。
(2021)感染拡大を反映して供給を削減したが、駆け込み需要が18万人もあり、搭乗率は
予約率を7ポイント上回った。
懸念とは逆に、実績は上方に推移したということである。
② 2019→2021実績比較; 供給は2019を▲11%(▲51万席)下回っているが(ANAの
大幅削減が影響)、旅客数は▲28%(▲70万人)と大幅に下回り、搭乗率も
▲9ポイント下回って、コロナ前とは依然大きな開きがある。
2.国内線3社の差異(コロナ前との比較)
① 供給座席数; ANAが▲20%と大幅に供給縮減(Peachでの増を加味しても▲16%)、
JALは▲4%減、SKYは逆に+10%と増。
(注)ANAはこの供給削減がコスト(燃油等変動費)の大幅減に繋がっている。
② 供給増減の規模が、ほぼそのまま旅客増減の規模に繋がり、搭乗率のコロナ前からの低下幅は、
各社▲8~▲10ポイントとなっている。
3.国際線ANA/JALの状況(コロナ前との比較)
国際線は前年と大して変わらない厳しい状況で、旅客数はコロナ前の1割程度である。
その中で、ANAの供給縮減は大幅で、座席数/旅客数ともにJALを下回り、規模でJALと逆転した。
以上(赤井)