2022年7月17日
China Airlines(CAL)とEva Airways(EVA)は、旅客需要激減の一方で、貨物収入がコロナ前の
3倍規模となり、大幅な黒字を計上した。
(注)金額はNT$=4.63円で換算して円貨で表示
1.事業構造; 大型機が多いEVA、貨物機が多いCAL
事業の構造と規模は両社類似しているが、大型機による長距離運航はEVAが比較的に多く、
貨物事業はCALが大きい。
また、両社とも傘下に、小型機(ATR型)による国内線運航を中心とした地域航空を保有している。
CAL→ Mandarin Airlines、 EVA→ UNI Airways
2.旅客収入; 両社依然低調
年初(1~3月)にコロナの影響が比較的小規模だった2020年に対して、年間を通して影響が
大幅であった2021年の旅客収入は、コロナ前(2019年)対比でCALは▲96%、EVAは▲92%で
あった。
3.貨物収入; 増収規模はCALが大だが、EVAは貨物機増で急増
CALは、2020年にコロナ前(2019年)の1.88倍、2021には2.86倍の5753億円(2019比で
+3743億円)となった。
EVAは2020年にはコロナ前1.97倍、2021年には3.36倍の3944億円(2019比+2769億円)と
なった。
なおEVAは、2021年Q4に3機の貨物機(B777F)を追加導入しており、この稼働もあって貨物収入は
2022年上期には前年比1.52倍になっている。
4.税前損益; CALは空前の黒字、EVAも収益性回復へ
CALは2021年に515億円と空前の黒字を計上。
コロナ前はEVAの方が収益性で上回っていたが、貨物事業の規模の差で、2020年にはCALの方が上回った。
5.最近の動向; 2022年上期(1~6月)実績
旅客は依然低迷
貨物は単価高騰が続き、収入も好調(CAL3.07倍、EVA4.31倍)。
但し、CALは輸送量が前年(2021上)を下回った(0.94倍)。
以上(赤井)