2022.1.20.
政府支援金あったが▲2800億円規模の赤字。
デルタ航空と比較して収益性は低い。
米国ユナイテド航空(UA)の2021年決算(速報)を概観した。
比較は主にコロナ前の2019年比で行っている。
(USD=110円で換算した円貨で表示)
デルタ航空と比較して収益性は低い(国際線割合がDLより高いことも一因)。
1.収支状況
・ 損益; 税前で実質▲6500億円の赤字※、政府支援金(3700億円)により赤字は
▲2800億円となった。 最終損益は▲2160億円。
これには借入金増大による利息の負担増(約1000億円)も影響している。
※リストラ損等の特殊要素も除去した実質の当年度収支でも▲6400億円規模の赤字。
・ 旅客収入; 供給(ASM座席マイル)はコロナ前の63%に回復、需要(RPM旅客マイル)は
コロナ前の54%まで回復。 搭乗率は最悪だった昨年より改善し72%となった。
但し平均旅客単価はコロナ前より▲5%低かった。
なお貨物収入は倍増した。
2.財務状況
・ 手元資金はコロナ前より約1.5兆円億円増加して2兆円となっている。
一方で借入金(含リース負債)は2.1兆円増加。 加えて2000憶円強の増資があった。
その結果資金状況は約7000億円悪化した。
純資産も、2000億円強の増資をしたが、主に赤字により7000億円棄損した。
・ 昨年度末からの推移をみると、借入金が8000億円増加し、手元資金は7000億円増。
負債はほかに前受金、未払金等が増加して、赤字(▲2000億円強)や設備投資
(600億円強)による流出をカバーしたものと考えられる。
純資産の減少も▲1000億円に留まっている。
現時点ではわからないことも多いが、詳細レポート(10K)が公表された段階で、改めて眺めてみたい。
以上(赤井)