2022.1.28.
国内線需要回復と政府補助金で黒字計上、資金状況も大幅改善
米国のNo01LCCであるサウスウエスト航空(SW)の2021年決算(速報)を概観した。
比較は主にコロナ前の2019年比で行っている。
(USD=110円で換算した円貨で表示)
事業の大半が国内線であり、旅客需要はコロナ前の約8割レベルに回復。
業績も改善して実質▲1800億円の赤字ながら、政府の支援金効果で1400億円の黒字を計上。 資金状況も大幅に改善。
1.収支状況
・ 損益; 税前で実質▲1800億円の赤字ながら、政府支援金(3200億円)により、1400億円の
黒字を計上、最終利益は1000億円。
借入金増による利息の負担増は約380億円。
・ 旅客収入; 供給(ASM座席マイル)はコロナ前の84%に回復、需要(RPM旅客マイル)は79%
まで回復。 搭乗率は最悪だった昨年より改善し78%となった。
但し平均旅客単価はコロナ前より▲14%と大きく低下した。
・ 若干ながら貨物収入が増加した。
2.財務状況
・ コロナ前に比べ、借入金(含リース負債)が8700億円増加して、残高は1.2兆円となった。
またリース化(900億円)や増資(2500億円)によっても資金を調達した。
・ この結果手元資金はコロナ前より1.2兆円億円増加して1.7兆円となった。
資金状況はよく、借入金を相殺しても+5000億円上回る。
・ 昨年度末からの推移では、借入金増360億円に対し、手元資金は2400億円増えている。
利益増と減価償却費で齎されたものである。
純資産も増加して1.1兆円となり、コロナ前レベルを回復した(増資効果もあるが)。
現時点ではわからないことも多いが、詳細レポート(10K)が公表された段階で、改めて眺めてみたい。
以上(赤井)