2022.5.11
国内線はコロナ前の73%まで回復、国際線は2割に留まる。
国内主要10社から、このGW期間中(4/29~5/8の10日間)の旅客実績が発表された。
コロナの影響を大きく受けている前年(2021)からは大幅に回復したとはいえ、コロナ前(2019)と
比べると依然大きく下回っている。
ここでは主に「コロナ前(2019)」との比較で現状を解析した。
(注) 2021.年と当年の数値は各社(別表参照)公表のもの。
コロナ前(2019)の数値は、2019年に各社から発表されたGW期間中(4/26~5/6の11日間)の
実績x10/11で算出したものを使用した。
なお一部の会社では2019の応当日の実績(4/29~5/8の10日間)も発表しているが、この場合、GW初頭(4/26~28)を含まず、代わりに平日(5/7~8)を含んでいるため、上記とは少な目の数字となる(=当年の回復度がやや高めにでることになる)ことに留意。
1.全体概観
① 国内線;このGW期間中の総旅客数は266.6万人であった。
前年の約2倍であるが、コロナ前(2019)と比べると73%である。
供給席数はほぼコロナ前の規模(96%)だった。
搭乗率は88→67%と大きく下回った。
② 国際線; 総旅客数は14.1万人で、コロナ前(69.9万人)比では2割にすぎない。
但し前年からは大きく改善した。
2.航空会社別実績;
以下は供給座席数(万席)、旅客数(万人)、搭乗率(%)を図示したものである。
(Peachの2019値には統合したVanilla Airを含む。)
(国内線)コロナ前との比較
① ANAとJAL; ANAは供給を絞った(▲18%)結果、旅客数も大幅減(▲39%)。
JALはほぼコロナ前並みの供給で、旅客数は▲24%。
② Peachの躍進; 10社中でPeachの旅客数だけがコロナ前を大きく上回り、SKY/中堅3社合計/Jetstar-Jを抜いて一躍大手2社に続く3位に躍り出た。
ネットワークと規模拡大の成果による。
③ SKYと中堅3社は、コロナ前を上回る供給(105%)で、旅客数は▲14%。
④ Jetstar-Jは、供給を絞り(▲15%)、旅客数は▲25%。
順位を落としたが、比較的に高い搭乗率(82%)を確保した。
(国際線)コロナ前との比較
⑤ ANAとJAL; ANAは供給を大幅に絞った結果、旅客数は逆転してJALを下回った。
⑥ その他; コロナ前はSKY、SFJ、Peach(含Vanilla)、Jetstar-J、Spring-Jが
運航していたが、当年はSpring-Jだけであった。
(参考)駈け込み需要はどれくらい?
下表は4月22日時点の予約数と実績を比較したものであり、その差がいわゆる「駆け込み需要」と
いうことができよう。
・ Jetstar-Jが断然大きく、搭乗率の30ポイントがそれに該当し、最終的に82%を達成している。
予約率は52%とLCCにしては相当低く、その後の運賃政策によって駆け込みを獲得したものと
思われる。
・ SKY(15ポイント)もこれに類似しているようだが、最終的な搭乗率は63%にとどまっている。
・ Peach(13ポイント)も大きく、最終的に73%を達成した。
・ ANAが12ポイントとJALより大きいが、最終的な搭乗率はJALよりかなり低く終わった。
・ ADOは予約の段階で81%を得ており、これに5ポイントを上乗せした。
・ 国際線はかなり前での予約が一般的であり、駆け込みは少ない。
以上(赤井)