2021.1.6.
年末年始の旅客 前年の4割(国内線)
国際線は1/20、PeachとJetstar-Jが対照的
国内航空11社の年末年始期間中の旅客実績を、各社の発表値からまとめました。
(期間)当年;12/25~1/3日の10日間、前年;12/27~1/5日の10日間
1. 国内線; 供給は前年の8割 旅客は4割
感染拡大によるGO TOトラベルの一時停止もあって、座席供給は抑制されて前年の8割となったが、旅客数はそれより遙かに少ない4割(=▲6割減)に留まった。
搭乗率も前年(84%)の半分程度(43%)であった。
① ANAの供給は前年の82%、JALはそれより大幅に少ない70%であった。
ANAの供給には中堅3社やIBEXによるコードシェアも底上げに効いていると考えられる。
旅客はANAが前年の40%で、搭乗率は40%であった。
一方JALの旅客は前年の37%で、搭乗率は43%であった。
② SKY(スカイマーク)とSNA(ソラシド)の供給座席は前年を上回ったが、旅客数は前年の53%(SKY)、45%(SNA)に留まり、搭乗率はSKYが46%、SNAは33%と低迷した。
ADOとSFJ(スターフライヤー)の供給は前年の約9割、旅客数は約4割で、搭乗率はやはり
大幅に低下して40%前後であった。
③ LCC; Peachは事業拡大、Jetstar-Jは資金流出回避
Peachは積極的に供給を拡大(前年比+15%)したのに対して、Jetstar-Jは供給を大幅に絞りこんだ(▲34%)。
LCC事業を拡大するANAグループの戦略と、搭乗率を確保⇒収益性(資金)を確保するというJetstar-Jの台所事情とが如実に表れていると考えられる。 実際にJetstar-Jの搭乗率は68%と群を抜いて高くなっている。
【国内線の旅客実績】
座席数及び旅客数の対前年比率(折線)と搭乗率(棒グラフ)を示している。
・ SKY、SNA、Peachは前年を上回る座席数、一方Jetstar-JとJALは少ない。
・ Jetstar-Jの搭乗率は68%と他社(30~40%台)より大幅に高い。
2. 国際線; 旅客は前年の1/20、搭乗率は2割
旅客の動きは依然止まったままである。
ANA/JALともに供給座席は前年の約2割、旅客数に至っては前年の5%(20分の1)で
あり、搭乗率も2割レベルである。
SKY/SFJ/Jetstar-Jは運休したままであり、Peach/Spring-Jは運航しているものの、ごく少数の実績に留まっている。
【年末年始期間中の各社の実績】
(当年)12/25~1/3の10日間、(前年)12/27~1/5の10日間
(注) 各社は今回の発表では、前年実績として今年の期間との対応日(12/25~1/3)
の数値をあげているが、このレポートでは前年の年末年始期間(12/27~1/5)の
発表値を採用した (総じてピーク期間をフルにカバーする後者数字が若干大きい)。
以上