コロナ禍の影響が著しい米国の航空会社の中で、利益を計上した航空会社がある。
専らユナイテド航空やアメリカン航空の地域路線を運航受託しているMesa航空で、安定して黒字を続けている。
機材をリージョナルJetのE175やCRJに絞り、資源を「運航」に特化して低コストを実現、主要両社の地域路線ブランド(United Express、American Eagle)を支えている。
2020年からは物流会社DHLの運航受託(貨物専用機)も開始した。
同種の航空会社にSkyWestがあり、規模はMesaの約4倍である。
こちらはDeltaを含む主要3社とAlaska航空をも運航受託している。
2020年は営業利益を計上したが、金利負担のために税前では損失となった。
Public航空も同種の事業形態である。
規模はMesaを上回るが、経営再建の途上にある。
以下Mesaを中心に、これら3社を眺めてみたい
MesaとSkyWestの収支(2020)
政府からの給与補助金(Mesa91億円/SkyWest373億円)が貢献して、両社営業利益を計上。
但しSkyWestは支払利息のために税前では赤字。
両社の財務状況は類似。
借入金への依存度が高い。
Mesaは安定して利益を計上。
従業員の割合(Mesa);
乗員が3/4、ディスパッチャー、整備をあわせれば92%
費用構成; 収入に対して乗員費/機材費/整備費で3/4、利益は9%
燃油費、空港使用料、ハンドリング費等は運航委託会社が負担
1便当りの指標
1回の飛行は1.8時間、
1日の飛行は4.8回
収入(運航受託)は30万円程度
ANAやJALグループに当てはめてみると;
子会社のANAウイングやAirJapan、そしてJ-airがあてはまり、
ANAとコードシェア関係にあるIBEX(大半がANA席)もこれに近いと思われる。
以上(Y.A)