2020年度は収益性でANAがJALを逆転
(ANA)
Q4の売上高は、前回予想値を▲150億円(-7%)下回ったが、
営業費用が▲550億円(-15%)少なく、営業損益は+400億円改善。
営業外収支も100億円改善、また特別損益・税金要素も大きくプラスとなり、最終損益は+1050億円
改善する。
需要に合わせた供給削減による変動費の削減効果や固定費の削減効果が、売上げ減を上回った
ことによる。
営業外収支は資産売却や助成金が関係していると思われる。
また特別損益・税金要素では、繰延税金資産計上額の増加(将来の黒字からの税金差引)により
当期赤字が圧縮される。
この結果、2020年度の経常損益は▲4500億円、最終損益(親会社帰属)は▲4050億円となる
見込み。
(JAL)
Q4の売上高は、前回予想値を210億円(+20%)上回り、一方営業費用等が若干下回るため財務・法人所得税前損益は+220億円改善する。
前回予想では大幅減便による減収を見込んでいたが、貨物も含め需要はそれを上回り、他方変動費の抑制や固定費を削減したことによる。
収益性改善に伴って税額も増えることで、最終損益は前回予想より+130億円の改善となる。
この結果、2020年度の財務・法人所得税前損益は▲3980億円、最終損益(親会社帰属)は▲2870億円となる見込み。
(収益性のANA・JAL逆転)
ここ数年の傾向として、収益性ではJALがANAを上回っていた。
(参考)営業利益率; (2018) (2019)
ANA 8% 3%
JAL 12% 7%
2020年度は逆転、損失率はJALが大幅となる。
ANA(経常損益率) ▲62%
JAL(財法前損益率) ▲83%
以上(Y.A)