2020.8.23
国内線の運航規模は更に縮小(9月)
わずか1か月で、全面復便↘▲4割減へ
国内線の運航規模縮小に歯止めがかからないようだ。
1)1ヵ月前には、お盆期間ピーク期の座席は、各社ともに全面的に復便したスケジュールで
販売されていた(国際線への成田フィーダー便は除く)。
(参考1) 7/21時点では8/8の便数はほぼ当初予定どおりであった(運航率99%)。
2) しかしながら、感染が再び急拡大、東京がGO TOキャンペーンの対象から除外された。
需要回復の勢いは一挙に殺がれ、予約キャンセルが拡がった。
これを受けてANA、JALは急遽減便に踏み切った。
(参考2) 8/10のANA、JAL便数は約10%減少。(全社運航率は91%)
3) 感染拡大は全国に拡がり、特に沖縄では爆発的と思われるほどとなった。
お盆期間中の需要は振るわず、実績は7月末時点での予約数すら下回るほどであった。
この事態に、国内各社は、盆経過後の大幅減便に踏み切った。
(参考3) 8/19の運航率は69%(8/9時点の数値)。
4)そして今(8/23時点)、各社の9月5日の運航状況をみると、減便は4割を超えている。
特に沖縄路線で大きく減便された。 また多便数路線では便の集約も目立つ。
(参考4) 9/5の運航率は58%(8/23時点の数値)。
5) 赤字によって各社の資金流出の勢いは緩むことなく、手元資金の目減りを軽減するためには、収益性に敏感にならざるを得ない。 例えば、搭乗率30%(LCCでは40%程度)を下回れば、燃油費等の変動費すらカバーできないであろう。
国際線での資金出血の大きいANA、JALは無論のこと、LCCのJetstar-Jや、LCCモデルに近いSKYの減便率が高いのもうなづけよう。
一方国際線の全面運休が続き、遊休的機材を抱えるPeachは、ANAの資金的支えも受けて、国内線の運航規模確保に努めていると思われる。
但し地方路線(JALに多い純ローカル線や、地方航空会社では、もともと便数規模が少なく、
公共的役割もあって、運航率は高めとなっている。
【国内線の運航状況の推移】
《参考》 ANA、JALの9月5日の路線別便数(8/23時点での状況)は下図のとおり。
幹線、羽田=ローカル線では、両社の自社便数は拮抗しているが、ANAは中堅3社等の
コードシェア便が多く、それが格差となっている。
一方JALは、地方のローカル線が多い(コードシェアもここに集中)ことが特徴といえる。
【ANA、JALの路線別便数(9/5の運航便)】
以上