2020.8.18.
お盆期間の旅客実績
国内線はキャンセル多数で予約を下回る
国内航空各社が発表したお盆期間中(8/7-8/16)の旅客実績をとりまとめました。
移動自粛の解除で需要が回復の兆しを見せ、GO TOキャンペーンも発表されたことで、各社は
こぞって国内線の復便を急いだが、その後の感染拡大と東京がキャンペーン対象から外されたことも
あって、需要は急速に収縮し、激甚な落ち込みとなった。
(注)国内航空会社のうち、AirAsia-Jと地方航空(ORC等)は含めていない。
数値は各社の公表値による。
1. 概要;
・ 国内線旅客数は前年の約1/3に落ち込み117万人、
国際線は▲96%落ち込みわずか2万人。
・ 国内線は7月31日時点での予約よりも▲11万人も下回る結果となった。
国際線はほぼ予約なみ。
2. 予約対比;
・ 国内線は7月31日時点の予約(129万人)からキャンセルが大手2社(特にJAL)に
多数発生、例年なら出発日までに多くみられる、いわゆる駆け込み需要が振るわず、
7月末時点の予約数を下回る実績となった。
・ 大手2社は急遽減便を実施して出費の抑制を図った。
(注)旅客が少ないと、燃油費等の変動費をカバーできず、かえって出費が嵩む。
搭乗率3~4割が分岐目途と考えられる。
・ 旅客が少なくなったための減便か、減便によって旅客が減ったのかについては、
前者とみるのが妥当と考えられる。
・ 国際線は、もともと運航規模、旅客数ともに少なく、ほぼ予約並みの実績であった。
3. 前年対比;
(国内線)
・ 国内線は大手2社の減便が大きく、供給座席数は全体として約2割減となった。
一方旅客数は▲65%減(335→117万人)となり、搭乗率は大幅に下落(87→37%)
した。
・ Vanillaを統合したPeach、路線を増強したソラシド/FDAは供給増となったが、搭乗率は低迷した。
・ Jetstar-Jのみ搭乗率は60%だったが、ほかは50%に届かず、大手2社は30%台
だった。
なお、前年のVanilla(39千席/35千人)実績を足元数値に加味すれば、
「その他会社」の席数も前年以下となる。
(国際線)
・ 国際線は実質的にANAとJALだけの数値で、Peach,Jetstar-J、SFJは全便運休で
であった。
(前年はこの3社とVaillaで117千席/103千人の実績があり、減少率はこの表に
示されている以上に大きいといえよう。)
・ ANA/JALの供給規模は前年の1割程度で、旅客数はそれを大きく下回る3~4%であった。
・ 搭乗率は3割を下回っており、収入単価がよほど高くない限り、変動費すら回収でき
ていない状態ではないかとすら思われる。
4. 会社ごとの内訳
航空会社ごとの実績は以下のとおりです。
以上