カンタスとJetstarを概観する(2/2)
2018年6月4日
1.QFとJetstarの収益性
QFのIR資料(2017年6月度)をもとに算出した収益性指標は以下のとおり。
(AUD=82.87円で換算)
・QF+Jetstar全体の収入規模は1.3兆円。
うちJetstarグルーフは4225億円(含Jetstar Asia※)。
※Jetstar Asiaの業績はQFの連結決算に含めて処理されている。
・QF国内線・国際線、Jetstarグループともにかなりの利益を計上している。
・中でもQF国内線の利益率が高い。
搭乗率は76%と低いながら、B/Eが60%台と低いためであり、これは高い収入単価
(㌔単価16円)によると考えられる。
(この点では日本の大手2社の国内線事業構造に類似)
・QFの国際線旅客の平均距離は非常に長い。
・Jetstar収入の際内内訳は非公表。
・JetstarはNew Zealandの国内線も運航しているが、9機のA320と5機のQ300とい
う体制であり、かなりの規模といえよう。
・QFは常顧客を題材とした事業を独立管理している(ロイヤルティ事業)。
2.QFグループの貸借対照表(2017.6末)
QFのIR資料(2017年6月末連結決算)をもとにした財務状況は以下のとおり。
(AUD=82.87円で換算)
・ 資産に占める有形固定資産(殆どが航空機、機材前払金を含む)が極めて大きい。
・ 無形固定資産の主なものはソフトウエアである。
・ 前受金は、前受運賃のほかにフリークエントフライヤープログラムの負債(1857億円)を含む。
・ 留保利益は404億円と小さい。
以上