ANA/JAL 2018年度第一四半期の決算について
2018年8月1日
この度発表されたANAとJALの連結決算数値を簡単に比較しました。
1. 2018年度Q1決算概観; 図表1、図表2を参照
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両社とも増収。 営業利益はJAL横ばいに対し、ANAは若干の減少。
ANAは4849億円の収入で営業利益201億円。
JALは3421億円(ANAの約7割)で営業利益は249億円。
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両社とも特に国際旅客は大幅増収。
ANAの国際旅客収入は国内旅客とほぼ同額になり、
JALは逆転して国際旅客が国内旅客を上回った。
また国際旅客の増収幅はJAL(+193億円)がANA(+168億円)を上回った。
・ ANAはその他の収入(他社ハンドリングや商社等)の伸びも大。
・ 最終損益は両社ともに減少した。(ANAは前年にPeachの吸収益あり)。
なお、通期の収支見通しは、両社ともに5月時点と変わっていない。
(ANAについてはB787エンジン問題の影響がどの程度になるかが注目される。)
《ANA/JAL収支比較》
2.2018年度Q1の旅客指標;
・ 国内旅客; 両社ともに旅客数+3%、旅客単価▲2%、収入は+1%であった。
搭乗率は向上したが、LCCや海外FSCと比べれば低めの60%台。
・ 国際旅客; JALの増収幅は+193億円で、ANAのそれ(+168億円)を上回った。
アジア・オセアニア線、欧州線、リゾート路線の伸びが上回ったようだ。
JALの搭乗率は81%超のレベルとなり、ANAも向上して75%となった。
・ 旅客事業の収益性; 採算ラインを示すB/E(簡易的に算出した損益分岐点)は
ANAの方がやや低い66%台(JALは68%台)⇒JALは高い搭乗率で
利益をあげているが、今後の収益性の伸びしろという点ではANAの方が大きいということになる。
・ ANAのLCC; Peachの伸びが貢献して、収入は前年比+9%の211億円となった。
搭乗率もさらに向上して86%となった。
旅客㌔単価(内際込み)は8.2円であり、ANA本体(国内線16.2円、
国際線12.5円)に比べてかなり低いものになっている。
《ANA/JAL旅客指標比較》
《ANAのLCCの旅客指標》
・Peachの旅客㌔は+16%
・旅客㌔単価(内際込み)は8.3円
・搭乗率は86%
《国際旅客収入の路線別比較(概算で試算したもの;億円)》
・ANAはリゾート路線を除き、JALを大きく上回っている。
・JALは欧州線、アジア・オセアニア線、リゾート路線の伸びが貢献して、前年Q1比の
以上