2017年1月9日
主席研究員 森﨑 和則
「Tobi-Fudo知ってる?」、台湾の航空会社でパイロットをやっている友人から、こんなタイトルのメールが突然送られてきました。何を言っているのかと思いながら、メールの内容を読み進めると、「Tobi-Fudo」とは東京にある「飛不動」と言われるお寺のこと。
彼は、その「飛不動」で販売している千社札風のスティッカーをフライト・バッグに貼るのがパイロット仲間で流行っているので、私にそのスティッカーを買い求めて欲しいという内容。頼まれると断れない性格の私は、ネットの情報を頼りに足を運んでみました。
(質素な造りの本堂)
既にご存じの方も多いかと思いますが、「飛不動」を簡単に紹介しましょう。場所は台東区の浅草と三ノ輪の中間にあり、寺号を龍光山 三高寺 正寶院、ご本尊を飛不動明王とする天台宗のお寺です。飛不動尊の由来はパンフレットによると、1530年の創建後まもなく、住職がご本尊を背負って修行に出たある日、ご本尊が留守中の江戸のお寺に人々が集まり、一心にお不動様に祈願をして江戸に飛び帰って、人々の願をかなえたとのことです。1700年代には既に飛不動尊と呼ばれていたようですが、「空を飛び来て衆生を守りたもうお不動様…飛不動尊」となったとか。
近代に入って、航空機と空飛ぶお不動様が結びつき、航空関連の仕事に携わる人たちや、
海外旅行をはじめ海外転勤など飛行機を利用する人まで、航空安全や道中安泰を願う参拝者が訪れています。境内の絵馬かけ所には「海外旅行に行く友人の無事を祈っています」、「航空管制官試験合格報告」の他に「パイロットになれますように」や「CA受験合格祈願」などの絵馬が多くかけられています。更には明らかに外国人の人たちが書いた絵馬もチラホラと見られます
(日本語の他に英語で書かれた絵馬が)
全国に航空に纏わる神社仏閣がありますが、前述の通り台湾からのメールがなければ
ここを知ることはなかったでしょう。昨年の訪日外国人数が2400万人を記録しそうだとのニュースもありましたが、ひと頃の爆買いブームが落ち着いて、リピーターを中心に私たち日本人が考えもしない所を訪問する人たちが増えているようです。もしかすると航空関係者を中心のパワースポットとして国籍を超えて訪れる人が増えるかもしれませんね。
(友人が欲しがったスティッカー)
(絵馬の中央にはジャンボらしき飛行機が
飛んでいる)