国内線旅客市場と、その中でのLCCについて、4つの市場に区分して現状(2015年度ベース)を把握・分析し、最後に今後の展望を6回シリーズでお届けします。
国内線LCCの現状分析と国内市場の展望(1)
~ 全体の枠組み ~
2017年1月19日
国内線旅客市場と、その中でのLCCについて、4つの市場に区分して現状(2015年度ベース)を把握・分析し、最後に今後を展望した。
1. はじめに; 方法と市場区分
① 現状把握の方法
・ 方法;数字は国交省の統計、各社公表の数値、そして逆算や理論値等による推計などの加工作業によって算出した。
・ 対象年度; 2015年度。 但し会社の事業年度の相違で3ヵ月程度のズレを含む。
・ 首都圏2空港(羽田・成田)、関西圏3空港(伊丹・関西・神戸)は一括りとした。
⇒例えば首都圏と関西圏を結ぶ路線は1つの路線としてカウントした。
② 市場区分
国内線総旅客数(9,606万人)を対象に、市場を下記4つに区分した。
1)首都圏2空港(羽田・成田)をベースとする市場
2)関西圏3空港(伊丹・関西・神戸)をベースとする市場
3)中部空港をベースとする市場(小牧は含まない)
4)それ以外の空港間を結ぶ市場
③ 各市場の旅客数は下図のとおりである。
・ 首都圏市場はけた外れに大きい(6,484万人;全体の67%)
・ 関西圏市場はその35%だが、首都圏との路線がそのまた38%(857万人)を占める。
・ 中部空港市場、その他市場(3市場圏を除く)の規模は比較的に小さい。
《図表1》国内線旅客の市場区分と旅客数(万人)
2. 市場別に見たLCC就航状況と旅客数
・ 各市場の旅客数を、LCC就航路線と未就航路線に区分したのが図表2である。
・ また市場別にLCC旅客数を表わしたのが図表3である。
・ LCC就航路線の旅客数は6,313万人で、総旅客数の約3分の2にあたる。
・ そこでLCCはその15%にあたる932万人の旅客を運んでいる。
・ 未就航市場の規模は、首都圏は大きいが、関西圏と中部空港は小さい。
・ 関西圏市場ではLCCシェアが高いが、首都圏市場では低い。
《図表2》市場別にみたLCCの就航状況
《図表3》市場別にみた旅客内訳
以上