国内線LCCの現状分析と国内市場の展望(5)
~ その他市場 ~
2017年1月19日
1.「その他市場」の規模
・ 既述の3市場を除く「その他市場」の規模は1,271万人である。
・ その中には3市場に準じる4大空港(※)の市場が含まれる。
(※)新千歳、仙台、福岡、那覇
・ この4大空港の発着のべ旅客数は5,100万人にもなるが、3大市場(首都圏、関西圏、中部空港)絡みの旅客が3,700万人に及ぶ。
それらの需要を差引いた、いわば「4大空港市場」独自の旅客数(2015年度)は、
4大空港間の344万人と、4大空港=第3空港の729万人;計1,073万人である。
・ 更にこの4大空港も除いた第3空港間の旅客数は198万人ということになる。
需要の小規模な路線の集合体といえる。
・ ここでは「4大空港市場」(除既述の3市場)について眺めることにする。
・ なお、この市場でLCCの就航路線は「福岡=那覇」のみである。
《図表1》「その他市場」の旅客規模
2.「4大空港市場」の内訳と主なLCC未就航路線
・ 下図表は4大空港毎の旅客内訳を示したものである。
・ 各空港ともに発着旅客数は多いが、既述の3大市場圏路線の旅客数を差引くと半分以下となる。
例えば新千歳の発着旅客数は1,753万人だが、首都圏など3大市場圏の1,462万人
(発着旅客数の83%)を差引くと291万人ということになる。
更に4大空港間の旅客(131万人)を差引いた、第3空港との需要は159万人という
ことになる。
そのうち女満別線(18万人)など主な10路線の旅客数は108万人となっている。
・ 4空港間では、福岡=那覇(170万人;LCC就航)、新千歳=仙台(72万人)、福岡=
新千歳(51万人)の需要規模が大きい。
・ 4空港と第3空港間の路線では、那覇=石垣、那覇=宮古が100万人超、福岡=宮
崎が49万人であるが、あとは30万人未満である。
《図表2》「4大空港市場」の旅客内訳
3.福岡=那覇線の旅客状況
・ ANA、JAL、SKYの間にLCC(Peach)がDaily1往復で参入。
・ 4社とも同じような小型機材(B737、A320)で運航(ANAのみ中型機混在)している。
・ 既存3社が60%台の搭乗率であるのに対し、LCC(Peach)は87%という突出した搭乗率を達成している。
《図表3》LCC就航路線旅客の会社別内訳
以上