NA/JAL 2017年度第一四半期決算について
2017年8月2日
この度発表されたANAとJALの連結決算数値を簡単に比較した。
1. 損益計算書概観
(収入) JALは+6%増、ANAは国際旅客の規模増や新たなPeachの収入等により+12%の増。
(費用) 両社ともに整備費や人件費・委託費の増等(ANAは規模増に伴う燃油費等の増も)により、増収幅 をやや下回る増となった。
(2017年度見通し) ANAは年度当初の見通しを変えず、JALは上方修正した。
その結果、営業利益は両社1500億円規模で、ほぼ並んだ。
2. 旅客に関わる指標概観
(国内旅客) 両社ともに供給座席㌔はほぼ前年並みだったが、旅客は増え、搭乗率は上昇。 増収幅は JALがやや上回った。
(国際旅客) ANAは+8%の供給増で、旅客㌔はそれを上回り搭乗率は上昇、旅客単価上昇もあって、収 入は+13%増加した。
JALはほぼ前年並みの座席㌔で旅客㌔は増加し、搭乗率は更に上昇して80%を超え、収入 は+6%増となった。
3. 財務体質(貸借対照表)概観
(JAL) 1.7兆円の総資本のうち、純資産は約1兆円(57%)。
有形固定資産(航空機等)が8500億円あるが、有利子負債は約1000億円。
留保利益は約6300億円で純資産の64%を占める。 手元資金は3900億円。
(ANA) 2.4兆円の総資本のうち、純資産は1兆円弱(40%)。
設備投資は大きく、有形固定資産(航空機等)は1.4兆円。
これを有利子負債7200億円、株主出資6000億円、留保利益3600億円で賄う
形となっており、手元資金は3100億円。
前年度末からの変化巾では、資産では無形固定資産(含のれん)と航空機など有形固定資産の増が大きく、負債では売上未決済(収入の前受金?)、純資産では利益剰余金が大きい。
以上