(経営数値でみるLCC-4)
世界の主要LCCの比較
2016年9月30日
これまで3回にわたってみてきた世界の主要LCCについて、主な指標を比較した。
日本のLCC3社も参考として併掲した。
1.規模と収益性の指標比較
① 規模;Southwestが突出して大きくRyanairが続く。この2社は旅客数1億人を突破。
これにeasyJetとJetblueが続き、かなり離れてAirAsiaが位置する。
② 利益率; AirAsiaXを除き、いずれも20%前後の高い利益率を示している。
③ 搭乗率; AirAsiaXを除き、いずれも80%を超える搭乗率を示し、欧州2社は90%超となっている。
④ 収入単価(千㌔当り);AirAsiaが最も低く、米国2社は高い。
欧州2社はその中間。
⑤ 座席コスト(千㌔当り);AirAsiaが極端に低いが、グループ他社への機材リース収入が多く、それが費用の控除項目として機能しているのも影響している。
Ryanairの座席コストも4,000円台と低い。 Southwestと欧州2社が6,000円台。
⑥ 有利子負債依存度;AirAsiaは借入金等への依存度が非常に高く、Ryanairが続く。
米国2社とeasyJetは10~20%。
⑦ 留保利益; Southwestは留保利益が大きく、RyanairとeasyJetが続く。
《図表1》事業規模と指標の比較(2015年度)
《図表2》旅客単価(千㌔当り)と搭乗率の比較(AirAsiaXは除く)
《図表3》財務状況の比較
2.座席コスト(千㌔当り)の内訳
① AirAsiaのコストは2,000円台と極端に低いが、グループ会社に賃貸している機材の収入などの費用圧縮効果が1,000円あることの作用もある。
② Southwestは人件費がコストの4割以上を占めている。
Jetblueもそれが高めである。(easyJetの人件費は不明)
③ 欧州2社は空港使用料等、空港でかかるコストが高い。
《図表4》コストの比較;グラフ
《図表5》コスト内訳;表
以上
(数字の訂正)
「経営数値で見るLCC-1」にて紹介した中で、AirAsiaXの以下の数値が間違っておりましたので下記のとおり訂正します。