日本の航空旅客マーケット ミニ概観
2015年8月31日
日本の航空旅客市場について、2013~2014年度の当局資料や各社の資料をもとに、若干の推定を加えて、概観してみた。
1.国内旅客市場
2014年度の旅客数は約9,400万人、うちANAがその46%の4,300万人※。
LCCはその8%の760万人で、スカイマークや中堅3社(Air Do、ソラシド、スターフライヤー)を上回る。但し今夏繁忙期のLCC4社のシェアは10%を超えた。
(※)ANAは中堅3社やリージョナル会社とのコードシェアを活用しているが、
その旅客数は約4%にあたる350万人強と推算される。
《図表1》2014年度国内線旅客数とシェア
《図表2》2015年夏季繁忙期の国内線旅客シェア
2.国際旅客市場
① 2013年度の旅客数は約6,000万人、うち日本の航空会社はその25%の1,500万人。
2014年度の日本の航空会社の旅客数は140万人増えて約1640万人となった。
またANAとJALの旅客数はほぼ同じ規模となった。
② 2014年度の収入をもとにしてJALとANAを路線別に比較すると、
ANAは欧州線と中国線でJALを上回り、
JALは大平洋線とアジア&オセアニア線で上回っている。
《図表3》2013~2014年度国際線旅客数とシェア
《図表4》2014年度国際旅客収入の路線別JAL/ANA比較(単位;億円)
③ 2015年8月最終週の日本発着便数をみると、
1日の便数(往復ベース)は639便で、うち日本の航空会社はその28.5%の182便。
中国・韓国・台湾の航空会社は合計246便(38.4%)で、日本の航空会社を大きく
上回り、外国社の過半を占める。
(日本の航空会社の内訳)
JALの10.9%(系列LCCのJetstar-Jを合わせて11.1%)に対し、
ANAが13.4%、系列LCCのPeachとVanillaを合わせると16.3%となる。
貨物専用会社のNCA(1.1%)を除いてみれば、ANA系で日本側の約6割をを占める
に至っている。
日本の航空会社の便数シェアが低いのは、地方空港発着便が殆ど無いことも影響している。(諸外国では、その国の航空会社の便数シェアが半数近くを占めているのが一般的である。)
《図表5》日本発着便数(往復/日)とシェア(CAPA資料による)
(Y.A)以上