2025.3.2.
Air Do(ADO)とソラシドエアについて、公表された資料をもとに、
若干の推算も加えて、両社の収益力を分析、考察しました。
(はじめに)
1)両社は共同持ち株会社であるリージョナルプラスウイングスのもとに
あってお互いに協業関係にあります。
2) リージョナルプラスウングスの主要株主として、
・日本政策投資銀行が25.87%
・ANAホールディングが 15.30% があります。
3)両社は全便をANAとコードシェアしていて、ANAへの座席販売収入は
営業収入の約3割を占め、収益性に大きく影響しています。
(2023年度実績)ADO30%、ソラシド33%
1. ADO/ソラシドの上期損益
(ADO)当期営業利益は45億円、利益率は16%と高収益力。
(ソラシド)当期営業損益は▲2億円と赤字で、前年の9億円から悪化。
前年比では収入増を上回る大幅な費用増(+11%)が
収支悪化に繫がっている。。
2. 年度の予想損益
営業損益でみると;
(ADO)下期は収支悪化して▲27億円の赤字、通年で黒字は18億円と予想。
(ソラシド)下期は収支が上向いて7億円の黒字、通年では5億円の黒字を予想。
両社を連結したリージョナルプラスウイングスの通年の営業利益は16億円。
両社ともに通年の営業収益は528億円で一致。
3. 各種指標でみるADO/ソラシド
(保有機材)ADOは中型のB767(288席)と小型のB737-700(144席)
の全12機。加重平均した座席数は192席。
ソラシドは小型のB737-800(174席が主)が14機。
(ANAへの座席販売)両社全便コードシェアでANAに座席販売しており、その割合は
ADOが33%(平均64席程度)、ソラシドは39%(68席程度)。
(便の平均的な姿)
ADO; 自社席128に105人の旅客で搭乗率は82%。
便当り収入は227万円(含ANA収入)で費用は190万円
利益は37万円。
1人当り旅客収入は国交省資料によれば14900円。
1席当りコストは9880円。
1機の稼働は平均して日に5.5便(路線距離は952km)。
ソラシド; 自社席106に77人の旅客で搭乗率は72%。
便当り収入は176万円(含ANA収入)で費用は178万円
損益は▲1万円の赤字。
1人当り旅客収入は国交省資料によれば14200円。
1席当りコストは10200円。
1機の稼働は平均して日に5.6便(路線距離は1108km)。
(前年対比すると)
ADO; 供給増+1%に需要増が伴い、搭乗率は横ばい。
旅客単価は若干低下(-2%)したが、座席コストの低下(▲8%)が
大きかったことで収益性が向上した。
ソラシド; 供給は▲3%の減、他方需要は+3%のUPで搭乗率は
68→72%と大幅に上昇。収支改善に結びつく指標であった。
しかしながら、収入単価▲2%低下と座席コスト+11%上昇と
収支悪化要素が大きく、全体として黒字→赤字となったもの。
以上(Y.A)