2023.8.4.
両社、コロナ前を上回る好決算
貨物減収はANAが大幅
JAL/ANAの2023年度第1四半期決算を簡易比較しました。
(注)両社の会計基準や統計基準が異なるところがあり、厳密な比較ではありません。
第1四半期の決算はJAL/ANAともに好決算でした。
JAL 営業利益309億円、利益率8%
ANA 同 438億円、 同 9%
これはコロナ前の2019年度Q1を上回る利益です。
特にJALは前年の大幅赤字から大きく改善、対前年改善度ではANAを上回りました。
収入増率がANAより大きく、費用増率が小さかったためです。
前年Q1との増減差を細かくみると;
旅客収入(国際/国内/LCC)ではANAの増率が1.88倍と大きい。
他方ANAの貨物郵便の減少率が▲56%で、JALの▲47%より大幅減となりました。
また「その他収入」でJALが+144億円(1.29倍)と大幅増でした。
マイル・ライフ・インフラ事業収入の拡大とのことですが、詳細はわかりません。
旅客/貨物収入の内訳をみると;
(国際旅客)
需要(旅客㌔)はコロナ前の8割に満たないものの、収入単価が大幅に上昇※して
収入は両社ともにコロナ前を超えました。
※㌔単価は(コロナ前比) JAL1.51倍、ANA1.36倍
(国内旅客)
収入は両社ともに前年の1.4倍でしたが、コロナ前には届かず。
ANAは供給を絞っている関係で減収規模が大きい。
(LCC)
ANAはPeachを積極拡大しており、旅客収入は対前年1.34倍
JALはZIPAIRを急拡大している。
(国際貨物)
両社ともに運賃高騰のメリットが弱まり、単価の大幅低下で収入は半減。
ANAの輸送量はコロナ前より下回り、収入は▲6割減となった。
今後NCAを買収して、さらなる貨物事業の規模拡大を控えており、今後の収益性の動向が
気になるところです。
JALも輸送量はコロナ前を上回ったものの、収入は▲54%減。
以上(Y.A)