2023.2.4.
(はじめに)今般公表のANA/JAL第3四半期決算資料をもとに、
・ 両社はコロナ前(2019年)からどう変わったか?
・ 違いはどこから生じたか? を解析した。
(注)両社の会計基準は異なる、JALはコロナ前とでも異なる
→ データ採りを工夫し、極力近似の条件で比較した。
分かり易さ、説明のし易さのために、結論は断定調とした
→ 中には実態との齟齬があるかもしれないことをお含みおき下さい。
1.まず結論!
(コロナ前)両社の利益は同程度ながら、利益率では収入規模の小さいJALが勝っていた。
(現状) ANAがJALを逆転して収益性では大きく勝っている。
ANA; 利益額はコロナ前より少ないが、利益率では若干上回った。
JAL; 収益性がかなり低下した。
(3つの理由)① ANAは供給を絞り、運航費用を大幅に削減した。
→ 減便+小型化(大型機を大規模退役)による。
(JALが再建時に採った施策を彷彿させる)
JALも機材数を縮小したが、一方で大型A350を大量購入。
→ 設備投資による資金流出増、機材費が増加。
但し今後その新鋭機導入の効果が出るのではないか。
② 貨物の増収効果は、貨物専用機を持つANAの方が大きかった。
③ 人件費削減は、ANAの方が深堀りした。
(通年の利益見通し)
ANA; 前回より上方修正して営業利益950億円としたが、なお保守的?
JAL; 前回より下方修正して財務法人所得税前利益を500億円としたが、
なお楽観的?
次回以降のレポートで、解析結果からその根拠を述べます。
以上(赤井)