2023.11.15.

スカイマークの上期業績

  営業利益32億円(利益率6%)。
  通期56億円、収益性悪化要素は当面見当たらず。 

 

 

スカイマークの2023年度上期業績について、公表資料をもとに略視しました。

 

1.上期決算(収支)

 

営業収益520億円で、営業利益は32億円(利益率6%)でした。

為替差益の効果等によって、経常利益は60億円に達しました。

為替差益は、支払いドル分を円高レートで予約していた効果と考えられます。

 

Q146月)の営業赤字をカバーしての黒字計上は、搭乗率が大幅に向上(Q285%)

  したことと、旅客単価が大幅に向上したことによります。

 

  下期もこの好調が続き、通期の営業利益は56億円、経常利益も同額を見込んでいます。

  但し、為替環境が大幅に逆ブレするとは思えず、上期の差益はそのまま残り経常利益は、その分上振れ

  すると考えるのが自然でしょう。

 

  税金の関係もあるので、最終損益は予想通りになると思われます。

 

 

2.インテグラル保有株式の鈴与への譲渡

 

現在インテグラル機関が保有している株式の多く(13.01%相当)が、静岡ベースの物流会社

「鈴与」に譲渡されることが発表されました。

これにより、鈴与は筆頭株主となり、ANAUDSエアライン投資事業組合(政投銀とSMBCが出資)と

続くことになります。

 

鈴与の売上げは1477億円、営業利益は58億円(20228月期)。

但しグループ会社をあわせれば、売上げは1800億円強、営業利益は約100億円。

 

スカイマークの機材はB737-800型が29機です。

一方鈴与の航空部門であるFDA(フジドリーム・エアライン)はE170型が16機です。

 

路線はSKYは羽田等主要空港間が中心なのに対し、FDAは地域路線が多く、両社の重なりは

ありません。

 

 

 

3.スカイマークの品質

 

SKYは定時運航率が高く、6年連続1位を続けています。

また日本生産性本部による調査では顧客満足度が高い(20202022年に続き2023年も

1位となっています(2023はスターフライヤーと同率1位)。

 

 

 

 

(所感)SKYは需要の太い羽田関連路線を中心に、コスト効率のよい小型機で運航、

      大手2社や競合中堅他社に比べて低運賃を提供して高い搭乗率を得ています。

 

      

      よほどの事項が発生しない限り、収益性悪化の事由は見当たらないと思います。

 

                                                 (Y.A)