2024.2.11.
好調な収益性で大幅増配へ
スカーマーク(SKY)が公表した第3四半期(Q3)決算を概括しました。
1.収支概要
① 営業収入は前年比25%増、費用も23%増加したが、営業利益は53億円(利益率7%)を
計上した。
為替差益等もあって経常利益は64億円であった。
② 第4四半期も若干の利益を見込み、通年の営業利益は56億円を見込む。
経常利益もそれと同額の56億円を見込み、最終損益は過去の税金調整
→それを上回る58億円と予想している。
なおQ3にあった営業外収支の11億円は通年では消える勘定だが、実際は残るのでは?
→最終的にはこれより上振れすると思われる。
この好調を反映し、年間配当は前年(5円)を大きく上回る21円と発表。
なお、鈴与HDは11月にSKYの株式をの13%をインテグラル社から買い取り、筆頭株主となった。
2. 収支指標
① 供給(便数/席数)は前年より2%増えたが、旅客数は16%増であった。
これにより搭乗率は72⤴82%と大幅に上昇、また収入単価が9%UPした。
② 一方座席コストも21%と大幅にUPして、採算ライン(B/E)も8ポイント上昇した。
③ 便当り収入は189万円、費用は176万円、利益は13万円であった。
3.座席コストの内訳
① 1席当りの燃油費は35%上昇して2925円となった。
② このほか整備費、空港使用料(昨年は減免措置あり)も大きく上昇、機材費も
合わせた運航4費用は6301円(前年比33%UP)となった。
人件費等も5%上昇した。
③ 座席コストの各要素の構成比をみると;
燃油費が30%、それも含む運航4費用で65%となっている。
人件費は20%。
4.財務状況
① 好調な収益性から、資金状況も改善した。
借入金規模は手元資金をネットして、前年85→当期49億円と36億円改善した。
② 大きい税務上の繰越欠損金で膨らんでいた繰延税金資産は、利益計上により消却
されて減少している。
以上(Y.A)