当分析はCAPAが2022年5月13日に発表した
Avianca continues to shake up Latin America's aviation scene with creation of 'Abra'
JAMRが全文翻訳したものです。
2022年5月18日
アビアンカ、「アブラ(Abra)」を設立してラテンアメリカの航空事情を揺るがし続ける
13-May-2022
もし、アビアンカは、破産から脱出した後に、何か大胆な野心を持って居るのではと言う疑いがあったとしたら、それは、もう解明されて居る。
同社は、GOLと、ラテンアメリカの原動力となる航空グループ「アブラ」を創設する合意に達し、これまでで最大の野心的な動きを取って居る。
アブラは、コロンビアのアビアンカと、支配株主であるブラジルのGOLを主要株主として構成される予定だ。また、ビバの非支配株式100%、そしてチリのスカイ航空に対する少数株式保有投資を表す転換社債を所有する予定だ。
アビアンカとGOLは、今年下期にはこの契約を締結する事を目指して居り、若し彼らの努力が成功すれば、アブラはブラジルとコロンビアに於いて主導的な地位を得る事になるだろう。
今や、疑問は、競争相手たちがどの様に反応するか、そして更なる同盟、また統合さえ、これに続くのかと言うものだ。
概要 Summary
アブラはブラジル、コロンビア双方で大手エアライン各社を包含する計画だ
アブラはコロンビアのアビアンカと、支配株主であるブラジルのGOLを主要株主として構成される予定だ。また、ビバの非支配株式100%、そしてチリのスカイ航空に対する少数株式保有投資を表す転換社債を所有する予定だ。
アビアンカとGOLは、今年下期にはこの契約を締結する事を目指して居り、若し彼らの努力が成功すれば、アブラはブラジルとコロンビアに於いて主導的な地位を得る事になるだろう。
CAPAとOAGのデータによれば、GOLは、ブラジル国内線の有効座席キロ(ASK)に対し32%の占有率を持ち、これに比べLATAM航空ブラジルとアズールは、それぞれ34%近くである。
ブラジルのエアライン別国内線ASK、2022年5月9日の週
Source: CAPA - Centre for Aviation and OAG.
コロンビアでは、アビアンカとビバを併せると、コロンビアの国内線ASKの68%近くを占める。
コロンビアの エアライン別 国内線ASKー2022年5月9日の週
Source: CAPA - Centre for Aviation and OAG.
業界のベテランであるロベルト・クリエテがアブラグループの会長を務める予定で、そして2022年5月11日の電話会議の中で、彼は、アビアンカとGOLはそれぞれ、現在、活動して居ない市場で、事業運営を拡大する事が出来ると説明した。このグループはまた、長距離便では、最低の座席当たりコストを達成するよう、容赦なくコストに集中すると説明した。
アブラ・グループの傘下で運航する各エアラインは、「独自のブランド、人材のテーマ、そして文化を維持する」計画であるとクリエテ氏は述べた。
アブラのその他の経営幹部には、GOLの創立者であるコンスタンチーノ・デ・オリベイラJrがCEOとなる。アビアンカの現CEOであるアドリアン・ニューハウザーとGOLのCFOリチャード・ラークが同社の共同社長となる。
アブラのエアライン各社は、ボーイングとエアバス両社のジェット機を運航する
ある新しい保有機の複雑さがアブラ・グループが生み出す規模に伴って生じる。
ビバとアビアンカはエアバス狭胴機を運航し、アビアンカの広胴機保有機群はボーイング787で構成されて居る。
GOLはボーイング737を運航して居て、その保有機群のMAXジェット機数を増やそうとして居る。
CAPAの保有機群データベースによれば、アビアンカは就航中が105機、90機が発注済でその過半数はエアバスA320neoである。
アビアンカ:保有機群概要 2022年5月初旬現在
Source: CAPA Fleet Database.
ビバは23機が就航中で23機のA320neoを発注済である。
ビバ:保有機群概要 2022年5月初旬現在Source: CAPA Fleet Database.
GOLは132機が就航中で、99機の737MAX狭胴機を発注済である。
GOL:保有機群概要 2022年5月初旬現在
Source: CAPA Fleet Database.
他のエアラインはアブラの創立に反応する必要を感じるだろうか?
アブラは、アルゼンチン、チリそして間もなくペルーで事業を展開するLATAM航空グループやジェットスマートグループのエアラインなど、ラテンアメリカの他のエアライングループの仲間入りをする事になる。
アズールは、未だチャプター11の適用下にあるLATAMを手に入れようと試みたが、LATAMのチャプター11再構成計画の中での評価額が、アズールより高いとした事が信頼できると判明したと結論付け、結局はライバルを買収しようとした、その努力を断念した。
現在の疑問は:アズールは、ラテンアメリカでの統合と買収活動の嵐に対応せざるを得ないと感じるか?である。
2022年5月9日の決算説明会の中で、アズールのCEOジョン・ロジャーソンは、アズールはその独自の計画に自信を持って居り、「我々は現在ブラジルでやって居る事に非常に自信があり、我々の核となる事業に集中して居る。」と述べ、LATAMについての質問を上手く捌いた。
然し、その自信にも関わらず、アズールとコパの様な運航会社は、急速に変化するラテン航空業界の環境の中での彼らの役割を評価しようとして居る模様だ。
コパのCEOペドロ・ハイルブロンは最近、同エアラインが「世界の中のこの地域に於いて、ビジネス旅客に対して適正な商品を持つ、即ちプラスとなる」唯一のエアラインとして台頭するだろうと語った。それは、コロナウイルス・パンデミック前の話ではないと、ハイルブロン氏は言うが、幾つかのコパの競争相手たちは、より低コストなモデルに向かって居る。
彼は、コパが低コストを、そして強力な商品と路線網の双方を維持し続けて来たと説明した。
「私は、我々が反応すべきかどうかの議論をする積りはない。我々は自社のビジネス・モデルに集中し続けると決めたら、それを成功裏になし続けられると思う。」ハイルブロン氏は語った。
アブラのエアラインの、既存の提携社達はそのままなのか?
アビアンカ-GOL契約案の、もう一つの複雑さは、同盟と提携の構造である。
アビアンカはスターアライアンスの加盟社であり、パンデミック前にはユナイテッド航空との共同事業を立ち上げようとして居た。アメリカン航空は、GOLの5.2%の持ち株のために2億米ドルを使って居り、両エアラインはその提携関係を深めようとして居る。
アブラのより詳細な内容は、この合意案が、必要な当局の承認を得られた時、或はもし得られたとしたら、判明することになりそうだ。然し、この契約の責任者達は、新会社が、その規模と多角化された市場での存在感で、「我々の地区で活動する、大手伝統的エアライン、そしてグローバルキャリアー達と、より上手く競争する事が出来るだろう。」と信じるとクリエテ氏は述べた。
アビアンカは、ラテンアメリカ航空業界の次章を書き記そうと動いて居る
2021年晩くにチャプター11から脱出したアビアンカは、2022年には、この地域に新たなメガ-エアライン・グループを創設して、ラテンアメリカの航空業界の先導的役割を果たそうとして居る。
今や、業界は2022年の残りの日々が、如何に展開して行くかを見守る事になるだろう。
以上