当分析はCAPAが2021年12月22日に発表した
Asia-Pac domestic airlines lead, but international recovery lag
JAMRが全文翻訳したものです。
2022年1月4日
アジア太平洋、国内線エアラインが主導、然し国際線の回復は遅れる
22-Dec-2021
多くのアジア太平洋の市場で、COVID-19のデルタ株が収束して以来、国内線の供給は大きく回復して居る一方、世界中のどこよりも、この地区での国際線のリバウンドの発生は遥かに遅い。
国内線市場は、母国に強力な路線網を持つエアラインにとっては、引き続き輝きのある場所である。多くのエアラインが、2021年中頃、そして第三四半期に、国内の都市封鎖に大きく痛手を受けたが、国際線旅行に関するこれらの制限の殆どが今や緩和されて居る。
勿論、如何なる楽観主義も、オミクロン株が混乱を産み出す可能性により、勢いを失わざるを得ない。
国際線の前線では、アジア太平洋諸国の政府は、概して、欧州や北米などの地区に比べて、国境を再開する事に、より消極的である。このことは、大きな回復の勢いを得るために、国際線と乗継ぎ需要に大きく依存して居る、アジアのエアラインにとっては事態を難しくして居る。
これらのトレンドは、大きく対照的な運命であるアジア太平洋の国内線、そして国際線市場にとって、冷厳に表して居る、国際線と国内線の供給のランキングの順位表に裏付けられて居る。
これらの傾向は、国際線と国内線の供給ランキングの順位表にも現れて居り、アジア太平洋の国内線、そして国際線市場の全く対照的な運命を冷厳に表わして居る。
概要 Summary:
パンデミックは、世界の国内線ランキングでのアジア太平洋の支配を揺るがして居ない
下のグラフは、2021年、アジア太平洋の国内線旅行に何が起こったかを示して居る。
供給は、2021年上半期には可なり回復したが、2021年の中ごろから、デルタ株の襲来の間、躓かされた。継続する回復が、21年11月にもう一度始まった、そして2021年12月27日の週までに2019年水準近くへと回復すると予想される。
週間供給席数で見たアジア太平洋の国内線供給、2018年~2021年*
それでは、これが世界の路線ランキングに如何に反映されて居るだろう?まず、2年前の2019年12月16日の週について、ランキングをチェックする必要がある。
これが示すのは、20組の国内線都市組合せで、3つを除き全てアジア太平洋地区である。韓国、日本、ベトナムと中国の国内幹線が上位6番までを占めて居る。
週間供給席数で見た国内線都市組合せランキング、2019年12月16日の週
Source: CAPA and OAG.
2021年7月から、2021年10月まで、デルタ株感染の波が最悪の期間、図は僅かに変化した。この数か月間に、トップ20の中のアジア太平洋以外の都市組合せは、週によって5つから8つである。
2021年12月20日の週までには、トップ20リストにはアジア太平洋以外からは4つしか入らず、それも全て15番目以下だった。
従って、アジア太平洋の国内路線はCOVID-19危機に、過度に脅かされては居ない。
週間供給席数で見た、国内線都市組合せランキング 2021年12月20日の週
Source: CAPA and OAG.
全てのアジア太平洋国際路線がトップ20から脱落
アジア太平洋の路線がリストから大きく脱落した、国際線の方には、更に遥かに劇的な変化が生じて居る。
下図は、トップ20国際線の路線のうち13が、アジア太平洋地区だった、2019年12月16日現在の状況を示して居る。
従って、この地区は国内線の方ほど支配的ではなかったが、依然リストの上では目立って居た。特に目立つのは香港、シンガポール、東京、バンコク、ジャカルタ、上海、そしてクアラルンプールである。
供給席数で見た、世界の都市組合せランキング、2019年12月19日の週
Source: CAPA and OAG.
然し、現在の状況を見てみると、このリストは、全く異なって見える。
今や、トップ20リストの中に、アジア太平洋の都市組合せは一つも無い。実際、アジア太平洋の市場を見つけるには、ずっと下へ39位のシンガポール=クアラルンプールまで行かねばならない。
供給席数で見た、世界の都市組合せランキング、2021年12月20日の週
Source: CAPA and OAG.
国際線の回復は、他の地区で達成した勢いを取り戻して居ない
下図はそれが如何にそれが発生したかをよく物語って居る。
アジア太平洋地区の国際線の供給は、各国政府が国境と検疫隔離の規制を緩和するのが遅かったため、大きな程度まで回復して居ない。幾つか例外、特にシンガポールだが、はあるが、全体として供給は建て直すのに時間がかかって居る。
席数で見たアジア太平洋の国際線供給、2021年12月20日の週
Source: CAPA and OAG.
北米の供給と照らし合わせてみよう。
CAPAとOAGのデータに依れば、2021年12月20日の週の国際線の供給は、2019年水準の75%まで上昇して居た。
席数で見た北米の国際線供給、2021年2月20日の週
Source: CAPA and OAG.
国際線の回復は、2019年水準の74%まで戻った欧州でも強固である。
席数で見た欧州の国際線供給、2021年2月20日の週 Source: CAPA and OAG.
アジア太平洋地区の、国内線と国際線の回復のこの対照的な状況を見るもう一つの方法は、供給席数合計を比べる事だ。
下のパイグラフは、2021年12月20日の週、この地区の国内線供給席数が、大きく国際線席数を上回り、全供給席数の88%近くを占めて居る事を示して居る。
これと比較すると、2019年12月23日の週の国内線供給席数は、全供給席数の65%を構成して居た。
アジア太平洋の国際線/国内線供給席数の占有率、2021年12月20日の週
Source: CAPA and OAG.
国際線の回復は何としても必要だが、オミクロン株が新たな暗雲を投げかける
アジア太平洋の都市組合せが、ランキング表から脱落したこと自体は、重要な事ではないが、これは、国際線旅行の回復で、アジア太平洋が他の地区に後れを取って居ると言う、より大きな懸念を強調して居る。
多くの市場での国内線の回復は、特に今年の最終四半期に於いて、機会さえ与えられれば、需要は跳ね返って来る事を示し、目覚ましいものがある。
この事は、幾つかのエアラインには助けになるが、アジア太平洋のエアラインにとって、国際線路線網が特に重要なことから、彼らにはもっと多くの事が必要なのだ。
デルタ株が鎮静化するにつれ、幾つかの政府がより多くの国際線旅行を解禁し始め、明るい兆しが見えて居た。高いワクチン接種率が達成されて来た事で、彼らの医療システムが圧倒されることは無いだろう。
然し、今は正に、より多くの政府が、更に広範な旅行の復活を押しとどめて居る規制を緩和する時である。またそれが実行されたとしても、国際線の供給と需要が完全に元に戻るまでにはまだ長い時間がかかるだろう。
そして、今度は、どの位オミクロン株が進捗を失速させ、各国政府が国境再開に更に慎重になるのかは、大きな疑問である。もう一度、アジア太平洋のエアライン業界は、回復への旅の重要な交差点にさしかかって居る。
以上