ワクチン接種済の旅客、無症状の蔓延を防ぐためにCOVID-19感染検査をすべきか?

当分析はCAPAが2021年6月9日に発表した

 

Should vaccinated travellers be tested for COVID-19 to prevent asymptomatic spread?

 

JAMRが全文翻訳したものです。

2021年6月22日

 

ワクチン接種済の旅客、無症状の蔓延を防ぐためにCOVID-19感染検査をすべきか?

09-Jun-2021

エアラインは、広範に外国旅行を再開させるため、COVID-19の蔓延を防げなくてはならない。幾つかの組織は、ワクチンパスポートの使用を検討して居る。

新たなCOVID-19ワクチンはCOVID-19症候群を予防するのに成功して居るけれども、人々がSARS-CoV-2ウイルスに感染し、他に感染させるのを防ぐかどうかは未だ分かって居ない。

それに加えて、米国など多くの国で、外国からのワクチン接種完了済の航空旅行者は、米国行きの便への搭乗前に、SARS-CoV-2ウイルステスト陰性の結果か、COVID-19から回復済の証明書を持つことを求めて居る(1)。

微妙な感染テストに基づいた、感染テストパスポートは、航空旅行を再開させるためには極めて重要な要素である。

ワクチン接種済みの人々は無症状のウイルス保有者かも知れない

COVID-19ワクチンの前臨床試験では、被験者がワクチン接種をした後でもなお、ウイルスが鼻腔用の綿棒に残って居る事を示して居る。

モデルナのワクチンの試行の中で、研究者たちは、2回接種型ワクチンの1回目の接種を受けた人々の中で、偽薬を受けた人々に比べて、無症状の感染者の数が可なりの低下(が消滅ではない)を見出した。(2)

アストラゼネカのワクチンを試す中で、ワクチン研究者は、毎週参加者を調べ、被験者の中でワクチン接種を受け無かったグループに比べ、受けたグループの中で、無症状の感染者が49.3%減少すると推定した(3)。このデータは人々はワクチン接種後でも、尚、無症状の感染が起こって居る可能性を示唆して居る。

ワクチン接種済の個人の中でウイルスの量は減少する

研究者たちは、ファイザーワクチンの1回目の接種を受けた人々の中で、接種後2~4週間にSARS-CoV-2に感染した人で、可なりのウイルス量の減少を見出して居る (4)。

アストラゼネカの実験ではまた、参加者のワクチン未接種のグループに比べ、接種したグループでは、ウイルス量が少ないことも分かって居る(5)。

ウイルス量の少ないサンプルの検出には低限界での検出が重要

もし、サンプルのウイルス量が、LoD(検出の限界)、即ちリアルタイム*RT-PCR試験のカットオフ値、より低い場合、誤った陰性の結果が出ることになるだろう。

*訳注)RT-PCR:Reverse Transcription Polymerase Chain Reaction(Reverse Transcriptase(逆転写酵素)を使用する方法。基本的な原理はPCRと同じで、PCR装置や専用試薬を用いて行う。

COVID-19のLoDが10倍増加するたびに、ウイルスの症状検査は13%誤った陰性を示す率が増えると考えられる(6)。そのため、ウイルス量が少ないサンプルの正確な検出の為には、低いLOD(高い感受性)の試験が極めて重要である(7)。

ワクチン接種は、ウイルスの蔓延の可能性を減少させるが、根絶はしない

CDCは、ワクチン接種の完了した個人に、SARS-CoV-2の感染と、他人に伝染させるリスクを減少させるものの、なお続いて居る幅広い社会的伝染の中では、ウイルスは根絶し得ないと述べて居る。

ワクチン接種を受けた人々は、依然として潜在的に感染し、他の人々に伝染させる可能性がある (8)。

ワクチン接種を受けた個人の無症状の感染を検査する

ワクチン接種を受けた個人が持つウイルス量は減少して居ることから、彼らが無症状のウイルス保有者かどうかを検査するのは、誤った陰性の結果を出すことを防ぐために、低いLODを使用しなくてはならない、高度に敏感な検査である。

FDA(米国食品医薬品局)は、EUAの承認を得た核酸に基づいたSARS-CoV-2試験の実施の正確な比較の実験を行ない、検査実績の比較分析を公表した。

この評価は、これらの検査を比較して感度の一貫した判断を可能にするFDAのSARS-CoV-2諮問パネルによるものである。

相互の 比較の中での各試験のランク付を参照されたい (9)。

References:参考文献

  1. CDC。ワクチン接種完了の人々のための暫定公衆衛生勧奨事項。
  2. FDA(食品医薬品局)。モデルナCOVID-19ワクチン。ワクチンと関連生物学的製剤諮問委員会。2020年12月17日会議要約文書付属書-スポンサー。
  3. アストラゼネカ。第3段階試験の一次解析で、アストラゼネカのCOVID-19ワクチンは、重症化、入院、そして死亡を100%防いだ事を確認した。
  4. M.レビン-ティーフェンブルン、I.イエリン、R.カッツ、及びその他。*BNT162b2ワクチン注射後のSARS-CoV2 ウイルス量の減少についての初期レポート。Nat Med(ネイチャー・メディシン2021年)*Pfizer/BioNTechが開発
  5. オックスフォードは、アストラゼネカのCOVID-19ワクチンは英国株に対して有効と述べる。
  6. R.アルノー、その他。SARS-CoV2 検査:検出限界が問題である。バイオアーカイヴの査読前論文。
  7. FDA。コロナウイルス感染症2019(COVID-19)診断検査の再検証。
  8. CDC。サイエンスブリーフ:ワクチン接種完了の人々に対する公衆衛生勧奨の背景理論と根拠。
  9. FDA諮問パネル比較データ。2021年4月6日。

緊急時の使用のみ許可あり。

製品は全ての国の法規に則ったライセンスを受けて居ない可能性あり。入手の可否についてはメーカーの現地担当者に問い合わせられたい。

Should vaccinated travellers be tested for COVID-19 to prevent asymptomatic spread?