当分析はCAPAが2021年6月29日に発表した
2021年7月16日
新規起業エアライン36社、離陸へ。第2部:ラテンアメリカ、アジア太平洋
29-Jun-2021
エアライン業界の大部分が、大きな負債を抱えて、依然としてCOVIDに深く晒され、不確かな世界と直面しながら向こう2年間を如何に生き延びるか知恵を絞って居る一方で、この歴史的にも最低な収益性の業界の一つに、参入を目指してエアライン志願者が列をなして居る。過去18か月の間に42社の新規起業があった後に、未だ、少なくとも36社がやって来る。何故なのか?
多分、新規起業条件が、以前よりずっと豊かなのだろう。市場参入への障害はこれまで常に比較的に低かった;今日では、更にそうである。然し、生き残る条件は、別の問題なのかも知れない。
2021年5月12日のCAPA Liveで語り、エアリース社の代表取締役会長スティーブン・ウドバー・ハジーが明らかにしたのは、新たなエアラインを創るための生の素材は:「安い資金、資本、安い航空機、そしてパイロットである。」
「今日、我々は資本に比較的に容易に近づく事が出来る。入手可能なベンチャーマネーもある。」50歳の航空業界のベテランは言い、「機齢の若い、良い中古航空機が手頃な価格であるし、沢山のパイロットや客室乗務員が職を求めて居る。これは新たなエアラインを始めようという誘惑である。」とつけ加えた。
ウドバー・ハジー氏は、また現存する余剰な注文を何とか、他のどこかに回したい、多くの貸し手が居る事を付け加えたかったかも知れない。CAPAのデータベースによれば、42社の新規起業エアラインが2021年1月~2021年6月12日の間に事業を開始して居る。
今後12から24か月以内に、少なくとも、更に36社が創業を活発に計画して居り、その内13社が欧州に、8社がラテンアメリカに、8社がアジア太平洋に、4社がアフリカ、3社が北米に本拠地を置いて居る。
今回の3回連続のCAPAレポートは、新規起業エアライン36社について、夫々の概要を上げて見てみる。
概 要
For Part 1 of this report, please see Part 1: Europe
ラテンアメリカ:8社が新規起業計画中
ITAトランスポルト・アエレオス ITA Transportes Aéreos (Itapemirim Airlines)
ITAトランスポルト・アエレオス、旧イタペミリム・リネアス・アエレアスは、ブラジルのフルサービスエアライン計画で、サンパウロ/グアルリョスに本拠を置く予定だ。A320初号機を2021年2月20日に、2号機は2021年5月9日に受領し、2021年4月30日にAOC(航空運送事業許可)を受領した。
ITAトランスポルト・アエレオスは、2021年6月29日に最初の便を就航、事業の第一期目としては、国内8地点に便を運航し、次いで2021年8月1日から更に6地点をさせる計画である。2021年末までに20機を、2022年6月までに50機に拡大する計画である。
エクアトリアーナ航空 Ecuatoriana Airlines
エクアトリアーナ航空は エクアドルの計画中のエアラインで、キト/マリスカル・スクレ国際空港を基地とする、民間の旅客、郵便、貨物の航空輸送便を取り扱う。クエンカ、ロハ、トゥルカン、エスメラルダス、サリーナス、グアヤキル、サンタローザ、ラーゴアグリオ、コカ、マカスそしてマンタに便を飛ばす計画だ。
2021年4月、エクアトリアーナ航空は、「事業の第2段階」でボーイング717−200を取得する計画であることを公表した。
エクアトリアーナは、またAOCが受領されれば、2021年10月までに最初の便の就航を目指スト発表して居る。同社の最初の便は、デハビランド・カナダ・ダッシュ8Q機材でキト=グアヤキルの運航の予定だ。
フライ-CDは、「新しい休日エアライン」を自称し、カリブ諸島のボネール島、ボネール・フラミンゴ国際空港を基地とする。
サンパウロ、ブラジリア、コルドバそしてブエノスアイレスの様なブラジルとアルゼンチンの都市から、プンタカーナ、ヴァラデーロ、そしてカリブのアルーバ、ボネール経由でメキシコのカンクーンの様な目的地に飛ぶ計画である。
フライーCDは、ホリデー・パッケージを通じ、供給席の過半数をB2B割り当てで売る計画を立てて居る。同署の保有機は、2機のA320 系列機である。
同社はそもそも2020年に開業予定だったが、ウエブサイトには、COVID-19のため、これは2022年第三四半期に延期されたと書いてある。
フライカーナはサントドミンゴ・ラスアメリカス国際空港を基地とする、計画中のドミニカのエアラインで、カリブと米州全体を目的地とする。
ドミニカ共和国で最初の超LCCを目指して居る。フライカーナは、初期投資として6,000万ドル、保有機群は以前ドミニカンウイングズがが運航して居た、5機のA320である。
2023年までに、25機の保有機で50地点に、年間650万人の旅客を運ぶ予定だ。同社は当初、2020年晩くに民間航空として開業の予定だったが、これは遅れて居る。
トランスポルテス・ペルアノス・グローバレスSA 商号アエロペルーは、リマ/ホルヘ・チャベス空港を基地とする、ペルー航空の計画中の子会社である。
2018年7月にペルー航空は、新しい子会社のために、スホーイ・スーパージェット100(SSJ100) 機材を購入するLoI(落札内示書)に署名して居る。同社は2020年中にも開業と予想されて居たが、変更後の就航日は発表されて居ない。
キュラソーで、当初は2015年と、遠い昔の計画だったアヴァ航空は、サントドミンゴを基地とする、ドミニカ共和国のフルサービスエアラインである。同社はカリブ、北米そして南米の目的地に飛ぶ計画である。
アヴァ航空は、2020年3月に開業を計画して居たが、コロナウイルスパンデミックのお陰で、2020年12月に延期された。変更後の開業日は、今や2022年第2四半期または2022年第3四半期と報じられて居る。
ネッラ航空はブラジルのリージョナルエアラインで、ブラジリア国際空港に基地を置く計画だ。
同社は、遠隔都市を結ぶ事に的を絞り、ATR42ターボプロップを使う計である。また、同社はボーイング737-500を検討中と考えられるが、現在はエアバスA320のリース契約が合意されたと報じられて居る。
737-400Fを使った貨物部門も、計画されて居る。
ウルトラエアは、コロンビアのでマンデリンを基地とする、低コストエアラインの計画だ。同社は国内路線とメキシコシティ、カンクーン、マイアミ、サントドミンゴ、キト、グアヤキル、リマ、キュラソウ、アルーバ、ニューヨークそしてプンタカーナへの路線を運航する計画だ。
2020年12月ウルトラエアは。2021年の夏にサンアドレスへの便をもって運航を開始すると発表した。報道によれば、同社は29の国内線、15の国際線の路線網を計画中で、初年度に10%の市場占有率を目指して居る。
2021年5月にはウルトラエアのCEOウイリアム・ショーがこの新規起業LCCは、エアバス社と、向こう5年間に、A320neoとA320ceoなど、A320機材を40機入手するリース契約が完了したと報告して居る。
ショー氏は、ウルトラエアはアヴィアンカのリストラと供給削減を利用することを目指して居ると述べて居る。ウルトラエアは、コロンビアでの運賃を20%カットして、LCCビジネスモデルを遂行するが、GDSを通した流通とコードシェアには門戸を開く計画である。
ウルトラエアは、2021年5月の第1次資本調達では1,000万米ドルを調達し、2021年末に運航開始を目指して居る。
アジア太平洋:8社が新規起業計画中
2017年11月に創業、SKS航空はマレーシアのチャーター航空会社で、ジョホールバルのセナイ国際空港を本拠とする計画である。SKSグループの一部で、ターボプロップジェットで国内のレジャー、コミューター、チャーター便を計画して居る。
かつて、2019年3月に、条件付き航空便免許(ASL)を取得して居り、そもそもは2020年だ1四半期に運航開始の予定だったが、これは一度ならず遅れ延期されて居る。
SKS航空は、2020年12月19日にカナダのデハビランドDHC-6-300を1機受領し、2機に増やそうとして居る。最新の就航予定日は発表されて居ない。
2018年創業、タイ・サマー航空は、タイのLCCを計画して居り、本社はバンコクで、バンコクの第3空港の役割を強くして居るウタパオ・ラヨン・パタヤ国際空港を基地とする。このエアラインは国際線を中国、韓国、日本、インドそしてスリランカに飛ばす計画である。
サマー航空と称し、ボーイング737-800機材を使用する予定である。
タイ・サマー航空は2020年9月、AOC(航空運送事業許可)を取得し、最初の航空機を受領したが、未だ運航開始はして居らず、計画変更後の就航日も特定されて居ない。
ユヴァ・ジェットラインズ航空 Yuva JetLines Airways
少なくとも2017年以来、計画されて居るユヴァ・ジェットラインズ航空は、インドの定期便運航会社で、東インドのジャールカンド州のランチ・ビルサ・ムンダ空港を基地とする計画である。
同社のリンクドインのアカウントによれば、プレミアム低コストエアラインのスタイルで、ティア2とティア3の都市を首都圏中央に結ぶ計画である。その他のソーシャルメディアのレポートによれば、ERJ145機材を運航する計画である。
同社の運航開始は、そもそも2017年にランチからティルパティまたはシドリ経由でチェンナイ行きの便を計画して居るがこれは繰り返し延期されて居る。2020年の同社のウエブサイトでは、ランチからコルカタ、グワハティ、インパールそしてアガルタラへ運航する予定と述べて居る。
2021年6月のユヴァジェットのウエブサイトでは、運航開始は、2021年晩くとなって居る。
2017年7月、旧ジェジュエア社長キムジョンチュルによって創立された、エアプリメラは韓国のハイブリッドエアラインで、ソウル仁川国際空港を基地とする計画である。北米、欧州そしてアジア太平洋の目的地への中長距離路線で広胴機を飛ばす事を計画して居る。
2021年3月末、最初の787-9をエアリース社から受領して居る。2021年末までに更に2機を予定し、5年以内にボーイング787-9を10機、エコノミーとプレミアムエコノミーの客室仕様で運航する計画をして居る。
同社のウェブサイトでは、同社のエコノミー運賃は、韓国のフルサービスエアラインの運賃の80%、一方プレミアムエコノミー運賃はフルサービスエアラインのエコノミー運賃の140%であるとして居る。
エアプレミアは、2020年9月までに開業を計画して居たが、現在は2021年7月に、ソウル/金浦から済州への便を開業する認可を求めて居る。同社は2022年早々にソウル/仁川=ロサンゼルス便を開始することを目指して居る。
大湾区航空は、香港を基地とする低コストエアライン計画である。2020年7月にAOC(航空運送事業許可)を申請し、2021年夏に開業を目指して居る。大湾区航空は、深圳東海航空の創始者でもあるフアン・チュビアオが後ろ盾になって居る。
2021年3月12日、大湾区航空取締役のスタンレー・フイ・ホン–チュンは、この新エアラインは2021年第3四半期までに全ての必要な書類手続きを完了したい、そして3機のリース機ボーイング737−800機材は2021年末以前に、運航を開始したいと述べて居る。
2021年6月、大湾区航空CEOアルゲモン・ヤウは、このエアラインの免許は、2021年9月半ばに認可され、新会社は最速で2021年10月から11月には、定期便運航を開始できるだろうと述べた。
パシフィカエア(旧称ジェットラロ)は、ニュージーランド、クライストチャーチに本拠地を置く新規エアライン計画である。目指すのは、価格競争力はあるが、低コストエアラインでは無い。
同社はウェリントンとクライストチャーチから、クック諸島のラロトンガへ直航し、次いで太平洋の諸島諸国に航空便の提供を拡大する計画である。
本来、2020年7月に運航を開始する計画だったが、COVID–19パンデミックの所為で延期された。同社はボーイング737−800を2機リースする交渉をして居たが、起業家マイク・ペローは、2021年6月開業の計画を中止した。
ペロー氏は、 航空機を再委託する技術的枠が見つからないこと、クック諸島から支援の不足、ニュージーランドがメンテナンスサービスを提供出来ないことなどの問題を挙げて居る。
カンデュー航空(カイトエア) Canh Dieu Airlines (Kite Air)
カンデュー航空(カイトエア)はベトナムのエアライン計画で、チュライ国際空港を基地とする予定だ。
ティエンミン・エビエーションの一部門で、ターボプロップと狭胴機を使って、定期便の運航を計画して居る。ティエンミンは、この新規エアラインのため、2024年までに、30機の航空機を目標として居る。
カンデュー航空は、民間航空事業を2020年6月に開始すると予想されて居た。然し、COVID–19パンデミックが、ベトナムに於ける、新規エアラインの免許発行を、航空業界の回復まで遅らせ、2022年にナルト予想されて居る。
トキエアは、2022年にに新潟商工会議所と新潟経済同友会が協同して設立した日本のLCC計画。
この新たなエアラインは、新潟から佐渡、仙台、そして札幌/丘珠の様な路線に、ATRターボプロップ航空機を運航する計画である。
トキエアは2021年5月24日、東京/成田空港から佐渡空港へ試験飛行を行った。このエアラインは、2022年早々に事業開始を目指して居る。
これら全ての新規起業組が成功するか否か「陪審員はまだ外に居る(評決はこれからだ)」
2021年5月のライブ企画CAPA Live の中で、エアリースコーポレーションのウドバー・ハジー氏は、これら新規エアラインのうちの幾つが生き残るか、疑問を投げかけた。1978年の米国の航空業界のデレギュレーション(規制緩和)は120社の新規エアラインの起業させたが、そのうちに生き残ったのは多分2〜3社だろう。
「今や多分事態はそれほど悪くないだろう。」と彼は言う、「然し、組合に組織化されて居ない若い労働者が、ずっと安い人件費で、そして比較的機齢の若いA320や737−800、そしてある場合は、エンブラエルやA220などの中古機があって、新たにエアラインを始める事への、大きな誘惑がある。
ウドバー・ハジー氏は、エアリースコーポレーション(ALC) が新規起業組をリース機で支援する前に確認する事項を明記して居る。
この項目には、市場の背景としての競合状況、競争相手たちは、一定割合の供給席、或は、マイルなどの特典で、簡単にマッチングして来られるか否かが含まれて居る。
ALCはまた、新たなエアラインの経営チーム、路線構成の経済性、選択した機種の妥当性、成長潜在能力、そして資本構成などをチェックする。
これら全ての新規起業エアラインが成功を収めるだろうか?
ウドバー・ハジー氏によれば、「陪審員はまだ外に居る。(評決はこれからだ)」
以上
付表:2020年と2021年
に開業したエアライン
Name |
Active Since |
Business Model |
Main Hub |
Country/Territory |
Region |
1. M Jets International (Kargo Xpress) |
10-Jun-21 |
Cargo |
South East Asia |
||
10-Jun-21 |
Full service carrier |
Podgorica Golubovci |
Eastern/Central Europe |
||
3. ETF Airways |
04-Jun-21 |
Charter |
Eastern/Central Europe |
||
28-Apr-21 |
Low cost carrier |
Hollywood Burbank |
|||
20-Apr-21 |
Full service carrier |
La Seu d'Urgell |
|||
6. Aero K |
15-Apr-21 |
Low cost carrier |
|||
7. Sky Cana |
07-Apr-21 |
Virtual airline |
Santo Domingo Las Am's |
||
07-Apr-21 |
Cargo |
||||
9. EGO Airways |
30-Mar-21 |
Regional/Commuter |
Catania Fontanarossa |
||
10. Bees Airline |
18-Mar-21 |
Charter |
Kyiv Igor Sikorsky |
Eastern/Central Europe |
|
08-Mar-21 |
Cargo |
Liege |
|||
12. HiSky |
05-Mar-21 |
Low cost carrier |
Eastern/Central Europe |
||
13. Berniq Airways |
04-Mar-21 |
Full service carrier |
Benghazi Benina |
||
14. United Nigeria |
12-Feb-21 |
Regional/Commuter |
Enugu Akanu Ibiam |
Central/Western Africa |
|
25-Jan-21 |
Charter |
Hue Phu Bai |
South East Asia |
||
16. Jiangxi Int'l Cargo Airlines |
23-Jan-21 |
Cargo |
Nanchang Changbei |
||
15-Jan-21 |
Low cost carrier |
||||
18. Air Taxi India |
14-Jan-21 |
Regional/Commuter |
|||
19. China Northwestern Cargo Int'l |
08-Jan-21 |
Cargo |
Xian Xianyang |
||
20. OTT Airlines |
28-Dec-20 |
Regional/Commuter |
|||
21. Air Sial |
25-Dec-20 |
Full service carrier |
|||
22. flybig |
21-Dec-20 |
Regional/Commuter |
|||
23. OWG |
18-Dec-20 |
|
Montreal Trudeau |
||
17-Dec-20 |
Regional/Commuter |
Lusaka Kenneth Kaunda |
|||
25. LIFT Airline |
10-Dec-20 |
Regional/Commuter |
|||
26. Lone Star Air |
30-Oct-20 |
Full service carrier |
Monrovia Roberts |
Central/Western Africa |
|
27. Humo Air |
20-Oct-20 |
Full service carrier |
Tashkent Islam Karimov |
||
28. GullivAir |
09-Oct-20 |
Charter |
Eastern/Central Europe |
||
29. Sky Mali |
29-Sep-20 |
Regional/Commuter |
Bamako Senou |
Central/Western Africa |
|
30. Lulutai Airlines |
24-Sep-20 |
Regional/Commuter |
Nuku'alofa Fua'Amotu |
||
31. Lauda Europe |
14-Sep-20 |
Low cost carrier |
|||
32. Luebeck Air |
17-Aug-20 |
Regional/Commuter |
Hamburg Luebeck Blankensee |
||
33. AirGotland |
13-Aug-20 |
Virtual airline |
|||
34. flyBAIR |
18-Jul-20 |
Virtual airline |
Bern Belp |
||
35. Animawings |
18-Jul-20 |
Charter |
Eastern/Central Europe |
||
14-Jul-20 |
Low cost carrier |
||||
37. Air Falcon |
07-Jul-20 |
Cargo |
Lahore Allama Iqbal |
||
38. Zipair |
03-Jun-20 |
Low cost carrier |
|||
10-May-20 |
Cargo |
Zhengzhou Xinzheng |
|||
40. Hi Air |
10-Feb-20 |
Full service carrier |
|||
41. STARLUX Airlines |
23-Jan-20 |
Full service carrier |
Taiwan Taoyuan |
||
42. GS Airlines |
13-Jan-20 |
Charter |
Antananarivo Ivato |
Source: CAPA - Centre for Aviation.