2021年10月3日
14-Sep-2021
2021年9月3日、フィリピン航空が連邦倒産保護法に登録申請したが、同社は、彼らの債務をリストラする為に裁判所に向かった、他の東南アジアの主要なエアラインの後を追ったのだ。このコースを取ったこの地区のエアラインのリストは、次第に膨らんで居り、COVID-19 危機が収束するまでに、更に多くが後を追う事になりそうだ。
これらのエアラインが実施中のリストラは皆程度が異なり、従ってそれぞれの倒産の手続きは異なって居る。あるものは債権者との合意に達して居り、比較的に早く、一方その他はより長く続く。
エアラインはまた、彼らの倒産申請を届け出る管轄区を自からの国か、強固な倒産保護手続きを持つ他国を使うか、幅広く選んで居る。
これらの計画中の要素には、負債の軽減、航空機リースの契約条件の再交渉、そしてリース契約のキャンセルなどがある。常にそうでは無いが、債権者は概して、清算を避ける為、これらの救済提案を受け容れる。
この理由から、コロナウイルス・パンデミック期間中に、実際に破綻するより多くの新規起業エアラインがあったのかも知れない。
概要 Summary:
マレーシア航空は裁判所によるリストラで先駆けとなった
マレーシア航空(MAB)は、この地区でリース契約のリストラを完成させた最初のエアラインの一つである。
同エアラインは、英国企業法下の調整スキームとして知られるものを通じて行うべく、英国にその計画を登録することにした。2021年2月22日、これが英国の裁判所に承認された。同社は既に影響するリース元からの全員一致の支持を取り付けて居た。
これはMABが、自社の債務を減ずるため、その他の利害関係者との個別の交渉を行うなど、より幅広いリストラ努力の一部だった。同社はこの計画は、政府がより多くの資金を注入する前にする必要があったと語り、また、若しこのリストラ取引が成立しなかったら、より抜本的な事業の立て直しが必要だっただろうと警告して居る。
エアアジアX(AAX)は、債務リストラを行った、もう一つのマレーシアのエアラインである。同社の場合、提案はほぼ全債務の帳消しを求めるもので、削減は更により厳しいものだった。同エアラインは、清算する他に打つ手は無かったと言う。
この件は、まだ解決に至って居ないが、AAXはマレーシアの裁判制度を利用して、登録申請した。2021年6月、マレーシア高等裁判所は同エアラインに債権者との合意に達する期限の9ヶ月延長を認めた。幾つかのリース元は同エアラインに対し、借金の返済を求め、外国の裁判所に個別の訴えを起こした。
今年は、エアラインがタイの裁判所を多忙にして居る
タイ政府は昨年遅く、タイ航空に対し、この苦闘するエアラインを再び財政支援するより、寧ろ破産裁判所に送ることとした。計画は債権者の合意を得て、バンコクの中央破産裁判所は、2021年6月、同社のリストラ計画を承認した。
もう一つのタイのエアラインであるノックエアは、依然として法手続きの泥沼に嵌って居る。タイ中央破産裁判所は2021年9月6日、ノックの再生計画の公聴会を開いたが、未だに解決できない幾つかの異議申し立てがあった。裁判所は交渉に更なる猶予を与え、次の公聴会を2021年9月15日に設定した。
ガルーダ・インドネシアは深刻な財政的苦境にある東南アジアのエアラインのもう一つの例である。
同エアラインは最近、5億米ドルのスクーク・イスラム債の債務不履行を起こし、欧州のリース元から賃貸料の不払いに関する複数の訴訟に直面して居る。ガルーダは、債権者と債務リストラの交渉を試みて居て、多分、英国で破産保護の申し立てを計画中と考えられて居る。
チャプター11の手続きはPALにとって魅力的選択
フィリピン航空(PAL)は、米国で充分に試されて居るチャプター11破産保護手続きを申請することにした。
多くの米国のエアラインが、以前にチャプター11を経験して居り、幾つかの米国に繋がりを持つ外国エアラインもこの途を選んで居る。パンデミックが始まって以来、PALに加え、ラテンアメリカの大手エアライン3社がチャプター11の手続きに入って居る。
PALは昨年、債権者、リース元との協議を開始した。この場合は、登録申請は、基本的に、交渉が起こった際に、債権者からの保護を得る途と言うよりも、既に合意に達したコンセッション契約を正式なものにする方法である。なぜなら、これのお陰で、PALの申請は、通常より迅速なチャプター11の解決策が生まれると期待されるからだ。
エアラインのチャプター11による組織再編案件の長い歴史の所為で、米国の破産裁判所は、下絵となる、かなりの前例と経験を積んで居る。この手続きはまた、広く世界に知れ渡って居て、業界の主要な利害関係者の多くは、以前にもこれを扱って居る。
シーベリー・キャピタルが、債務リストラ及び復旧計画について、PALの相談役に選ばれ、助言チームを率いる、シーベリー・キャピタルの専務取締役ダグラス・ウオーカーは、なぜ米国の破産裁判所が選ばれたかを説明した。
「我々は、フィリピンの地元の破産法など、多くの選択肢を考えたが、(米国の)チャプター11は多くの利点を提供してくれる。」とウオーカー氏は、CAPAの姉妹出版物アビエーションウイークに語って居る。
「チャプター11は、公平で秩序立った、透明性の高い手続きを、また殆どの当事者に比較的により高い水準の親近感と予測可能性を提供してくれる。
特に、今回の様な、始めから焦点は、主要な利害関係者との共同作業であると言う、調整済みの案件では、彼らにもよく知られた仕組みを提供することに意味があった。」
破産申請は、しばしば競合社間で勢いを生む
どの管轄区を使おうとも、裁判所を通じてリストラする制度は、明らかに、多くの東南アジアのエアラインにとって最善の途であり、幾つかの例では他に選択の余地が無い。
もう一つの要素は、この方法を利用するエアラインが増えれば増えるほど、他社がこれに追従する必要性が大きくなる事だ。
例えば、2000年代始めに、米国のエアライン各社がチャプター11登録申請の局面を迎えた際、最大限持ちこたえようとしたエアラインが、ライバル達に比べ競争的に不利な立場になったのだ。これが東南アジアの場合にも当てはまりそうだ。
以上