図表で見るエアラインとコロナウイルスCOVID19

当分析はCAPAが2020年2月28日に発表した

 

 

Airlines and coronavirus COVID19 in pictures

 

をJAMRが全文翻訳したものです。

020年3月2日

 

図表で見るエアラインとコロナウイルスCOVID19

 

28-Feb-2020

 

武漢/コロナウイルス/COVID19の衝撃は、特にアジア太平洋地区のエアラインにとって、突然で醜悪なものである。

 

今回レポートのCAPAのグラフや画像などは、CAPA保有機群データベースに蓄積された機材客室仕様と組み合わせて、データ提携社OAGと共にファイルされたスケジュールの上に築かれた、CAPAの供給分析ツールに依れば、如何にエアラインが2020年の第1四半期、供給を減らして居るかを示して居る。アジア太平洋地区のエアラインの幾つかを選んでみた。

 

これらの目を見張る削減は、飛び終わった座席数を示すに過ぎない。これが直接、各航空便がどの位埋まって居たかを示すものでは無いし、明らかに営業的な理由からエアラインは多くの情報を出したがらない;然し、便は満席のはるか半分以下だったと言う話は世に溢れて居る。

 

この短いレポートにある図表の例は、ほんの一握りの国々とエアラインに関するものに過ぎない。COVID19が長引き、そして上手く行けば衰退して行く間、CAPAは更なるレポートを提供する予定である。

 

 

注)登録された供給席数は、今回の登録期間である2020年3月31日まで有効(これも短期的に変更の可能性あり)。それ以降、破線で示す数字は、新しい、北半球の夏季スケジュールの登録が最終段階に入って居るため推定値。 

 

 

将来を見ると。イースターがやって来る、そして東京オリンピックが 

 

 

下のグラフは現在の傾向を示し、2か月の期間に、エアライン、空港そして観光業界の財政に、可なりのダメージを与える影響を確実にするのに、充分に大きな下落があり、殆どは美しい絵ずらでは無い。

 

スポーツから商業的なものまで、多くのイベントがキャンセルまたは延期されて居る。サプライチェーン問題は業界全体に波及効果の衝撃を与えつつある。

 

エアライン業界にとっては、列の次にあるのは、事前予約がどの位持ち直すかであり、次の重要な休暇期間であるイースターに、本当にそうなるかである。今年は4月半ばにあたり、幾つかの国々にとっては、旧正月休暇が殆どキャンセルされたまたは大きく縮小された事から、年間最大の旅行ピーク期間の一つである。COVID-19の嵐がどれほど早く和らぐとしても、今年のイースターは、既にアジアの観光にとっては大きな障害を抱えて居る様だ。

 

そもそもオリンピックは、大会が始まる前に大波が来て、それから終わる頃、突然のピークになると言った、航空旅行には、明らかに複雑な影響を与えるのだが、オリンピック委員会は、中止するか否かの決断に、3か月のワクを定めて居る。

 

日本は多くのオリンピック観客が大会後も滞在してくれることを願って居るだろうが、全体として、ビジネス旅行とオリンピック観戦客以外の旅客への差し引きの影響は、他の要素に関わらず、いつもマイナスの可能性がある。言い換えれば、エアラインにとっては、数値による、オリンピック中止の直接的影響は、極端なものとはならないだろう。 

 

 

1.中国-現在の問題の中心で

 

必然的に、危機の中心で、中国の業界は最悪の影響を受けて居る(そして多くの供給は通常、出国旅行客をこの地域、そしてその先の各国に運ぶもので、この地域の観光に与える衝撃について、見通しを与えて呉れる事を念頭に置いて欲しい)。

 

中国の国際線供給席数は、2020年2月24日の週で、対前年80%近く落ちて居る 

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

 

国内線では、既に述べた様に、これら供給数値は、必ずしも旅行者の人数を反映したものでは無いが、かなりの比率の航空便が中国の国内で飛び続けて居る。

 

各種レポートは、多くの便が極めて低い搭乗率で飛んだ事を示唆して居る。

 

中国の国内線供給席数は、2020年2月24日の週で、対前年60%近く落ちて居る 

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

 

中国政府は、平常の回復に躍起になって居り、自国のエアライン各社に対し、武漢危機のピークに激減した便の再開を急がせようとして居る。

 

CAAC(中国民間航空事業団)は、削減とともに回復の様子を示す、翌週の供給のアップデートを毎週掲示して居る。環境の変化の速度が急なので、例えば韓国はほぼ間違いなく2020年3月2日からの週には下方調整されるだろう。

 

 

 

CAAC供給の変化 各社便数対前週による

 

 

w/b 17-Feb-20 2020年2月17日の週

w/b 24-Feb-20 2020年2月24日 の週

Week-on-week %対前週

Japan

430

380

-12%

Thailand

315

344

9%

South Korea

277

320

16%

Cambodia

119

139

17%

Malaysia

106

87

-18%

Singapore

73

50

-32%

Canada

46

35

-24%

Philippines

18

25

39%

France

18

23

28%

Germany

19

22

16%

Australia

26

21

-19%

US

20

20

0%

Russia

24

19

-21%

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; CAAC

 

2. 豪州

 

豪州の国際線供給席数は対前年10%以上落ちて居る。2020年2月24日の週 

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

然し、カンタスの国際線供給席数は対前年で殆ど変わらないので、この下落は殆どが外国エアラインが供給を落としたもの

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

豪州の国内線供給席数は少なくとも現時点では、比較的安定して居り、下落は対前年で僅か1% 

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

 

3.シンガポール

 

シンガポールの供給席数は対前年でかなり落ちて居る 

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

 

然しシンガポール航空は、その殆どの供給を維持して居る

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

 

だが、LCC子会社スクートは20%の下落(最近の記事参照-SIA、大きく新たな挑戦に挑むグループ戦略を微調整)

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

 

Note: the 2017 capacity numbers reflect only the long haul Scoot, prior to Tigerair being included under the brand

 

4.日本

 

日本の国際線供給席数は対前年で20%以上下落、2020年2月24日の週(然し、2020年東京オリンピックが近づく中、回復を期待)

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

 

5.マレーシア

 

マレーシアの国際線供給席数は(僅かに)対前年10%程下落、2020年2月24日の週

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

 

6.韓国-問題が忍び寄る

 

韓国の国際線供給席数は、20%下落、然し今後可なりの削減がなされるだろう

 

Source: CAPA - Centre for Aviation; OAG

 

上述した様に、この数日間で韓国のCOVID19の感染例が大きく増えて居るため、韓国の国際線便ではより抜本的な削減が予想される。

 

Airlines and coronavirus COVID19 in pictures