当分析はCAPAが2020年3月19日に発表した
COVID-19. By the end of May, most world airlines will be bankrupt
をJAMRが全文翻訳したものです。
2020年3月25日
COVID-19。5月末までには、殆どの世界のエアラインは倒産するだろう
2020年5月末までに、世界の殆どのエアラインは倒産するだろう。
もしこの大惨事が避けられるとすれば、政府と業界の協調した取り組みが必要である。
コロナウイルスの影響と複数政府の旅行への反応が、私たちの世界を席巻し、多くのエアラインが、多分、既に技術的には倒産か、少なくとも実質的な負債条項不履行に追いやられて居るだろう。
保有機群が地上に留められ、運航する便は半分も埋まらない状態で飛ぶ中、キャッシュの手持ちも急速に減って行くだろう。
事前予約を、キャンセルが遥かに圧倒し、新たな政府の勧奨が発表される度に、航空旅行をやめさせようとするものである。需要は、全く前例の無い形で干上がろうとして居る。正常化は未だに地平線上に見えない。
一方、各国政府はコロナウイルスの健康に及ぼす課題に取り組んで居るのだが、協働しようとする本能は余り感じられない事は明らかだ。各国のメッセージは混乱し、たびたび全く異なって居る。
各国は、隣国や、交易の相手国への配慮は抜きにして、正しいか誤って居るかに関わらず、最適そうに見える解決策を採ろうとして居る。
例えば、トランプ大統領が断固として殆どの欧州諸国へのエアラインのアクセスの中止を発表した時、欧州政府の相手方に、相談する事はおろか、事前に知らせる事さえしなかった。その他の政府も少しはましな行動をとって居るとも言えない。
怖れるべきは、崩壊したエアラインシステムが再構築され、似た様な国家利己主義が蔓延する事だ。これは重要な事である。何故なら航空業界とはエアラインの健康以上のものだからだ。これは世界のコミュニケーションと交易の為に致命的なものである。
それは、1944年に世界中の各国政府が、戦後航空界のために招集され、打ち立てた多国間枠組みが、航空業界の中心的役割だったからだ。殊に、それは第二次世界大戦の終わる、数か月前の事だったのである。将来の世界平和と繁栄の為に、完全に機能するエアラインシステムは必須なもの、そして協調が緊急の課題と考えられたのだ。
その時、彼らは、ICAO(国際民間航空機関)と言う枠組みの中に、何とか、素晴らしい世界的安全体制を設立する事が出来た。然し、その戦後世界における航空業界の将来的役割の薔薇色の展望をもってさえ、各国政府にとって、基本的な保護主義を越えて伸びて行く事が不可能だと言う事を証明してしまった。その結果のシステムは今や75歳になるが、未だに古色蒼然とした単独行動主義を反映したものである。
従って、一世紀の3/4が過ぎても、エアラインにとっては、国家の境界を越えて合併統合する事が不可能な侭になって居る。この労働組合に大規模に組織された産業に於いて、しばしば、組合に扇動され、外国人の所有は、強い抵抗を受けて居り、外国エアラインによる別の国の中での運航(「カボタージュ」)は世界的に禁止されて居る。
結果は、細分化され、概して脆弱なエアライン業界である。結果としての脆弱性から、今あるのは、至近の明らかに短命だが、利益の上がる一時的な異常な時期だと言うのに、事態は少しも変わっては居ない。
一方で、それ以外の世界は、算盤(そろばん)からクラウドへと移行して居るのだ。
今日、コロナウイルスに対する世界の健康のための戦いの中で、政府の反応は区々(まちまち)で、国境線に沿って、ほんの限られた協議の下に解決されて居る。
目下の状況は、エアラインの危機に対する、有り得そうな生ぬるい対応は、これまた区々で、国家を基本としたものだろう。多分殆どが選ばれた国営航空の救済策からなるものとなるだろう。
もしそれが、基本的な姿勢であるなら、危機から脱出する事は、犠牲者の遺骸が転がる、残酷な戦場に踏み込んで行く様なものである。
コロナウイルス後の世界:新たな航空業界の特異な時が始まろうとして居る
コロナウイルス後の混沌は、もう一つ、世界のエアライン業界の基盤の枠組みをやり直す、またと無い機会をもたらす事になるだろう。然し、この可能性をつかみ取ろうとする意志があるだろうか?
意志があるとすれば、正しい方角を選択するにはリーダーシップと、全産業の中で最も国際的なこの産業に、国家主義者の考え方が入り込む余地は無いと言う認識が必要である。
幾らか残る生存者は自明である。中国のエアラインは殆どが政府の支援を受けて居て、従って少なくとも大手は支払い能力を保ち、彼らの株価は、この現実の、そして事実上の査定を反映する。一方、他の多くの大手国際線エアラインの株価は50%かそれ以上下落した、中国の3大エアラインの株式は10%少ししか値下がりして居ない。
同様に、米国の大手(組合に支援されて居る)は政府の補助金にアクセスするロビーの力を持って居て、既にそれを実現させようと激しく動いて居る。
次いで、その他の国家主義的な欧州諸国の政府があり(多分EUでさえも)、その国々の(いくつかの)エアラインに選択的に支援を提供して居る。湾岸のエアラインも夫々のオーナーに支援されて居る可能性が高い。多くの、民間エアラインにとって、見通しは必ずしも明るくない。
要するに、コロナウイルス後の環境は、国家主義的な航空地政学上の孤立の要素を全て備えて居るのだ。
コロナウイルス後の世界に最も不必要なものは、航空地政学的衝突である。
国家主義的な主張に沿った衝突は、航空機製造業、航空宇宙メーカー、リース業、そして資金供給者など、航空業界のサプライチェーン全体にとって、重大な意味合いを持つことになるだろう。それは規模を縮小され、多くの派生する活動にとって破滅的な事になるだろう。
それは、世界中で数千万の雇用を構成し、世界のビジネス活動を養って居る、観光、旅行産業を、航空便が無くなる事が危うくする衝撃以前の問題でさえある。
もし仮になければ、、、
政府間の協調が不可欠。今や、新たな枠組みを構築する時だ、灰燼の中からでなく
必然的に、我々がこのトンネルを抜けた時には、そうなるだろうが、世界は全く違うものになって居る;航空業界も例外では無い。
然し、政府間の協力を始めるのに、航空業界の世界より相応しい場はないのだ。各国政府は、第2次世界大戦の最中にそれを理解して居る(これは余り知られて居ない事実だが、国際民間航空機関(ICAO)は、実際、国際連合の1年前に創立されて居り、それが国際航空に課せられた優先順位だったのだ)
健全なコロナウイルス戦争後のエアライン体制を確保するためには、膨大な相互の利害がある。近年、開発途上国にとって重要な事だが、全ての新たな雇用の20%を構成し、極めて大切な、観光、旅行産業は、複数の新規参入者たちによる、広範な低運賃と、競争に依存する様になって居る。
いま広がり行く健康に対する攻撃が、世界を覆う最悪の状況になる前にも、世界の航空界の構成員、ICAO、EU、IATA、地域航空協会そして主要な航空国家は、真に世界の社会と経済の必要とするものを充たす、協力と21世紀の体制の確立に向かって対話を始めなければならないのだ。
代替策は、考えるだに恐ろしい。ばらばらで、そして国家主義的な結論は、適者生存とはならないだろう。
それは主として、自国の政府に、最大で、最も支援を受けてきたエアラインで成り立って居るのだろう。このシステムは国家主義の悪臭がするだろう。
そしてそれは21世紀の世界の必要とするものの役に立ちはしないだろう。
この将来像は、あらゆる責任ある政府が、検討しようと考えるべきものでは無い。
COVID-19. By the end of May, most world airlines will be bankrupt