当分析は、CAPAが7月29日に発表したSkymark Airlines A380 orders are in serious doubt as Airbus recommends an "umbrella" solutionを、JAMRが翻訳したものです。(T.A)
CAPA分析
スカイマーク、A380の発注に深刻な疑問
=エアバス社が大手エアライン傘下に入る解決策を勧告
自分より大きな子の持つ玩具を欲しがったばかりに、日本の低コストエアラインであるスカイマーク・エアラインは、その評判を落とし、巨額の資金を要求され、最も重大な事には、自らの核である国内線市場に新たなLCCが次々と参入してこれに対応しなければならないこの大事な時期に、経営をリスクに曝すという事になりかねない様だ。スカイマークは2010年に発注した、6機のA380の受領について、延期、或は発注取り消しさえあり得る計画について、「攻撃は最大の防御」の方針で、鉄面皮な表情を見せている。メディアに対して、発表した声明では、エアバス社が、もし発注が取り消された場合は「常識を逸脱した法外な違約金を」提示して来た、と言っている。この発表によれば、エアバス社がスカイマークに対して、解決策として「大手航空会社の傘下に入ること」を要求している模様である。
スカイマークによれば、機材受領の延期或は取り消しについては、2014年4月から交渉が行われていると言う。スカイマークはその原因を「近年の円安や競争の激化により経営環境が厳しくなったため」と説明している。
同社の国際路線計画は2転3転していたが、各案に共通するのはスカイマークには、この巨大な航空機を、特に初体験の国際線として投入するには、送客力が欠けていると言う点だった。エアバス社は既にスカイマークのロゴとデザインに彩られた新機材の初号機の試験飛行を始めている。2機のA380が2014年以内に、続いて2015年と2016年にもう2機ずつ納品される予定になっていた。発注は表示価格で総額13億米ドルに上り、ずっと不可思議なものと見なされ、業界でこれを安全確実なものと見ていた人々は僅かだった。
これから、多くの事実関係が明らかにされ、スカイマークは懲らしめられたエアラインとして事態は収拾するだろう。しかし、6機のA380をキャンセルする事により、同社は、国内線専門のエアラインが、余りにも野心的な、長距離路線で全席プレミアムのA380を運航するという考えに飛躍する以前に、日本の国内線市場で培った実力に、磨きをかける事が可能になる、というより、それを余儀無くされるだろう。
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