CAPA分析:NEW HEADLINES  3月-2022年

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。 

 

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CAPA(Centre for Aviation)の発表する”CAPA Analysis” 原文はこちらからご覧になれます。

 

2022年3月27日掲載

香港の規則変更、キャセイ太平洋には、限定的な援けにしかならない

27-Mar-2022

 

香港の入国制限の部分的な緩和は、その他の規制がそのままなので、拡大速度は依然遅々としたものに止まるとしても、キャセイ太平洋が、その主要市場から、少なくとも幾らかの交通量を回復するのに役立つだろう。

 

香港政府は、2022年4月1日から、9カ国からの便の運航停止を解除する事を計画して居り、全てのワクチン接種済みの香港居住者が特別行政区(SAR) に入国する際の、検疫隔離対策を短縮する予定である。然し、キャセイ太平洋は、便ごとの運航停止を招くリスクのために、依然として国際線便数を極めて低い水準に抑えて居る。

 

香港の最新の動きは、依然として他のアジア太平洋諸国の発表した、より幅広い再開には、遥かに見劣りするものである一方、この緩和は、SARの最近の厳格化の傾向から方向の転換を示す点で、意義深いものである。パンデミックはしばしば、その様な予告は早計であることを証明して来たけれども、これは香港とキャセイ太平洋にとって、変曲点を記す可能性がある。

 

然し、意味のある回復が見えて来る前には、改善率は劇的に上がる必要がある。

 

Hong Kong rule changes offer only limited relief for Cathay Pacific

Premium Analysis

パンデミック、政治が複雑化して北京首都空港への資金調達を阻む

27-Mar-2022

 

中国は、コロナウイルス・パンでミックが始まった所であり、また中国は、国の最先端の玄関口である北京首都空港が、正に終わった会計年度の大きな損失に備える中で、それが終わる兆しの見えない所でもある。

 

確かに、近い将来にも予想される、香港の状況を悪化させて居るオミクロン株の侵入に対して、国が出入り口のハッチを補強する中で、望みは小さい様に見える。

 

停滞する経済と不動産の混乱が、そしてロシアとの余りに近い関係は、中国の空港に対する外国人投資家である事に、問題を生んで来て居る。

 

殆どの空港投資家たちは、ずっと昔にこの国に別れを告げて居る。

 

Pandemic hurts Beijing Capital Airport finances, complicated by politics

Premium Analysis

エアライン各社、旅客サーチャージが燃油価格高騰を穴埋めしてくれる事を願う

24-Mar-2022

 

国際エネルギー機関(IEA)は、ロシアの原油生産への大規模な障害の見通しが、「世界の石油供給ショック」の脅威となると警告して居る。

 

ブレント原油の価格が、過去5から6年間の、バレル当たり45~75米ドルの範囲から跳ね上がり、今や100米ドルを優に超えて居る。これは、業界がCOVID-19パンデミックから這い上がろうともがいて居る中で、2022年のエアラインの収益性の回復(或は、殆どのエアラインにとって、より正確には損失の縮小)を脅かして居る。

 

これに反応して、多くのエアラインは、旅客運賃に燃油サーチャージを科し、或は、考慮し始めて居る。これには、デルタ、エアフランス-KLM、TAPポルトガル航空、ローガンエア、JAL、エアアジアそして台湾とタイのエアラインが含まれる。大韓航空と中国のエアライン各社は、燃油価格が上昇軌道に乗った、今年早く、既に燃油サーチャージに動いた。

 

旅客燃油サーチャージは、基本となる航空券価格に浸食を起こさない時に初めて有効である。

 

これには、良好な供給/需要のバランス、経済的な力と消費者の信頼が必要となる。低運賃が牽引する回復の下の、現在の価格感受性は、これらの条件がフルに当てはまっては居ない事を示唆して居る。

 

Airlines hope passenger surcharges will offset fuel price jump

2022年 空港建設と投資の概観・第1部ーアジア太平洋と欧州

24-Mar-2022

 

パンデミック期間中、空港部門で働くサプライチェーンの事業は、空港での建設の殆どの活動から、短く小休止した後、今再び、どこに主要な商機が存在するのかを検証する時が来た。

 

この特集は、CAPAが提供する空港関連セット商品のひとつであり、世界空港投資家データベース、空港料金比較と交通量比較などをも含む、CAPA空港建設データベースに蓄えられた、幾つかの包括的なデータについてレポートする。

 

この分野の投資の水準は、パンデミックの間、予想された通り、縮小して居り、その回復は、ウクライナでの戦争の経済的な影響により、妨げられるだろう。にも拘らず、計画が、新たなインフラの為に生き返る中で、商機は依然として存在して居る。

 

以下は、既存の空港及び新規の建設の中での、最高水準のプロジェクトに関する、2つの記事のうちの最初の一つである。数百のその他のプロジェクトが、データベースにリストされて居る。

 

Airport Construction and Investment Review 2022 Part 1 - Asia Pacific and Europe

ニュージーランドの国境再開、重要な豪州との航空連携再建

23-Mar-2022

 

間もなく行われる、ニュージーランドの、豪州居住者の入国を許可する動きは、両国の大手エアラインにとって、極めて重要な海峡越え市場の再開への、最後の一歩を記す事になるだろう。

 

この対策は、ニュージーランド政府が、その最重要の海外市場の幾つかからの旅行を再生させるための、加速する工程表の一部である。これは、海外から帰国するニュージーランド国民に対し、検疫隔離を免除する、これより前の対策に続くものだ。

 

豪州は、より迅速に動いて、自国民が海外旅行するのを許し、外国の旅行者に対して国境を開放して居るーー幾つかの州は他州より早かったが。

 

ニュージーランドは、旅行客を引き戻すことについて、豪州やアジア太平洋の国々の幾つかに比べ、遅れて居るかも知れないが、少なくとも現在は進展がある。現時点の最大の疑問は、エアライン各社は、迫り来る冬シーズンまでに、どのくらい速やかに供給を増強する積りなのか、そして最初の賑わいの後に、需要はどの様な事になるのかである。

 

New Zealand border reopens, restoring vital Australia aviation links

Premium Analysis

欧州の航空業界回復:立ち直りの早い北大西洋の需要が確信を強める

22-Mar-2022

 

ロシアのウクライナ侵略は、暫くの間、欧州の航空業界がCOVID-19オミクロンの波から供給を回復するのをひっくり返し始めて居た。然し、現在の航空スケジュールは、欧州のエアライン供給が、大きく下落を見せると言うより寧ろ、水中を立ち泳ぎして居る状態だ。

 

2022年3月21日の週、欧州の供給席数は2019年対比27.6%の減少となって居る。これは2022年3月14日の週よりも1.2ポイント多く、欧州を2022年2月の最終週のロシアの侵略前の状況に引き戻して居る(2021年12月の最終週より9.0ポイント低いが)。

 

欧州は、地区別ランキングでは、供給が34.4%減少したアジア太平洋の上の第5位に止まって居る。中東の供給は、23.9%減、アフリカは17.7%、北米が13.5%、そしてラテンアメリカは8.6%だった。

 

未だに可なりの不確実性が有り、将来の出来事は予測が出来ない。然し、大西洋越えの予約数の回復力に関する最新のIATAデータ、そして旅行制限が緩和されて居る事が、欧州の回復はやって来ると言う、慎重な楽観主義を増大させて居る。

 

Europe aviation recovery: resilient North Atlantic demand adds belief

Premium Analysis

ラテンアメリカのエアライン、激しい競争にその保有機群を強化

22-Mar-2022

 

昨年一杯、ラテンアメリカのエアラインは、COVID-19パンデミックがエンデミックの状態になろうとする中で、その保有機群を競争力あるものにすべく、熱心に動いて来た。

 

チャプター11の下で再建に取り組むエアライン、そして、正式な破産保護を頼む事なく、危機を凌いだ幸運なエアライン各社は、これから何年もの間、競争力を保つ事を確実にするため、多くの活動に勤しんで来た。

 

この地区のエアラインによる、保有機群に関する動きは、運航会社は燃料効率を追求し、ある例では低コスト運航会社とも、より効率的に競争できる、次世代狭胴機に向かって行くのは驚くに足らない。

 

驚くまでもなく、この地区で、次世代狭胴機には、高い需要がある。これらの航空機は、燃油消費が改善して居り、ラテンアメリカのエアラインの間で、ますます競争の基本となる、より低い単位コスト実現を助ける事になる。

 

LatAm airlines fortify their fleets for fierce competition

「プリ-ポストパンデミック時代」の空港インフラ:リーズ・ブラッドフォード空港、遅延で狙いが阻まれる

22-Mar-2022

 

それぞれ異なる速度で、各空港のインフラ計画が勢いを取り戻して居る。この3回連載のレポートは、パンデミック前の時期に、幅広く異なるインフラ計画に対する典型的な取り組み姿勢の、異なった地理的条件を持つ例を検証する。

 

チャンギ空港の第5ターミナル計画が一度は、ロシアの戦車の様に、急速にそして決然として、中止されるかに見えたシンガポールでは、運輸大臣が、実際の公約は呈示する事なく、政府が後日公約することを認めた。

 

当初の計画が、先の10年間の初頭に始まって、建設の遅れで、すっかり時代遅れになったため、1990年のベルリン・ブランデンブルグ空港基本計画中に、殆ど後知恵の様に付け加えられた、ベルリン第2ターミナルの場合は、遂に2022年3月に開業の予定だ。然し、この開業は、答えを出してくれるのと同じくらい疑問を投げかける。

 

一方、英国では、リーズ・ブラッドフォード空港の老朽化したターミナルを、環境に優しく、そして「拡大しない」ものに置き換える、道義に基づいた計画が、一般市民への意見聴取を求める、環境保護を指向する筈の政府により、ぶち壊されて居る。同空港は、驚くまでも無く、降参して居る。

 

Airport infrastructure in ‘pre-post pandemic’ period: Leeds-Bradford aims thwarted by delays

2022年3月20日掲載

旅客は*AENAのスペイン各地の空港に戻って来たが、不確実性は続く

19-Mar-2022

 

スペインは依然として観光に依存して居る。2019年、観光はGDPの12.3%を創り出し、幾つかの地域では、それが15%も占めて居る。従って、スペインの空港の旅客数は政府にとって常に重要なのである。

 

2022年2月、その数が2021年対比で数100%と、劇的に跳ね上がり、ある例では、2019年の数字に充分匹敵するものさえあった。最高の旅客数は依然マドリードとバルセロナではあるが、沿岸地方と島嶼部の空港では、幾つかはもっと印象的だった。

 

現在の疑問は、これが、COVID-19からの回復の、大きな一里塚を意味するのか、或は、またも夜明け前の微光だと判明するのかである。

 

一方で、スペインは、英国の様な国(暫時の減少と判明するかも知れない)から、そしてロシアやアジア太平洋地区(より長引くだろう)からの来訪客の減少に対応しなければならない。

 

*Aena(Aena S.M.E, S.A.、Aeropuertos Españoles y Navegación Aérea、アエナ)マドリードに本拠を置く空港運営企業

 

Passengers returning to AENA’s Spanish airports, but uncertainties remain

Premium Analysis

キャセイ太平洋に頭痛が増大、歓迎すべき半期利益にも拘らず

19-Mar-2022

 

キャセイ太平洋は、これまでのCOVID-19時代には、同社の半期の純益として稀に見る輝きを持つとランクされるものの一つを達成した。然し、同社の状況は改善する前に、悪化するだろうから、それはまた儚い勝利でもあり得る。

 

同エアラインの収益の回復は、押し寄せた貨物需要に強く依存して居り、業績もまたキャセイの経費リストラが効果的だった事を示して居る。そして同社は、これがパンデミック後の環境に、それがどんな物であろうと、同社は成功を勝ち得ると語る事を正当化して良いだろう。

 

然し、これはキャセイの供給が、地元市場での、厳しい制限の所為で、地下室の水準に留まって居る事実を隠すことは出来ない。その他の大手エアラインでキャセイのした程まで事業を縮小した所は少ないし、政府の規制の更なる厳格化のお陰で、同社の供給は更に下方に傾いて居る。

 

中国大陸が、現在のキャセイの最大の市場である。然し、COVID-19感染の最新の波が、旅行需要を脅かして居る中で、そこでもニュースは暗いものだ。

 

Headaches increase for Cathay Pacific despite welcome half-year profit

Premium Analysis

インド洋:モルディブ、空港運営に外国企業を招く

19-Mar-2022

 

インド洋は、航空輸送に関しては、ごく稀にしかニュースにならないが、インドの西海岸の、ポルトガルの影響を受けたゴア、そして1,250km真南にあるモルディブに関する出来事は注目に値する。

 

ゴアでは、コロナウイルス・パンデミックの間には数少ない例の一つとして、新たな空港が今年中に開港する予定だ。それは、相当、観光客向けを指向したもので、世界中で2022年~23年冬季の間、これがどの様な業績をあげるか、大きな関心を呼ぶだろう--予定より早く業界の復活があるかの厳しいテストである。

 

沈下し続けて、2050年(「ネットゼロ」の年)を見る事が出来ないかも知れない群島であるモルディブでは、もう10年以上前に、*GMR(インド)とマレーシア・エアポーツ社と短時間の蜜月関係が破綻したにも拘らず、政府は100%外国資本所有の企業がその空港を運営すると言う考え方を抱いて居る。

 

ここでは、より詳細に、モルディブを、そしてこの小さな島の空港に、(少数の)より大きな所での行動を許さずに、如何に投資家を惹きつけるか、と言う大きな疑問について見てみたい。

 

更には、この国はインド洋に於ける戦略的立地に起因する、政治的な策謀に巻き込まれても大丈夫なのだろうか?

 

*GMR:ニューデリーを本拠とするインフラ大手企業

 

Indian Ocean: Maldives invites foreign firms to manage its airports

Premium Analysis

ヘルシンキ空港、2022年1月~2月に強固な交通量拡大を報告、然し将来の兆しは不吉

18-Mar-2022

 

フィンランドは、欧州の北東の辺境にあり、これが有利に働いて居り、それにより欧州=アジア間の航空便は、ヘルシンキ・ヴァンター空港発着で、最短の大圏航路距離を取る事ができ、お陰で欧州のあらゆる場所からの乗継旅客を惹きつけて居る。

 

2年間の厳しい時期が過ぎて、2022年1月と2月、数字の上でこれらの旅客は戻って来たが、未だに供給席数水準で、2020年の最初の2ヶ月に比べ遥かに劣って居り、しなくてはならない事が沢山ある。それは部分的には、アジア太平洋全体でのCOVID流行であり、今度はナショナルエアラインであるフィンエアが正に飛びたい空域の封鎖をもたらした、ロシアのウクライナ侵略である。

 

フィンランドには、ロシアとの間に長い国境があり、過去にはそこから侵入され、先週それを脅迫されて居る。

 

最終的な結果は定かでは無いが、空港そしてエアラインの双方とも、その長期的な戦略を見直す時であるかも知れない。

 

Helsinki Airport reports strong traffic growth in Jan to Feb-2022, but future portents are ominous

「プリ-ポストパンデミック時代」の空港インフラ:ベルリン・ブランデンブルグT2のデビューが疑問を投げかける

18-Mar-2022

 

それぞれ異なる速度で、各空港のインフラ計画が勢いを取り戻して居る。この3回連載のレポートは、パンデミック前の時期に、幅広く異なるインフラ計画に対する典型的な取り組み姿勢の、異なった地理的条件を持つ例を検証する。

 

チャンギ空港の第5ターミナル計画が一度は、ロシアの戦車の様に、急速にそして決然として、中止されるかに見えたシンガポールでは、運輸大臣が、実際の公約は呈示する事なく、政府が後日公約することを認めた。

 

当初の計画が、先の10年間の初頭に始まって、建設の遅れで、すっかり時代遅れになったため、1990年のベルリン・ブランデンブルグ空港基本計画中に、殆ど後知恵の様に付け加えられた、ベルリン第2ターミナルの場合は、遂に2022年3月に開業の予定だ。然し、この開業は、答えを出してくれるのと同じくらい疑問を投げかける。

 

一方、英国では、リーズ・ブラッドフォード空港の老朽化したターミナルを、環境に優しく、そして「拡大しない」ものに置き換える、道義に基づいた計画が、一般市民への意見聴取を求める、環境保護を指向する筈の政府により、ぶち壊されて居る。同空港は、驚くまでも無く、降参して居る。

 

Airport infrastructure in ‘pre-post pandemic’ period: Berlin Brandenburg T2 debut prompts questions

Premium Analysis

「プリ-ポストパンデミック時代」の空港インフラ:シンガポール・チャンギ、ターミナル5建設を公約する

17-Mar-2022

 

それぞれ異なる速度で、各空港のインフラ計画が勢いを取り戻して居る。この3回連載のレポートは、パンデミック前の時期に、幅広く異なるインフラ計画に対する典型的な取り組み姿勢の、異なった地理的条件を持つ例を検証する。

 

チャンギ空港の第5ターミナル計画が一度は、ロシアの戦車の様に、急速にそして決然として、中止されるかに見えたシンガポールでは、運輸大臣が、実際の公約は呈示する事なく、政府が後日公約することを認めた。

 

当初の計画が、先の10年間の初頭に始まって、建設の遅れで、すっかり時代遅れになったため、1990年のベルリン・ブランデンブルグ空港基本計画中に、殆ど後知恵の様に付け加えられた、ベルリン第2ターミナルの場合は、遂に2022年3月に開業の予定だ。然し、この開業は、答えを出してくれるのと同じくらい疑問を投げかける。

 

一方、英国では、リーズ・ブラッドフォード空港の老朽化したターミナルを、環境に優しく、そして「拡大しない」ものに置き換える、道義に基づいた計画が、一般市民への意見聴取を求める、環境保護を指向する筈の政府によりぶち壊されて居る。同空港は、驚くまでも無く、降参して居る。

 

Airport infrastructure in ‘pre-post pandemic’ period: Singapore Changi commits to Terminal 5

Premium Analysis

英国、旅行制限終結、欧州第1位の航空市場として復活

17-Mar-2022

 

2022年3月14日、英国政府は、まだ残って居た国際線旅行の制限の終結を発表した。2022年3月18日午前4時から英国に到着する旅客は、ワクチン接種状況の如何を問わず、COVID-19の検査や旅行者追跡書類作成をする必要がなくなる。ホテル検疫隔離機能は2022年3月末を以って、最早作動しなくなる。

 

英国は、政府のワクチン接種計画に対する自信を反映して、COVID-19のための国際旅行に関して、実施中の全ての制限を解除した経済大国として、最初の例の一つである。将来、懸念されるCOVID変異種に対しては、英国は「最小限に厳格な対策」に留めると言う。これは、航空業界の運営者、また旅客に対して、将来への計画を立てるにあたり、より大きな安心感を与える筈である。

 

英国は、パンデミックの深みにはまっていた間、供給の激減に苦労したが、2022年2月、供給席数に於いて欧州最大の市場としての歴史的な地位を回復した。然し、2022年3月14日の週の供給席数はパンデミック前の、僅か67%に過ぎない。これは欧州全体の平均71%と対照的である。

 

国際線旅行の制限の終了は、英国がそのリードを取り戻す事を確かなものにする筈である。

 

UK ends travel restrictions, returns as No. 1 European aviation market

ウクライナ侵攻、欧州エアラインの予約に世界平均を上回る打撃

17-Mar-2022

 

ロシアのウクライナ侵略は欧州の航空業界にとって、供給の回復を失速させ続けて居るが、エアライン・スケジュールへの影響は、依然として小さ過ぎる状態である。欧州の供給席数は、2022年3月14日の週には、2019年対比で28.8%落ちて居る。これは前週より僅か0.5ポイントの悪化であるが、5週連続の改善の後に、2週連続で滑り落ちて居る。

 

欧州は、供給が31.2%減のアジア太平洋地区の上で、依然として地区間ランキングの第5位に留まって居る。中東の供給は、23.1%減、アフリカは17.0%、北米は14.0%、そしてラテンアメリカは9.6%だった。

 

IATAからのデータによると、ロシアのウクライナ侵略は、世界のエアライン予約に、直ちに対前週8%の、欧州の予約には14%の下落をもたらした。欧州のエアラインの登録する将来のスケジュールには現在、以前よりも少し緊縮しようとする兆候がある。

 

もし、予約が、北半球の夏場へと傷み続けるならば、欧州のエアライン・スケジュールは、間違いなく更に縮減されねばならない。

 

Ukraine invasion hits Europe airline bookings more than global average 

ドミニカ共和国;民間の空港、この国への投資拡大の触媒として働く

17-Mar-2022

 

世界の空港民営化の多くの例の中で、幾つかは、その独自性が目立って居り、そしてその中の一つがドミニカ共和国のプンタ・カーナ国際空港である。表面上は、リゾート地域の玄関口の役割、そして拡大する不動産開発の目的で建設され、同時にドミニカ共和国とハイチが分け合うイスパニョーラ島の東端の玄関口として機能して居る。

 

プンタカーナは、最も多く訪れられるカリブ海の目的地であると称される。

 

現在、米国の国境事前審査チェックポイントと、それに付随する自由交易圏の指定を受ける予定の、空港の拡張が行われようとして居る。これらの開発は、大統領が世界中の投資家からこの国への信頼を得る為の呼びかけに使われて居る。

 

一方で、COVID-19の嵐を何とか凌いで、同空港は、観光客が、特に北米から、戻り続ける事を期待出来る。

 

Dominican Republic – private airport acts as a catalyst for more investment in the country

アズールの航空貨物への野望、記録的な一年の後に高まる

16-Mar-2022

 

COVID-19パンデミック前に、貨物は、ブラジルのアズール航空の大きな焦点であり、2021年貨物事業で記録的な業績を上げたのち、決して胡坐をかいて居る訳ではなく、アズールのロジスティック部門は同社の戦略の主要な柱となり続けて居る。

 

アズールは、2009年以来、貨物輸送に携わって来たが(旅客事業を始めた1年後)、過去数年間、同社はその貨物とロジスティックス事業への投資を、押し上げて来た。そのロジスティックス部門を通じて、アズールは4,500の都市に配達し、その目的地のうち2,000都市に48時間以内配送サービスを行って居る。

 

アズールの最高財務責任者アビ・シャーは、若し、アズールのエンブラエル貨物機保有機群が、拡大しなければガッカリだと言って居る。この航空機は、飛行コストと副次的な都市に飛べると言う点で優位性を持つと彼は説明して居る。

 

アズールは、その保有機群に、改修済エンブラエル貨物機を追加する好機があると考えて居て、より広く、この国でその貨物事業の比率を大きく拡大しようと考えて居る。同社はある特定の米国の貨物の巨人を自社のモデルとすることを熱望して居る。

 

Azul's air cargo ambitions run high after a record year

Premium Analysis

ウクライナ侵攻、リトアニアの空港には未だ影響なし;2022年初頭の業績はプラス

16-Mar-2022

 

COVID-19の2年間に亘る苦悩の後に、欧州の航空輸送業界は、特に大陸東部の地域では、適切な交渉で合意された決着に至るか、体制変換が無ければ、何年にも亘ってズルズルと続く可能性のあるウクライナ紛争の、毎日のニュースを固唾をのんで待って居る。

 

1991年ソ連から解放されたバルト3国の一つであるリトアニアは、ウラディミール・プーチンにロシア帝国を復興する彼の計画の一部として狙われて居るし、また東、西の両方向から侵略される可能性があるのだから、誰よりも戦闘の拡大を恐れるべきものを抱いて居る筈だ。

 

この恐怖のみでも航空旅行の需要に影響する可能性があるが、少なくとも2022年の最初の2か月間は、旅客と貨物の実績統計はプラスである。

 

一方で、リトアニア・エアポーツ社はこの国の3つの空港全てでインフラ開発を進めて居る。

 

Ukraine invasion yet to impact Lithuanian airports; early 2022 results positive

Premium Analysis

インドの国内線航空市場、オミクロンの鎮静化後に順調にリバウンド中

15-Mar-2022

 

インドのエアラインは、最新のCOVID-19感染の波の後に、再び急速にその国内線路線網を回復しつつある。

 

交通量は、反応は僅かに遅れるものの、供給のトレンドに着いて来て居り、この市場で需要が依然として堅固である事を示して居る。

 

新しい、或は再出発したエアラインや所有者の交代があり、今年、インドの国内線航空市場では大きな変化があるだろう。これは、業界の回復後の局面で登場するだろう、エアラインCEO達の間で、「衛兵交代」があるだろうことを意味する。

 

インドの国際線市場は、多分回復が緩やかだろうが、この国の国内線市場は、アジア太平洋地区では、再び最も勢いのある、競争の激しいものになるだろう。

 

India’s domestic aviation market is rebounding well after Omicron dive

Premium Analysis

インド洋:新ゴア空港、ほぼ完成

15-Mar-2022

 

インド洋は、航空輸送に関しては、ごく稀にしかニュースにならないが、インドの西海岸の、ポルトガルの影響を受けたゴア、そして1,250km真南にあるモルディブに関する出来事は注目に値する。

 

ゴアでは、コロナウイルス・パンデミックの間には数少ない例の一つとして、新たな空港が今年中に開港する予定だ。それは、相当、観光客向けを指向したもので、世界中で2022年~23年冬季の間、これがどの様な業績をあげるか、大きな関心を呼ぶだろう--予定より早く業界の復活があるかの厳しいテストである。

 

沈下し続けて、2050年(「ネットゼロ」の年)を見る事が出来ないかも知れない群島であるモルディブでは、もう10年以上前に、*GMR(インド)とマレーシア・エアポーツ社と短時間の蜜月関係が破綻したにも拘らず、政府は100%外国資本所有の企業がその空港を運営すると言う考え方を抱いて居る。

 

これから、より詳細にインドの例を見てみよう。

 

*GMR:ニューデリーを本拠とするインフラ大手企業

 

 

Indian Ocean: new Goa airport almost complete

カナダのウエストジェット、サンウイングを買収してパンデミック後の舞台へ

14-Mar-2022

 

カナダ第2位の規模のエアラインであるウエストジェットは、計画中のカナダのツアーオペレーターであるサンウイングの買収を通じ、航空旅行の回復が続く中で、休暇市場での地位を 確固たるものとすべく、パンデミック後の世界でのレジャー旅行の復元力に大きな賭けをしようとして居る。

 

サンウイングの買収計画は、ウエストジェットがとった自社の事業を多角化するための最新の動きである。過去10年間、ウエストジェットは、地域子会社アンコールの創設から、自社の超低コストエアライン[ULCC]、スウープの設立まで、その事業を多くの方法で多様なものにして来た。

 

ウエストジェットによる、これら、そしてその他の動きは、同エアラインが、一方で企業渡航の分野に羽を広げつつ、レジャー旅客分野での競争力を保つために採られた対策である。

 

また、新規参入者がオンラインでやって来て、既存のオペレーターたちがパンデミックからの旅行の回復を実現させようと努力する中で、カナダの航空業界の景観が、進化を遂げるのか、今のところ定かでない。然し、この国のエアラインは、カナダの市場での競争を支えるために、興味深い取り合わせを形作って居り、これらのタイアップには既に競争相手が出現して居る。

 

WestJet makes post-pandemic play with Sunwing purchase

2022年3月13日掲載

Premium Analysis

欧州のエアライン・スケジュール:ロシアとウクライナの現実から切り離されて居る

10-Mar-2022

 

エアラインが登録したスケジュールに基づくデータに拠れば、ロシアのウクライナ侵略が欧州の供給に与える影響を示しつつあるが、僅かなものに過ぎない。欧州の供給席数を2019年水準に対する割合で見ると、5週連続の改善の後に僅かな減少がある。

 

2022年3月7日の週、欧州の供給席数は2019年の供給に対して28.4%の減少で、これは前週(2022年2月28日の週)に比べ僅か0.6ポイントの悪化である。

 

欧州は地区別ランキングで、供給が30.7%落ちたアジア太平洋の上の第5位のままである。中東の供給は24.4%減、アフリカは17.1%、北米は14.3%、そしてラテンアメリカは8.4%である(コロナウイルス・パンデミック前以来、全地区で、2019年水準に最も近かった)。

 

欧州のデータを掘り下げて行くと、ロシアのスケジュールが、現時点の週間データ、或は夏への予測にせよ、国際線便の運休を反映して居ないのが明らかである。ウクライナのスケジュールは、今週、ユーロコントロールの記録では全く運航が無いにも関わらず、便数が未だに2019年水準の22%と示されて居る。

 

European airline schedules: disconnect from Russia and Ukraine reality

Premium Analysis

インドの国際線市場、ついに回復への道筋を見出す

10-Mar-2022

 

インドの国内線供給は、COVID-19感染者の最後の波が鎮まってから、力強くリバウンドして居り、今やエアライン各社は、政府が飛行制限解除の準備をする中で、国際線運航へもまた、進展がある事を期待して居る。

 

2022年3月8日、この国の民間航空省は、インドへの定期国際線の全便は、2022年3月27日以降復便を許される予定である事を確認した。これはその前の段階で、2022年2月に、殆どのワクチン接種済みの入国旅客の検疫隔離義務を解除するのに次ぐものだ。

 

インドは実際に、二国間旅行バブルを使って、既にかなりの部分の国際線供給を回復して来た。然し、このシステムは、市場を人工的に制限する、不満足な暫定的な処置である。これは、その他のアジア太平洋の諸国が旅行を再開する中で、ますます本筋から外れて居る様に見えて来た。

 

政府は、前に飛行制限の解除を試みて来たが、新たな感染の波により延期を余儀なくされて居た。現在、ワクチン接種率がより高くなって、新たな感染数が、今回は、目標の日程を守る事に、より大きな自信を持たせてくれて居る。

 

India’s international market finally has a path to recovery

ウクライナ侵略:フラポート、サンクトペテルブルク・プルコヴォ空港撤退。空港投資家たちへの警鐘が鳴る

09-Mar-2022

 

ロシアのウクライナ侵略が与える経済的な影響は、日に日に明白になって居る。

以前は制裁やその他の対応策に参加することを躊躇って居たドイツが、突然、断固として困難に立ち向かい、国際的に主導すべく立ち上がった。

 

これに従って、多分、ロシアの空港に株式を所有する、唯一の外国社フラポートが追従しても大きな驚きでは無い。国際コンソーシアムの一員として、サンクトペテルブルグ・プルコヴォ空港を12年間運営して来た後、資金の返還も疑わしいにも関わらず、同社は鍵をドアに差し込んだまま、ただ歩み去って居る。

 

この行動は疑問を投げかける。フラポートは、全ての投資を再評価するのだろうか?他社も同じ事をするのだろうか?

 

ともかくM&A活動 がとても少ない中で、これは、最も必要な時に、民間部門の外国空港への投資が終わってしまう事を意味するのだろうか?

 

Ukraine invasion: Fraport exits St Petersburg Pulkovo Airport. Alarms sound for airport investors

ウクライナ侵略:ロシアのエアラインに対する外国の航空機リース企業は制裁との板挟みに直面

08-Mar-2022

 

ウクライナ侵略に対抗する、西側諸国のロシアに対する経済制裁は、航空業界に大きな影響をもたらして居る。ロシアのエアラインは、国際線市場のみならず国内線でも、その運航維持能力に重大なそして増大する制限に直面して居る。

 

全ての主導的な3つのGDS企業、セーバー、アマデウス、そしてトラベルポートは、彼らの流通システムからアエロフロートを除外して居る。更に、ロシアの2大エアライン、アエロフロートとS7は、リース契約の解約を求められて居る西側リース企業による、リース機の押収が起こり得ると言う観点から、国際線便を運休して居る。

 

エアキャップを始めとする、外国のリース企業は、ロシアの就航中の全ての航空機の2/5以上を占めて居る。これらのリース企業は、ロシアのエアラインが支払いと整備を停止するリスクとともに、彼らの航空機を取り戻すために、大きな輸送の問題に直面するかも知れない。

 

現時点で、西側の航空機の整備も、OEMが部品やサービスを停止する中で、ロシアのエアラインにとって、増大する問題となるだろう。

 

CAPA保有機データベースに拠れば、ロシアの航空機メーカーが占めるのは、ロシアの全保有機の35%でしか無い。

 

Ukraine invasion: foreign aircraft lessors to Russia's airlines confront sanctions dilemma

Premium Analysis

メルボルン空港、旅客予測が堅調な事から、第3滑走路を計画中

08-Mar-2022

 

パンデミックによる最悪の経済的影響が和らぎ始めるにつれ、各空港は再びインフラ計画とそれに付随する投資を考え始めて居る。

 

その様な空港の一つが、豪州第2の大都市の玄関口である、メルボルン・タラマリンである。同空港は、次の20年間で旅客数が倍増すると言う予測に対応するために、第3滑走路を建設する意向である。コロナウイルスの影響にも拘わらず、メルボルン空港は2042年までに旅客数が年間7,600万人以上に拡大すると予測して居る。

 

COVID-19パンデミックの前から、混雑する同空港は、その十字型滑走路システムの所為で、ピーク時間帯にしばしば遅延を経験して来た。メルボルン空港の第3滑走路は、現在の需要に対応する望ましい選択肢の様に見える。空港と都心ビジネス地区を繫ぐ連絡鉄道が認可され、数年間の準備作業が開始されて居ることから、特にそうだ。

 

第2空港が既に建設中のシドニーとは異なり、ここで複雑なのは、何年か前からメルボルン地区の南西部に、もう一つの空港が計画されて居り、復活を心待ちにしている事だ。

 

Melbourne Airport planning a third runway as passenger forecasts hold firm 

カナダのハミルトン空港、経済的影響調査を発表=他もこれに倣うだろう

08-Mar-2022

 

空港は歴史的に、その存在が地域社会に、そして地元以外の社会にさえも、とりわけ雇用創出と言う点で恩恵がある事を証明するために、経済的影響調査を奨励して来た。

 

過去2年くらいの間に数か所で行われ、その最初に手がけたものの一つが、カナダ、オンタリオ州南部で、この国最大の玄関口であるトロント・パーソン国際空港と、かなりの差があるが競合するハミルトン空港である。

 

調査結果は少々漠然として居り、これにはパンデミックの最初の2年の間に、どんなはっきりした経済成長が有ったかを明示して居ないのだが、寧ろ、より長期的に、環境保護に結び付けた、ひたすら否定的なものに対抗するために、多くの空港が地域社会にプラスの影響がある事を繰り返し説明することで恩恵を受けるのは間違いない。

 

Hamilton Airport issues economic impact study – others should follow suit 

Premium Analysis

メキシコのLCCヴォラリス、バス運賃にマッチング

07-Mar-2022

 

バスから飛行機旅行へと旅客を移行させる事が、ラテンアメリカの殆どの超低コストエアラインにとっての重要な柱であり、メキシコのULCCヴォラリスほど、この商機に投資したエアラインは他にどこにも無い。

 

そしてCOVID-19パンデミックがエンデミックの段階に移ろうとする中で、ヴォラリスはバス運賃にマッチングする能力に自信を持って居り、増大して行く航空旅行のバス旅行に対する優位性が、需要を刺激し続ける同社を好意的に位置付けて居る。

 

同時に、ヴォラリスの米国国境越え市場での拡大は、米国によるメキシコの安全状況評価の回復を同社が今年後半にも予想する中で、再び始まる筈である。

 

それが実現すれば、メキシコと米国の間で、低コストエアラインが、新たな提携関係を創造しようと努める中で、国境越え市場はもっと興味深いものになる可能性がある。

 

LCC Volaris matches bus fares in Mexico

2022年3月6日掲載

ウクライナ紛争、アジア太平洋のエアライン運航を阻害=多分、長期に及ぶ

04-Mar-2022

 

アジア太平洋のエアラインの幾つかは、ウクライナ危機の影響で、ロシア上空通過を避けるため、運航中止や路線変更を余儀なくされ、欧州路線網の運航阻害に遭遇して居る。

 

2022年3月3日までアジア太平洋のエアラインは、ウクライナ紛争により、欧州の各社に比べると、より軽微な影響しか受けて居なかったが、日本の主要エアラインがほぼ全ての欧州便を少なくとも数日間、運休した時に変わってしまった。運休は延長されそうである。

 

ロシアの上空通過はアジアのエアラインの西欧路線にとって、特に北西アジアのエアラインの多くにとって、重要なものである。

 

ウクライナでの戦争について、アジア太平洋のエアラインから、多様な反応が示されて居る。これには、欧州への便の殆どをキャンセルする、モスクワ便をキャンセルする、或はロシア上空を避けて航路変更をするなどがある。その他は、ロシア領空を飛んで居るが、状況を注視し、緊急時の対応計画を立てて居る。

 

多くの欧州と北米のエアラインは、報復条項のため、既にロシア領空の使用が出来ない様になって居る。

 

これは、既に回復に後れを取って居る、欧州=アジア間航空旅行市場にとっては重大な影響をもたらして居る。 

 

Ukraine conflict disrupts Asia-Pacific airlines' operations - probably for an extended period

Premium Analysis

シンガポール航空、アジアの路線網回復を主導

04-Mar-2022

 

シンガポール航空の素晴らしい財務実績は、アジア太平洋エアライン業界の回復と言う点で、同社が先導し続けて居ることを強く示して居る。いち早い国境の再開を気遣う政府に支えられ、SIAは国際線路線網のかなりの部分を復旧することが出来て居る。

 

香港の様な国々に拠点を置く、他のアジアのハブ・エアラインとの対照は明白である。

SIAが順調に供給と路線網を再構築する一方で、多くのアジア太平洋のエアラインは、どんな形にせよ、国際線の勢いを得ようと奮闘して居る。

 

これまでの所、需要は新しい供給に追いついて居ない。然し、旅客路線網の再構築は依然SIAグループに重要な優位を与えてくれる。

 

回復が進む中で、SIAの主要な市場と都市組合せに、幾つかの特筆すべき変更がある。これはどの国が最も速く再開するか、そして何処が依然制限されて居るかの良い目印である。

 

Singapore Airlines leads the way in Asia’s network recovery

Premium Analysis

サンチャゴ空港、新ターミナルを獲得;コンソーシアム、コンセッション投資分では損失が続く

04-Mar-2022

 

過去2年のパンデミックの間、多くの空港インフラ計画が、レーダーに映らない所で、地元の注目を集めながら、静かに進んで居た。

 

その一つが、20年間のコンセッションで主要空港の運営を継承した仏伊合同のコンソーシアムが、5年で、新しい、最高水準のターミナルを産み出した、チリのサンチャゴにある。

 

この投資が、サンチャゴを南米大陸の真のハブとして確立するのに役立つか否か、明らかになるのは未だこれからだろう。この都市は、他の方角から来る旅客にとって、余りに西に偏って居ることから、南太平洋の全域で旅行需要が拡大するかどうかに掛かって居る。

 

然し、その前に、過去10年間にコンセッション契約された、この大陸中の多くの空港が遭遇して居る問題だが、コンセッションの支払いがパンデミックの間に生じた収入の減少に比べて、厄介な負担になって居り、差し迫った資金的な問題がある。

 

Santiago Airport gains new terminal; consortium continues to lose in concession stakes

Premium Analysis

欧州=アジア間航空:ウクライナ危機の前に既に回復が失速

02-Mar-2022

 

COVID-19パンデミックの間を通して、欧州=アジア間の旅客交通量と供給席数の回復が欧州から他地区行きに比べ遅れて居る。

 

勿論、回復は近距離市場で最も進んで居るが、欧州のもう一つの主要な長距離地区、即ち北大西洋は、欧州=アジア間が置き去りにされて居る間に、最近数か月、上昇傾向に沸いて居る。

 

欧州=アジア間は、アジア太平洋の大部分での、比較的に緩慢な制限緩和の為に、抑制されて来た。

この路線網の地区は現在、ロシア-ウクライナ紛争が加わった為に、問題が更に大きく積み重なって居る。

ロシア上空の通過航空路は、欧州とアジアの間の多くの路線で重要であるが、現在は多くの欧州のエアラインに対して閉鎖されて居る。

 

現在ロシア以外で、欧州=アジア間のASKの比率が、どのエアラインよりも高いフィンエアは、ロシアの空域を避けて、不経済なより長い距離を飛ぶより、寧ろ多くのアジア路線を休止して居る。

 

Europe-Asia aviation: recovery stalled even before Ukraine crisis

ロシアーウクライナ紛争、未だ欧州エアラインのスケジュールには反映されず

02-Mar-2022

 

ロシアのウクライナへの侵攻は、未だ、欧州エアラインの供給データには見えて来ない。然し多くの欧州諸国が、ロシアの運航会社に対しその領空を閉鎖し、ロシアは36か国のエアラインに対する飛行禁止でこれに報復して居る。更には現実問題として、どのエアラインもウクライナ発着での便を運航して居ない。

 

それにも拘らず、エアラインの登録したスケジュ―ルに基づくデータは、2022年2月28日の週に、2019年水準に対して、27.8%少ないと言う欧州の供給は、3.2ポイント前週より良くなって、5週連続の改善である。これは、欧州を地区間ランキングでの最下位を脱し、30.3%減だったアジア太平洋の上へと引き上げて居る。中東の供給は24.7%減、アフリカは17.9%、北米は13.2%、そしてラテンアメリカは12.5%である。

 

さらに先を見ると、供給の見通しはロシア-ウクライナ紛争を反映して居ない様だ。2022年第1四半期の欧州の供給は2019年水準の75%、2022年第2四半期には91%、そして2022年8月上旬には94%に上がって居る。

 

ロシア、ウクライナと、ロシア上空通過の欧州=アジア間路線は確かにこの見通しをへこませて居る。にも拘らず、CAPA分析は、欧州の供給回復への影響は、限定的かも知れない事を示唆して居る。

 

Russia-Ukraine conflict not yet visible in European airline schedules

カンタス、オミクロン鎮静化で供給が回復軌道に復帰

01-Mar-2022

 

最近のCOVID-19の波に続いて、国内線路線網を再構築する中で、上向きの需要傾向がカンタスの旅客供給増強を可能にして居る。

 

豪州が次第に国際線旅行規則を緩和する中で、カンタスも、また国際線便を増強して居る。

 

カンタスグループは、コロナウイルスのオミクロン変異株が、旅行需要に打撃を加えた2022年1月に供給計画を削減しなくてはならなかった。

 

然し、パンデミックの最新の波が鎮静化するに連れ、同エアラインは、再び供給の回復を予想して居る。オミクロンは、実質的にこの回復のタイムラインを遅らせて居るが、現在カンタスは、自社の予想は確かなものだと、より楽観的である。 

 

Qantas resumes capacity recovery trajectory after Omicron setback

Premium Analysis

ノルウェーのアヴィノール、資金的な問題で新ボーデ空港の決定を延期

01-Mar-2022

 

ノルウエーの、国営ながら企業化された、空港運営と航行援助サービス提供者であるアヴィノールは、オスロ・ガーデモエンの様な大きなものから、中位の都市空港、そして地方社会が繁栄するには欠かせない小規模な、主に沿岸地域のものなど、国中の35の空港の運営を担って居る。

 

アヴィノールは、近年オスロ・ガーデモエン空港に大きな投資をして来たが、そこはこの都市を発着する主要玄関口であり妥当なことだった。然し、小規模な海岸沿いの空港たちにも、TLCが必要で、この国がますます注目されつつある、北米からの新しい種類の観光客のための到着地点になり得るとすれば、余計にそうだった。

 

それが理由で、都市圏外の住人たちは、もうだいぶ前から新空港が計画されて居るモー・イ・ラーナとボーデ(そのうちの一つボーデは現在、資金的な問題で延期されて居るが)での出来事を、注意深く見守って居ることだろう。

 

Norway's Avinor postpones decision on New Bodo Airport on financial grounds

Premium Analysis

エアカナダ、長期的に貨物へのコミットを固める

28-Feb-2022

 

コロナウイルス・パンデミックを通じて、旅客便エアラインの間で、貨物の人気が上がって居る事は良く報じられて居る所だが、エアカナダは、安定的で多角的な収入源を確立する手段として、長期に亘り貨物事業にコミットして居る。2021年の通年で、エアカナダは、10,217便の貨物専用便を運航したが、それはエアカナダが2020年に飛ばした貨物便4,235便の倍以上になる。

 

同エアラインは、数機の767広胴機を、旅客機保有機群から貨物専用仕様に改修した。最初の機材は12月に運航を開始し、エアカナダは、2022年末までに、更に3機を運航する予定である。エアカナダは現在、暫定的に貨物機に変えた、ボーイング777とエアバスA330広胴機を、2022年末までに旅客機に戻すことを目指して居る。

 

同社の貨物事業への本気度は、最近のトロント・ピアソンのハブへの投資に、そして航空機を貨物専用の仕様に改修する同社の決断に反映して居る。これらの動きは、貨物収入をもたらす商機は、ひたすら伸びると言うエアカナダの出した結論に牽引されて居る。

 

Air Canada solidifies its commitment to cargo for the long term

Premium Analysis

HIALエアポーツ社=インヴァネス経由でスコットランドの遠隔地社会と世界の繋がりを守る

28-Feb-2022

 

世界中の多くの国々は、遠隔地の社会に、航空路が適切に配備される事を確保しなければならない。

英国で、最も顕著な例は、スコットランドのハイランズ&アイランズ(高地と島々)である。

 

ハイランズ&アイランズ・エアポーツ株式会社(HIAL) と言う会社が、航空便を迎え入れる責任の大半を担って居る。11の空港を持つ同社の活動は本社のあるインヴァネスを中心として居る。

インヴァネスは、幾つかの離島と*公共サービス輸送義務制度(PSO)路線と言う施策のもとで、結ばれて居り、そこの地域社会の社会経済的恩恵を確保すると言う使命がある。

 

然し、現在、その主たる狙いは、インヴァネス=ロンドン・ヒースロー航空路線を再建する事だ;それは、少なくとも理論的には、これらの離島の地域社会にも恩恵をもたらす筈の路線である。

 

訳注)*PSO:Public Service Obligations 公共サービス輸送義務制度:離島の生活路線などを守るために行政が支援するEUの制度。エアラインを公募し、援助額を入札させるなどの方法で決定する。

 

HIAL airports – keeping Scotland’s remote communities connected to the world via Inverness

Premium Analysis

エアアジア、エアアジアX、路線網回復への道筋を策定

27-Feb-2022

 

エアアジアのマレーシアを拠点とするエアラインは、その保有機群と路線網の再構築に進捗を見せて居り、この努力は、計画されて居るマレーシアの国境再開の後には、更なる勢いを得る事になるだろう。

 

コロナウイルス・パンデミックは、エアアジアとその長距離姉妹エアラインのエアアジアX双方にとって厳しいものだった。エアアジアは昨年、マレーシアの長引く国内線旅行の制限に打撃を被ったが、2021年第4四半期以来、何とか国内線の多くを復旧させて居る。

 

エアアジアXは、国内線路線網を持たない為、より不運であり、広胴機保有機群はずっと長く地上待機となった。然し、何とか国際線路線網を、当初は極めて小規模ではあるが、再開することが出来た。第2四半期以降に国際線の好機がより幅広く現れてくれば、更に大きな拡大が計画されて居る。

 

AirAsia, AirAsia X plot course for network recovery

Premium Analysis

ウイーン国際空港、以前の大きなコスト削減に支えられ、2022年に黒字回復を計画

27-Feb-2022

 

ウイーン国際空港株式会社は、欧州の真ん中に、極めて重要な最高水準の空港と、矢張り欧州に、これとは目立った繋がりの無い、より小規模な2つの空港で構成される企業であると言うことで、例外的である。多くの観察者たちは、企業体として直近の将来に何を予期して居るかに興味があるだろう;次の会計年度だ。

 

グループの予測では、今年は、収入の増加予想、小規模な純利益、そしてEBITDA水準の向上など、現在に至るコロナウイルス・パンデミックの2年間を通じて、管理されたコスト削減体制で、全て大きく2021年の今頃になされたものよりも改善して居る。

 

然し、一つの危機が鎮まリ始めるかの様に見える一方で、別のものが舞台の袖で待って居る。それには、自国に於ける政治的決断、そして外国に於ける政治的決断に対する、一般大衆の見方も入って居る。

 

Flughafen Wien projects return to profitability in 2022 anchored on previous big cost savings