CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
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CAPA(Centre for Aviation)の発表する”CAPA Analysis” 原文はこちらからご覧になれます。
Premium Analysis
30-Jan-2022
COVID-19のオミクロン株が、短期的な需要に幾らか水をかけて居るとしても、米国の運航各社、ユナイテッド航空とデルタは、鬱積需要が堅く無傷の状態であり、場合によっては、旅行制限が緩和されて居る事から、大西洋横断の強固な夏季については、依然、強気である。
ユナイテッドは路線網の商機を開放する様な、構造的変化が大西洋横断市場に起こって居ると考えて居る。一方、デルタは見通しについては常に強気で、この地区での運航は、米国の夏季ピークシーズンにはパンデミック前の水準に少しづつ近づくものと予測して居る。
勿論、向こう数か月の間に、どの様なウイルス変異株が現れるかは、分からないままだが、オミクロンが米国のある地域では、ピークを過ぎようとして居る模様で、殆どのエアラインが需要は再び全面回復へと戻って行くと考えて居る。
欧州の空港供給ランキング:イスタンブールとサビハ・ギョクチェンが共に10傑入り
29-Jan-2022
COVID-19パンデミックは、供給席数で見た欧州の主要空港ランキングの安定を粉々に破壊した。
それは、パンデミック前のリーダーであり、その地位はこの大陸の主要ハブであるお陰で、常に確保されて居ると見られた一群(ヒースロー、パリCDG、フランクフルト、イスタンブール、アムステルダム、そしてマドリード)のトップであるロンドン・ヒースローを上位6位から転げ落としさえした。
この危機はイスタンブールを供給席数で欧州最大の空港に押し上げ、一方ローマ・フィウミチノ、ミュンヘンそしてマドリードを全て10傑から叩き落とした。
然し、古き秩序は、概ね、取り戻されようとして居る。
2022年1月24日の週のトップ10空港の内8つが、パンデミック前のトップ10に居た空港で、トップ6の全てが、パンデミック前のトップ6に入って居た(順位は異なるが)。OAGのスケジュールによれば、ロンドン・ヒースローは、2022年夏には、第1位に返り咲くと予想される。
にも拘らず、ロンドン・ガトウイックとパルマ・デ・マヨルカが2022年6月のトップ10に入る可能性が出てきて、回復が次第に進んで、第2線ハブの一つ、二つが地点間・レジャー空港に取って代わられるかも知れないことを示して居る。
European airport capacity rankings: Both Istanbul and Sabiha Gökçen in top 10
「2022年CAPA低コスト空港とターミナル」レポート-第 1部
28-Jan-2022
2006年と2009年、CAPAは、当時の新たな現象を追う2つの研究レポートを出版した:「低コスト空港」と「低コストターミナル」(LCAT)である。
双方とも、欧州のライアンエア、イージージェット、次いでウイズエア、アジア太平洋のエアアジアなど、世界中で起こった格安エアライン便の爆発から、そして彼らが空港にもたらした新たな需要から生まれて来たものだ。
これらの空港は、しばしば、かなりのマーケティングの支援、そして時には何年も続く着陸料免除も提供した。幾つかの例では、空港が、飛んでくれるエアラインに対し金を払う事さえあり、新たな雇用の創出や、新しい航空便により空港を所有する地方自治体に、どのくらいの観光客が増えるか予測する大まかな計算で、正当化された。
空港経営のメカニズム全体が、混乱のなかに放り出され、急ぎ解決策を見つけねばならないと言って良いだろう。しばしば、不利な差別を受けて居ると感じるネットワークエアラインの反応から見ると、無理もないのだが、それはとても特効薬にはならなかったけれど、解決策のひとつがLCATだった。
今や13年が経ち、このレポートは、あの「現象」が、もししたとすれば、どの様に進展したのかを探る、3編の短いレポートの一つで、特に、まさしくLCCに合わせたターミナルを建設した、或は自らをLCC指向の空港であると謳って居る、幾つかの空港について見たものだ。
彼らにとって、メリットはあったのか?例えばLCCとフルサービスエアラインの双方が同じ「ハイブリッド」な方向へと攻め寄せる中で、更に順応する事を余儀なくされたのか?
この第1部は導入部として、そしてまた北米とラテンアメリカの例を見てみる。
Premium Analysis
ルフトハンザの発着枠確保のための「不必要な」18,000便、一方、英国は70%ルールへ回帰
28-Jan-2022
ライアンエア・グループのCEOマイケル・オリアリーは、ルフトハンザがその発着枠割り当てを維持するために運航する余分な便には低運賃を適用すべきだと勧奨して居る。
これは、ルフトハンザCEOカーステン・スポールの、彼のグループが、今冬季、発着枠の逼迫した空港で、EUの修正されたルールではスロットはパンデミック前の80%では無く、50%使用されねばならないにも関わらず、不必要な18,000便を運航せざるを得ないと言うメディアでの発言に対してのものだ。
エアフランス-KLMは、2022年夏季に64%に引き上げられる場合、旅行制限が再び需要を抑圧されれば、充分な柔軟性を持てなくなると言うルフトハンザの懸念に、同調して声を上げて居る。にも拘らず、OAGスケジュールによれば、ルフトハンザグループは、2019年夏の便数の85%を、そしてエアフランス-KLMは95%を計画して居る。
閾値80%への回帰に対して、最も声の大きな擁護者はライアンエアとウイズエアである。
彼らはまた、今夏、2019年水準に対する比率として最大の便数を計画して居る:ライアンエアが118%、そしてウイズエアは141%である。
一方で、もはやEUの一部では無い英国は、2022年第2四半期の回復の期待を反映して、必要条件のバーを70%に引き上げて居る。
Lufthansa's 18,000 "unnecessary flghts" to hold slots as UK reverts to 70% rule
アジア太平洋のエアライン保有機群に変化、第2部:対照的な資産。A380と747地上待機へ
28-Jan-2022
この2部構成の分析は、アジア太平洋地区の航空機保有機群をつぶさに見て、彼らが、COVID-19パンデミック期間中にどの様に変化したのかを検証する。
第1部では、過去2年間に、広胴機と狭胴機に起こった変化、小地区ごとの違い、そして最近の心強い保有機群の回復の兆候を分析した。
第2部では、如何に特定の航空機モデルが影響を受け、どのくらい具体的にエアラインが保有機計画を調整して居るかを見る。殆どのA380は未だ地上待機して居り、747もその方向のままかも知れない。殆どの787とA350は就航中である。
Asia-Pacific airline fleet shifts, Part 2: contrasting fortunes. A380s and 747s grounded
Premium Analysis
欧州の航空業界。供給席数と予約数落ちる;旅行制限の緩和が始まる
26-Jan-2022
ワクチン接種済みの旅客には、制限の無い旅行に戻そうと言う、旅行業界のキャンペーンは、勢いを増そうとして居る様だ。その最新の徴候として、2022年2月11日から到着後の旅客に対するラテラルフローテストの必須要件を解除すると言う、英国政府の決定がある。
それにも関わらず、供給席数、そして予約数の両方とも、短期的な傾向は、欧州にオミクロン株によるCOVID-19感染者数の波が来た結果、マイナスのままである。
2022年1月24日の週、欧州の供給席数は2019年水準に対して40.5%低い。これは、4週間前から21.8ポイントの悪化で、欧州を地区別供給回復ランキングの最下位に留めて居る。アフリカの供給は、34.7%減、アジア太平洋は32.1%、中東は30.8%、ラテンアメリカは15.6%、そして北米は13.9%だった。
更には、IATAデータは、欧州の国内と国際線市場に於ける予約数が2021年11月から2021年12月へ滑落して居る事を示して居る(そして世界市場でも)。
欧州は100万人当たりの感染者数が、世界平均より多いが、これは英国ではピークに達して居り、欧州の他地域はこれに追従する事になるだろう。ついで、旅行規制について、より広範な緩和が起こって来るだろう。
Europe aviation. Seats and bookings fall; travel controls
start to ease
ジェットラインズとリンクスエア。カナダは新たな起業エアラインを支えられるか?
26-Jan-2022
2つのカナダの航空会社、ジェットラインズとリンクスが何年も飛び立とうと試みて居たが、2022年、遂にデビューを果たそうとして居る。
然し、彼らの成功する確率は依然予想が困難である。
世界中で数多くの新規起業組がパンデミック期間中に事業開始する事にしたが、カナダは独特な市場で、この国最大の現行エアライン各社が、その地位を護ろうとするのはまず間違いないだろう。
Jetlines and Lynx Air. Can Canada support new start-up airlines?
Premium Analysis
ヴァンシ・エアポーツ、ブラジルのマナオス空港を受託;環境保護の目標を設定
25-Jan-2022
ブラジルの空港コンセッションは、現在、第6次及び第7次分となり、その核心に入ろうとして居る。地域の最重要の「頼みの綱」的なものさえ、実際には国際基準から見れば、パッとしない、小規模な空港である。
確かに、投資家や運営企業にとっては、これら地域の幾つかについて、魅力は、一体何なのか、時には理解するのが難しい。殆どの観察者は、コンソーシアムを組んだ、ブラジルの企業が、関心を寄せる、そしてそれらは他所では大抵、入札で勝ちを収める組織だと見て居た。
この国の北西部で2021年4月に、フランスのヴァンシ・エアポーツにコンセッションされた、一塊となった7つの空港は、そんな例である。マナウス・エドゥアルド・ゴメス空港でさえ、2019年の旅客数の規模でその半分にもならない、2017年にその傘下に組み込んだサルヴァドール空港の様に、同じ範疇には入らない。
然し、投資家は、立地条件、都市ー地域の人口規模、商業的な重要性、恐らく観光的な魅力、そして旅客と貨物の需要の潜在的能力から、実力を充分に発揮して居ない空港と言う宝石を地中から掘り出し得るという場合も時にはある。
現在、マナウス空港を継承するのは、この途方も無いトラブルの過去2年間に、多分、ヴァンシが望み得た最善策で、この空港は「宝石」になる潜在能力を正しく持って居る。
これからは、ヴァンシには、環境保護的義務を認識する一方で、その潜在能力を正に理解する為にする事が山とある:これらの空港が結局は、アマゾンの熱帯雨林にあるのだ。
VINCI Airports takes on Brazil’s Manaus Airport; lays down environmental objectives
エアラインの苦労がまだ足りないと言うかの様に。原油価格が天井を突き破る
25-Jan-2022
原油価格が7年間で最高に高騰し、ジェット燃料は更に急激に値上がりして居る。これはエアラインの株価に重くのしかかり、見通しには、安心させてくれる要素が殆どない。
As if the airlines didn’t have enough problems. Oil goes through the roof
アジア太平洋のエアライン保有機群の変化続く=第1部。中国国内線によって膨らむ
24-Jan-2022
アジア太平洋のエアラインは、COVID-19で大量殺戮に遭った、広胴機、狭胴機の保有機群をゆっくりと再構築して居る。より多くの機材がラインに戻る中で、どの様な基本的な変化が起こったのか、より分かり易い絵姿が現れて来た。
多くのエアラインは、パンデミックが現役の保有機群と長期的な保有機戦略を変貌させたため、大きく違って見えるだろう。
この地区のエアラインは、パンデミックが触媒となって、より新しい、より効率の高いタイプへの更新を進め、古いタイプの退役を加速させた。発注簿は、エアラインが変化した市場の期待に応じた再調整をする中で、再検討されて居る。そして今や、エアラインが自分たちの展開の次の局面を見通す中で、新たな発注が出て来て居る。
2部構成の分析のうちの第1部は、パンデミックが進む中で、アジア太平洋地区に、舞台を設定し、活躍する、或はしない保有機がどう変わったかに焦点を当てる。
物語は狭胴機と広胴機の間で、またアジアの異なる小地区の間では、少し異なって居る。
Asia-Pacific airline fleet shifts continue - Part 1. Inflated by China domestic
欧州の航空業界:ウイズエアとライアンエア、危機前の保有機群を超える
24-Jan-2022
欧州は、2021年末から、COVID-19感染者数の増加に対応する、旅行規制が強化された事に起因する、供給の停滞を起こして居る。
欧州の供給席数は、2022年1月17日の週、2019年水準から39.9%落ちて居る。これは2022年1月10日の週対比で2.0ポイント減少であり、過去3週間で21.3ポイント減少である。
欧州は、未だに地区別供給回復ランキングの最下位に居る。
アフリカの供給は、36.6%減、アジア太平洋は30.5%、中東は28.8%、ラテンアメリカは15.8%、そして北米は12.6%減である。
然し、コロナウイルスのオミクロン株は、比例した入院や死者の増加に繋がらないと言う安心感が広がり、既に旅行制限が緩和される兆しがある。これはエアラインの予約や供給にとって良いニュースである。
にも拘らず、CAPA保有機データベースのデータ分析は、欧州の保有機数総計の規模は、特に就航中の機材だけを数えれば、未だに危機前の水準を回復して居ない事を示して居る。顕著な例外は、ウイズエア、ライアンエアの超LCCで、両社は今やパンデミック前より大きな保有機群を有して居る。
European aviation: Wizz Air & Ryanair exceed pre-crisis fleets
ビジネス指向のロンドン・シティ空港、迅速な旅客の回復を期待する
20-Jan-2022
ロンドンのシティ空港は、世界最高の金融センターと称する金融街に近く、昔からビジネス・コミュニティの需要の上に栄えて来た。
然し、このコミュニティはコロナウイルスのパンデミック期間中、航空旅行が少し勢いを取り戻した2021年第3四半期を除き、無届欠勤状態である。多くの利用者が、オンラインコミュニケーションに馴染んでしまい、「ZOOM疲れ」とは言うものの、彼らを呼び戻すのは難しいかも知れない。
にも拘わらず、空港の経営陣は、如何なる政治的な支援も殆ど無く、多くの現有顧客をより多くの便数のあるヒースロー空港に繫いでしまう可能性のある鉄道の開通が予定されると言う背景に直面しても、企業の渡航とそれを支えるエアラインを後押しする、その戦略にしがみついて居る。
とは言うものの、多分、同空港は、レジャー旅行需要の開拓を、目に見えるよりずっと見えない所でやって居るのだろう。
Business-oriented London City Airport anticipating a quick passenger rebound
20-Jan-2022
2022年が明けるに連れ、COVID-19オミクロン株が引き起こしたスタッフ不足から、典型的な冬型気候がもたらした運航の障害など、盛り沢山の出来事が米国のエアラインにとって、不確実なスタートに拍車をかけて居る。
コロナウイルスパンデミックに起因する障害があってさえ、ウイルスが日常生活の一部になりつつある中で、COVID-19による死者が毎日2,000人ほどあるにも関わらず、米国の国内線旅行の回復は続いて居る。OAGとCAPAのデータが示唆するのは、この国の国内線ASKは、2022年のピーク期の始めに、その時までにオミクロン株は最悪期を通過して居る事が期待されるが、2019年水準を超えるだろう。
この国の幾つかのエアラインは、人員配置やその他の問題に起因する圧力を緩和するために、当面のスケジュールを縮小しつつある。然し、この年の多難な幕開けにも拘わらず、より長期的には、米国の運航各社は2022年については依然強気である。
米国エアラインが直面する、当面の諸問題にも拘わらず、彼らは2022年通年の需要トレンドには楽観的である。
イタリア・トラスポルト・アエレオ(ITA航空)ルフトハンザに求婚
19-Jan-2022
多くの報道によると、ルフトハンザはイタリア・トラスポルト・アエレオ(ITA航空)と、このイタリアの航空会社の15%から40%の株式購入について交渉して居る。議論には共同調達とローマ・フィミチーノ空港のハブとしての開発が含まれて居る。
イタリアの新しいナショナルエアラインであるITAは、2021年10月に、多年に亘って赤字を出し続け、その時同時に運航を停止したアリタリアを引継いで事業を開始した。
OAGとCAPAのデータによれば、2022年1月10日の週、ITAは、供給席数で欧州に於いて、第17位のエアラインで、ルフトハンザ・グループは4位である。ルフトハンザンの保有機群はITAの13倍の規模であり、ルフトハンザ航空はITAに比べ12倍の路線数を持って居る。
ITAは今や破綻した前身のアリタリアに従って、スカイチームに加盟して居るのだが、双方は、既に提携に関心を示して居る。ITA会長のアルフレード・アルタヴィラは、自社の事を「美人のバチェロレッテ(独身女性)」と表現し、「ルフトハンザが関心を抱いてくれる、ハンサムで金持ちの求愛者になる」事を望んで居る。
ITAは戦略的な投資家から恩恵を得るが、ルフトハンザはITAの持続する収益性への潜在能力について、まずは自から納得する必要がある。
Premium Analysis
ベトナムの運輸省、空港開発に民間資本許容を示唆;終わりなき物語
19-Jan-2022
過去5年間に多数のCAPAレポートが、ベトナムの空港民営化の進む方向を見定めようと試みて来た。
投資と経営全面に亘る筈だったグループADPとの交渉が、2017年に失敗に終わり、そしてそれ以来、個々の、或は小規模のグループの空港のPPPプロジェクトに携わる、エアラインなど、小規模な、地元の投資家たちを誘致する試みがずっとなされて来た。
この過程が、グループ分けされた、クラスター状の空港に対して、再度、甦ったが、これは複雑で、嫌われる可能性がある。
政府はまたベトナム空港公社(ACV) の利益は、パンデミックのため、早くとも2025年まで厳しく制限され、同公社はその民営化戦略を、ホーチミン・シティのロン・タン新空港計画を可及的速やかに完成させる必要性とバランスさせなくてはならないと言う現実に直面して居る。
Vietnam's MoT suggests allowing private capital for airport development; a never ending story
仁川空港、インドネシアの提携社とバタン・ハン・ナディム空港のインフラ建設と運営へ
18-Jan-2022
ゆっくりだが確実に、インドネシアは幾つかの小規模な空港の民営化を進めて居る。
インドネシアは、外国社と投資家たちが、種々の理由から付いて行く事に辟易として居る国だ。然し、数多くの関心を示す向きを引き寄せたロンボク空港の交渉が、シンガポールに近いリアウ島のバタン・ハン・ナディム空港を運営、維持し拡張する25年間のコンセッションについて、2つの国営空港運営会社に、より多くの志願者を呼ぶ希望を募らせるだろう。特に、この場合は、地元関係者と、概ね国営の少数所有者が見つかる可能性がある。
その少数所有者は、過半所有者である仁川空港公社に技術的な資源を提供する事になるだろう。
表面上は、何故この空港がかくも急いで拡張されねばならないのか、他の理由は見出し難い。便利な位置にあるこの様な小規模な地域空港を、軋んで居るジャカルタ・スカルノ・ハッタ空港への圧力を緩和するのに役立つ位置に置くと言う、力点の変更を意味するのかも知れない。
そして、それは現実的、或は非現実的なのかも知れない。
Incheon Airport to build infrastructure and operate Batam Hang Nadim Airport with Indonesian partner
17-Jan-2022
豪州の殆どの州が州境をまさに開放する中で、COVID-19の感染者数が、この数か月の間に主要エアラインが達成して来た路線網の回復を、再びその様な回復が如何に脆いものかを証明する様に、阻もうとして居る。
豪州では、急速なオミクロン株の蔓延のために、COVID-19感染の記録的な数値になって居る。ヴァージン・オーストラリアが、最近のコロナウイルス・パンデミックの波に呼応して、最初に路線網供給の削減を発表し、すぐにカンタスが、国内線、そして国際線の供給計画を縮小してこれに続いた。
両エアラインは、クリスマス休暇シーズンには、基本的にパンデミック前の国内線供給水準に達して居たが、オミクロンのお陰で2022年の第1四半期にこの成功を維持できない模様だ。また更なる供給カットが発表されても驚きではないだろう。
最大の希望の光は、オミクロンの感染爆発が、以前のデルタ株より速くピークを迎え、退いて行き、エアラインに回復の軌道を取り戻させてくれる可能性である。
最大の疑問は、一体いつこれが起るかだ。
Australian airlines slash domestic capacity as omicron torpedoes demand
Premium Analysis
16-Jan-2022
アレージアントエアの、低コストの中古機を使って、小から中規模の都市に飛ぶ戦略は、同エアラインにとって、10年以上に亘って、上手く行って来た。このビジネスモデルは、投資家たちの機嫌を上手くとりなして居り、アレージアントエアの株取引にも、より伝統的なビジネス形態の他社のそれより割高になって反映されて居る。
今回、同エアラインは、新しいボーイング737MAX狭胴機を発注したことから、アレージアントエア経営陣は、今回の動きが、これまでに有効と証明されて来た青写真を逸脱するものでは無く、成長を支える日和見的な進化であると強調して居る。簡単に言えば、アレージアントの計画するスケールまで、中古機を取得する事は、前進の為には実行可能でないと言う事だ。
にも拘らず、市場はこのニュースに良い反応を示して居らず、アレージアントにとって、投資家たちにこの日和見的な購入は、同エアラインにとって理に適うものであると納得させるのに暫く時間がかかる可能性がある。
然し、MAXの見通しについて、アレージアントは依然、強気である。
14-Jan-2022
CAPAは2020年の、トップ50空港をリストに積み上げ、現時点で入手できる2021年通年の、或は一部は2021年1月から11月までと言った部分的なデータと比べて見た。
中国は、国内的には概ねCOVID-19を水際で封じ込め、世界の空港が種々まちまちな結果を見せる中で、同国の空港は一見して、重大な事態を遅らせて居た。
2021年の世界の最繁忙空港トップ10のうち、7つは中国にあった。トップ10の残りの3つは、ほぼ100万人の米国国民がこのウイルスで死んだにも拘らず、強力な国内線の復活に乗じた、米国の空港だった。
今回のレポートは地区別に、トップ50空港の業績を検証する。
2021年の世界の主要空港の「公式な」旅客統計が、多くの場合、未だに公表されて居ない一方で、CAPAには2020年対比での成長率について、実質的に妥当な評価をするに足る充分なデータが入手可能になって居る。
世界の幾つかの地区では、2021年のこれらのトップ空港(例えば欧州と北米の)が正に強力に成長するのを目のあたりにして居るのだが、アジア太平洋地区は、幾つかの空港では、順調な成長を体験して居るが、その他はどんどん堕ちて行く統計数値の「核の冬」の中に嵌まり込んで居て、互いに矛盾するデータのごった煮の状態が続いて居る。確かに、彼らの以前の状況に戻るのに、もし出来たとしても、何年もかかる空港も幾つかある。
また、統計は、異なる国々、或は国内の、州、県や地域に、施行される、パンデミック対策にも影響され続け、それに従って統計数値が時に大きくぶれるのも確かである。
Premium Analysis
フェニックスの副次的空港、最新式のターミナルを計画。然し、誰が金を払う?
13-Jan-2022
多くの主要都市には副次的な空港があるが、フェニックスの(メサ・ゲートウエイ)はよく見落とされる。それは一部、一般的な航空施設と見なされて来たこと、また既存のターミナルが、それまでの空軍基地を変更して、民間の施設としても使う様になった時の、仮のものであったことも原因だ。
然し、この空港は、2019年には馬鹿にできない170万人もの旅客が利用し、2030年迄には年間2千万人の旅客を取り扱う予定で、それ以降長期にわたり工期に分けた計画がある。フェニックス地域は、この国で5番目に大きな大都市圏であり、フェニックスは中でも最も急速に成長して居る都市である。
その計画は、コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで、混乱に巻き込まれて居るが、第1期工事、「最新式」の5つのゲートを持つターミナル、は開始されるかの様だ。
然し、ここに2つの問題がある。
まずは、それを使用する(100%)低コストエアラインが本当に求めて居るものだろうか?そしてもしそうでなければ、その様な施設を歓迎するフルサービス/ネットワークエアラインからの需要が充分にあるのだろうか?
次に、最終的に14億ドル以上もかかる可能性のある「ゲートウエイ2030」計画はおろか、未だに経費総額が完全に判明して居ない計画に、一体誰が金を払うと言うのだろう?
この第1期工事に、最近通過したインフラ法案から支援があるかも知れないが、それにも差し止め通告がついて来る可能性がある。
Phoenix’s secondary airport to get a state-of-the-art terminal, but who pays?
アイスランド第2の都市の空港、ターミナルを拡張;観光支援が必要
13-Jan-2022
アイスランドでレイキャビク大都市圏以外で最大の都市アークレイリは、近年、観光の中心として歩みを進めて来た。このため、国の空港運営組織イザビアは、総費用500万ユーロを超える、ターミナル拡張などのインフラ整備事業を公約して居る。
然しこれが、イザビアがエアライン各社に大規模な着陸料割り引きで乗り入れを勧奨せざるを得ない時にやって来たのだ。
それは、他の多くと同様に、アイスランド政府が外国人観光客に大きく依存して居るこの国を閉鎖せざるを得なくなり、一度は開国し、また閉鎖した、コロナウイルスのパンデミックの間、大赤字となって居る運営者にとってはギャンブルの様なものである。
Iceland’s second city airport gets terminal expansion; tourism boost needed
欧州の航空業界:2022年は、始まりより良くなって終わる筈である
12-Jan-2022
2021年の欧州の年間供給席数は、2020年から18.0%改善したが、2019年水準から49.6%の減少だった。COVID 前からのこの減少は、世界の各地区の中で最も大きな減少率である。
週間供給席数の水準は、2021年後半のオミクロン株の蔓延以来、ますます流動的な途を辿って居る。欧州は、供給が、2019年の同週対比で僅か18.7%低かった、2021年12月の最終週にパンデミック期間中の頂点に達した。
然し、2022年1月10日の週、欧州は、前週から▲21.4%と減少し、2019年の供給席数対比で38.0%減へと暴落した。これで、欧州は2021年6月以来、初めて、この指標での世界の地区間ランキングの最下位に引き戻されてしまった。供給席数は、アフリカが33.2%減、アジア太平洋が29.5%減、中東が29.2%減、北米が14.2%減、そしてラテンアメリカが11.9%減だった。
にも拘わらず、2021年の様に、2022年は始まりより終わりが良くなる、と言う楽観論にも根拠がある。2022年、世界はCOVID-19との共生に慣れる事を必要とする様になるだろう。
European aviation: 2022 should end better than it has started
12-Jan-2022
インドはオミクロン株のため、COVID-19感染者数が急速に激増し、この国の目を見張る国内航空旅行の回復を、失速、或は逆行させそうな展開に見舞われて居る。現時点で重要な疑問は、どのくらい国内線の需要が厳しく、そしてどの位長く影響を受けるかである。
新たな波は、既により多くの国際線便に国境を開放する計画に後れを生じさせて居る。今や、インドの各州は旅行制限を再度導入し始め、エアラインは供給計画を後退させて居る事から、国内旅行にも痛手を与えつつある。オミクロン株への懸念はアジア太平洋全体の国々に影響しており、この苦境に居るのは、確かにインドだけではない。
08-Jan-2022
アジア太平洋の旅行産業の、より明るい2022年への希望は、COVID-19オミクロン株の蔓延により、幾つかの主要市場で旅行制限を強めて居ることから、早々と打撃を被って居る。
この地区の幾つかの国は、国際線の到着客に制限を再開し、或は新たに導入した国境閉鎖の緩和策を中止して居る。そして他の例では、政府が、待望の国際線旅行再開の計画を遅らせて居る。
これらの動きは、その市場に強く依存して居るエアライン各社にとって2021年第4四半期と2022年第1四半期の業績をひどく傷めつける事になるだろう。インド、タイ、そしてニュージーランドは、オミクロンの為に、国際線国境制限を緩和する計画を大きく延期したアジア太平洋諸国の例である。
然し、いつもの通り、キャセイ太平洋とシンガポール航空の様に、国内線路線網を持たないエアラインが最も影響を受ける事になるだろう。
03-Jan-2022
CAPAは過去2回の機会に、政府に支えられた運営者が、地域ハブとしての機能を熱望して居る、ベオグラード空港の見通しを検証して来た。最近、ヴァンシが、そこの運営コンセッションを獲得して以来、その意思が更に強くなって居る。
その検証は、依然結論に達して居なかったが、パンデミック前の旅客交通量の伸びは強いものだった。これは最近の2つの発表に照らして、再びそうなると見るのは妥当だろう。
まず一つ目は、3.5kmの新滑走路が2022年の終わりまでに完成する予定だと言う空港による発表である。次いで、エアセルビアが、ベオグラードを地域のハブ空港に作り上げると言う同社の原則を再度公約すると述べた事だ。
現時点の結論は、この戦略が正しく、充分な成果を上げる筈だと信じるに足る根拠があるが、未だ多くの要注意事項が残って居ると言うものだ。
Premium Analysis
03-Jan-2022
何らかの理由から、航空業界の脚光がしばしばドイツに当てられる。ベルリン・ブランデンブルグ新空港の開港までに何年もかかった事は、これまで評価の高かったドイツの技術と言う概念に疑問を投げかける状況に陥った、惨めな失敗だった。
然し、「BER」は遂に開港し、そして今や、苔むして居た滑走路とターミナルを、供用に取り戻す途を進んで居る。
これは現在ドイツからの、唯一の良いニュースである。この国の航空協会は、旅客交通量と予約数から見た、ドイツのパンデミックからの回復(オミクロン株の出現で、コロナ後を語るのが不可能になった)が、他の欧州諸国に後れを取って居ると言う事実を強調して居る。CAPAの供給席数データは、この懸念を裏付けて居る。
アレン・ソンダース、ヘンリー・クック、ジョン・レノン等の人々が、昔から我々に思い出させて来た様に、「人生とは他の計画を立てて居る間に起こるもの」で、パンデミックが燃え上がる間に、新しいドイツの政府は、既に現在ドイツにあるものに加えて、EU全体での航空税を企んで居る。
それと同時に、ドイツとデンマークを結ぶ、新しい短いトンネルが、長距離のドライブ旅行への情熱を駆り立ててしまった模様で、この国の国際線航空旅行を揺るがす恐れがある。
German aviation: threats of slow recovery, air taxes and road tunnels