CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
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CAPA(Centre for Aviation)の発表する”CAPA Analysis” 原文はこちらからご覧になれます。
欧州の航空業界:2024年或は2025年迄は、2019年の供給水準を期待できず
27-Oct-2022
現在のエアラインのスケジュールから抽出した、2022年第4四半期の欧州の供給席数の見通しは、2022年5月下旬以降、殆ど毎週しつこく続いた、2019年水準の86%~87%の狭い範囲から変化がない。
2023年第1四半期のスケジュールは、これが90%まで這い上がって来ると描いて居るが、現在のところ、触媒作用でその様な動きを起こさせる明らかな火花がある訳ではなく、そして供給の回復は、やはりこの範囲内で続く可能性が極く充分にある。
2022年10月24日の週に、供給席数は、2019年の同週に対し13.4%足りない86.6%である。
運航上の制限と経済的懸念があり、欧州で、2019年水準への回復は、2024年或は2025年まで起こらないかも知れないと推測するのが合理的に見える。確かに、ユーロコントロールの便数に関する2022年10月のデータ最新版は、発着回数が2019年水準を越えるのは、漸く2025年になってからだろうと予測して居る。
Europe aviation: don't expect 2019 capacity levels before 2024 or 2025
英国のサウサンプトン空港:第2部ー2019年水準「達成できず」~滑走路延伸が無ければ
27-Oct-2022
英国のドンカスター-シェフィールド空港の閉鎖は、多くの地方自治体政府の神経を苛立たせた。今や、イングランド南海岸のサウサンプトン空港は、もし生き残るためには、少なくとも年間120万人の旅客数を急ぎ再構築せねばならないだろうと言って居り、一方で今年は450万英ポンドの損失を出すだろう。
経営幹部は、率直に、儲からなければ生き残るに値しないと認めて居る。
その治療法は、通常の反対論は法廷で却下されて居る、2023年に始まる予定の滑走路の延伸の様である。
然し、供給は必ずしも需要に合致して居ないし、ロンドンの2大巨人であるヒースローとガトウイック、また30マイル西にあるボーンマスなど、この地域内の競争相手たちが居ることから、サウサンプトンをパンデミック前の水準に引き戻すだけでも、多くのことがなされなければならない。
これは2部構成のレポートの第2部である。
UK’s Southampton Airport: part two – 2019 levels ‘unachievable’ without runway extension
英国のサウサンプトン空港:第1部〜どんな空港も「儲からなければ存在価値が無い」
25-Oct-2022
これは2部構成のレポートの第1部である。
UK’s Southampton Airport: part one – no airport ‘has right to exist if it can’t make money’
ウルトラエア、良好な初期業績を示す〜コロンビアの市場での力関係が変わる中で
26-Oct-2022
コロンビアの最新の低コスト運航会社であるウルトラエアは、燃油価格の流動的な状況など、世界的なマクロ経済の圧力にも関わらず、堅実なスタートを切って居る。
だが、コロンビアの市場は、順調なペースでリバウンドを続けて居り、ウルトラエアは市場の拡大は継続すると予想して居る。
また、コロンビア市場では、同国の第1位と第3位の規模のエアラインである、アビアンカとビバがブラジルの運航会社GOLと共に、アブラ・グループを結成しようとして居る中で、その他にも大きな変化が起きようとして居る。
ウルトラエアのCEOウィリアム・ショーは、統合は好機を生み出す可能性があると考えるが、また、統合の最終段階が展開する中で、公平な競争の場が維持されねばならないと警告して居る。
Ultra Air shows promising early results as dynamics change in Colombia’s market
ロイヤル・スキポール・グループ、マーストリヒト-アーヘン空港の株式取得;目的は明らかでない
26-Oct-2022
アムステルダム・スキポール空港は、最近、年間の発着便数制限を44万回に引き下げて居たが、これは、代替空港であるレリスタット空港の民間航空機への開放が、最速でも2024年にずれ込んだ事から大きな問題となって居る。
現在、スキポールの所有者RSG(ロイヤル・スキポール・グループ)は、この国のずっと南のドイツ国境に近い、マーストリヒト-アーヘン空港(MAA)の株式を取得して居る(承認が前提となるが)。
オランダのリンブルフ州議会は、2022年6月にMAAの運営継続を承認したが、運営形態の変更が条件で、これにより、州は最早唯一の株主たり得なくなった。条件には「環境保護意識の高い」提携者が空港を共同経営し、「潤沢な」環境保護資金を創出することが含まれて居る。
MAAの株式の一部を取得することが、今後もっと多くなる可能性のある、そこでの貨物事業の幾らかを、フランクフルト空港がハーン空港を部分所有した時にやったのに似た方法で、移行させるという選択肢を、RSGに対して与える事になる。同空港は2,750mの滑走路を持ち、既に貨物の取り扱いに向け、充分に準備を整えて居る。
これは、少なくともRSGに、増加するトラック輸送の活動には好適な位置にあるその空港に、幾つかの貨物便を運航させる様に促すという選択肢を与えるだろう。
Royal Schiphol Group takes stake in Maastricht-Aachen Airport; motives unclear
エアインディア-ビスタラ統合、タタ・グループの拡大の野望を助けるだろう
25-Oct-2022
エアインディアは、インドの揺れ動く航空市場での競争力ある立場を強化するために、大きな統合と保有機群についての動きを計画して居る。
エアインディアとその共同事業エアラインであるビスタラは、最近のこの国のフラッグキャリアーの民営化の結果として予測されて居た、幾つかの統合を実行するだろう。
エアインディアの新たな所有者であるタタ・グループは、エアラインの市場占有率を劇的に伸ばす考えである。同グループが複数のエアラインを所有することが、これを達成する助けになるが、同時に純粋に自社の拡大も必要だろう。
これを達成するために、エアインディアは路線を強化しようと、30機の航空機をリースする計画である。また、同社は新たな航空機の発注をする模様だ:現在帳簿に発注歴は無く、少なくとも保有機群の更新分は必要だろう。
政府が買手を見つけようと試みて居た何年もの間は、まるで死んだ様だったが、その後のエアインディアによる突然の行動の旋風は、歓迎すべき展開である。COVID-19パンデミックも、その計画を失速させたが、今やインド市場は、再び、活気付いて居て、拡大することが再び目標に戻って来た。
Air India-Vistara integration would aid Tata Group’s expansion ambitions
EUとASEANが航空の歴史を作る、ブロック間航空交通協定で~ASEANのエアラインがEUを支配
24-Oct-2022
何年もの議論と6回の交渉の末、2022年10月17日、欧州連合(EU)と東南アジア諸国連合(ASEAN)は、ブロック間の航空協定に署名した。
この協定は、両ブロックで併せて11億の人口を持つ、EUの27の加盟国とASEANの10の加盟国の間にある140以上の二国間協定に取って代わるものである。EU全体と個々の国々の間の多くの取り決めに次いで、これは国々からなる二つのブロック間では最初の航空交通協定である。
EU-ASEAN間市場のASK供給は、COVID-19に阻害されるまでの3年間に、年間でほぼ5%伸びて居て、それがこの新たな自由化された協定により後押しされると思われる、足許となる伸び率である。この市場ではASEANのエアライン、特にシンガポール航空とタイ航空が主導的だが、全ての加盟国が新たな好機の恩恵を受けられる。新規参入も期待できる。
協定は、今から双方に求められる批准の手続きに入る予定だが、即刻適用される。両ブロックの全ての加盟国が、拡大した市場アクセスと改善した乗継可能性から恩恵を得るため、それは形式的なものになりそうである。
EU & ASEAN make aviation history with bloc-to-bloc air transport deal – ASEAN airlines dominate
21-Oct-2022
CAPAは何度かの機会を捉えて、長い遅れの後に新空港が開港したベルリンに、ルフトハンザが、どんな種類としてもハブを建設する事に対し、明らかに関心が無いことをレポートして来た。
ベルリンは、勿論、欧州で最も人口の多い国であり、最大の経済を持つドイツの首都である。
現在、ルフトハンザのCEOは、既存の中央と南部のハブを補完して、北部のもう一つがメリットを見出すには、この国は「小さすぎる」と強調して、その消極的な態度を強めて居る。
然し、そうだろうか?そしてルフトハンザは、発地と着地路線だけからなる、要はフランクフルトとミュンヘンへの送客だけと言う事になる、慎ましいベルリンでの事業運営を発展させる事が出来るのだろうか?
Lufthansa continues to decline the opportunity for a third German hub at Berlin
欧州の航空業界:回復にのしかかるのは、COVIDではなく経済である
21-Oct-2022
欧州の供給席数の回復は依然、高原状態を続けて居るが、少なくともCOVID−19パンデミックはもはや引き止めて居る主要な要素ではなくなったと言う慰めはある。
ユーロゾーンと英国の双方で、下落する*PMIデータが示す様に、経済的な懸念が取って代わって居る。
欧州のエアライン各社は、他の地区に比べ低い(IMFの最新の予測によれば)2023年のGDP成長率に直面し、米ドルの強いことがコスト圧力を更に増加させて居る。
欧州の供給席数は、2019年水準に対して、2022年5月下旬からずっと占めて来た、86%から87%と言う狭い範囲に止まって居る。
*PMI(Purchasing Manager's Index:購買担当者景気指数)
Europe aviation: it's the economy, not COVID, weighing on the recovery
アテネ空港、株式売却が再び注目される:第2部~政府は利害を評価する為に待つ可能性
20-Oct-2022
ギリシャは、パンデミックや、より新しい出来事のずっと以前から、経済的に苦戦を続けて居た。
この国の借金危機は、空港を含むインフラを売却する事が必要になるなど、同国への緊急援助に逆行する懲罰的な動きを引き起こすことになってしまった。
幾つかは既に売却済だが、国は依然として、間接的にアテネ空港の55%を所有して居る。投資家候補の一団の存在が既に確認されて居るが、低い提示額の懸念から(過去数年間に他のケースで発生して居る)政府は株式市場を考えて居る。
然し、空港がかなり健全な状況であり、業界も徐々に元に戻り始めて居り、多分パンデミックは終息しつつあることから、数か月の内に投資家心理がどうなるか、見極めるために待った方が良いかも知れない。
これは2部構成のレポートの第2部である。
Athens Airport equity sale back on the radar: part two – government could wait to gauge interest
香港の航空業界:第2部~より多くのエアラインが戻りつつあるが、目立つ例外がある
20-Oct-2022
香港の入国規制緩和に関する、比較的保守的な取り組みは、供給に関して、他の多くのアジアのハブに後れを取る事を意味して居る。
然し、2022年9月26日の香港の検疫隔離義務の緩和は、幾つかのエアラインに便の復旧、或は既存の便への追加の発表をさせる結果になった。
然し、他の何社かは、未だにこの市場に戻るとは約束して居ない、或は撤退を永久のものとして居る。このため、香港市場の回復がどの程度の広がりを持つものか、或はそれにはどの位の時間がかかるのかが未だに不透明である。
このレポートの第1部ではキャセイ太平洋グループの対応を検証し、また香港市場に対するこの地区の他の空港の回復状況を見て来た。第2部は香港に飛んで居る外国エアラインの計画、及びより広範囲な市場の問題に焦点を当てる。
これは2部構成のレポートの第2部である。
Hong Kong aviation: part two – more airlines are returning, but with notable exceptions
英国のエディンバラ空港、再び売却の噂が立つ~誰が買うのか、そしてその価値は?
19-Oct-2022
空港の分野で合併や買収の活動が、COVID-19パンデミック前に比べ、相当停滞して居る間、エディンバラ空港が売りに出ると言う示唆は、避けがたく、ツイッターの世界で多くのお喋りを巻き起こすことになるだろう。
過去数年、その様な売却が、幾度か検討されたが、ウクライナの戦争が終わる兆しを全く見せず、経済状況が極めて不確実で、今は最適な時期ではないだろう。
然しながら、もし投資家が他の市場に好機を見出し、英国には引き続き悪化だけを認めるとするなら、現在の様な良い時期は無いと言う議論もあり得る。
UK’s Edinburgh Airport sale rumours emerge again – who might buy it and what would it be worth?
香港の航空業界:第1部〜回復が芽生えて居るが見通しは依然不透明
19-Oct-2022
エアライン各社は、検疫隔離制限の緩和に反応して、香港への便を足し戻し始めて居る。最新の規制緩和が航空業界には歓迎すべき展開であるけれども、それにより香港でどの位の範囲で、或はスピードで供給の回復が起こるか、そして何か需要への永続的なダメージが生じて居るのかは、依然として不透明である。
香港は、COVID-19の入国規制を廃止するのが遅れて居た、一握りの主要なアジア太平洋市場の一つだった。キャセイ太平洋の経営幹部は、回復率は、他のアジア市場と似て居て、ただ遅く始まったのだと言う議論をして居る。
香港は航空のハブとして、現存する有利な点を持って居るのは、確かに事実だ。然し、何人かの観測筋は香港が再開に遅れた事は、需要の構造的な減少に悩むことになる危険を負わせたと考えて居る。これは香港が制限されて居る間に、乗継の流れが、他のアジアのハブに変わって居て、そしてそれが元に戻らないかも知れないと言う事実に基づいて居る。
これは2部構成のレポートの第1部である。
Hong Kong aviation: part one – recovery is picking up, but outlook still uncertain
米州の航空業界:カナダの超低コスト新規起業エアライン間に野心は膨らむ
18-Oct-2022
数年前まで、カナダは、超低コストエアライン(ULCC)の存在しない、最後の大きな航空旅行市場の一つだった。
然し、フレア航空、ウエストジェットのスウ―プ、そしてより最近では、リンクスエアが、彼ら企業が考える格安航空旅行への鬱積需要を活用しようと開業して、急速に変わろうとして居る。
カナダの市場が、これらエアラインの計画する、成長の全てを吸収できるのか否かは;或は、カナダの超低コスト起業組の間で最終的には変化が生ずるのか否かは、未だ明らかでない。
然し、当面の間、特にフレアとリンクスエアにとっては、その成長は弱まる事なく続いて居る。
Americas aviation: ambitions ride high among Canada’s ultra-low cost start-ups
アテネ空港、株式売却が再び注目される:第1部~市場上場は賢い事か?
18-Oct-2022
ギリシャは、パンデミックや、より新しい出来事のずっと以前から、経済的に苦戦を続けて居た。
この国の借金危機は、空港を含むインフラを売却する事が必要になるなど、同国への緊急援助に逆行する懲罰的な動きを引き起こすことになってしまった。
幾つかは既に売却済だが、国は依然として、間接的にアテネ空港の55%を所有して居る。投資家候補の一団が既に存在を確認されて居るが、低い提示額の懸念から(過去数年間に他の取引で発生して居る)政府は株式市場上場を考える可能性がある。
然し、空港がかなり健全な状況で、業界も徐々に元に戻り始めて居り、多分、パンデミックは終息しつつあることから、数か月の内に投資家心理がどうなるか、見極めるために待った方が良いかも知れない。
これは2部構成のレポートの第1部である。
Athens Airport equity sale back on the radar: part one – is a stock market float wise
17-Oct-2022
2022年8月のIATAの交通量データは、北大西洋は、その段階では、旅客交通量では、世界でも最強の長距離地区の仲間に入る事を示して居る。
現在の供給席数データは、北大西洋の供給席数は2022年10月10日の週で、2019年水準の89%である事を示し、欧州の最強の長距離市場になって居る。更には、COVID-19パンデミックの期間の殆どを後れを取った後に、2022年5月以来、欧州の供給席数全体の回復を追い抜いて居る。
北米のエアライン各社は、2019年水準に対して84%であるのに比べ95%と、欧州の競合各社より急速に回復して居る。供給席数で見て、米国三大グループとIAGは、驚くまでも無く北大西洋グループのトップ4である。
ノルウエーエアの撤退に従い、LCCの席数占有率は、新規参入があったにも関わらず、パンデミック前から停滞して居る。
カナダの空港インフラ:第2部〜民営化について再考すべき時では?
17-Oct-2022
夏場の間に充分な航空旅行の動きを確保する事に関する、カナダ当局の失敗については知れわたって居る。遅延と行列については世界の中でも最悪にランクされて居る。
今や、主要なカナダの新聞は、債権金融を良しとして株式資本を拒絶する「儲けのためでない」所有者と言う文化の所為だとして、オタワ政府を、空港への投資を確保することに失敗したとこき下ろして居る。
また、同紙は主要空港に課せられて居る膨大な「地税」を批判し、これは空港に再投資されるべきだと強調する。
一つの選択肢は、おかしなことに、5年前に詳細に検証され、その後棚上げとなって居る民営化である。官民協働など、その様々な方法のなかで、これは再考の価値がある。
これは、2部構成のレポートの第2部である。
Canadian airport infrastructure: part two – time to look again at privatisation?
米国のエアライン各社、記録的な収入を喧伝~収益性は後れを取る中で
14-Oct-2022
米国のエアライン各社は、燃油費の不確実性や、人員不足、従業員の訓練、そして危機前の効率性を取り戻すことなど、多くの逆風にも拘わらず、引き続き、需要環境については楽観して居る事が滲み出て居る。
歴史的に年間では弱い時期であるにも関わらず、この国の運航各社は、夏季期間の主流だった堅固な需要が翳りを見せつつある徴候を見て居ない。
これらのエアライン各社は、また、最終的には収益性を正しい方向に動かす筈の、供給と航空機の稼働を危機前の水準まで引き戻すことに集中するなかで、近い時期に、上向きの動きがあるだろうと考えて居る。
カナダの空港インフラ:第1部〜もはや近年の野心を反映して居ない
14-Oct-2022
夏場の間に充分な航空旅行の動きを確保する事に関する、カナダ当局の失敗については知れわたって居る。遅延と行列については世界の中でも最悪にランクされて居る。
今や、主要なカナダの新聞は、債権金融をよしとして株式資本を拒絶する「儲けのためでない」所有者と言う文化の所為だとして、オタワ政府を、空港への投資を確保することに失敗したとこき下ろして居る。
また、同紙は主要空港に課せられて居る膨大な「地税」を批判し、これは空港に再投資されるべきだと強調する。
一つの選択肢は、おかしなことに、5年前に詳細に検証され、その後棚上げとなって居る民営化である。官民協働など、その様々な方法のなかで、これは再考の価値がある。
これは、2部構成のレポートの第1部である。
Canadian airport infrastructure: part one – no longer reflecting modern ambitions
13-Oct-2022
メキシコの国内線エアライン旅客の水準は、2022年8月を通して危機前の水準に到達したか、それを越えて居り、政府の見通しは、このトレンドは今年の残りの期間を通じ継続する事を示して居る。
メキシコ市場の国内線の需要は、堅調を維持して居るが、米国関係当局によって、この国の安全性格付けが引き下げられたことは、メキシコのエアラインのこの国の最重要な国際線市場への拡大を妨げて居る。
そして、格上げがいつ実現するかは定かでない。
より最近には、メキシコの政府は、2023年にも開業の可能性のある国営のエアラインの立ち上げを検討中である事を確認して居て、その企業が民間の運航会社に対してどう競争するのか疑問を呼んで居る。
Americas aviation: Mexico’s domestic recovery continues full steam ahead
13-Oct-2022
ラスベガスは、その経済がレジャー活動に大きく依存し、COVID-19パンデミックの間に課せられた旅行制限にひどく打撃を受けた、幾つかの米国都市の一つである。
しかし、2021年第2四半期以降、急速に回復し、この主要空港は過去数ヶ月の間、記録的な旅客の数値の伸びを体験して居る。
ラスベガスの空港は、2022年7月には490万人の旅客(対前年17.2%の伸びであり、月間旅客交通量としては新記録)を取り扱った。2022年6月、この空港は470万人の旅客を扱ったが、これは同空港にとって、2ヶ月連続で空前の交通量の新記録である。
同空港は、最近、その最強の支持者の一人に因んだ名称に変更し、また地域の経済が発展して居る事から、米国主要玄関口の一つとしての地位を取り戻す事を期待できそうだ。
Las Vegas International Airport – no longer gambling on its future
12-Oct-2022
2019年水準に対する割合で示す、欧州の供給席数の回復は、2022年5月下旬から、ほぼ毎週占めて来た、86%〜87%の狭い範囲に止まって居る。
2022年10月10日の週、欧州の供給席数は87.5%であり、これは2019年の同じ週に対して12.5%不足を意味して居る。この指標では、2週連続の改善であるが、過去数ヶ月の範囲を突き破るには充分とは言えない。
欧州は、地区間のランキングでは、2019年対比で22.9%不足のアジア太平洋の上だが、供給が10.8%不足の中東の下になる。
北米の供給は7.5%ダウン、アフリカは6.2%、そしてラテンアメリカは3.2%ダウンだった。
欧州の供給回復が平らな線を辿る間、改善しつつある搭乗率のトレンドが逆行し始めた。IATAデータに拠れば、2022年7月と8月のそれぞれで、2019年搭乗率とのギャップが拡大して居る。
主導的なLCC各社のデータは、2022年9月に、欧州のエアライン分野全体で、このトレンドが続いて居る事を示して居る。
European aviation: recovery remains consistent but passenger load factors continue to slide
サマルカンド、真の観光地の潜在能力に手を伸ばし始めた可能性。新たにドバイへの連絡便を手に入れて
12-Oct-2022
世界中には、どんな自尊心の高い観光客もが、夢中になると期待する以上に、多くの文化と歴史があるのに、多くの人々の目には隠されたままの都市が、幾つか点々と存在する。
その一つが、多くを提供できて、世界中から多くの来訪者を受け入れても良い筈の、2,800年前の都市ウズベキスタンのサマルカンドである。
然し、ウクライナの戦争とロシアの空域閉鎖も相まって、世界の航空業界の活動の主流から孤立し、これら全てが意味するのは、世間の大衆の行き慣れた道からは外れたままだという事だ。
現在、既存のイスタンブールからの便に加えて、世界のハブに乗り入れる、多くの他の路線との乗り継ぎを可能にするドバイからの新たな航空便が、サマルカンドをその潜在的観光地としての見通しを大いに高揚させて居る。
Samarkand could start to reach its real tourist potential as it gets a new air link to Dubai
Premium Analysis
シチリアのカターニア空港、「地中海のハブ」と位置づける~不可能な夢か?
11-Oct-2022
「国際線のハブ」になると言う考えは、多くの副次的な空港の管理者にとって魅力的なものに違いないし、一部は、その様な状況を創造しようと試みて居る。
気づいて居るのはほんの少数だが、既にイタリアでは最繁忙空港の一つである、シチリアのカターニア・フォンタナロッサが最新の例である。
そして、概ね都市も島の双方共、レジャーのために、或は単に通過するために来たかに関わらず、来訪客に提供できるものを沢山持って居る。
民間航空当局の長官は、最近、カターニアがイスタンブールのライバルにさえなると語ったが、これには、幾らかの基本的条件を備える必要があり、それは現時点では明らかに無いのである。
Sicily’s Catania Airport to position itself as a ‘Mediterranean hub’ – the impossible dream?
パイロット戦力の再構築:アジア太平洋のエアライン、採用パイプラインの確保に動く<特別号⑰参照>
11-Oct-2022
アジア太平洋のエアライン各社が、国際線運航を強化する中で、ますますその焦点が向かって居るのは、自社が計画する成長のために、パイロット労働力の再構築と、その採用パイプラインを確保できると言う事である。
パイロットの供給は、COVID−19前からエアライン業界が直面する重要な長期的な問題の一つだった。パンデミック期間は、成長が失速し、多くの例で、採用の休止と言う事態が起こった。
然し今や、アジア太平洋のエアライン各社はその国際線運航を復旧させようとして居り、パイロットの供給は優先リストのトップに戻りつつある。エアライン各社は、短期及び長期の拡大のために、その採用と訓練に再び全力をあげようとして居る。
考慮しなくてはならない、その他の要素が沢山ある中で、彼らが確実にしなくてはならないのは人員配置の水準が、彼らの路線網計画を制限することが無い様にすることだ。以下の事例は、幾つかのアジア太平洋のエアラインがこの問題にどの様に取り組んで居るかを示して居る。
Rebuilding pilot workforces: Asia-Pacific airlines work to ensure recruitment pipeline
TAPエアーポルトガル、向こう12か月で、民間の投資家を探す計画である
10-Oct-2022
ポルトガルの首相アントニオ・コスタは、向こう12か月のうちに、TAPエアーポルトガルの民営化が計画されて居ると述べたと広く報じられて居る。同エアラインのCEOであるクリスティン・ウルミエレス-ワイドゥナーは、ポルトガルの国有エアラインを、大きな航空グループに統合することは、「将来に向けた回復力の源になる」と述べて居る。
2015年の部分民営化は、TAPの拡大期へと点火したのだが、COVID-19パンデミックの来襲は、交通量の崩壊を引き起こした。それはまた、ポルトガル政府からの一連の補助金の支給とリストラプログラムへと繋がって居る。
閣僚たちに言わせれば、代替案は、TAPの廃業であり、ポルトガルが航空業界の中央の位置を失うことだっただろう。その帰結として、TAPは現在、完全国営となって居るが、政府が前々から表明して居る様に、COVID後の世界で競争するためには、このエアラインは新たな提携社と投資家を必要とするだろう。
このレポートは、どの提携社候補も評価をするであろう、TAPの主要な特徴を検証する。
成田空港、3つのターミナルを新たな一つに統合する計画を検討中
10-Oct-2022
東京の羽田空港のビジネスモデルは、10年前にはより多くの国際線を取り扱う事を可能とする為にもてはやされたが、成田空港が建設される以前には最重要な空港だったにも拘わらず、また全体の旅客数では2倍の規模であるにも関わらず、ずっと成田に後れを取り続けて居る。
成田は日本中の民営化活動の大波の一部としてその線に沿って居ないが、現在の経営陣は追加の滑走路インフラを建設する事に熱意を燃やし、フルサービス、アライアンス、そしてLCC系列のビルからなる、既存の3つのターミナルを、新しく一つに統合しようと言うものだ。実行可能性の検証がそれが可能かを、そしてどの位の費用がかかるのかを決めてくれるだろう。
若しその話が進むなら、世界中の何処に於いても空港分野で最大のプロジェクトになるだろう。
Narita Airport considering plans to consolidate three terminals into one new one
07-Oct-2022
COVID-19パンデミックの圧力が薄れ続ける中で、カナダのエアラインはそれぞれ、競争力ある場を創り出そうと努力を続けて居る。
この国の超LCC各社 は、堅実なペースで拡大を続けて居り、ウエストジェットはより大型のボーイングMAX狭胴機で保有機群を拡大する事にして居る。
一方で、エアカナダは、既存の提携関係を補強し、自社の路線網の領域を広げるため、新たな関係を形作ろうとして居る。
カナダの市場の内部で、この全てが揺れ動く景観を生み出し、見通せる限りの将来に向かって、活発な競争を維持する筈である。
Canadian airlines’ ambitions are high. Who will be the most successful?
ラトビアのリガ空港、空港都市の入札を実施:第2部〜バルト海の国の主要玄関口
07-Oct-2022
空港都市の概念は、その兄貴分で、空港都市の経済的効果を隣接する地域へと拡大する、エアロトロポリス(aerotropolis)とともに、世界中で、かなり確立されて居る。
どんな空港も、「都市」を持つことはできるし、先の世紀には港湾に対し感じたのと同様に、今や多くの人々が、空港を職場として、或はすぐ側に住むことさえ好んで居る。これらが増加することは、時には、ビジネスパークが拡大される以上のものである。
本当の空港都市は、経済と社会のニーズの両方に応えるものだが、これがリガの計画の様だ。その独自の強みは、バルト諸国の中央に位置すること、またエアバルティックの存在、そして都市と空港の両方が、南北を結ぶバルト鉄道(Rail Baltica line)の上にあることだ。
これは、2部構成のレポートの第2部である。
Latvia’s Riga Airport issues Airport City tender: part two – principle gateway for Baltic State
06-Oct-2022
香港、日本そして台湾は、アジア太平洋の主要市場の中で、COVID-19パンデミックに関連する入国規制を解除するのが最も遅い国々だった。だから、2022年9月下旬の同じ週内に、彼らがこの規制の大規模な緩和を発表したことには、特に大きな意味があった。
このレポートの第1部では、アジア太平洋地区での、これらの市場の相対的重要性を検証し、規則の変更が、日本とそのエアラインにとって何を意味するかに焦点を当てた。この国の大手エアラインの両方とも、政府の動きに合わせ、国際線便の復活を加速させて居る。
このレポート第2部は、台湾と共に、特に香港に関して、その波及効果に焦点を当てて居る。
キャセイ太平洋は、また、規則の変更により、同社の便のスケジュールを強化する計画を明かして居る。
然し、IATAは、混乱を避けるため、香港の航空システムは、需要の大波に備えなければならないと警告を発して居る。
Key Asia-Pacific markets finally relax restrictions: part two – Hong Kong and Taiwan
ラトビアのリガ空港、空港都市の入札を実施:第1部〜投資家と開発者を求めて
06-Oct-2022
空港都市の概念は、その兄貴分で、空港都市の経済的効果を隣接する地域へと拡大する、エアロトロポリス(aerotropolis)とともに、世界中で、かなり確立されて居る。
どんな空港も、「都市」を持つことはできるし、先の世紀には港湾に対して感じたのと同様に、今や多くの人々が、空港を職場として、或はすぐ側に住むことさえ好んで居る。これらが増加することは、時にはビジネスパークが拡大する事以上のものである。
本当の空港都市は、経済と社会のニーズの両方に応えるものだが、それがリガの計画の様だ。その独自の強みはバルト諸国の中央に位置すること、またエアバルティックの存在、そして都市と空港の両方が、南北を結ぶバルト鉄道(Rail Baltica line)の上にあることだ。
これは、2部構成のレポートの第1部である。
Latvia’s Riga Airport issues Airport City tender: part one – seeking investors and developers
05-Oct-2022
2019年水準に対する割合で見た、欧州の供給席数の回復は、依然として2022年5月下旬以来、ほぼ毎週占めて来た、86%〜87%の狭い範囲内に止まって居る。
2022年10月3日の週、欧州の供給席数は、2019年の同週に対して13.6%不足の、86.4%である。
欧州は、2019年の供給対比で28.7%低いアジア太平洋の上で、依然として第5位に留まって居るが、12.9%ダウンの中東の下である。北米の供給が7.6%ダウン、アフリカが6.9%、そしてラテンアメリカが2.0%のダウンだった。
2022年第4四半期の欧州のスケジュールから抽出した供給見通しは、6四半期連続で改善傾向を見せた後に、2022年第3四半期に到達したと同じ87%である。
更に、関連する経済が拡大する中で、IATAデータは、第4四半期の事前予約が、同じ時点での第3四半期のものに比べ、減少して居る事を示して居る。
Europe aviation: capacity outlook plateaus, but forward bookings fall
05-Oct-2022
過去4年間で世界の大都市の幾つかは、新空港を開業し、一方、他には閉鎖した所もある。
COVID-19パンデミックによる立て続けの打撃を受けた、北京大興空港と同じ水準の混乱に直面したところはどこにも無い。
パンデミックが、それが始まった中国に於いても、恐らく終焉に向かおうとする中で、今こそ大興空港が地元に与えた影響を、評価するに相応しい時である。
要するに、この空港は末来に向けて誰よりも良い位置に居るのだ、何故なら、北京首都空港に高速鉄道で結ばれる予定であり、両方ともトップレベルの玄関口である「2空港システム」の手本にできる様な、北京を世界中でも、稀にしか見られ無いものにする可能性があるからである。
Beijing Daxing Airport celebrates its third birthday; what impact has it made?
コンセッション期間が終了に近づき、投資家たちはボーヴェをパリの第3空港にと考えて居る
04-Oct-2022
フランスの副次的、3次的な水準の民間空港は、所有も管理も商工会議所の様な地方政府事務所と民間企業の雑多な集まりになって居る。
一つの例が、パリ・ボーヴェ・ティレ空港である。
この空港のコンセッションは、2023年の夏に終了する予定であり、既にフランスの空港運営の世界では、幾つかの強力な企業がこの空港の持つ潜在能力について、調査を実施中と報じられて居る。
この潜在能力が、ボーヴェ・ティレをパリにとっての主導的低コスト空港の立場に留めて居るのだが、それに否定的な評価としては、格安エアラインに過度に依存して居ることへの懸念、そして地上交通の連絡で、その主なライバルに比肩できない事である。
Investors considering Paris’ third airport at Beauvais as concession draws to an end
04-Oct-2022
2022年9月下旬の僅か数日の間に、香港、日本と台湾は大規模な、パンデミック関連の入国条件項目を緩和した。これら3カ国がアジア太平洋市場の中で、厄介な国際旅行の規制を維持して来たことから、これはとても注目すべき展開である。
日本の政府は、日本への国際旅行を押し殺して来た一連の規制を終りにすると述べた。
香港の政府は、ホテルでの隔離の義務を廃止し、旅行制限の緩和で、これまでで最大の一歩を踏み出した。
台湾では、入国制限は緩和され、政府が、数週間以内に検疫規則を廃止する事をほのめかして居る。
これは2部構成のレポートの第1部である。
Key Asia-Pacific markets finally relax restrictions: part one – Japan
業界、ICAOには2050年までにネットゼロ達成を承認するために浪費する暇は無いと警告
03-Oct-2022
世界の航空業界が、国際民間航空機関(ICAO)が、開催が迫る同組織の第41回総会で、2050年までにネットゼロ排出の達成を目標とする事を承認するだろうと楽観するのは理のある事だ。
然し、例えICAOがこの基本線を確定したとしても、解決せねばならない、開発途上国と先進国の間の差違と言う問題が残る。
そして、また正式な目標を創ることは、この業界が排ガス削減に充分なスピードで動いて居ないと論難する批評家たちを、少しも満足させないと言う現実がある。
Industry warns ICAO has no time to waste to endorse net zero by 2050
アジア太平洋、世界最大の旅行地区のタイトルを失う<特別号⑯参照>
03-Oct-2022
アジア太平洋地区は、過去10年の殆どを、航空旅行に於ける、世界最大の地区として過ごして来た。
2012年からCOVID-19パンデミックの襲来まで、この地区発着の、或は地区内の交通量は、世界の旅客の旅の1/3以上を占めて来た。
然し、アジア太平洋の回復が後れを取る中で、閉ざされた国境、種々雑多なパンデミックへの対応、そしてインバウンド観光への警戒の所為で、この地区は2022年にはその第1位の座を失うと予想されて居る。
Asia Pacific to lose its title as the world’s largest travel region
バージン・アトランティック航空、スカイチームに加盟~何故なら、それが可能だから
30-Sep-2022
バージン・アトランティックとスカイチームは、2022年9月27日、この英国の長距離エアラインが2023年にアライアンスに加盟すると発表した。
この発表は、常顧客プログラムの特典を改善し、スカイチーム加盟社の世界の路線網へのアクセスを拡大し顧客への恩恵をもたらすと述べて居る。
然し、バージン・アトランティックは、既に同社にとって断然最重要な市場である北大西洋で、スカイチームを主導するエアフランス-KLMそしてデルタ航空(後者はバージン・アトランティックの49%も保有して居る)との独占禁止法適用除外の共同事業のメンバーである。
同社のこれら3社との提携関係は、スカイチーム加盟によって、より密接になる事はないだろう。バージンのこの最近の動きのもたらす利点は、主として他の市場で、そして他のスカイチーム加盟エアラインによって、感じられるだろうが、これまでに既に獲得した利点に比べ、より大きな意味があるとは言えない。
何はともあれ、これは、成り行きの問題の様な気がする。何故なら、そうするのは、それが可能だからだ。
TAVエアポーツ社、ラゴス空港運営に入札:第2部~疑問を残す投資?
30-Sep-2022
これは2部構成のレポートの第2部である。
TAV Airports bids to operate Lagos Airport: part two – a questionable investment?
TAVエアポーツ社、ラゴス空港運営に入札:第1部~法的問題が見通しに影を落とす
29-Sep-2022
過去数年の間、ナイジェリア政府の、この国の4つの主要空港をコンセッションで民営化しようとする試みは、幾つもの圧力団体により、執拗な抵抗を受け、そしてそれが功を奏して来た。
一年前に始まった、最新の試みは、今度はトルコのTAVエアポーツ社が、この国最繁忙であり、ターミナルの一つが既に民間管理になって居て、一部民営化されたムルタラ・ムハンマド国際空港(MMIA)のためのコンソーシアムを組んで、競争に参入して来た。
問題は、インドのGMRも入札を開始した事、そしてTAVの様な企業は、グループADPに一部所有されて居る事だ。これは、民営化反対の勢力に舞台を提供し、激しい言葉が交わされて居る。
紙の上では、ラゴスは必ずしも、多くの投資家を惹きつける事はないだろう。然し、彼らは、人口、成長する中産階級、そしてナイジェリアの原油輸出に集中した、堅固な産業基盤と言った、マクロ経済の視点を採るだろう。
これは2部構成のレポートの第1部である。
TAV Airports bids to operate Lagos Airport: part one – legal issues cloud the prospect
豪州の航空業界:カンタスとレックス、地域内の機能を拡大を目指す
29-Sep-2022
豪州のエアラインは、新たなタイプの航空機を検討して居り、この国の重要な地域航空分野に於ける彼らの事業運営の範囲を広げる、統合の動きが嵐の様に巻き起こって居る。
カンタスは、彼らの地域路線網に、エアバスA220の導入を計画して居り、同エアラインはまたアライアンス・エビエーションの買収を完結する承認を求めて居る。
一方で、リージョナル・エクスプレス・ホールディングズ(Rex)は、ナショナル・ジェット・エクスプレスを買収することが、どの様に自社の保有機群戦略を改善するかを検討して居る。
保有機群と企業買収の動きは、豪州のエアライングループにとって、これまでも非常に流動する市場分野だったものを更に揺り動かす事になるだろう。
Australian aviation: Qantas and Rex look to expand their regional capabilities
欧州の航空業界:スケジュールはより確実に、然し供給回復は鈍化
28-Sep-2022
四半期毎の供給の見通しに関するCAPA分析は、欧州のスケジュールが、COVID-19時代のどの時期よりも、ずっと確実なものになって居る事を示して居る。更には、2022年第4四半期の見通しは、
1ヶ月前より高くなって居る。
これまでのCOVID時代のどの四半期も、1ヶ月前の予測から、その四半期が始まるまでに、増加するのを経験した事は無い。パターンとしては、常に減少するものだった。
2022年9月26日の週、欧州の供給席数の合計は85.9%と、2019年の同週に比べると14.1%の減少である。欧州は供給が2019年対比で22.6%ダウンのアジア太平洋地区の上だが、12.0%の供給ダウンの中東の下で、5位のままである。アフリカの供給は8.5%減少、北米は7.1%、そしてラテンアメリカは4.5%ダウンである。
2019年水準に対する割合で見た、欧州の供給は、2022年5月下旬から殆ど変化して居ない。2022年第4四半期のプラスの展開にも拘わらず、2022年第3四半期に達成した87%と同じような結果に終わる可能性がある。
第1四半期に74%、第2四半期に84%とした後、欧州の供給回復は、2022年を通じて勢いを失って居る。
Europe aviation: schedules are firmer, but capacity recovery slows
カタール、FIFAワールドカップにギアを上げる~古いドーハ空港を再開して
28-Sep-2022
オリンピックやサッカーW杯の様な、世界的なスポーツイベントの成功の可否は、しばしば、競技場で何が起こるか以上に、一国の需要を処理するインフラの能力にかかって居る可能性がある。
若し、ある国が上手くこれを仕切れば、誰も気づかないで終わる。若し、上手く仕切れなければ、ほぼ確実に人々の気づくところとなる。
カタールは、W杯に間に合うよう、まだ2014年に開港したばかりの、主たるハマド国際空港の改良工事を始めたが、必要な作業は予定通りに完了するだろう。同国は、例えば国ごとに異なる空港を指定しなくてはならなかったブラジルと違って、全ての動きを一つの玄関口である空港に集中させるメリットがある。
然し、同国は「ベルトとズボン吊り」の手法を採って、少なくともイベントの開催期間中は、以前の玄関口であるドーハ国際も再開する予定だ。
Qatar gears up for FIFA World Cup by reopening old Doha airport
アメリカン航空とジェットブルーのNEA(北東アライアンス)、命運不確実~審理が進む中で
27-Sep-2022
アメリカン航空とジェットブルーの間の提携が、反競争的か否かの審理が進行する中で、誰も敢えて結論を予想しようとはしない。
米国大統領ジョー・バイデンの政権の下、司法省(DOJ)は、多くの業界に於いて、反競争的な企業の動きと見なされるものを阻止するため、積極的に追及して居る。
司法省がジェットブルーによるスピリット航空の買収提案、そして統合のメリットを評価しようとする中で、北東アライアンス(NEA)の問題が持ち上がる。
明らかな事は、仮に司法省がNEAを解体すべしと結論付ければ、それは提携両社にとって困った事になる。
然し、敢えて主要な提携社を失い、またスピリット統合を却下されるのだから、ジェットブルーにとってリスクは更に高いものになる。
Fate of American Airlines’ and JetBlue’s NEA uncertain as trial gets under way
香港、「国際線ハブの資格を失う」~中国のゼロコロナ政策への反応で(特別号参照)
27-Sep-2022
1990年代晩く、中国本土の個々の空港が急速な発展を始めたが、そのずっと前に香港国際空港(HKIA)は、中国への玄関口として、そして、正に北そして東南アジアの大半へと、地区全体にとってのビーコンの様なものだった。
然し、IATAの事務局長ウィリー・ウォルシュによれば、中国と香港でのパンデミックが長引き、人々を何ヶ月も連続で監禁することで「ゼロコロナ」を達成しようとする虚しい挑戦が、空港とキャセイ太平洋の双方に、キャンバスから立ち上がる術が無くなる程のボディブローを与えて居る。
このレポートは、ウォルシュ氏の懸念に、統計的な裏付けを加え、彼が正しいと言う事を結論づけるものだ。
Hong Kong ‘loses its status as an international hub’ as a reaction to China’s zero-COVID policy
豪州の回復への険しい道をマッピング~CAPA豪州太平洋航空サミット
26-Sep-2022
2022年、豪州とニュージーランドの航空旅行は、順調に回復しつつあり、国内線の供給は特に強固で、国際線のリバウンドは遅れて始まったものの、堅調な拡大の傾向を示して居る。これは、過去数年の、脆くそして、偽物の再スタートの後に実現した、勇気づけられる絵柄である。
2022年9月13日にアデレードで開催された「CAPAオーストララシア太平洋航空サミット」にて、エビエーション・ウイークのアジア太平洋担当主任航空輸送編集者兼CAPAアナリストであるエイドリアン・スコフィールドが、次のプレゼンテーションを行った。
図表とデータは、需要がオーストララシアでどの程度まで回復したか、またこれが国際線及び国内線市場、そして保有機群にどの様な意味を持つのかをイメージする助けになる。
市場の復活が、エアラインにとって、とても明るい見通しである一方、彼らは依然として、幾つかの問題に直面して居る。最も重要なのは、最近のサービス阻害の急増が、順調な進捗を再度脱線させる事態に戻らない事を確実なものにすることだ。
Mapping Australasia’s rocky path to recovery – CAPA Australia Pacific Aviation Summit