CAPA分析:NEW HEADLINES  8月-2021年

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。 

 

8月29日掲載

Premium Analysis

アルジェリア、初の民間エアラインを認可へ、国内線専門

27-Aug-2021

 

アルジェリアは、より自由化されたビジネスへの取組みを取り入れ、北アフリカに於ける、より強力な旅行と観光市場として台頭し、結果としてアルジェリアがモロッコの後を追って進む、最初の一歩となるかも知れない、民間による最初のエアラインを認可する模様である。

 

アルジェリアは、北アフリカのマグレブ地域に属し、面積では全アフリカで最大の国である。多くの帝国が文化遺産を遺し、エネルギー資源の輸出のお陰で、この大陸で最大の経済を擁する国の一つだ。

 

19世紀から20世紀まで130年以上の間、フランスの植民地で、アルジェリアは今でもフランスとの重要な繋がりを維持して居るのだが、それ以外では、航空旅行方針は、概して制限的なままだった。

 

欧州とのオープンスカイ協定で恩恵を受けた、西の隣国モロッコと違って、アルジェリアの航空分野は、依然として国営のエアラインであるエアアルジェリアと、ソナトラック石油会社とエアアルジェリアの共同事業として創られたものの、現在は100%政府所有のソナトラックに全面管理されて居る、タッシリ航空に支配されて居る。

 

国際線エアラインは、アルジェリアへの参入を認められて居る一方、モロッコが国際線旅客の入国を拡大するのを助け、そして観光産業を後押しして来た、LCC各社は未だに許されて居ない。

 

アルジェリアは、隣国と同様、観光インフラを、特に国の北の地中海沿岸、改善する野心を抱いて居るが、観光は依然として、石油産業に支配される国家経済への貢献度が低く、不充分なホテル供給、テロリズムの脅威、そして時代遅れのビザ要求事項の影響を受け続けて居る。

 

Algeria to allow private airline for the first time - domestic only

カンタスの国際線計画、「隠者の王国」から台頭

26-Aug-2021

 

豪州が国際線の再開を計画し始める中で、唯一のフラッグキャリアーであるカンタスは、2022年にサービスを開始する条件付きの計画の包括的な概要を描いて居る。楽観的には、クリスマスのピーク需要を捉える事を願って、再開時期として「2021年12月は依然として考えられる範囲」である。

 

優先される目的地(「第1の焦点」)は、シンガポール、米国、日本、英国そしてカナダなどだ。ニュージーランドもまた、2021年12月中旬に目標設定されて居る;「バブル」は今年前半の豪州での感染拡大に阻まれるまで暫定的に実施されて居た。

 

「ワクチン接種率が低く、感染水準の高い」目的地については、2022年4月まで延期される予定だ。これには、バリ、ジャカルタ、マニラ、バンコク、プーケット、ホーチミンシティ、そしてヨハネスブルグが含まれる。

 

5機のA380については、「高い需要に応えるため」ロサンゼルス線とロンドン線に2022年中頃までに復帰させる予定である。

 

Qantas' international plans to emerge from the “Hermit Kingdom”

8月22日掲載

Premium Analysis

トロントのビリー・ビショップ空港。市域内空港にどんな役割が?

20-Aug-2021

繁華街に近い空港で、主にビジネス関連の場所への、近距離、ターボプロップ機による便を提供するものはどこを探しても余り見当たらない。その中の一つが、カナダ、トロントのビリー・ビショップ空港である。

公共分野の企業が所有し、ターミナルは民間が運営して居るのだが、コロナウイルス・パンデミックの厳しい現実が、新たな投資家を探すよう促して居る。

その投資家が見出すのは、将来は(もしあればの話だが)、パンデミックにされた様に、環境保護的意識と持続可能性に支配される姿だろう。

他にも同じ方向を指し示す例があり、その一つ、ロンドンシティ空港が、その種の空港にとっては、失った供給を取り戻すのが如何に難しいかを示して居て、ビリー・ビショップ空港に警告を与えて居る。 

 Toronto’s Billy Bishop airport. What role for inner-city airports?

Premium Analysis

スコットランド=米国間航空業界:バージン/デルタ、ユナイテッドに代わりリーダーとなる可能性

19-Aug-2021

2021年8月11日、バージン・アトランティック航空は、エディンバラから新たな路線を開設する計画を発表した。同社は、2021年12月5日、スコットランドの首都からフロリダ州オーランドへの便を開設し、2022年4月、バルバドスのカリブの島々への便を開始する予定だ。

これらの便はバージン・アトランティックの37年間の歴史で、エディンバラから初の国際線の便である。加えて、バルバドス便は、スコットランドから唯一のカリブ海への直航便となる。オーランド便は、殆ど消滅したスコットランド=米国間市場の再拡大への小さな一歩になるだろう。

2021年8月16日の週、唯一のスコットランド=米国間の旅客便路線は、TUI航空の運航するグラスゴーからオーランド/サンフォードである。OAGのスケジュールデータによれば、TUIは冬季は運航しない予定で、2021年12月に就航すれば、スコットランドのどの空港からも米国行きの便は、バージンアトランティックだけとなる。

パンデミック前に、スコットランド=米国間市場で、デルタ/バージン・アトランティック提携はユナイテッドに肉迫する第2位、アメリカンが遥か離れた第3位で、英国航空は存在すらしなかった。

今やバージン/デルタが、この市場をリードする可能性が有る。

Scotland-US aviation: Virgin/Delta could replace United as leader

Premium Analysis

欧州航空業界:旅客数の回復、供給に近づくも、英国は後れを取る

19-Aug-2021

 

2021年8月16日の週、欧州の総供給席数は、2019年水準の33.7%減である。これはパンデミック前以来、欧州の供給が2019年水準に対し、最も近づいたものだ。

然し、改善への足取りは遅くなって居る:2021年5月半ばから2021年6月半ばの間に、29.7pptの改善の後、対前月で進歩したのは、たった3.3pptであった。

欧州は、未だに地区別供給回復ランキングで第3位のままである。2019年水準に対して44.6%減だった中東が依然として最下位に居る。今週、アジア太平洋は38.4%の減、アフリカは36.9%減、ラテンアメリカは26.4%減、そして北米は21.2%減だった。

ACI欧州のデータによれば、欧州の空港の旅客交通量の回復は、2021年8月初旬、供給カーブに、より近づいた。然し、回復は欧州中でそれぞれまちまちである。

EU外の欧州は、最も強力な交通量の回復を享受して居るし(大きなロシアとトルコの国内市場のお陰で)、南部欧州は北部欧州より上手くやって居る。

然し、英国の交通量の回復は、大陸の他の地域から後れを取り続けて居る。

European aviation: pax recovery closing in on capacity, but UK lags

Premium Analysis                                    

ラテンアメリカのエアライン、新機材発注が競争の激化を呼ぶ                  

18-Aug-2021

 

旅行規制のパッチワークの下での運航ではあるが、ラテンアメリカのエアラインは将来を見つめ続けて居り、結果として多くの域内の運航会社が新たな、そしてより効率の高い航空機の発注を決断して居る。

ラテンアメリカのエアラインにとって、リバウンドに備えるために、そして幾つかのエアラインにとっては、最終的にはパンデミック前の運航水準に到達するために、将来の適正な保有機材のバランスを見出す事が鍵となる。

チャプター11の下でリストラして居るエアライン各社もまた、どんな姿になろうとも、パンデミック後の世界で競争するためには、近代化された保有機群が必要な武器である事は理解して居る。

Latin America’s airlines new aircraft orders grow competition

ニューヨーク/ラガーディア空港:エアトレイン、廃案の危機に(→CAPA分析特別号)

18-Aug-2021

 

政治の世界に退屈な日は一日として無い、同様に航空輸送ビジネスでもそうだ。ニューヨークでは、この二つが、大惨事映画になりかねない状態で、一緒にやって来た。

FAAが遅ればせながら、公共交通の駅とラガーディア空港の間に、毎日より高くつく「エアトレイン」旅客輸送列車の建設にゴーサインを出したのも束の間、その最大の原動力であった、アンドリュー・クオモ知事が、多くの政治的及び個人的なスキャンダルを理由に辞任する事を表明した。

この計画は、依然として前進する可能性はあるが、地元そして全国の政治家たちと環境保護グループと同様、多くの港湾当局職員は反対して居る模様だ。力点は、連邦政府が支援して居る、ハドソン川を潜るトンネルの方に転換されるかも知れない。

 

米国で、直接そして関接的に空港関連インフラを建設する官民共同体は増加傾向なのだが、この計画に対する反対は、それらに全般的な疑問を投げかけるかも知れない、と同時に、現下の政治状況の中で、一体どの様な環境の下で、空港に、或は空港を結ぶための完全民間のインフラが、建設されるべきなのかと言う、もう一つの疑問を促すかも知れない。

New York LaGuardia airport: AirTrain in danger of cancellation

Premium Analysis

キャセイ太平洋、短期の目標達成に険しい障害に直面

15-Aug-2021

 

キャセイ太平洋が、その国際線乗り継ぎ需要依存のために、COVID-19パンデミックに最悪の打撃を被ったエアラインの一つであることは隠しようの無い事実だ。ずっと大きな勢いを得ようと苦戦して来たが、同社は、年末までに供給の大規模な増強を目指して居る。

キャセイは、その第4四半期にパンデミック前の供給の30%を達成したいと思って居るのだが、これは幾つかの核となる市場で、COVID-19の波が継続して居る事から、より難しくなりつつある。同エアラインが、その直近の目標を達成するためには、香港、そして他国の政府が国境の制限を緩和する必要があるだろう。

然しながら、デルタ株の危険への懸念、そしてワクチン接種率が、目標水準を遥かに下回って居る事から各国政府の警戒感は高まるだろう。

皮肉な事に、香港自身はパンデミックを制御する点においては最も成功して居る国の一つである。然し、これは、政府にとって、国境管理を緩和する事を、より難しくするばかりなのだ。

Cathay Pacific faces steep challenge to reach near-term goal

Premium Analysis

インドの空港投資と民営化、活動再開

15-Aug-2021

 

過去数ヶ月にわたり、インドはコロナウイルス・パンデミックに痛撃されて来たが、パンデミック前は世界第3位の規模だった航空市場は、将来を見据えて最終的に「常態」への回帰に備えねばならず、独立した需要予測が、殆どの他国より急速に拡大すると予言して居る以上、特にそうである。

インド空港当局は、グリーンフィールド空港計画を継続する事によって、これを遂行しようとして居る。21空港のうち、種々の所有形態の下で6つが開港し、そして更に、34億米ドルが投資される予定だ。この6空港の殆どが、極めて急速に成長して居り、投資の正当性を証明して居る。

更には、待望のニューデリーとムンバイの空港は、コンセッションが行われ、更には副次的水準の空港の、更なるコンセッションも間も無くこれに続く予定で、正しい方向に動いて居る様である。

インド地場のアダニ・エアポーツ社が既に8空港の運営者として実績をあげて居り、更に増える予定であることから、外国の企業は、このコンセッションでは、さほど大きな役割を演じないかも知れない。

問題を抱えて居たGMRが、フランスのグループADPの株式買収と「事業提携」の契約をして居り、これも見落とせない存在である。 

Indian airport investment and privatisation on the move again

Premium Analysis

EBRD、ソフィア空港で株式保有-継続可能性が目標?

15-Aug-2021

 

明らかに、欧州、アジア、アフリカの、そしてどこでも、地域の投資銀行は、空港当局に、また、ますます民間部門の運営者や投資家たちにも、彼らが必要なインフラを建設するのを助けるために、資金を貸し付ける事に満足して居り、またこれが経済活動やGDPを改善する場合は、特にそうである。

欧州復興開発銀行(EBRD)も、基本的に欧州の、且ての政治的には東側諸国の中で活動し、その様なパターンを踏襲して居り、また空港に対する資金貸付援助の実績を持って居る。

然し、今やEBRDは今年前半に、敗退した入札者達による、トゲトゲしいやり取りや夥しい主張の末、ファンド主導のコンソーシアムにコンセッション契約がなされた、ソフィア空港の株式保有に投資して居る。EBRDはインフラを「持続可能なやり方で」開発すると言う使命感を持ってこれを行なって居る。その他の類似の取引が続く可能性がある;もしそうなら、民間投資家達にとってはゲームのルールを変質させる事になる。

今回のレポートは、将来の空港の取引にとっての意味合いとは、そして「持続可能性」がそれらの取引を支配するのかについて疑問を投げかける。

EBRD takes equity position in Sofia Airport – sustainability the goal?

 

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サーバー400基を一つのクラウドに=フィンエア、システム移転を進めるため、低需要を希に見る好機と捉える

20-Aug-2021

 

400基近いサーバーで走る70本のアプリケーションを、クラウドに、移転させる好機は滅多に無いが、COVID-19パンデミックは、北欧のフラッグキャリアーであるフィンエアにとって、パンデミック後の回復時にすぐに対応可能な、柔軟で拡張性のあるシステムを作り上げる環境を提供して居る 。

究極的に長期にわたるコスト削減を実現する様デザインされた投資は、複雑であるが、減少した旅行需要は、同エアラインが旅を支援するために、アマゾン・ウエッブサービス(AWS) の提携社であるノードクラウドに向きあう、理想的な機会を提供する事になった。

ノードクラウドは、現在はIBMの一部であるが、欧州に10箇所のハブ、500人以上の従業員を持ち、今では中規模から大規模にいたる企業に1,000以上のクラウドプロジェクトを提供して居る。その「管理されたクラウド移転」は、しばしば、多くの事業者に最も警戒させる事項となる、企業がクラウドに移行するに当たっての、財政的、そして運営面でのリスクを低減させる。

フィンエアーのプロジェクトは、特に大規模で、複雑にして、フィンエアーの日々の運航に致命的に重要な、およそ400基のサーバーと70本のアプリケーションに絡むものである。

この領域は、ウィンドウズ、SAP、VMウエア、伝統的ウインドウズ2008、ウィンドウズ2003そしてウィンドウズ2000、オラクル、またIBM AIXソフトウエアさえも関与して居る。加えて、発券ブースなどの様な、20年間も手付かずの科学技術の一部は、まず外部移転を可能にする前にアップデートが必要である様なものさえある。

400 servers to one cloud - Finnair takes rare opportunity of low demand to drive systems migration

8月16日掲載

Premium Analysis

インド:新LCC計画、インドの市場に大きな影響

13-Aug-2021

インドの市場に対する、新たなLCCの参入計画は、パンデミック後の回復局面の中で、極めて競争の激しいエアライン分野を形作ろうとして居るところに、もう一つの興味深い次元を加えることだろう。

そのエアラインは、アカサと言う名称だが、管理当局の認可申請を開始したが、同社は充分に立派な支援を持って居て、その野心的な計画は軽んずる事は出来ない。

 

管理当局の種々の手続きの進捗の速度によるが、アカサは、2022年の上期に開業する可能性があり、その後急速に展開を進めようと計画して居る。明らかに、まだインド市場の膨大な潜在的可能性に惹かれる多くの投資があるが、また、業界の健全な財政にとっては、余りにも急激な成長という危険性もある。

 

ひとつ興味深い事情があり、アカサが、ボーイングと737MAX機の大規模な発注(メディアの報道では70〜100機の範囲で)交渉をして居ると考えられて居る事だ。もしこれが現実になれば、ボーイングにとっては、エアバスが狭胴機の保有機群を、そして発注済み納入待ち機材を支配する市場への、貴重な侵入をする事になるだろう。

 

India: proposed LCC could have major ramifications for India market

Premium Analysis

豪州のエアラインの状況改善、再び脱線

10-Aug-2021

豪州に於いてCOVID-19感染の最新の波が、国内線の力で、回復をし始めて居た地元エアラインに残酷な一撃を食らわせつつある。現在、年間最大の稼ぎ時が近づく中で、豪州のエアライン各社は、新たな感染の波による結果の大きさを測ろうとして居る。

ニューサウスウェールズが、依然、最も痛撃を受けた州である一方で、感染者数は他州にも規制をもたらして居る。これは双方向のタスマン超えバブルの休止が、エアニュージーランドにも経済的な痛みを齎しつつある様に、豪州国境を超えた派生する影響を与えて居る。

短期的な見通しは、最新の感染の波が、少なくともニューサウスウエールズでは、鈍化する兆候が無いことから、豪州のエアライン各社にとって、厳しいものだ。都市封鎖と州境を越える旅行の規制が、エアラインにとっては、供給を削減し、計画を変更し、場合によっては、再び従業員の一時帰休を強いる事になりつつある。

一つ変わって居ないのは、ワクチン接種プログラムはエアラインの回復には鍵である事だ。これは間違いなく、豪州にとって国境再開に向けての工程表を起動する牽引車である。

現在の感染の波の収束が見えない中で、ワクチン接種率もまた、エアラインが国内線市場で苦労して勝ち取った進展を取り戻すために極めて重要である。

 

Australian airline improvement derailed once again

Premium Analysis

バルセロナ空港、「大陸間路線ハブ」になる

10-Aug-2021

殆どの他の欧州の空港では、首都にある空港と、主要な商業都市に位置する地方の主要空港の間にライバル関係があるかも知れない。そしてその地方空港が、同時にそれ自身、多くの人々が独立した別の国にしたいと思う程の、極めて重要な地域にある場合は、特にそうである。

然し、マドリードとバルセローナ空港双方の所有者であるAENAが、つい最近、それぞれの空港に16億ユーロ、17億ユーロの資本支出計画を提案して居るスペインでは、それは無いし、バルセローナの場合は、目的は、スペインの、もう一つの大陸間路線ハブ空港にする事の様に見える。

だが、マドリードのバラハス空港が、既に、その機能を担って居るのに、本当に必要な事なのだろうか?その合理性は明らかで無い。

同時に、政治家たちが、思い描く“欧州で最もグリーンな空港“が実際に展開できるのか、定かで無い。何故なら、そうする事は、真の、現実としての“グリーン問題“を創り出す事になるからだ。

 

Barcelona Airport to become an ‘intercontinental hub’

Premium Analysis

航空機の納入待ち数、アジア太平洋のLCC各社で手付かずのまま

09-Aug-2021

COVID-19パンデミックが来襲する前に、アジア太平洋地区の極めて明白なトレンドの一つは、LCC各社が発注した狭胴機の膨大な数であった。この業界がかつて無いほどの落ち込みの中にあって、これらの発注は業界の多くの利害関係者たちにとって、大きな疑問である。

LCC各社自身にとって、発注数は、より重要なのはその納入スケジュールだが、発注がなされた時期から、成長予測と財務状況が、大きく変わってしまったため、更なる頭痛の種となって居る。

競争相手達もまた、納入計画の調整が、拡大戦略の変更を意味するのか、虎視淡々と凝視して居る。そして、アジア太平洋のLCC各社が狭胴機の発注書を席巻して居るため、航空機メーカーやリース業者にとっては、リスクは高い。

かなり多くの業界観察者たちもアジア太平洋エアライン業界は、近年LCC各社によって積み上げられた発注機数を、本当に吸収できるものなのか懐疑的であり、そんな見方はCOVID-19危機によって更に悪化するだろう。

これまでのところ、大規模な狭胴機の発注取り消しや、LCCの中でも最大規模の発注書を持つエアラインの破綻は起きて居ない。何社かは、狭胴機の発注数に変更は無い事を示唆して居る一方で、殆どのエアラインは、程度は異なるが納入を遅らせる交渉をせざるを得ない状況である。

 

Aircraft order backlogs remain intact for Asia-Pacific LCCs、

Premium Analysis

アメリカン航空とジェットスマート、ラテンアメリカで変化の到来を告げる

09-Aug-2021

インディゴ・パートナーズ専務のウィリアム・フランキーが2021年7月のCAPA Liveで、パンデミック後の世界では、超低コストエアライン(ULCC) とフルサービス運航会社の間の提携が登場するかも知れないと明言した時、彼の頭には何かがあったのかも知れない。

インディゴが所有する、南米のULCC運航会社ジェットスマートと、アメリカン航空は、今や、コードシェアとアメリカンの提案するジェットスマートの少数株式の保有を含む、提携を結ぶ意思を表明して居る。

そしてその関係が形を現そうとする中で、デルタとLATAM航空グループは、アメリカンがこの地域を支配するのに対しバランスをとるために、彼らが提案して居る、共同事業の重要性を強調して居る。

 

American Air and JetSMART usher in change for Latin America

8月8日掲載

Premium Analysis

スペイン、今や欧州最大の航空市場。ライアンエアは占有率22%に拡大

04-Aug-2021

202182日の週、定期便の供給席数でランク付けすると、スペインは欧州で最大の航空市場である。この国には、第1位の国際線市場、第3位の国内線市場がある(ロシアとトルコに次ぐ。従って、西欧では最大の国内線市場を持って居る)。

パンデミック前には、スペインは英国とドイツに次いで、欧州全体で第3位だった。

スペインは、202182日の週、2019年の供給の70%で、全ての主要西欧諸国を凌ぎ、そして、全欧平均の65%を超えて居る。旅客交通量の回復は、供給量に後れを取って居るが(欧州全体として)、その差はスペインでは小さくなって居る。

スペインに於ける、首位のエアライン3社、ライアンエア、ブエリング、そしてイベリアは、危機前のランクを維持し、合計供給席数占有率を42.5%から50.6%に上げて居る。ブエリングの占有率16.7%、イベリアの11.8%に対し、ライアンエアは22.1%を占めて居るが、IAGはグループとして30.3%である。IAGのエアヨーロッパ買収により、これが35.0%になる。

スペインでのCOVID-19感染率の再爆発により、旅行制限が再び厳しくなる懸念が高まって居るが、ワクチン接種の進捗具合が良いことがこれを和らげるだろう。 

 

Spain now Europe's biggest aviation market. Ryanair grows share to 22%

Premium Analysis

欧州航空業界の供給:ウイズエアとライアンエア、回復で先行

 

04-Aug-2021

COVID-19のパンデミックを通じて、OAGに登録される欧州エアライン各社の、四半期ごとの供給計画は、各四半期が進む度に明らかに落ちて来た。

夏場のピークの四半期である、2021年第3四半期は、2019年に対する割合で見た供給は、四半期の開始直後は72%であり、現在は67%の計画になって居る。

然しながら、主導的な西欧のエアライングループが登録したスケジュールから見た第3四半期の供給予測は、今や彼らが株式市場に提示した最近のガイダンスと整合して居る。これは先の変動的な予測傾向が安定して来て居る事を示唆して居る。

一方で、欧州の総供給席数は、202182日の週には、2019年水準の34.7%減であり、これはパンデミック期にあっては、新たな最高値であり、欧州を第3位に維持して居る。2019年対比で45.9%減の中東は最下位のままである。今週、アジア太平洋は39.6%減、アフリカは37.6%減、ラテンアメリカは27.9%減、そして北米は22.1%減だった。

2つの超LCCウイズエアとライアンエアは、低運賃、強靭な貸借対照表、そして柔軟な市場参入の文化を使って、供給回復へのより大きな野心を示して居る。

 

 

European aviation capacity: Wizzair and Ryanair lead recovery

エアアジアのフェルナンデス:「貨物は旅客サービスと同様に強力になり得る

03-Aug-2021

 

エアアジア・グループのCEOトニー・フェルナンデスは、202169日のCAPA Liveに登場し、CAPAの名誉会長ピーター・ハービソンと対談した:

COVID前に、私はe-コマースの革命を見始め、別会社の立ち上げを開始、そして私としては、より大きな占有率、より大きな上昇が欲しいと思った。」

COVIDが襲って来た時、e-コマースはもう一段高い水準に上がったので、我々はこれらの計画を加速させた。」

「私は、ロジスティックス・チェーン全体の一部になりたい。。。我々が統合された解決策を提供できる様、海上輸送会社、鉄道会社と、協力して居る。

「我々が旅客に対して出来た事を、貨物には出来ない理由があるだろうか?即ち、中間業者の排除、などだ。」

エアアジアにとって「貨物は、旅客サービス業と同様に強力なものになる可能性がある。」

 

 

AirAsia's Fernandes: "Cargo could be powerful as passenger services

Premium Analysis

COVID旅行制限解除、エアカナダを眠りから覚ます

03-Aug-2021

 

カナダが、今や、世界に存在する最も厳格な旅行制限を緩和して居り、同国最大のエアライン、エアカナダは、1年以上続いた休眠期間から、立ち上がることができる。

エアカナダにとって、米国の競争相手たちの回復サイクルに追いつくには、少し時間がかかるだろうが、レジャー旅行は勢いを得続け、ビジネス旅行需要は生気を見せ始めて居り、トレンドは漸く正しい方向に動き出して居る。

新しい水準の確かさを得て、エアカナダは、無期限の宙ぶらな状態ではなく、今や新たな積極的な局面に入って行ける。

そして、需要について、より具体的な見通しを得て、同エアラインは今や、数10億をカナダ政府からのローンで申請するかどうか、決断することが出来る。

 

 

Lifting of COVID travel restrictions wakes Air Canada from slumber 

8月1日掲載

航空旅行:ワクチン接種と信頼が回復への鍵(→CAPA分析特別号参照)

29-Jul-2021

パンデミックからの回復に於いては、取リ分け、信頼が全てである。信頼が回復して居るところ、航空旅行の予約も同様であり、その様な信頼感は、a)有効なワクチン接種が展開されて居る所、b)旅行への制限が低い(事が予知可能な)所、という組合せが有る地域に、強く関連して居る。

米国の国内線市場は、その様な地域の一つである。米国の航空旅客の数は、先月、重要な1日200万人の大台を超え、2021年5月以来、ずっと強い勢いを保ち、現在は2019年水準の20%減である。

然し、上向き傾向にはあるものの、多くの場合、実収単価は、2019年水準に比べ、可成り低い。2021年9月に、米国の伝統的なビジネス旅行シーズンがやって来れば、主要な指標となるだろう。

 

Air travel: vaccinations and confidence the key to recovery

ユーロウイングズ・ディスカバー:エアラインが成長するためのルフトハンザの最新の代替案

28-Jul-2021

ルフトハンザ・グループの最新のエアラインであるユーロウイングズ・ディスカバーは、2021年7月24日、その初便を運航した。エアバスA330−200はフランクフルトからケニヤのインド洋岸モンバサに短時間の途中経由の後、タンザニアのザンジバルに飛んだ。

同エアラインの名称と機体塗装は、ルフトハンザグループのサブブランド、ユーロウイングズの子会社であることに忠実に従って居る。

然し、ユーロウイングズ・ディスカバーは独自のAOC、そして独自のエアラインコード(4Y)そして、独自のCEO(ウルフガング・レービガー、彼は初便の機長も務めた)。更には、同社はユーロウイングズではなく、ルフトハンザの直接の子会社で、長距離、近・中距離の双方を運航する予定である。

同社は、レジャーエアラインと位置付けられて居るが、フルサービスの仕様を持って居る。フランクフルトを基地として、2020年夏からミュンヘンからの便を追加する。2021年末までには、中距離7路線と、長距離10路線(これらの長距離路線の内、7路線でコンドルと競合する)。同社の保有機計画は、2022年中頃までに、A330を11機、A320を10機である。

ユーロウイングズ・ディスカバーは、ユーロウイングズの撤退した長距離路線網の問題に対処する。同社はまた、ユーロウイングズが効率的に近距離に焦点を絞る助けになるかも知れない。

Eurowings Discover: Lufthansa's newest alternative for airline growth

Premium Analysis

インドのエアライン供給の回復、最近のCOVIDの波の後に

28-Jul-2021

インドの、悪化するCOVID−19の第2の波が収まるに連れ、国内線エアラインの供給は、再度、強力にリバウンドしようとして居る。エアラインは、緩和される旅行と供給の規制が緩和されるのに合わせ、供給を増やして居り、搭乗率も上がって居る。

第2波の感染激増は2021年3月頃、勃発し、急速にインドを危機的な状況に追い込んだ。毎日の感染者数は、2020年中頃に襲った第1波の時より多くなり、実際の合計数はもっと高いだろうと信じられて居るが、公式の死者数は42万人に上った。

第2波は、驚くべきインド国内市場の回復だったものを失速させた。今や、エアライン各社は、素早くその水準に戻ることを見込んで居リ、そしてついには、その先まで進もうとしている。

 

India's airline capacity rebounds after latest COVID wave

欧州航空業界:英国、再開そして供給回復でE Uに遅れをとる

27-Jul-2021

過去5週間、供給席数の2019年水準に対するパーセンテージでのランク付け最下位の地区から6地区中の第3位に上がって来た。これを牽引した鍵は、国際線旅行制限の緩和だった。

欧州の総供給席数は、2021年7月26日の週には2019年水準より36.5%減少して居る。

これは先週の▲37.0と大して変わらないが、欧州は、今週、地区間ランキングで、第4位から第3位に上がった。供給席数が2019年水準対比で48.6%減だった中東は、依然、最下位のままだ。今週(2021年7月26日の週)、アフリカは39.8%減、アジア太平洋は38.7%減、ラテンアメリカは28.7%、そして北米は23.5%だった。

然し、欧州の供給席数と旅行制限緩和の双方での進展は、英国でよりEUでの方が強かった。

彼らのグリーン/アンバー/赤のリストに、より大きな確実性と一貫性を提供することに加え、英国は、感染検査の問題、特に検査の費用負担とワクチン接種の完了した旅客に対して、その必要性を強調する必要があるだろう。

 

European aviation. UK lags EU in opening up and in capacity recovery

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イスタンブールのサビハ・ギョクチェン空港、依然として新イスタンブールの代替空港

27-Jul-2021

時に、例え第1期工事であっても、新空港の完成と共に、インフラが充分とは言えない、或は、都心からの便が悪い、既存の空港にとっては、問題となるかも知れない。

規模や概念で、単に旧空港の収容能力の限界を改善するためだけで無く、そしてまた、より広範な地域的な優越性で、公然と、湾岸の諸空港に挑んで、また、トルコ航空のより広大な将来を支えるために、建設された、新たなイスタンブール空港と張り合う、新空港プロジェクトは何処を探しても多く無い。

これは、イスタンブールのもう一つの空港サビハ・ギョクチェンにとっては幕引きの様なものだったかも知れないが、過去10年の間に、イスタンブール空港のご慈悲にすがるのでは無く、自ら影響力を持ち、自分の運命は自分で決められる、そんな力強い地位を確立して居る。

 

Istanbul‘s Sabiha Gökçen airport still an alternative to New Istanbul

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アジア太平洋航空業界:旅行回復の見通しの道程を描く

26-Jul-2021

国際線旅行の回復は、遠い先の問題のままであるけれど、幾つかのアジア太平洋の国々では、見通して、国境の再開へのシナリオを創り出そうとして居る。その様な道程表は、COVID−19パンデミックが最終的に収束した時、国際線市場は如何に這い上がって行くのかについてのエアライン業界の考えを明らかにしてくれる。

豪州、シンガポール、そしてタイは、全て、ワクチン接種率が一定の水準に達し次第、制限を解除するという、彼らの取り組みを明らかにし、タイの例では、最初の段階のアクションは既に取られて居る。これら3カ国は、皆、回復への努力を後ずさりさせた、新たなCOVIDー19感染爆発に見舞われて居るが、新たな常態への動きの青写真を描く事の重要性を認識して居る。

豪州、シンガポールの計画のタイムスケジュールや、必要なワクチン接種率など主要項目の詳細は、未だ設定されて居ない。

然し、この2カ国、そしてタイは、アジア太平洋の重要な航空市場であり、彼らが計画中の動きは、この地区の他の国々に、前例として追従することを促すかも知れない。

Asia-Pacific aviation: countries outline roadmaps for travel return

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カーボベルデ、サル島ハブの建設をコミット;新空港には言及せず

26-Jul-2021

大西洋、アフリカ西海岸沖にある、カーボベルデ諸島は、明らかに、代替となる高速交通手段が無い事から、外界と繋がって居るためには、効率的な航空便を必要として居る。

そのサービスを提供する、主たるエアラインは、遠く異国に飛んで来る外国人のための国際線の便の提供と同時に、国際的なビジネスや観光を興し、可能だった大西洋の真ん中のハブを提供することを、殆ど余技として担うことを求められて来た。

最近、北大西洋で、正にこれを専門とするエアライン、アイスランドエアがカーボベルデ航空の将来の展開を監督する様、採用されたのだが、政府が少なくとも暫定的に、自らの持株を取り戻そうとして居り、この配慮は、難航して居るようだ。

少なくとも、運輸観光大臣は素早く介入して居る。最近のコンサルタントの報告の裏で、彼は、必要に応じ*PSO路線支援を活用し、これを使って、国際線のハブを増強する跳躍台として、サル島の国内線の航空ハブを改善することを公約して居る。

幾つかの国際線旅行の流れにとって、好位置にあるサル島には、これが可成り実現する可能性があるが、それは多くの以前の政権の意図でもあった(この目的のための新空港の建設も含め)し、何年にも亘る、終わりのない検討だった。今や、行動の時だ。

 

*PSO:Public Service Obligation(公共サービス輸送義務)

 

Cape Verde committed to building Sal hub; no mention of new airport