CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
25-Jun-2021
今月早々に(2021年6月9日)、CAPA Liveは、エアラインのCEOと業界の経営者の話を聞くために、世界中の航空と企業渡航の分野から7,100人以上の参加者を迎えた。以下の概要は、エアラインCEOたちと業界の指導者たちの、幾つかの主要なセッションでのハイライト部分を紹介して居る。
意見は大きく千差万別であるが、企業とビジネス旅行は暫くの間、抑制されると言う広い認識がある;また、幾つかのエアラインの共通のテーマはプレミアム・レジャー旅行者に合わせた、プレミアム販売の努力、そして機内客室仕様、に注目する計画である。
また、全てのCAPA Liveのセッションは、 CAPA TVでオンデマンドで見る事が出来る。
24-Jun-2021
世界のよその地区では、国際旅行を再開し始めて居るのに対し、アジア太平洋の主要市場では、国境を越えた、航空交通の流れを取り戻す動きの進捗は極めて小さいものでしかない。これが回復に火をつけてくれる収入の好機を、今か今かと待ち望んで居るアジアのエアラインにとって最大の頭痛の種である。
欧州各国は、進展はばらばらで、概して統制が取れて居ないものの、自国でのCOVID-19ワクチン接種率が高い水準に達したため、幾つかの国際旅行の制限を取り除いて来た。
然し、アジア太平洋に於いては、ワクチン接種率は概ね、ずっと低い状況である。より感染力の高い新たな波が、更にアジアの各国政府を国境の再開を慎重にさせて居り、多くの場合、国内線市場で得た儲けが、強化される制限のために浸食されて居る。
ワクチン接種プログラムは、旅行を取り戻すための最善の方策と広く考えられて居り、エアラインの復活の希望には極めて重要なものである。各国が70%以上と言う集団免疫に達するワクチン接種水準に達する時には、政府は、制限解除のより多くの選択肢を持つことになるだろう。
2021年6月版のCAPA Liveの中で、主導的なアジア太平洋の航空業界の経営者たちによる、分野を超えたセッションでも、これらの問題が討議された。彼らがエアラインと空港が直面する問題の規模についてその概要を示し、短期的な展望への洞察を披露して居る。
Asian aviation: recovery hampered by slow vaccination/border control
24-Jun-2021
2021年第2四半期、欧州の航空業界は、供給席数、旅客数の双方で回復して居る。
2021年6月21日の週、欧州の供給席数はこの四半期の第1週の70.6%減と比べ、2019年を53.0%下回る結果となった。欧州は現在、2019年供給に2020年3月以降、最も近付いて居る。
然しながら、この結果は、他の地区に比べると差は小さくなったものの、依然として弱い。
中東は、供給席数が2019年対比51.6%減で、アフリカは40.9%減、アジア太平洋は39.6%、ラテンアメリカは34.7%、そして北米が26.3%である。
供給に比べ8ポイント近い落差があるが、欧州の旅客交通量のトレンドもまた改善した。2021年6月上旬、欧州の空港の交通量は2019年水準に対し67%減少(出典:ACI欧州)だったが、米国の交通量が2019年対比、僅か28%減なのとは対照的である(出典:米国運輸保安庁)。
欧州は、ワクチン接種率が北米を除く他の殆どの地区よりも高いのだが、国際線市場に大きく依存して居る事がその回復に重くのしかかって居る。欧州の国際旅行を再開するための、より足並みを揃えた国家間の取り組みが、この事態を改善出来る筈だ。
European aviation recovery reaches new high, but lags other regions
Premium Analysis
カナダ:小規模航空旅行制限の変更~然し時期は不明
24-Jun-2021
カナダの政府による最近の動きは、同政府が旅行制限を緩和するために、極く限られた取り組みしかして居ない事を示して居る。
政府は、2021年7月5日から、ワクチン接種済みのカナダ国民は、再入国時に14日間の隔離義務を省略出来ると表明して居る。航空業界から歓迎された小さな一歩である。
然し、業界は引き続き政府に、まだ実現して居ない、より広範な再開計画を要請して居る。結果は、殆ど夏季最繁忙期の需要に目立った変化を起こすことの無い、一連の小規模な変更である。
Canada: small air travel restriction changes - but no timetable
23-Jun-2021
パンデミックの間に、州境の回転扉がエアラインの路線再開を困惑させて居る事は秘密でも何でもない。然し、良く知られて居ないのは、豪州が昨年、新たに獲得した路線より、失った路線の方が多いと言う事だ。豪州の旅行者たちが自宅に閉じこもって居た間に、いつの間にか、可能性としては650億豪ドルが、地元で費やされてしまったかも知れない。
これらは、CAPAが2020年以来、初となる対面方式のサミット会議である、CAPA豪州太平洋航空サミット(2021年9月8日~9日於シドニー)で提起する多くの重要な問題の一部である。
確かに、豪州の国内線市場の中には、一つか二つ、大成功したものも含め、歓迎すべき新たな路線があった。然し、パンデミックの中で、得られたものより多くの国内及び域内路線が消えて居て、州と連邦の政府の支援手配の有効性、そして国内の州境の予測不能性が厳しく注目されることになる。
このことは、「他の豪州経済」が概ねパンデミック以前の水準並みかそれ以上の回復を見せて居るのに対し、航空業界にパンデミック以前より少ない都市組合せと供給席を残す結果となって居る。そして、いつの間にか国内旅行業界に、思わぬ膨大な大金を無駄遣いさせてしまった可能性がある。
CAPA Live.KLMのCEOピーター・エルバース:「ここから脱け出すのが少々厄介だろう」
22-Jun-2021
2021年6月9日のCAPA Liveにて、KLMの社長&CEOピーター・エルバースはCAPAの名誉会長ピーター・ハービソンとの対談で語って居る。幾つかの特筆すべき点は以下の発言録にある。
エルバース氏の発言録抜粋:
-「過去2~3週間、旅行への気運上昇、予約の上昇が見えて来たが、ここから脱出するには少々困難があると言うのが正しかろうと、私は思う。」
-「今や、EUが米国と欧州の間の大西洋越え市場に踏み出す時である。」
-「ひとつのエアラインとして、衛生、柔軟性、路線網、安らぎ、これらは重要な見地である。」
-「とても強いので、繰り返すが、ハンブルグからボイズ、アイダホ、へのビジネス旅客にとってアムステルダムでの乗継が最善の道である。」
-「COVIDが我々の業界を変えたとは思わないが、既に存在して居た幾つかの(継続可能性の)トレンドを加速させたと思う。」
-「(エアフランス-KLM)の株主構成(変更)の タイミングは多分、同じではないだろう。そして、我々にはここオランダで選挙があったという様な、その他の要素も、これらの要素の中に登場して来る。然し、また、それが我々の日々の協力に影響を与える事は無い。」
CAPA Live. KLM CEO Pieter Elbers: "exit from this will be a bit bumpy"
CAPA Live 2021年6月版。ウイズエア:「どのエアラインも問題を抱えて居る」
21-Jun-2021
2021年6月9日のCAPA Liveにて、ウイズエアのCEOジョゼフ・ヴァラディはCAPAの名誉会長ピーター・ハービソンとの対談で語って居る。幾つかの特筆すべき点は以下の発言録にある。次回のCAPA Liveは2021年7月14日の予定である。
ヴァラディ氏の発言録抜粋:
-「ひとたび市場が上昇し始めると、システムが悲鳴を上げるのを見る事になるだろう。」
-「業界は数十年前、国家、政府を追い出したと祝杯を挙げたと思うが、今や彼らはまたゲームに戻って来て、エアラインの株主にさえなって居る。」
-「我々は49か国に飛んで居るが、COVIDに同じ対策を打って居る国はふたつとして無い。」
-「多分、欧州の1、2のエアラインを除いて、誰もが問題を抱えて居ると思う。」
-「所有者として国家ほど悪いものは無い。」
CAPA Live Jun-2021. Wizz Air: "Every single airline is in trouble.
Premium Analysis
21-Jun-2021
シドニー・キングスフォード・スミス空港(KSA)は、2030年までに「カーボン・ニュートラル」の達成を目指す空港のランクに最も新たに加わって居る。然し、幾つかの規制や制限事項が未だに残り、今後も続きそうに見える。
それは、政府が5年前に40km西の郊外の空地に第2空港を建設すると決めた、少なくとも理由の一部である。2026年に開港の計画だが、同空港の性格は変わって、今や単なるLCC救済の空港より深い役割を満たす事になるだろう。
真っ白なキャンバスから始めて、完全に新たなパラダイムの中で、そのデザイナーは、他のどの空港も、航空業界に生き残るために手本となる様なモデルを建築する事が出来る。
Sydney KSA financially strong; Western Sydney airport under way
Premium Analysis
16-Jun-2021
ロシアは、パンデミックに 痛打されて来たが、いくつかの国に比べれば、そのエアラインの供給は、可なり良く維持され、国際旅行は、何処も同じ様に困難なままだったが、少なくとも国内線では、人々も旅行を続けて来た。
この独特な状況が、モスクワの2空港を、2021年第1四半期の欧州トップ3の中に押し上げた一方で、多くの場合、2020年の記録を優に超えるだけでなく、2019年をも超える、供給の最大の増加を体験して居るのは、これらの地域空港である。
これらの地域空港は殆ど、国内線の便だけを取り扱って居り、供給席数の増加数全体を更に驚くべきものにして居る。更には、この活動の度合がノボシビルスク、エカテリンブルグ、そしてクラスノダールを、また2,3年前にワールドカップで注目を集めたリゾート地ソチをも地図上に再登場させたが、彼らにとっては悪くない話である。
問題なのは、多くの別の形でウイルスが戻って来る事で、ロシアはこの結果の縁でぐらついて居るのかも知れない。
今回レポートは、10空港の現在の状況を検証する:モスクワの4つ、及びサンクトペテルブルクと他の5つの空港である。
Russian aviation #2: airport capacity increases, regions lead the way
11-Jun-2021
ロシア連邦は、2021年6月7日の週に、2019年供給量の82%を回復し、今や、供給席数で、欧州最大の航空市場である。対照的に、欧州の歴史的なリーダーである、英国は僅か19%の回復で、今や第7位にランクされて居る。
ロシアの実績は、供給と交通量で2019年水準以上に回復して居り、欧州最大の国内市場へと強化されて居る。
ロシアのエアラインの総輸送旅客数(国内と国際)は、データの得られる至近の月である2021年4月、2019年水準対比で、欧州全体の約20%に比べ、77%に回復して居る。
ロシアの主導的エアラインである、アエロフロートは、2021年4月、危機前の交通量の45%しか輸送して居ないが、域内子会社であるロッシーヤは80%を輸送して居る。特に、同社のLCCポベーダは、2019年4月対比で33%増だった。
Russian aviation, Europe's biggest market, led by LCC Pobeda
コネチカット州トゥィード・ニューヘイブン空港の革新的官民リース・スキーム
11-Jun-2021
1996年にパイロット・プログラムとして始まり、2019年に改良された方法で、大げさに21世紀へと引きずリ出されて来た、米国の空港民営化のプロセスは、未だに暗礁に乗り上げたままだ。同時に、空港インフラを建設し運用するための、多くの官民連携案件は、急速にその数を増やして居る。
この程、週に数便の定期便があり、少規模で副次的レベルのコネチカット州の空港が、この国の反対側に本拠地を持つ、新規起業の低コストエアラインの便のために、現在の運営者と、滑走路延長と、それに付随するインフラの建設のために、それも運用者が多くのリスクを負担する形で、革新的な契約をする事になった。
全ての関係者にとって、これは神業か、或はこれから大惨事がやって来るかのどちらかである。
Tweed New Haven Airport's innovative public-private lease scheme
欧州のエアライン:旅行規制が夏季ピークのキャッシュフローを脅かす
10-Jun-2021
供給席数、交通量データの双方が、ともに欧州に於ける旅行規制の変更による影響を示して居る。最も至近には、英国のグリーン・リストの拡大と縮小が、具体的にはポルトガルの追加と続くその除外が明らかに供給データに現れて居る。
2021年6月7日の週に、欧州に於ける供給席数は2019年に比べ59.5%の減少で、6週間続いた明らかな改善の後の前週と殆ど変わらない。この指標では、欧州は、未だに他の全地区に後れを取ったままである。
2019年に対し中東は、54.4%の減、アフリカは48.8%の減、アジア太平洋は41.3%の減、ラテンアメリカは36.8%減、そして北米が27.3%の減少である。
ACI Europe(国際空港評議会・欧州)による、週ごとの旅客数データは、2021年5月の最終週までしか得られない。にも拘らず、今週の供給データは、英国のグリーン・リストからポルトガルが削除されたのに偶然一致して居て、以前の改善しつつある旅客数データのトレンドは、同様に一旦停止となる、或は下降にさえなる事を示唆して居る。
更には、2021年第1四半期、欧州のエアラインは、最も悪いキャッシュフローに悩まされた(出典:IATA)。もし、旅行規制が緩和されないとすると、この予想以下の実績が欧州の夏場のピークへと続いて行くだろう。
European airlines: travel restrictions threaten summer peak cash flow
Premium Analysis
9-Jun-2021
どこであろうと、人口2,000万人の国に、玄関口のハブ空港が3つあるのは稀なことである。
それが、かつては連合の一部だった、3か国共通のパスポートを持つ、歴史的に全て結びついて居たデンマーク、ノルウェーそしてスウェーデンが、基本的に集団で提供し、互いに3か国のエアラインとして競い合って居るものだ。
然し、全ての空港がただ生き残るために苦闘して居る中で、パンデミックによって設定された、新たなパラダイムは、この様な歴史的な合意を見直すことを求めて居る。
この例で最初の動きは、明らかにCOVID-19パンデミック以前から最も積極的で、そのCEOは、SASがビジネスを一つの空港(最もありそうなのは、大陸間のビジネスだが)に統合することへの力の入れ方に変化があると感じて居るコペンハーゲン空港だった。
今回のレポートは、CPHやその他の空港にとって、それが何を意味するかについて見てみる。
ワクチン接種済の旅客、無症状の蔓延を防ぐためにCOVID-19感染検査をすべきか?
09-Jun-2021
エアラインは、広範な外国旅行を再開させるため、COVID-19の蔓延を防ぐ事が出来る必要がある。幾つかの組織は、ワクチンパスポートの使用を検討して居る。
新たなCOVID-19ワクチンは、COVID-19症候群を予防するのに成功して居るけれども、人々がSARS-CoV-2ウイルスに感染し、他に感染させるのを防ぐかどうかは未だ分かって居ない。
それに加えて、米国など多くの国で、外国からの完全なワクチン接種済の航空旅行者は、米国行きの便への搭乗前に、SARS-CoV-2ウイルステスト陰性の結果か、COVID-19から回復済の証明書を持つことを求めて居る(1)。
微妙な感染テストに基づいた、感染テストパスポートは、航空旅行を再開させるためには極めて重要な要素である。
(1)CDC. Interim Public Health Recommendations for Fully Vaccinated People.
Should vaccinated travellers be tested for COVID-19 to prevent asymptomatic spread?
Premium Analysis
09-Jun-2021
パンデミック前に、香港空港管理局(AAHK)は、(ゴタゴタが無かった訳ではないが)極めて高価なプロジェクトである、香港国際空港の第3滑走路の実現をコミットして居た。あれから18か月の後、もはやこの業界がどの様に展開して行くのか確かな事は何も無い。
然しAAHKは、現行の空港都市を拡張し、ターミナルの改良と第3滑走路と言う、最初の計画に拘泥して居る。後になって、少し変更したのは、より中国本土の極めて人口稠密な地区を含む、グレーターベイエアリア(粤港澳大湾区)の要望にずっと沿う様になって居る事だ。だから、珠海金湾空港でのよリ大きな占有率を求めて居るのはそれが理由だ。
もしこの集合的なスキームに成功すると、AAHKは、中国の重要な地域空港になり、域内の手ごわい同業者たちに対して何らかの優位性を持つことになるだろう。
然し、どんなことであれ、彼らの手に負えない、政治的な動きで台無しになるかも知れない。
Hong Kong Airport Authority sets out ambitious, cargo-driven vision
Premium Analysis
07-Jun-2021
フラポートは総じて空港業界の先導者であり、従って代表取締役会長による年次総会報告の僅かに楽観的なトーンは読んで居て喜ばしいものである。
欧州では事態は未だに厳しいものである一方で、少々規模を縮小したものの、2026年には少なくとも部分的に開業する予定の、フランクフルト空港の第3ターミナルの厳しさもまだ続いて居る。
資金的にはフラポートの貸借対照表は健全だが、収入は圧迫され、利益は希望には届かず、多分、2021年の終わりにはこの業界が再開することに成功したか否かが判明するだろう。
これは、多くの国で運用の制限が比較的に厳しくなく、ロシアの枢要な聖ペテルブルグ空港では既に供給が、国内線が主だとは言え、2019年を上回っている事から、多分、より大きくドイツ以外の空港資産に依存する事になるだろう。
きっと、環境保護の圧力がまもなく戻って来るだろうから、最大の驚きは、フラポートが、「カーボンニュートラル」の事になると、他の同業者を遥かに越えた期日を選択して、冷静な様子である事だ。
これは、米国ではGDP一年分の20兆ドルを要した、パンデミックの引き起こした深い谷間から、自らを引っ張り出さねばならないのに、環境問題に過剰にコミットして居るこの業界全体にとっては縁起の良いことなのかも知れない。
Fraport: more than half 2021 earnings from overseas businesses
Premium Analysis
検疫システムの変更がキャセイ太平洋を助けるが、本当の利益は相変わらず捕まえどころがない
07-Jun-2021
キャセイ太平洋が国際線便に依存して居る事は、同エアラインの路線網の復活が、殆どの他のアジア太平洋のエアラインに後れを取る事を意味した。もう一つの要素は、香港政府が、旅客と乗組員双方に、域内で最も厳しい検疫制限を課した事である。
然し、政府の、一部の検疫と国境規則の緩和の動きは、同エアラインがより多くの便を復活させるのを助けて居る。
欧州の様な世界の他の地域では、全面再開の兆しを見せ始める一方で、アジア太平洋地区では、国際旅行の再構築に、僅かしか進展して居ない。ワクチン接種のプログラムはアジア太平洋の国々では、遅れる傾向にあり、そして、より感染力の強いCOVID-19の新たな波が、多くの国の多くのエアラインでこれまで積み上げて来た収穫を、すっかり拭い去ってしまった。
2020年晩くから2021年初頭にかけて、香港は感染者数の大波に襲われたが、過去数週間で、感染者数を極めて低い水準に減らすことに成功して居る。
それでも、多くの近隣のアジア諸国で、それまで概ねCOVID-19を封じ込めて居たにも拘らず、今になって国際旅行に絡んだ新たな感染爆発を経験した例がある。香港はこれが発生するのを防ぐことに懸命で、自らのアプローチについて極めて慎重である。
にも拘らず、幾つかの市場では、未だに、香港は低いリスクに合わせ、検疫隔離期間を短縮することが出来て居る。
Quarantine changes help Cathay Pacific, but real gains remain elusive
Premium Analysis
07-Jun-2021
米国の低コスト及び超低コストエアラインは、旅客数が増え続ける、国内線および近距離国際線レジャー需要の復活を、活用する上で自分たちが最も好位置に居ると考え続けて居る。
然し、ユナイテッド航空は、異なった見方をして居る。同エアラインは、過去の危機に際して、低コスト運航会社が使った台本は時代遅れになって居ると考えて居る。ユナイテッドは、より大規模な米国エアラインは、米国市場にあって劇的に縮小したりしないし、低コスエアラインが占有率を奪う好機を創ったりしないだろうと言う結論に至って居る。
唯一確かなのは、米国の国内線市場が、回復が続くとともにどう進化するかが定かでないという事だが、新たな現実が姿を現わすにつれ、全てのビジネスモデルで運航するエアラインが、自分たちは成功すると考えて居る。
欧州のエアライン:2021年第3四半期供給2019年の50%以上は可能性あり
2021年第三四半期の始まる一月前、欧州にとっての夏のピークに、この四半期の供給席数は、2019年水準の74%(OAGスケジュールとCAPA保有機データベース座席仕様によれば)である。これは、2021年第一四半期(27%)そして2021年第二四半期(一月を残した予測で34%)から、極めて急速な回復である。
2021年5月31日の週、欧州の供給席数は、2019年に対し59.9%減である。これは、6週連続でプラスのトレンドを続けて居り、この間に減少率は、13.7ポイント縮小して居る。これは2020年9月以来、2019年水準対比で欧州の最も小さな減少率である。
欧州は、他の地区との隔差を縮めつつある:中東の供給席数は、2019年に対し54.4%の下落、アフリカは49.1%の下降、ラテンアメリカは38/0%、アジア太平洋は37.4%、そして北米は30.0%である。
コロナウイルスパンデミックの間の過去の四半期には、供給は一月前から最終的な実績までにおおよそ半減して来た。
もちろん、2021年第三四半期の供給席数は、旅行制限の進展に引っ張られるだろう。然し、過去の各四半期のパターンからの推定では、2021年第三四半期の供給は2019年の50%以上というのが確実と示唆して居る。
European airlines: 3Q2021 capacity over 50% of 2019 would be positive
Premium Analysis
ハーレックの男たち=カーディフ空港、死に体からの反攻
06-Jun-2021
首都の玄関口となる空港は、どこでも、平常時には大賑わいの場所と考えられる。結局、ティラナのリナス空港(アルバニア)でさえ、2019年は330万人の旅客を取り扱って居る。
カーディフの場合はその半分程度で、パンデミックに痛打された2020年には、旅客数は僅か20万人まで落ちた。
然し、カーディフは、エアラインは飛べず、イングランドの攻撃的な空港との競争に直面しつつ、苦境に如何に戦うかを学んできた。
今や、パンデミックがそう酷くなくなり、旅行規制が緩和され、新たなエアライン、新たな路線の商機、2つの主要エアラインが復活する可能性、航空旅行事業に対する新たな見方、そして健全な財務的な立場とともに、多分以前そうだったものより、希望のある将来が手招きして居る。
残る疑問は、15世紀に英国王ヘンリー5世に立ち向かってハーレック城を護った、伝説のオワイン・グリンドゥールの様に、チャンスに向かって空港が立ち上がる事が出来るかである。
Men of Harlech – Cardiff Airport fights back from the dead, again
CAPA Live: エアリース代表取締役会長スティーヴン・ウドヴァー・ハジー
02-Jun-2021
2021年5月12日のCAPA Liveにて、エアリース社の代表取締役会長スティーヴン・ウドヴァー・ハジーは、CAPAの名誉会長ピーター・ハービソンと語った。
筆記録は以下の通り。幾つか特筆すべき点は:
ー「多くのエアラインは、その航空機、発着枠、空港ターミナル、地上援助施設、上顧客プログラムと何もかも賃借して来た。。。。私は、エアラインの借金のかなりの部分は、政府機関が帳消しにするか、ある種の持ち分に変換されるべきだと思う。」
ー「手に入るベンチャー資金というものがある。機齢の若い、手頃な価格で良い中古機があるし、たくさんのパイロット、客室乗務員が働き口を求めて居る。これは正に新たなエアラインを始める誘惑であるが、私は、新規起業組には我々の経営資産中、多分5%、6%程度を向けたいと思って居る。」
ー「ノースが、同じ機材で獲得したリース料は、ノルウェーエアに比べかなり低いものだ。もし航空機賃借で毎月4〜50万米ドルを節約出来れば、ノルウェーエアが耐えねばならなかった固定費とノースが生存するためのものとの間には、年間5〜600万米ドルの減額があるだろう。」
ー「我々は、確かに、MAXの露出は減らして居るが、ボーイングは協力して、エアライン各社が元のプログラムに戻って、この機材を再度就役させるよう、経済的なインセンティブを提供する必要があるだろう。」
Premium Analysis
02-Jun-2021
国際的に活発な韓国の空港運営企業を考えると、仁川国際空港会社(IIAC)が自動的に思い浮かんで来る。
然し、背景には、韓国空港公社(KAC)が静かに、ラテンアメリカの2つの別の国家に、そして今度は、自らのアジア太平洋の裏庭で、そこでの拡張計画に繋がるかも知れないラオスの実行可能性調査に上手く進出しようとして居る。
航空業界では、他のどの業界でも同じだが、しばしば「餅は餅屋」であり、KACが今狙って居る外国の空港は、現在は 格安航空会社が居ないこと以外、同社が韓国で運営して居る空港と変わらないのだ。
KACのこの分野の知識と経験は、長い間にはそれらの外国の空港と互いに利のある事になるだろう、が直近の将来には物事はそう簡単ではなさそうだ。一方で、KACは、その国内の殆どの空港でも、黒字を維持することに苦労して居て、それが国外への野心の理由の一つなのかも知れない。
Ambitious KAC securing Ecuador airport deal, moves into Laos
Premium Analysis
SIA:エアラインとしては便を復活させて居るが、旅行バブルは失速
01-Jun-2021
シンガポール航空(SIA)は、回復の様なものへの道のりは未だ遠いものの、供給の漸増は今年も続くだろうと考えて居る。シンガポールを含む多くのアジア太平洋各国での、最近のCOVID-19の感染爆発は、旅行バブルが、もはや短期間の加速の好機を提供してくれない事を意味して居る。
かつて何度も議論されたて居るように、SIAやキャセイ太平洋の様なエアラインは、完全に国際線便に依存して居るため、パンデミックの間中、特にひ弱な状況にある。
双方向の旅行バブルが中断し、SIAは、主要市場に於いて、ワクチン接種プログラムで、より意味のある国際線の復活に期待をかけて居る。然し、国境を越えた協調と、ワクチン証明の受容について、多くの疑問が依然として答えを待って居る。
一方で、SIAは、可能なところから便の復旧を開始して居る。同社はまた、国際線の回復が未だ遠い地平線の彼方であることが、より明らかになって来たことから、保有機計画を更に微調整して居る。
SIA: the airline is adding back flights, but travel bubbles stall
01-Jun-2021
パンデミック期間中に、ラテンアメリカの小規模エアラインが好機をつかむ話には事欠かない。然し、アズールがLATAM航空ブラジルを追いまわす話は、これまでで最も野心的な動きである。
過去15年間、ブラジルでは、可なりの期間の統合の後に、エアラインの間で、更なる組み合わせの必要性が、そしてこの国の政府が更なる統合をどう見るかの議論がなされそうである。
そして、LATAMがアズールの申し入れを断った模様であるにも拘らず、LATAMのチャプター11破産保護法下のリストラが、結論に、そして恐らくブラジルの国内線市場の将来の構成に、更なる不確実さの輪をかけて居る。
Potential airline consolidation in Brazil: more questions than answers
Premium Analysis
ノース・アトランティック航空:ビョーン・アゲイン対ノルウェーエアの息子
31-May-2021
航空業界の復活についての世間の常識では、国内線市場を国際線市場より、近距離を長距離より、狭胴機を広胴機より、直航便を経由便より、そしてLCCを伝統的エアラインより優先しがちで有る。
然し、ノルウェーの新規起業組であるノース・アトランティック航空は、この選好性のうちのただ一つにしか該当せず、自らをLCCと位置づけて居る。
それでさえ、低いリース料の他に、同社のコスト優位性の源は定かでない。同社は、広胴機を使い、提携社に乗継需要の送客を依存して、国際線長距離市場である北大西洋に就航することを目指して居る。
立ち上げの資金が調達され、エアキャップ社と9機のボーイング787のリース契約がなされ、ノース・アトランティック社は少なくとも市場環境の改善を待つことは出来る。
ノース・アトランティックは、ビヨーン・キヨス、ビヨーン・キース、そしてCEOビヨーン・トール・ラーセンの「ビヨーン3」に依って創業された。3人のうち、始めの2人は、長距離市場に参入した後、破綻したノルウェーエアも創立して居るが、その問題は借金を元手に拡大し過ぎたことなどの複合的なものだった。
この「ビヨーンよもう一度」エアラインは、同じ落とし穴には用心することは間違いないだろう。