CAPA分析:NEW HEADLINES  4月ー2020年

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。  

4月27日掲載

Premium Analysis      

COVID-19:メキシコのエアライン=政府の支援と/または統合?

 

25-Apr-2020

 

メキシコのエアラインは劇的な供給席数の削減と、現金支出の約束で、短期の支援を受けられるようサプライヤーたちと協調して、2020年5月にはこの国に起こると予想される、COVID-19のピークに向けて身を引き締めて居る。

 

これらエアラインは、また貴重な流動性を維持しようと努めて居るが、世界中の多くの地域の他のエアラインとは違って、メキシコの政府は未だに自国のエアラインのための支援パッケージを作って居ない。結果として、収入がほぼ払底し、信用市場が厳しくなり始め、この国の2大エアラインであるアエロメヒコとボラリスは政府援助の重要性を強調する試みを始めて居る。

 

政府がメキシコのエアラインに対し、最終的にはある種の援助を提供するかどうかまだ決まって居ないが、アエロメヒコとボラリスは、ひとたび危機が去った後には、メキシコで運航するエアラインの数は少なくなっていると言う、広がりつつある共通認識に仲間入りしようとして居る。

 

COVID-19: Mexico’s airlines - government support and/or consolidation?

Premium Analysis   

ブラジルの空港コンセッション計画、ウイルスの影響なし

 

25-Apr-2020

 

ラテンアメリカから、この類例の無い時期に、二つの対照的な話が持ち上がって居る。ブラジルでは、空港システムをコンセッションで民営化する案件が続き、そして、それにはほぼ付随した形で、国内のごく小さな地域空港が含まれて居る。そんな一つの例が、数年前、ラテンアメリカで第2の繁忙空港であるサンパウロ自身のグアルーリョス空港を含む、一線級水準の空港で起こった事を経験しながら、この困難な時期にあっても、政府が外国からの投資を期待して居る、サンパウロ州である。

 

一方で、ラテンアメリカで最も繁忙で、最も過荷重となって居る空港を持つメキシコシティでは、本来ならこの時期までには半ば完成して居たはずの新空港が、大統領の空軍基地を民間用に変更する代替計画で中止され、将来の需要を踏まえ、再評価がなされねばならなくなって居る。

 

Brazilian airport concession programme unaffected by virus

 

ロシア、国内線の規模のお陰で、今や欧州随一の航空市場

 

24-Apr-2020

 

OAGとCAPAのデータによると、2020年4月20日の週に、ロシアは、縮小規模が小さいという事のお陰で、今や欧州で最大のエアラインの供給席数の市場となって居る。COVID-19危機の結果、ロシアの対前年75%カットに比べ、全欧は90%減少である。

 

CAPA保有機群データベースによれば、ロシアはまた、就航して居る航空機の占有率が欧州の残りの部分より高くなって居る。

 

危機以前の欧州のリーダーである英国は、この週、供給席数で94%減少に悩み、ロシアとイタリア(後者は供給席数で初めて上昇した)に次いで第3位に陥落した。

 

深刻な事に、ロシアの国内線市場は、供給席数の総計で、その他の欧州より大きな占有率を占め、対前年で57%「しか」落ちて居ないのだ。ロシアの国内線市場は、2019年、旅客数で、殆どその国際線市場に匹敵して居る。欧州全体では、おおまかに供給席の1/4は国内線市場にある。

 

国内線市場は、危機後の回復を主導するというコンセンサスが広がりつつある。もしこの予測が裏付けられたら、ロシアの欧州航空ランキング上昇が継続する可能性がある。

 

Russia now Europe's #1 airline market, thanks to domestic size

Premium Analysis   

COVID-19:空港、財政的ギャップを埋めようと試みる

 

24-Apr-2020

 

エアラインが、明らかな、商業的な現状の犠牲者であるとしてメディアの見出しを独り占めする中、空港も同様に極めて大きなリスクに晒されて居る。

 

一般的には、空港はエアラインに比べ、より保守的に経営されて居て、その投資の時間の尺度はずっと長く、より容易に計画出来る。それは、大規模な政府の資金援助を必要とする可能性はより少ない。然し、だからと言って、もし仮に手に入るならそれを申請する事を止められないだろうし、少なくとも、今のところそうなのだ。

 

今回レポートでは、公営、或は民間双方の、或は両者のハイブリッドである幾つかの空港が、売上を取り戻し、再び航空機が滑走路をタクシーされ、再びターミナルの店舗、レストランやバーでレジがチーンと音を立てて稼働するまで、それがいつになろうが、乗り切る為に、どの様な模索をして居るかを見てみたい。

 

COVID-19: Airports attempt to plug the financing gap  

Premium Analysis   

欧州エアラインの供給:最大の削減が鈍化。さて、次は何が?

 

23-Apr-2020

 

今週(2020年4月20日の週)の欧州のエアライン供給は、再び他のどの地区よりも大きい。

 

CAPAの保有機データベースの客室座席仕様と組み合わせたOAGのスケジュールデータによれば、欧州の総供給席数は、対前年で90%落ちて居る。これに比べると、ラテンアメリカは86.0%、アフリカは75.7%、中東は74.2%、北米は69.6%、そしてアジア太平洋は61.3%である。

 

欧州の国内線供給席は83%も減少して居る;国際線は93%(国際線は昨年同期には供給席数の77%を占め、より重要である)

 

スケジュールデータから割り出した供給席数は、現在、コロナウイルス危機の最中では、以前よりも航空交通の経験上のデータに沿ったものになって居る。更には、欧州の供給減少の率は底を打ちつつあるという兆候がある。

 

然しながら、定期便の供給席数が2019年水準の5%以内に戻ると予測される時期が、2020年6月から2020年9月に後ろ倒しされて居る。これさえ、地球を覆って居る、旅行規制が未だにそのままである限り、楽観的だったと証明されるかも知れない。欧州のエアラインの供給席数は、まだ数週間、底かその近くに留まるのかも知れない。

 

European airline capacity: the deepest cuts slow. Now, what next? 

Premium Analysis   

COVID-19:ジェット2とTUI、IATAの2020年6月U字回復を信頼

 

23-Apr-2020

 

IATAは、航空輸送業界が、かなり近い将来、元に戻れないとすれば、最終的な崩壊を、そして回復するとすれば、国内線市場がまず先であることを意味する、いつもの暗い警告となりそうなものの一つを発信した。

 

然し、全てのエアラインが、国内線を飛んで居るわけでは無い。幾つかは、消滅してしまった国際線路線網に依存して居る。今回レポートは、英国から事業を展開して居て、2020年6月には国際線航空便を復旧させると約束して居る、2つのエアラインを取り上げる。

 

特にそのうちの一つは、その航空便の目的地の多くが、現在「打撃を受けて居る」国々であっても、またそれを実行すると計画することが良いPRになり得るとほのめかしさえして居り、復旧への道の「最初の行動者」になりたい様である。

 

COVID-19: Jet2 and TUI rely on IATA's U-recovery in Jun-2020 

 

バージン・オーストラリアが生き延びる、然しどんな形で、名前は?

 

22-Apr-2020

 

バージン・オーストラリアの自から破産申請する決断は、多分未来に向かう道の地図を描いたのと同時に、同社の将来を宙に浮いたものにしてしまった。

 

同エアラインと管財人の意図は、可能な限り同社を手つかずの状態で、再出発させたいというものだろうが、同社の最終的な形は、同時に新たな所有者にも依存するものである。

 

バージンは需要を台無しにしてしまったCOVID-19パンデミックによって、屈服させられてしまった。これはバージンにとっては、新たなCEOが財務的な業績を改善することを狙って、戦略的な変更を埋め込もうとして居る、悪いタイミングで発生した。

 

今となっては、その計画を管財人、債権者、そして将来の新たな所有者の慈悲の下に委ねる事を強いられて居るのだ。バージンの経営陣は、前進するためには現行の事業計画が最善の策であると提案して居るが、この手法が受け入れられる保証は無い。

 

もちろん、世界中の他の多くのエアラインも、COVID-19後の需要環境のためにリストラする必要に直面して居り、新たな資金調達に先を争って居る。バージンが違うのは、豪州政府が、国家の利益の守護者の役割を担う為に、著名な銀行家を送り込んだものの、変身を制御する過程の大部分を、自らの手から奪われて居ることだ。

 

COVID-19: Virgin Australia to survive, but in what form - and name?COVID-19:

 

COVID-19:英国政府、エアラインの資金援助に慎重であるべきだ

 

21-Apr-2020

 

欧州全体に比べ、国際市場がより重要な国である英国の供給席数は欧州の他国に比べ、より急速に落ちて居る。英国は既にロシアへの航空路で、欧州のリーダーの座を失って居る。

 

もし航空の繋がりが削減されたままで長い間続くとしたら、或は、回復する中で、英国のエアラインの倒産が、国際線の運航の復旧を遅らせたとしたら、近距離の国際旅行でさえ、(海上交通以外に)地上交通が無いことが、大きな脅威になりかねない。

 

英国政府は、供給削減が特に厳しい自国のエアラインを助けよという圧力下に居るが、エアラインごとに事例は異なり、まさに最後の逃げ場である筈である。

 

イージージェットは自助努力の価値を示して居る。英国航空は政府の助けを求めて居ない。ダートグループの一部であるジェット2.comは、良好な流動性を保持して居る。TUI航空はドイツのTUIグループの一部である。バージン・アトランティックは英国の長距離路線にとって重要ではあるが、強力な米国の提携社を持つとともに、その主要株主の居住地がカリブの個人の島であり、非居住者として英国の納税対象外である事は、同社に不利に働くかも知れない。PSO(Public Service Obligation:公共サービス輸送義務制度)路線網は、域内エアラインに有利な様に拡大される可能性がある。

 

英国政府は引き続き慎重であるべきだ。ウイルス後の英国は、自国或は外国いずれのエアラインにとっても、再び魅力的な航空市場となるだろう。

 

COVID-19: UK government should remain cautious on airline bailouts

 

COVID-19:メキシコのエアライン、大規模な変化に直面の可能性

 

21-Apr-2020

 

COVID-19ウイルスへの対応としてメキシコの宣言した、健康上の緊急事態は2020年4月30日に終了しようとして居るが、世界の航空市場への影響に似てパンデミックはひとたび危機が収束した後に、メキシコに更に深く進行する影響を及ぼすだろう。次の段階は、健康上の緊急事態に関連した規制を延長することであり、この時点で起こるか否かは明らかでは無いが、メキシコのCOVID-19感染数は、過去数週間で大きく増えて居る。

 

一方で、メキシコのエアラインは、危機に対応するために、世界中のエアラインが採用して居る戦略を使って居る:即ち、供給を削り、航空機を地上待機させることだ。そしてその他の市場と同様に、幾つかのメキシコのエアラインは、この危機を凌ぐために他より良い装備を持って居る。

 

この国の航空市場で、ひとつの大きな未知の領域は、政府が、今や、メキシコシティの空港インフラに、どの様に取り組もうとして居るのかと言う事だ。現在のアンドレス・マニュエル・ロペス・オブラドール(AMLO)は、新たな空港の建設を中止し、軍事基地で民間機の運航を取り扱う様に変身させる部分を必要とする、首都に供する3つの空港を創る計画を進めて居た。

 

然し、向こう数年間は需要が危機以前の水準に戻りそうに無いことから、これらの計画は、予想出来る将来まで、凍結される可能性がある。

 

COVID 19: Mexico's airlines could face major changes

 

インドのGMR、ボガプラム空港開発と運用に承認を得る

 

21-Apr-2020

 

人々の生活は続いて行く;事業は続いて行く、或は少なくとも、1カ月以上前の2020年4月13日に、空港開発と民営化の取引の最初のものの一つが発表されたインドではそうだ。具体的には、インドのアンドラ・プラデシュ州にとっての新たな国際空港建設プロジェクトであるボガプラム空港を開発し、拡張する契約である。

 

この40年間のコンセッションに関する発表は、小さいながらそれなりに、1944年、戦後の航空業界の未来を形作る為に開かれたシカゴ会議と同様の重要さがある。

 

航空界は恐竜と同じ道を歩みつつあると言う一つの見方が広まってきて居るが、少なくとも、この取引は、未来に航空業界が存在する事を認めて居る。 

(GMR Airports:ニューデリーを本拠とする空港運営会社)

 

GMR gets go-ahead to develop and operate Bhogapuram Airport

Premium Analysis    

ライアンエアのオリアリー:航空需要を蘇らせる運賃戦争。恐怖はどうなる?

 

19-Apr-2020

 

2020年4月15日、ロイターのインタビューで、マイケル・オリアリーは、コロナウイルスの規制が解かれればすぐに、ライアンエアは運賃戦争で勝利すると語って居る。

 

長年に亘り務める、このライアンエアグループのCEOは、「大規模な運賃投げ売り」で刺激された航空需要の迅速な回復が期待できると予測して居る。彼は2020年6月は、便の限定的な復活と2020年7月から8月にかけての期間には、割引運賃での休暇旅行に牽引された欧州域内旅行が復活すると予測して居る。

 

過去には、ライアンエアの平均運賃の上昇と、その旅客数の拡大は負の方向の相関関係にあったが、2008年度以来、その関係は弱まって居る。オリアリー氏の強気な見通しは、この需要の価格弾力性に依存して居る。

 

もしライアンエアが、かなりの供給を空に取り戻す、最初の主要欧州エアラインだとすれば、その大きな路線網、強靭な貸借対照表、そして超低コストが運賃戦争に勝利する位置に付けるだろう。

 

オリアリー氏は、ロイターに、「アパートに閉じ込められて居た」人々は、「それが、充分に安全に出来るなら」、休暇旅行に出たいと思うだろう、と語って居る。

 

然し、「充分に安全」な航空旅行という認識は変わってしまって居る。今や、それにはCOVID-19やその他の病気への感染に対する恐怖が含まれて居る。運賃戦争は旅行への信頼の損失は解決しないだろう。

 

Ryanair's O'Leary: price war to revive air traffic. What about fear?

Premium Analysis   

COVID-19:米国のエアライン各社、援助を受け、加齢機材を地上に留め置く。そして今は?

 

19-Apr-2020

 

米国のエアライン各社は、COVID-19パンデミックに、永遠に変質させられそうな業界への適応を続けて居る。そして、この国で事業を展開するエアラインに対する、政府援助について、いくらか確証は見えて来て居るけれども、提供する事を求められる最低限の航空サービスの水準と、米国エアライン業界は、2020年の残りの期間、相当、規模が小さくなると言う大きな結論は、全体として不確実性が支配し続ける事を意味して居る。

 

エアライン各社は新たな運用面の現実に備える中で、従業員の雇用を確保するため、老齢化する航空機を切り捨て、政府援助(相当のひも付きだが)を使おうと動き始めて居る。

 

然し、長い期間にわたって、ある種のソーシャルディスタンシングは空港で、そして多分機内でも求められるだろうから、旅行体験の構造はずっと疑わしいままだろう。

 

また、旅行の過程で、健康チェックが求められると言う現実もあり、これらの変化が究極的に近距離の需要にどのくらい影響を与えるものかは定かでない。

 

COVID 19: US airlines get aid, ground older aircraft. What now?

4月19日掲載

Premium Analysis   

MAG、英国政府のバージン・アトランティック援助を支持する

 

17-Apr-2020

 

マンチェスター空港グループ(MAG)のCEOチャーリー・コーニッシュは、現在、英国で2番目の権力者である財務大臣に、バージン・アトランティック航空を、必要なら資金を援助してでも救うよう頼み込むと言う、通常はない手段を使った。政府は、最近、フライビーを救うための同様の請願を却下して居る。

 

コーニッシュ氏は、このエアラインの供給拡大は、マンチェスターが「米国への乗り継ぎでは、欧州で最高の空港の一つになれた事には欠かせない」ものだったと述べた。「これらの航空便は、直接的にマンチェスターと周辺地域の経済に恩恵を齎して居る。」と彼は付け加えた。

 

この様にバージンを支える声を上げて居る組織は、決してMAGだけでは無い。バージンが購入する航空機やとエンジンを作る組織は、当然のことで:バージン・アトランティック自身の国家財政援助はエアバス、ロールスロイスやヒースロー空港などが、全てエアラインに代わって政府に働きかけるなど、既に幾つかの航空界の大手企業が支持して居る。

 

バージン・アトランティックは、年間を通じた国際定期便の運航で、マンチェスターの定期便の最大手だった。MAGのケースは、同社が描くマンチェスターでの将来像は、今夏オープン予定だったものの、現在は空っぽのままの、バージンの、10億GBP*のターミナル2拡張計画という基盤の上に構築されるものなのだ。

 

(*1GBP=134.45

 

MAG supports a UK government bailout for Virgin Atlantic

 

COVID-19:ブラジルの航空市場、パンデミック後に縮小するだろう

 

16-Apr-2020

 

殆どのエアラインにとって、業界が、COVID-19後の世界で、どの様に再構築されるかに集中する為の時間は余り無い。然し、彼らが一歩下がって、業界が危機の後にどの様に変わるか、熟考する事が出来ると、一つ天空にかかる大きなテーマが現れて来る、即ち「市場はより小さくなって居るだろう」。

 

ブラジル最大の国内線エアラインGOLは、ラテンアメリカ最大の航空市場が、パンデミックが収束した後に、暫くは縮小する可能性があり、危機は市場の幾つかのエアラインに、供給拡大については、より合理的な行動を余儀なくするだろうと考えて居る。現在のところ、GOLは疎らなスケジュールで運航して居て、既に100機以上の航空機を地上待機させて居る。同エアラインは、また、国際線拡大の計画は暫く延期する事になるだろうと考えて居る。

 

GOLの競争相手で、やはり100機以上を地上に留めて居るアズールは、2020年7月に平常運航に近い状態を回復したい希望だが、危機が長引く中で、今はいつになったら平常の感覚が実現するか憶測するしかない。

 

COVID-19: Brazil’s aviation market will shrink after the pandemic

Premium Analysis  

LOTポーランド、コンドルを放棄。欧州のエアライン統合中断

 

16-Apr-2020

 

LOTポーランド航空の所有者がコンドルの買収から撤退することで、エアラインの間で、当面の都市封鎖から生き延びるために、直ちに必要なもの以上に資金拠出を約束する事に対する、理解できる懸念が浮かび上がって来た。

 

欧州エアラインの風景は、北米に比べて、長いこと、細分化され、あまり儲からないものである。これを変身させ得る大きな取引は、規制、政治、社会そして文化の面でかなりの障害に直面する。

 

コロナウイルス危機(以前の何ものより甚大な)は、そんな障害を克服する取引の触媒となることが期待されるかも知れない。然し、この極端な環境下でさえ、大規模な統合は起こりそうに無い。

 

LOT-コンドル間の件は、大型取引ではないが、これが取りやめとなることは、本当に意味のある企業買収や合併の見込みが如何に遠いものかを如実に表して居る。エアラインの倒産による統合のほうがより有りそうだが、これに対しての国家の支援は、欧州エアライン業界の構造にはあまり影響のない、比較的小規模なエアラインの撤退に限られそうだ。

 

然し、現在の欧州での座席供給の大崩落(2020年4月13日の週で88.7%減少)の深度と国際線市場の重要さから、上昇に転ずる時点が、緩慢な浅い回復へとぐずつきそうだ。これは業界の構造に、より深甚な影響を与えそうだ。

 

LOT Polish abandons Condor. European airline consolidation on hold

 

CAPA COVID-19航空マスタークラス#1:長い帰り道

 

16-Apr-2020

 

コロナウイルスが手なずけられた後の、航空業界の回復は、V字、U字、W字或はL字型なのだろうか?

 

航空界にとって、これまでに「平常」は既に過去のものであるのが明らかになって居る。2020年4月8日、CAPAのCOVID-19マスタークラスは、航空業界にとって、新たな「平常」への旅がどの様なものかの探索を始めた。

 

どんどん増大する移動の規制の中で、路線のキャンセルから数週間が経って、大陸間の繋がりの生命線である、世界の航空システムは、単なる疎らな枠組みへ縮小して居る。その枠組みでさえ、コロナウイルスのパンデミックが広がり続ける中で、どんどん弱いものになろうとして居る。

 

エアラインは急速に、地球規模の経済危機になりつつあるものに対する自らの露出を最小化しようとして、必要な削減に動いて居る。然し、今や、現時点の状況と折り合いがつくと同時に、必ず、その出口へと注意が向かうに違いない。

 

一つの希望としては、中国の回復の軌道が、他国にとっても道を指し示す可能性があることだ。

 

CAPA COVID-19 Aviation Masterclass #1: The long road back

 

COVID-19復旧:海南航空の回復は躓く

 

15-Apr-2020

 

中国の国内線市場は回復し始めて居る。

 

然し、海南航空の国内線は荒波にもまれ、悪戦苦闘する同社は、国内3大手ライバル社の水準よりもはるかに低い、昨年同時期に比べ、約40%の国内線供給席しか生産して居ない。海南航空は、近い時点の国内線航空便は、よりゆっくりとした、より慎重な再開をスケジュール登録しようとして居て、5月の「メーデー(Labor Day)」休暇期間以降の供給配置計画については、4つの大手エアラインの中では最も悲観的である。

 

同社の親会社であるHNAグループは、かなり公にされて居る、流動性の問題と戦って来たが、2020年2月29日に、同グループの流動性は、コロナウイルスの勃発で、旅行が妨げられ、同グループの負債解決計画が影響を受ける事から、海南地方政府、CAAC、そして中国開発銀行の代表からなる作業委員会で管理されると発表した。

 

弱体化した同エアラインは、最近、短期債の返還が出来ないとして、2020年4月17日に満期を迎える、同社の750CNY(1億640万米ドル)の社債券者と会議を開いた。

 

同社は付け加えて、コロナウイルスのパンデミックにより収入が大きく減少した事を上げ、返還支払いを繰延べたいと述べた。

 

かつては野心的だった同エアラインにとって、2020年は極めて課題の多い年になろうとして居る。

 

COVID-19 recovery: Hainan Airlines’ recovery falters

Premium Analysis   

COVID-19復旧:中国東方航空、失地を回復

 

15-Apr-2020

 

中国東方航空は、同社の事前スケジュール登録を通じ、以前、計画したほど野心的に復旧しては居ないものの、COVID-19からの回復の軌道にしっかりと乗って居る。まもなくやって来る5月のメーデー休暇の期間、北京を本拠とする、中国国際と違って、上海が本拠の中国東方は、国内線市場での供給席数生産が前年並みの水準に届くとは期待して居ない。

 

中国東方は、過去数週間、ずっと「平常」水準の便運航を遅らせて来て居る。国内線供給は大まかに言って対前年水準から45~50%低いままである。然し、国内線供給席の生産量では、国内線市場が封鎖されて居る、海外のライバルたちを大きく引き離して居る。

 

COVID-19 Recovery: China Eastern Airlines regains lost ground

Premium Analysis   

COVID-19復旧:中国南方航空の膨大な回復への努力

 

15-Apr-2020

 

中国南方航空の国内線の回復は、中国国際と同様に大きなもので、中国東方よりわずかながら野心的である。然し、その2つのライバルの様に、中国南方は過去2週間、ずっと慎重になって居て、供給の復活計画を遅らせ、調整して来た。

 

中国南方は、また、先週にかけて、少なくともスケジュール登録によれば、近時点(4月)の国内線供給展開を削り、方向を変更して居る。然し、世界の標準から見ると、中国南方は、前年水準に比べほんの30%低い、150万席という莫大な週間席数を市場に供給しようとして居る。

 

COVID-19 recovery: China Southern Airlines' intensive recovery effort

 

COVID-19と空港資金調達:プラスの実績は急速に過去のものに

 

14-Apr-2020

 

世界中で、空港は2019年12月31日で終わる会計年度の報告を纏めようとして居る。

 

2019年は、概して各空港にとって良い年だったが、現在COVID-19コロナウイルス勃発で空港の資金調達に巨大な衝撃を与えて居る。

 

各空港の例の中では、2019年の報告は、その後に続く世界的な景気後退の衝撃の可能性とともに、毎日拡大するように見える、COVID-19コロナウイルスの衝撃を愕然と理解した時点と偶然重なって居るが、概して健全な2019年の結果は、2020年の一年中或はその先までも、自らの病床に閉じ込められそうだということを意味して居る。

 

少なくとも中国では、病気と闘う上で、ある種の進歩が生まれて居る。

 

然し、長期的には、投資家たちはこの業界の資本の必要性について、進んで支援して呉れるだろうか、大いに疑問である。

 

COVID-19 and airport finances: positive results quickly become history

 

COVID-19:見栄えと政治が米国のエアライン支援を脱線させるのか?

 

11-Apr-2020

 

米国の立法者達が、2兆USDのコロナウイルス支援と経済保障法(CARES)を通過させた時、エアラインと労働組合は、2020年9月末まで、従業員の給料と福利を維持するために、エアライン業界に対し、給与助成金として、約250億USDを約束した法律の部分について、大きな進歩だと、一様に歓呼で迎えた。

 

然し、土壇場になって、この法律の条項が、財政的支援パッケージに含まれる、給与助成と貸付金の両方を求めるエアラインの株式を、政府が持つ事を認めるとして、給与助成金に大きな紐を付けた。

 

労働組合はこの動きを非難して居り、国中のエアラインは、毎日、併せてほぼ数10億USDのキャッシュを焼き捨て続けて居るのだからと、米国財務省と助成金の条件について交渉しようと試みて居る。労働側は、財務省が長く引きずれば引きずるほど、悲痛な倒産の危険は大きく拡大し続けると警告して居る。

 

COVID-19: will optics and politics derail aid for US airlines?

4月13日掲載

Premium Analysis  

ルフトハンザ。欧州で最初の保有機群削減;更に深化させる計画、他社も追随

 

11-Apr-2020

 

ルフトハンザの、主ブランドとユーロウイングズで保有機群を縮小する計画は、covid-19による旅行規制の後で予測される大きな下降に対し、大手欧州エアライングループが発表したリストラの最初のものである。

 

21機の広胴機と11機の狭胴機の完全退役はルフトハンザブランドの保有機群の9%を意味し、供給席数では13%となる。これに加えて、11機のユーロウイングズの狭胴機を切ることは、低コストブランドの保有機群の6%となる。保有機群のリストラプログラムは、ルフトハンザの子会社である、オーストリア航空、ブリュッセル航空、そしてスイス航空でも進行中である。

 

欧州の3大伝統的エアライングループの間では、ルフトハンザの保有機群がIAGとエアフランス-KLM双方のものより大きく、同社にはまだ他に発注済機材もある。ルフトハンザの、世界的な航空旅行需要が危機前の水準に戻るには何年もかかるだろうと言う予測と、IATAが2020年の欧州のRPKは46%落ちると予報して居る事から、更なる保有機群縮小が有りそうに見える。広胴機の削減がルフトハンザの長距離路線供給席数の22%であると言うのは、多分最小限の削減を言って居ると思われる。その他の欧州エアラインは、すぐにも追従するだろう。

 

Lufthansa. Europe's first fleet cut; will go deeper, others to follow

 

COVID-19:米国大手エアラインの就航機数2020年3月に激減

 

10-Apr-2020

 

COVID-19コロナウイルスがパンデミックと宣言されてほんのひと月の間に、国境は閉ざされ、世界の航空旅行は、殆ど立ち止まってしまった。

 

世界中のエアラインが、ほぼゼロとなった需要に合わせて供給を削り、その供給計画は需要が2019年と2020年初頭の水準に戻るには少なくとも2年間はかかるだろうと言う、じわじわと広がる世界的な共通認識の背景を規準に、ほぼ毎日変わって居る。

 

今や驚く程の短期間のうちに、史上空前の数の航空機を寝かせて居る、米国最大の運航会社など、世界規模の運航各社も、また稼働させる保有機群を切って居る。

 

CAPAが纏めたデータは、アメリカン、デルタ、そしてユナイテッドの稼働保有機数は、2020年3月遅くにあった削減により、2020年初頭に比べ半数以下である事を示して居る。そして、まだまだやって来るだろう。

 

COVID 19: US major airlines operating fleets dive in Mar-2020

Premium Analysis  

欧州エアライン供給削減は誰よりも大きい;まだまだ続く

 

09-Apr-2020

 

CAPA保有機群データベースの座席仕様と組み合わせた、OAGの最新のスケジュールデータに依れば、欧州の供給席数の合計は、2020年4月6日からの週には対前年で85.4%下落して居る。国内線供給は74.4%落ち、国際線供給席数は88.8%切られて居る。

 

欧州の供給席数削減は、国際線路線が支配する状態を反映して、他のどの地域に比べても大きい。未だに運航して居る便は、母国への帰還、必須産業の支援、そして貨物(貨物便は、欧州の全便の中で、大きくその占有率を上げて居る。)の関連するものである。

 

スケジュールのデータは今や、欧州エアラインの、供給と航空機の地上待機の発表を、より緊密に反映して居る。然し、ユーロコントロールからのツイッターの便数データと比較して見ると、このギャップは未だに充分に埋まって居ない。

 

欧州エアラインにより発表される供給削減は、更に拡大すると見られる。

 

European airline capacity cuts are deepest of all; more to come

 

COVID-19:空港の貨物、底を打つが幾らかは安定方向に

 

09-Apr-2020

 

今は、例え可能でも、どこにせよ飛ぼうと思う旅客は、ほんの僅かしか居ないかも知れないし、同様に連れて行ってくれるエアラインも僅かである一方で、多くの視線が、2019年には貿易戦争やその他の要素から悪戦苦闘した航空貨物分野の展開の行方に向かうだろう。

 

供給のレーンは開かれたままの状態でなければならないし、旅客機は、例えまだ旅客機としての客室仕様のままでも、その役割りを満足させるように使われようとして居る。

 

空港の地理的な位置によっても、また、その他の月と比べて最大の時期ではあるが、2020年1月~4月の間に、急激な貨物物量の下降曲線を見なかった空港は僅かしかない。

 

成長曲線が、先に言われて居た様なものから、どのくらいプラスであるのかは分からないが、彼らの大半は、今や「底入れ」した模様である。

 

貨物の物量はしばしば、旅客分野に何が起こるかの前兆として捉えられ、2019年を通して、それがずっと低調だった。統計は、命に係わる供給を世界中に出荷する必要性によって歪められるけれど、それ以上に、数字は貨物が先導するエアラインの復活があるのか否かを、ち密に検証される事になるだろう。

 

今回のレポートは、世界の貨物空港トップ20を、物量、そしてそれが、現在の世界と地元の環境に従って、如何に変化しようとして居るかを検証する。

 

COVID-19: airport freight bottoms out but some steadying

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イージージェット-ステリオスの諍い、全欧州エアラインにとってウイルス後の恐怖を駆り立てる

 

08-Apr-2020

 

エアバスへの発注をキャンセルしようとする試みの中で、イージージェットの創始者で最大の株主であるステリオス・ハジ-イオアヌは、株主達に現経営陣を追い出すよう促して居る。彼のイージージェットに対する懸念は、全エアラインが共有するところだ:現金残高、都市封鎖を生き伸びる事、そして回復に当たっての航空機の供給過剰である。

 

イージージェットは、2020年4月9日迄に、2019年実績でほぼ140日分の収入に等しく、殆どの大手欧州エアライングループが持つより大量の、流動性合計を23億GBP*まで持って行くよう、英国政府の貸付制度を要請し、その他の手段も講じて居る。

 

都市封鎖の中で、変動原価は効率的に除去され、固定費を下げる為に、追加的なコスト削減対策がなされ、資本支出は延期され、この現金準備は、イージージェットが2020年末以降まで生き伸びる事を確かなものにするに充分な筈である。

 

にも拘らず、ステリオスの干渉は、イージージェットのみならず、全欧州のエアラインにとっても、ウイルス後の世界における、将来の保有機群の必要性についての、当然の疑問を呼び起こす。

 

彼の思い浮かべて居るのは、エアライン各社が、「一度に数機の航空機の為の、幾つかの儲かる路線」を奪い合い、国際線旅行への信頼構築は遅々として進まず、緩慢な国内線が主導する回復である。2019年、欧州エアラインのASKの僅か13%が国内線であった事からすると、これは問題の多い見通しである。

 (*GBP1=134.97円)

easyJet-Stelios spat raises post-virus fears for all Europe's airlines

 

COVID-19航空の回復:アジアの国内線エアライン供給復旧へ

 

07-Apr-2020

 

中国と他の東アジアの国々は、コロナウィルスとの戦いの最前線に居た。彼らが、等しく一番手として頭をもたげるべきだと考えるのも道理だ。我々が、COVID-19に対する地球規模の戦いの転換点を探し求めて居る中で、これらアジアの市場は、楽観論への根拠を、或は少なくとも戻り道はどの様なものなのかの兆しを与えてくれるかも知れない。

 

最も至近のスケジュール登録は確かに、国内線エアライン市場の再拡大へと立ち上がる姿勢を支えて居てる。国際線の拡大は、多くの国々が外国からの訪問に対して実質的に封鎖状態であるため、まだもう少し先の事だろう。

 

幾つかのケースでは、未だ残された汚染の孤立地帯への懸念から、2歩前へ進み、1歩下がる状況である。然し、コーナーを回った国内線市場の着実なパターンが現れて来て居る。

 

中国、韓国、台湾、日本そしてインドネシアの国内線エアライン市場は、彼らが市場に供給を再投入して居る事で、彼らのエアラインがコーナーを回ったという確信を、明らかに示して居る。歓迎すべき兆候である一方で、まだ、それは全てがタイムリーでは無いかも知れない。

 

COVID-19 Aviation recovery: Asian domestic airline capacity regrows

 

COVID-19:航空貨物、突如として米国エアラインにとって魅力的に

 

06-Apr-2020

 

COVID-19パンデミックの勃発で、航空旅行への需要が消えてなくなる中で、世界中を飛んで居た旅客便エアラインは、僅かでも収入を得ようと貨物便に変わろうとして居る。

 

米国では、大手旅客便エアラインが、クレジットカード契約やFFP(常顧客プログラム)、そしてその他の付帯サービス販売から収入を押し上げるため、昨年は貨物からその関心をそらして居たが、今や貨物便を運航する意思表示をして居る。2019年、北米の貨物需要は3.4%下落し、全米最大のエアラインにとって、貨物収入は対前年で大きく落ちて居る。

 

エアラインにとって、COVID-19勃発によって齎された目まぐるしい変化を、引き続き漕ぎ渡る中で、明らかに、貨物は長期に亘る救世主では無いが、運航各社は失われた収入を、僅かでも取り戻そうとあらゆる手段を試そうとして居る。

 

COVID 19: Air cargo suddenly attractive for US airlines

 

Premium Analysis 

COVID-19:米国エアライン各社、供給カットの複雑な現実に直面

 

06-Apr-2020

 

ひと月に満たない時間の範囲で、米国のエアライン各社は、COVID-19危機がパンデミックの水準に至り、歴史的な需要の落ち込みを惹き起こす中で、短中期の戦略を抜本的に変更せざるを得なかった。

 

エアライン各社は、急速に新たな現実に順応する事を余儀なくされた。彼らは、貸借対照表を強化しようとし、米国から世界の幾つもの地域への旅行制限が発せられるのに合わせて供給を削減した。

 

然し、米国が急速にCOVID-19感染の震源地となるに連れ、エアライン各社の供給削減計画は、搭乗者が継続不可能な水準まで落ち込んでしまったため、どんどん中身の無いものになって来た。

 

今や、COVID-19が威力を増すに従い、エアラインが提供して来た具体的な供給ガイドと、現在国内線全体に残って居る供給とが結びついて居ない。然し、エアラインはゆっくりと、公表した供給減少に見合うよう、彼らのスケジュールを変更し始めた様に見える。

 

流動的な状況であるが、公表された供給減少の目標に向かって動きがあるように見える。

 

COVID 19: US airlines face complexity in cutting capacity

 

COVID-19からの回復:中国国際航空、5月休日スケジュールを2019年並に登録

 

05-Apr-2020

 

中国国際航空は、一週間に亘る5月の休日期間、目を見張る国内線航空計画の復旧の証となる、2019年水準同様の国内線スケジュールを登録した。

 

エアライン各社がその供給を継続的に調整して居る事から、この計画は、再び下方修正される事も大いに有り得るが、もしその様な復旧を考えるエアラインが他にあったとしても、極めて少ない。殆ど2つに1つの国が、ほぼ全ての保有機群を地上に留め置いて居る中で、中国は世界に向かって、平常が戻りつつあると考えて居るというメッセージを送ろうとして居るのだ。

 

これは、どのエアラインがスケスケとなった路線網の運航を乗り越えて、ゆっくりとCOVID-19後の復旧過程のスタートを切ったかを示そうと考えた、新たなCAPAのレポート・シリーズ「エアラインの将来計画」の第1回である。このシリーズは、エアラインの経営者たちが、目まぐるしく変わる環境と戦いながら、ひとつの核となる保有機群と路線網運用の上に立てたエアライン戦略に対する貴重な洞察を提供する事を狙いとして居る。

 

COVID-19の突発をほぼ封じ込めて、中国がまず、頭をもたげようとして居る。中国で立ち上げられたパターンは、丁度その厳格な封じ込め策が、他の国々でもまた解決の糸口を示した様に、他の世界中の国々に、ある道しるべを提供するかも知れない。

 

今回のレポートは、特に北京に本拠を置く中国国際航空の供給/スケジュール計画と保有機群稼働傾向を検証する。

 

中国南方航空、中国東方航空そして海南航空もまた、第1波の中で概観する。その他の国々のエアラインは、韓国の様に、COVID-19蔓延の封じ込めに成功した証が見え次第、これに続く予定だ。焦点は、まず扉を開く事が期待される、国内線市場へのアクセスを持つエアラインの国々となるだろう。

 

COVID-19 recovery: Air China files May holiday sched at 2019 levels

Premium Analysis  

COVID-19:もはや航空界に「平常」は無い

 

02-Apr-2020

 

当初、COVID-19は、これまでの危機と同様に見えた:需要と収入に対する打撃に続いて、平常に回復する、例えその打撃の深度と期間については定かでなかったとしても。

 

エアラインがCOVID-19の結果として、今年直面する収入の減少は、これまでの危機の衝撃を遥かに凌ぐものだ。それは世界戦争の次元にある。更には、今や地球規模の景気後退が、2020/21年にやって来て、これは回復には更に長い時間がかかる事を意味する。

 

その上、例え回復した後でも「平常」は以前と同じものでは無くなるだろう。航空旅行への需要には長引く影響がありそうだ。地球全体での都市封鎖、或はほぼ都市封鎖、の結果、人々は仕事の面でも余暇に於いても、生活する新たな方法を急速に学んで居る。

 

これまで以上に、今や、航空機による出張の代わりとして、科学技術はより現実的で、より広く利用される代替物になって居る。COVID-19が去った後であっても、他人とごく近い接触への恐怖から、航空界は、拭い難い旅客の旅行への信頼喪失に直面して居るかも知れない

 

これに加えて、今回の危機は、航空界に反対する環境保護キャンペーンに更なる力を与えるかも知れない。

 

COVID-19: No more 'normal' for aviation

4月5日掲載

 

国内エアライン路線網、COVID-19後のアジア太平洋の回復を主導する

 

03-Apr-2020

 

COVID-19危機は、地球規模で多様な路線網を持つのは良い事だが、一方で衝撃が国際線の需要の流れを阻害する時、国内線事業は、エアラインにとって主要な利点となる事を示して居る。

 

業界の論理は広範に展開した国際路線は、エアラインにとって、自らの地元など、単一市場への依存を希薄なものにする。このため、もし一つの国や地域に落ち込みが生じれば、エアラインは資源を、影響を受けない地域に移転させる事が出来る。多くの成功したエアラインは、ほぼこの概念で彼らのビジネスモデルを築いて来た。

 

そして、何かパンデミックの様なものが突然現れ、地球規模で国境の封鎖をひこ起こす迄は、この取り組み方には意味がある。そして、国内線路線網が天の賜物になり、国際線の乗り継ぎ需要に頼って居る巨人エアライン企業がより露出して見える。

 

国際線旅行が、まず打撃を受ける間、COVID-19は、政府がますます国内での動きを止めようとする中で、多くの国内線路線網に追いついて居る。然し、国内線路線網は、より早く復旧できると予測され、需要もまたより急速に戻って来る筈だ。

 

アジア太平洋地域は、異なった取り組み方の恩典と限界を描き出して居る。国内線の路線を持って居ることが、成功を保証して呉れる訳ではないけれども、それらは、多くのエアラインの最終的な回復のための、貴重な基盤を提供する筈だ。

Domestic airline networks to lead post-COVID-19 AsiaPac rebound

 

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COVID-19:島嶼国の深刻な航空便喪失。第1

 

01-Apr-2020

 

世界で最も繁忙なアトランタ/ハーツフィールド・ジャクソン国際空港の総務部長が、コロナウイルスの勃発以来、旅客数が対前年で85%減少したと報告した際に、収入は50%以上、下落する可能性があり、そして空港は、通常、毎日26,000便を取り扱うのだが、1,200便に落ちて居て、その便も殆どが空っぽで、今や航空業界は重大な問題を抱えて居ると述べた。

 

然し、アトランタから離れた、その対極には、航空便が絶対的必需品である、世界の小さな島嶼国、特に離れた島々があり、それ以上に問題は大きい。

 

島嶼国は主たる国土が一つかそれ以上の島、または島々の一部で成り立って居る。大まかに言って、全ての独立国家の25%が島嶼国である。

 

このレポートは、それから選んだ国々とその空港について、そしてCOVID-19の勃発でどの様な影響を受けて居るかを見てみる。

 

COVID-19: Island nations' serious loss of air services. Part 1

 

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COVID-19:米国のエアライン、政府支援の得失を天秤にかける

 

01-Apr-2020

 

航空旅行の需要がほぼゼロと底を打ち続け、回復の見込みは先に延び続ける中、米国のエアラインは、この国の政府が、従業員の雇用を継続させる様に設計されたパッケージの提供をどの様に利用するか急ぎ検討して居る。そしてもしエアラインが合意した場合、政府がエアラインの株式を保有する可能性があるなど、最終的には魅力的で無いものとなりかねない、ひも付きの貸付金をどの様に利用するのかを。

 

業界が、政府の支援パッケージに参加するか否かについて予言するのは依然として難しい。殆どのエアラインが、特にCOVID-19後の「新たな正常状態」が落ち着くに至った場合、夫々の事業をどの様に経営するかについて、政府が直接の発言権を持つ事を希望して居ない、と言うのが安全な推測だろう。

 

危機の前の段階で、殆どの米国エアラインは、可なりの流動性ポジションを保持して居たし、彼らはパンデミックに耐える為に、もっとキャッシュを得ようと、市場に殺到した。

 

然し、信用市場は、急速に干上がるだろう、今やエアラインは、自社の現在の流動性の水準が、連邦政府の貸付金をせびらずに危機を乗り越えられるものか、濁った水晶の玉を覗いて決断しなければならない。

 

COVID-19: US airlines evaluate pros and cons of government aid

 

COVID-19:旅行検索。如何に帰郷の動きが蔓延の最大の牽引役になったか

 

31-Mar-2020

 

COVID-19コロナウイルスが、武漢のもの陰から静かに頭をもたげ、そしてニュースが広まって行く内に、CAPAの分析は、各エアライン検索(「買い物」)が、3ビクターズ社のデータに描かれる様に、詳細にその進展を追跡して居た事を示して居る。

 

IATAの事務局長でCEOのアレクサンドル・ド・ジュニアックは2020年3月24日「エアライン業界は最大の危機に直面して居る。」と語った。殆どの旅行、観光分野の業界についても同じ事が言える。

 

世界の多くの地域がロックダウンに入ってしまうに従い、主要GDSの旅行検索は着実に減少する事が予測できた。殆どはその通りだったが、旅行のビッグデータ技術の会社である3ビクターズが記録した検索をCAPAが分析したところでは、旅行検索が、パンデミックが世界中に広がった重大な時点に指数関数的に跳ね上がると言う、興味深いトレンドが示されて居る。

 

パンデミックの拡大が、このデータに基づき、コロナウイルス危機が如何に航空便の旅行検索に影響を与えたかを浮き彫りにする。

 

COVID-19: Travel search. How repatriation became the main driver

 

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COVID-19:カナダの主要エアライン各社、生存に向けてより良い位置に

 

31-Mar-2020

 

COVID-19コロナウイルスが、引き続き、世界の航空と旅行業界に大惨事を齎す中で、カナダのエアラインは、可なりの運航を取り止め、世界中の同業者達の仲間入りをしようとして居る。この中で最大のエアラインであるエアカナダの旅客便の運航は静止状態になろうとし、その他のカナダのエアラインも彼らの便を山の様に運航停止する事を強いられて居る。

 

これは世界中の他の地域でも同様である中で、カナダの航空業界が、COVID-19危機が過ぎた後にどの様に変わって居るかを予言するのは難しいが、現在の運航が全てそのまま生き残る事にはなりそうもない。

 

COVID-19: Canada's major airlines better positioned for survival

 

COVID-19:SIAグループ、アジア太平洋のエアライン財政援助の大きな勝者

 

30-Mar-2020

 

自国の政府が、航空と観光を極めて重要な課題として居るシンガポール航空は、今やコロナウイルス危機から業界のリーダーとして立ち上がる、良い位置に居る様に見える。全アジア太平洋地域の他の国の政府はCOVID-19危機の間、エアライン業界を支援する対策を講じて居るが、殆どの場合、打たれた対策は、今のところ、臆病で不十分なものである。

 

幾つかの政府は、早い時期から、 公租公課の免除を基本にしたパッケージの導入に動いたし、政府の後押しする貸付金も提供されて居る。現在のところ、これらの努力を、航空会社への財政援助と言う、より直接的な形でフォローアップして居るのは一握りだが、さらに多くの政府が続きそうだ。

 

その様な施策は市場を歪める危険を孕んで居るし、概して、政府にとって、かくも世界的につながった業界の中で、勝者と敗者を選び出さねばならず、理想的なものとは言えない。

 

然し、業界の受けた衝撃の規模の大きさから、脚本は既に窓から投げ捨てられて居る。パンデミックが収束した後に、どのエアラインが最強の位置取りをして居るかを決定するのに、エアラインを支援する事に、最も意欲のある、そして能力のある政府である事が、最大の要因になるかも知れない。

 

それは、長期にわたる市場の絵姿に対する影響には関係無く、時としてなまくらな道具が手に入る最良の武器と言うこともある。

 

COVID-19: SIA Group the big winner in Asia-Pac airline bailouts

 

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