CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
LCC、ますます主要空港に惹きつけられる
22-Feb-2019
LCCは長いこと、副次的水準(或は三次的水準でさえ)の空港に標的を定めて来たし、それ以上に、コストを無視しても、便を開設するよう圧力をかける、そんな空港の標的でもあった。
然し、LCCをとりまく環境の目覚ましい変化により、多くのLCC便が主要空港、そして主要なハブ空港からさえ、どんどん飛ぶ結果になって居る。交換条件となるのは:搭乗率は低く、コストはより高くとも、旅客の実収単価は可なり高くなった。マイナス点としては、急速な黒字転換は達成が難しくなって居る。
今回のレポートは、主要空港が格安エアラインの浸透を受けて居る(ある例では驚くほど高く、その他の例では殆ど無い)その度合とその理由を見極め、その取引からそれぞれの当事者が何を求めて居るかの内情をお届けする。
LCC:世界の市場占有率、台頭する市場がリード
19-Feb-2019
世界のLCC分野は、この10年間の始まり以来、強烈なスピードで伸びて来て居る。
現在では100社以上のLCCが合わせて6,000機の保有機を運航して居る。
LCCの保有機群は、僅か2,900機(出典:CAPA保有機データベース)で成り立って居た、2009年末以来、その規模を2倍に増やして居る。世界のLCCの供給席数も、2009年以来倍増し、2018年には、17億席近くに達して居る(出典:OAG)。
アジア太平洋が今や、世界最大のLCC市場で、2018年では6億席近く、即ち世界のLCC供給席数の35%を占めて居る。アジア太平洋のLCCは、2009年末に、たった400機の航空機の保有機群から、現在の1,900機へと拡大し、2,400機と言う大量の発注リストがある事から、更に急速に拡大しようとして居る。
Premium Analysis
ローリー・ダーラム国際空港:2019年、超LCCの拡大の大波が押し寄せる
18-Feb-2019
ローリー・ダーラム国際空港は、過去3,4年、米国の中規模市場の中で、最も早い速度で成長する空港の一つだった。成長の大部分は、ローリーが、成熟した成長市場で、支配的なエアラインが存在しないと言う判断の後、同市を焦点都市とするデルタ航空の決断が加速させたものだった。
今や、ローリーは、スピリットとフロンティア航空という米国最大の超LCC2社の注意を惹きつけて居る。ローリーは2019年、スピリット航空の新たな目的地となり、同社は同空港から7都市への路線を追加する予定である。スピリットの同業フロンティアは、ローリーから急速に拡大し、2019年、この空港から8つの新路線を追加する計画である。
スピリットとフロンティアがローリーに乗り入れることで、この市場での複数のエアラインモデル、即ちFSC、より低コスト、超低コストエアライン、の確固たる存在が完成することになり、究極的にはローリーの伸び行く旅客基地としての、より多くの選択肢を創り出す筈である。
Raleigh Durham International airport: a ULCC growth surge in 2019
ベトナムの空港:エアアジアと共にカントーが国際線のトレンドに参入
15-Feb-2019
2019年の第2四半期、カントー(Can Tho)はエアアジアがバンコクとクアラルンプールから便を開設し、ベトナムで8番目の国際線定期便を持つ空港になる予定だ。中国への便など、その他のエアラインによる新たな国際線もこれに続くと思われ、南部ベトナムのカントーとメコン川地域の観光を発展させるだろう。
カントーは、どんどん増えるベトナムの国際定期便空港となる、副次的な空港のリストの中の最新の空港である。ベトナムには現在7つの国際線定期便を持つ空港があるが、6年前の2013年前半には、この国にはたった3つしか無かった。即ち主要都市のホーチミン、ハノイそしてダナンである。
ニャトランが、2013年に国際の資格を獲得、プークオックが2014年にこれに続き、2015年にはハイフォン、そして2017年にダラットが続いた。ビンも2014年に国際空港の地位を獲得して居るが、現在は国際線の定期便は飛んで居ない。
Vietnam airports: Can Tho joins international trend with AirAsia
Premium Analysis
15-Feb-2019
ウクライナのインフラストラクチャー省は、地元の空港を発展させ、より多くのLCCを誘致し、最も野心的なことに、欧州とアジアを結ぶ国際ハブを構築したいと考えて居る。
ウクライナのインフラストラクチャー大臣、ボロディミル・オメリアンは、ウクライナの航空界の改革の肝心の方向性を、地元の空港を発展させ、運賃を下げるためにLCCを誘致し、航空の市場を公正で透明性の高いものにする事だと示して居る。
然し、ウクライナ国営航空(UIA)はアジアに便を僅かしか飛ばして居らず、保有機群は拡大長距離路線に相応しいものになって居ない。更には、これらの地域には既に国際ハブの必須条件を充たす、多くの空港があって、ウクライナの環境はこの事業を成功させるのに理想的なものとなって居ない。
一方で、LCC路線とそれを支える空港の更なる展開には、良い見通しもある。
Ukraine aspires to be a Europe-Asia aviation hub, attract LCCs
世界LCCサミット:CAPAの「LCC15年」イベント於シンガポール
14-Feb-2019
2019年2月25日/26日シンガポールで開催されるCAPA世界LCCサミットは、絶えず変わりゆく航空業界のこの分野の過去、現在、未来を検証する事に焦点を絞った、ダイナミックなイベントである。
シンガポールのカペラリゾートホテルで開催される、LCCの分野での資金調達や、事業運営、そして顧客の直面する問題、業務渡航について考え、世界のLCCからの視点を共有する、年に一度の特色あるイベントは、決して見逃せないものだ。
シンガポールでのCAPAの最初のLCCサミットから、ほぼ15年が経とうとして居るが、このイベントはこの業界が2004年2月以来、向かって居る方向について見直す時間を提供するものである。
Global LCCs Summit: CAPA's 15 years of LCC events in Singapore
デンバー国際空港:目覚ましい成長と将来計画
13-Feb-2019
デンバー国際空港は、2018年目覚ましい一年を過ごした。また、現在も旅客数の成長率は目覚ましい水準を記録し続けて居り、旅客需要の予測に対処するために、ターミナルのオーバーホールや、39のゲートの追加など、施設設備の改修を開始して居る。
同空港は、フルサービスと低コストエアライン双方のために重要な役割を担って居る。ユナイテッド、サウスウエスト、そしてフロンティアが同空港の3大運航会社であり、ユナイテッドは、同社の路線網全体の中で同空港が持つ既に強力な役割を更に強化するためにデンバーの*リバンキングを始めて居る。同時にデンバーは過去数年間でノルウエーエアやコパなどの新規エアラインを誘致して居る。
同空港は、また、ウオールストリートジャーナルの価値、利便性など多くの要素に基づいた、米国のトップ空港ランキングで、他の大きなハブ、中でもロサンゼルスとアトランタをおさえ、第1位の栄誉を受けて居る。
訳注)*リバンキング=rebanking:エアラインがある空港で乗り継ぎ利便性向上のため各方面の便のスケジュールが集中するように調整すること(=banking)を再開すること。
Denver International airport: impressive growth and planning ahead
Premium Analysis
ノルウエーエアのSWOT分析:革新的だが拡大し過ぎて居る
13-Feb-2019
ノルウエーエアの2018年の業績は、同社が5年間で3度目の損失を出したことが明らかになった。これには予想より高い燃油費と同社の787に装着したロールスロイス製エンジンの問題(今は解決した)に絡むコストと言う重荷がかかって居るのは確かだが、特に同社の損失が、世界のエアライン業界が高い利益率を享受して居るこの時期に重なって居るのは、その実績が、より根源的なモデルの欠陥を示唆して居る。
ノルウエーエアの、新市場への参入に伴う急速な拡大は、経営の焦点を拡幅させ、利益率に重圧をかけ、増え続ける負債と、心配になる程の低いキャッシュの水準で、同社に重くのしかかって居る。同時に、同社は2018年にIAGの関心を惹き付けた、ノルディック地方そして北大西洋での強みを路線網に与えて居る。
この関心をすげなく断った後、そして現在それに代わる入札者が居ない状況で、ノルウエーエアは、2019年第1四半期に、30億ノルウェークローネの新株を発行する予定だ(然し、これに対し2018年末の純負債は320億ノルウェークローネ)。コスト削減、航空機の売却や受領の延期と併せて行えば、この緊急株式の発行はノルウエーエアを救う筈だ。
より長期的には、買収してくれる人を探す必要があるかも知れない。
今回のレポートは、グループの強味(strength)、弱み(weakness)、商機(opportunities)、そして脅威(threats)について考える。
Premium Analysis
北大西洋エアラインの共同事業:規制の脚光を浴びる中で
13-Feb-2019
Brexitが引き起こす、多くの期待されない結果の一つに、北大西洋のエアラインによる共同事業への規制審査が強化される事がある。これらの共同事業のメンバーはスケジュールや運賃価格を、競争ルールからの規制の免除措置の元に調整する事が許されて居る。
2018年10月、英国の競争・市場庁(CMA)は、ワンワールド内の英国航空、イベリア、フィンエア、そしてアメリカン航空の間の共同事業について、取り調べを開始した。この共同事業は、そのメンバーが、6つの都市組合わせに於いて、競合社に発着枠を引き渡す事を約束した後、2010年に欧州委員会によって承認されて居る。ロンドン=ダラス、ロンドン=ボストン、ロンドン=マイアミ、ロンドン=シカゴ、ロンドン=ニューヨークそしてマドリード=マイアミである。
この約束は、予定される英国のEU離脱の後、2020年に期限切れとなり、路線と内5つが英国に関わるため、CMAの調査は期限切れ前に行われる。2019年3月にはその結果が報告される事になって居る、
CAPA分析は、これらの路線に於いて、そして、他の共同事業にとって最も重要な2つの路線(パリ=ニューヨークとフランクフルト=ニューヨーク)に於いて、仮にほんとうに競争があるとしても、これまでずっとほんの限られた程度の拡大しか無かった事を示して来た。競争に関する調査は複雑なもので、彼らの出す報告を先読みするのは無謀だが、CMAの検証はその他の国の管理当局が北大西洋航空市場を見直すのを促す事になるだろう。
2019年3月のCAPAアメリカ航空界サミット於デンバーでは、北大西洋に関する議論も行われる。
North Atlantic airline joint ventures: under the regulatory spotlight
Premium Analysis
ジェットブルーとスピリット:目の前にぶら下がった果実を利用して付帯収入を引き上げる
13-Feb-2019
世界中の全てのエアラインが、航空券以外の収入の基礎を強化しようと努力して居て、休暇旅行パッケージが多くの関心を集めない中で、ジェットブルーとスピリットはビジネス旅行のパッケージを強化しようと努めて居る。
ジェットブルーは同社の2020年*EPS目標を達成するのに役立つ、新たな旅行商品子会社を創設して居る。その旅行商品分野はジェットブルーバケーションズのブランドを含み、同社は単に一つのフライト以外に商品を購入する顧客の数を変換を増加させる事に努力して居る。
2018年第4四半期に、可なりの国際線拡大に取り組んだ後、スピリットは、また、非航空券収入を助けるために、休暇パッケージプログラムの見直しも約束して居た。
明らかに、休暇パッケージは、これらのエアラインにとって、大きな収入創出分野では無い。然し、ジェットブルーとスピリットはパッケージプログラムを刷新する事は、彼らそれぞれの非航空券収入を構築し続けるために投資する価値ありと判断して居る。
* EPS: Earning Per Share=1株あたり純利益
JetBlue and Spirit: uiltising low hanging fruit to drive ancillaries
クイーンズランド航空事情:急速なアジアの成長、ブリスベーンに7社
13-Feb-2019
アジアは、ブリスベーンとクイーンズランドにとって、アジアのエアラインの急速な拡大と共に、猛スピードで成長する市場として台頭して来た。2019年6月、タイ・エアアジアXとロイヤルブルネイ航空が、2017年以来ブリスベーンに便を開設する、第6、第7のアジアのエアラインになる予定だ。
2019年7月には、ブリスベーン=アジア間に週間137便が就航し、週間片道約34,000席が供給される。2016年7月には、週間87便が就航、週間片道約24,000席が供給されて居た。
新たなアジアへの便は、クイーンズランドとクイーンズランドのGDPの4%を構成する、その観光産業にとっては重要である。中国はクイーンズランドにとって、最大の源泉市場となって居り、一方日本は第3位の源泉市場である。その他のアジア市場はより小規模だが、ずっと成長して来て居り、成長率は、新たな直航便が需要を刺激するに連れて、加速する筈である。
Queensland aviation: rapid Asia growth 7 new airlines for Brisbane
ブランド運賃:米国の付加価値ハイブリッドエアライン、ベーシックエコノミーを発展させる
13-Feb-2019
ブランド運賃は、最大手ネットワークエアラインである、アメリカン、デルタ、ユナイテッドが新たな商品細分化の新たな局面から計画した収入目標を勝ち取ろうと努める中で、米国エアラインの議論の主流になって来て居る。今やこの国の、付加価値、ハイブリッドエアラインである、アラスカ、ハワイアンそしてジェットブルーは、より効率よく戦うために、そしてそれぞれの収入を引き上げるために、独自のベーシックエコノミーの提供を試みて居る。
アラスカが、早くも2019年1月にセーバー運賃を同社の全路線網で完全導入し、ハイブリッド3社の中で最も進んで居る。同社の最安値帯の運賃は、今年、新運賃で数百万ドルの新たな収入を創出しようとする同社の一大柱である。
ジェットブルーとハワイアン両社は、2019年に、より低い運賃水準を導入する計画で、アラスカと共に両社も、間違いなく、将来の増収を牽引する、確実な水準の購入商品の格上げ(upsale)を勝ち取る事に賭けて居る
Branded fares: US value-add hybrid airlines work up basic economy
低コストエアラインへの融資を惹きつける:リースは楽し
12-Feb-2019
如何なるビジネスの資金調達にも同様に、LCC各社に資金を提供する人々はビジネスモデル/経営、企業の信用度の品質、そして融資の対象となる基礎資産などを考慮する。そしてこれらの一つ一つの分野について、投資家たちは幅広い範囲の要素を検証する。
この点、LCCは多くの点で、フルサービスエアラインと違いは無い。今やLCCビジネスモデルは世界中で充分に確立され、低コストの事業者は、世界の最大手のエアラインと肩を並べて居る。にも関わらず、彼らはある程度まで、未だに新参のモデルと見做され、投資家たちは、新規起業の年若いエアラインには、明らかにより厳格な対応をする。モデルは最早新しいものでは無いとしても、低コスト事業者はしばしばより高い成長率を追求し、これがより高いリスクの源となりかねない。
多分、多くの低コストエアラインは辿るべき過去の実績が短く、資本も充分と言えない事から、世界のLCC保有機群の中のリース機の占有率は、全エアラインの保有機総合計に対する率より高い。特に、LCCは、可なりの数が、売却=リースバックの手法を使って居る。
2019年2月25日/26日のCAPA世界LCCサミット・シンガポールでのパネルディスカッションでは低コストエアラインの資金調達について、詳細な討議がなされる予定だ。
ミャンマーの航空事情:統合の時が来た;MAIとエアKBZが拡大
12-Feb-2019
長い事待たされたが、ミャンマーの躍動するエアライン分野に統合が変化をもたらしつつある。国内線市場に、1年前には8社、3年前には10社あったのに比べ、現在は運航して居るエアラインが5社である。
ミャンマー国内には、年間300万人未満の旅客数しか飛んで居ないのに、5社は未だに大きな数字だが、最近の統合の波は市場環境に大きな改善をもたらす筈だ。
この10年間、ミャンマーの、実質全エアラインが達成できなかった収益性が、今や可能性となり、残った競合社の幾つかは拡大を加速する事が出来る筈だ。
ミャンマー最大の民間エアラインであるエアKBZは、今年、保有機群を50%拡大する計画をして居り、国内線最大の競争相手である、国有のミャンマーナショナル航空(MNA)を追い抜くことを熱望して居る。エアKBZの姉妹エアラインであるミャンマー国際航空(MAI)もまた、長い間のゼロ成長を終わらせ、2019年に保有機の倍増を計画して居る。
Myanmar airlines: consolidation arrives; MAI & Air KBZ to expand
デリー新空港:建設開始へ、2022年開港予定
10-Feb-2019
*P3の方式となる予定の、デリー第2空港の建設工事の開始を記す礎石が、間もなく置かれる予定だ。このプロジェクトはムンバイの第2空港のかなり後に発表されたのだが、追いついて、2022年には多分開港出来ると思われる。
ご多聞に漏れず、この場合は、IATAの運営を地方分散するなと言う忠告など、途上には乗り越えるべき多くの障害物が待ち構えて居た。
然し、インドの民間航空は、急速に進化して居り、それ自体すぐにも満杯になると予想される第2空港は、少なくとも当局に、この進化による需要に如何に応えるかの選択肢を提供する事にはなる。
*P3:PPP=Public Private Partnership=官民連携
Delhi’s new airport: construction to start, for 2022 opening
Premium Analysis
英国-中国間航空事情:英国航空、中国南方とのコードシェア拡大
09-Feb-2019
英国航空と中国南方航空は、両社のコードシェア契約を拡大し、相互に常顧客プログラムの恩典賦与を開始する覚書に署名した。この事は、欧州最大の航空市場である英国とアジア最大の中国の間の市場に脚光を当てる事になった。
英国=中国間の供給席数は、2019年夏季スケジュールで、18%伸びようとして居り、過去5年間で倍増した事になる。これとは対照的に、BAの供給は2017年の成都(2019年4月中国国際により再開設される予定の路線)撤退により、5年前より減って居る。
英国=中国間に就航して居るエアラインの数は現在9社で、そのうち4社は2017年夏以降に参入して居る。中国国際は、供給でかなり大きくBAをリードして居るが、そのリードはこの夏、ロンドン/ヒースロー=北京線に毎日一便の追加で更に大きくなる予定だ。路線の数は、2年前の5本から、2019年夏に14本となる、一方、BAは2017年以来3本から2本に減らして居る。
BAと中国南方のより幅広い合意は、中国南方がスカイチームを去った決断に続いて、ワンワールドへ意識が向かって居る表れであると言うのはあてにならないかも知れない。然し、BAにとっての中国の重要性の証であり、BAにはこの市場でまだすべきことがあると言うリマインダーでもある。
Premium Analysis
欧州のエアライン:「同じブランド、違うオペレーター」モデルが伸びて居る
09-Feb-2019
近年、欧州の複数のエアライングループが、ひとつのエアラインブランドを運営するというやり方がいくつもの舞台で花開いて居る。これは新しいモデルと言う訳では無いが、より幅広く採用される様になって居る。これには、一つのブランドを持った、複数の運航子会社が一つの舞台だけでなく事業を拡げて居るエアライングループも含まれて居る。
この主要な例にはノルウエーエア、ユーロウイングズ、そしてレベルなどがある。それぞれ相異なる動機を持った各エアラインやグルーブが、この傾向を追及するのには、いくつかの理由がある。
乗り入れ権の制限を回避する、より低い人件費を手に入れる、ブランドの拡大を加速させる、更なる拡大のために別の成長の舞台を創出する、航空機の運航コストを極小化し、グループ内の文化的な問題に対処する、など全てが相まって、エアラインに一つのブランドをいくつもの生産の舞台を使う方法に導いて居るのだ。殊にライアンエア、ウイズエア、そしてイージージェットの様なエアラインには、Brexitがもう一つの理由を加えた。
今回のレポートでは、欧州のエアラインブランドが、複数の舞台を持つ経営手法の例を見て、そうする事の理由を検証する。
European airlines: 'same brand, different operator' model is growing
CAPAインドの航空と空港サミットそして見通し
07-Feb-2019
地元エアラインの国際線拡大計画に加速され、50か月も連続で2桁成長を記録した事で、インドは、向こう5年以内に、世界第3位の航空市場に躍り出ようとして居る。
2019年2月12日~14日、ニューデリーで開催される「CAPAインド航空と空港サミット」では、その成長の結果がもたらす、商機と課題について討議される。インドで開催される主要なCAPAサミットはこれで15回目となるが、主要な政府官僚と、実質的にこの国の全てのエアラインそして空港運営組織のトップが、業界からの300人以上の上級経営者とともに集まる。インド国家民間航空省のジャヤン・シンハ大臣が政府の業界の積極的改革へのビジョンを提示しサミットの幕を開ける。
Premium Analysis
シアトル-アジア間航空ブーム:アジアの主要プレミアムエアラインが拡大
05-Feb-2019
2019年は、アジアのエアライン3社が就航して、シアトル-タコマ国際空港にとって記念碑的な年になるだろう。今夏、シアトルはこの新たな定期便により、米大陸のアジアへのゲートウエイとしてニューアークを抜いて、第6位の規模になる事が可能になる予定だ。
2019年7月、シアトルは、キャセイパシフィックの香港行き7便の新設便と、JALの東京/成田行き週7便の新たな便など、史上最高のアジア行き週間93便を持つことになる。キャセイと
JALは共に2019年夏季スケジュールと同時に運航を開始し、シアトルにはアジアのエアライン8社が旅アック便を飛ばすことになる。
デルタ航空も2019年夏スケジュールの開始と共に、シアトル=大阪を開設し、シアトルのアジア路線網を8地点に拡大する事になる。
2019年9月にシンガポール航空(SIA)がシアトルからシンガポールへの直航便を開設し、2019年夏季の終わりまでに、シアトルにはアジアの目的地が9地点に、アジアのエアライン9社が就航する事になる。
Seattle-Asia aviation booms; Asia's leading premium airlines expand
欧州エアライングループ、2018年ランキング:ルフトハンザグループが依然トップ
04-Feb-2019
2018年ルフトハンザグループは、旅客数で対前年10.0%増の1億4,200万人となり、欧州最大のエアライングループの座を守った。ライアンエアは、エアライングループ内で2位、そして8.0%拡大し、1億3,900万の旅客数で欧州最大の単独のエアラインブランドに留まった。
ジェット2.comが、エアヨーロッパを20位に押し下げ、フライビーをトップ20圏外に追い出し、第19位でランキングに初登場した。この英国のLCCは、輸送実績としては32.7%伸ばして1,220万人とし、トップ20グループの中で最速で成長のタイトルを獲得した。
IAGは7.7%増の1億2,290万人で3位を維持した。エアフランス-KLMは、2.8%増で1億100万人と、1億人以上を運ぶ欧州エアライングループとして4位になった。次の4グループ、イージージェット(13%増の9,200万人)、トルコ航空(9.5%増の7,500万人)、アエロフロートグループ(11%増の5,600万人)そしてノルウエーエア(12.7%増の3,700万人)は2017年のランクを維持した。
ウイズエア(19.6%増の3,400万人で最速の成長の第2位)は、前に飛び出してSAS(1.2%増で3,000万人)を9位に押しやった。このスカンジナビアのエアラインは、11位で7.7%成長したペガサス航空より丁度10万人多くを運んだが、トップ10陥落の危機にある。
このレポートは欧州のトップ20エアライングループを2018年の輸送旅客数でランク付けしたもので、また単独エアラインのトップ20も同時にランク付けして居る。
Europe airline groups 2018 ranking: Lufthansa group still at the top
2019年CAPA航空業界見通し:流通の進化(革命)が加速
04-Feb-2019
燃油価格が短期的な救いを与えて居るが、需要はこの猪年に於ける大きな未知の分野である。
トランプ大統領の登場から、差し迫ったBrexitに対する英国の愚行、欧州ポピュリズム政治の台頭、そして膨れ上がる負債の課題まで、やって来る年は、予測困難性に特徴づけられるだろうと言う事が、ほぼ自明の理となって居る。
荒れ模様の2018年終盤の株式市場での乱高下は、投資家たちの不安のもう一つの表れだった。
これらの要素は、業界の将来計画立案の助けにならなかっただけでなく、消費者の信頼感を力づけるものでもなかった。
CAPA Aviation Outlook 2019: The distribution (r)evolution accelerates
Premium Analysis
メキシコシティー:新空港無し、本当の代替案無し
メキシコシティのためにデザインされた新空港の建設が正式に中止された今、アンドレアス・マニュエル・ロペス・オブラドール大統領の新たな政府は、サンタルシア空軍基地に滑走路を2本建設し、メキシコシティ・トルーカ空港を強化する事でこの都市の空港インフラを拡張する計画を検討して居る。
メキシコの新政府は、2020年に開港する計画だった新空港にとって代わる妥当な案で、メキシコシティーがと南北交通の流れに於ける強力な乗り継ぎ地点と言う役割を、更に向上させると考えて居る様だ。
メキシコの新たに発足した政権が採る、混雑緩和の解決策は、この国の唯一のフルサービス、本格的な世界エアラインであるアエロメヒコにとっては、妥当なものでは無いかも知れない。アエロメヒコは、供給席数から言ってメキシコシティーフアレス国際空港の最大の運航会社であり、その戦略は、メキシコシティーからの乗り継ぎ可能性の価値を極大化する事に、一部、かかって居るのだ。
ライオングループ保有機群:航空機の納入を遅らせる、良い戦略
04-Feb-2019
ライオングループは、最高だった2015年の57機から、2018年のわずか23機まで、3年連続で新機材の納入を減速して居り、同社が200機以上の737MAX系列の発注をキャンセル事を考えて居ることから、2019年は更に受領機数が減るかも知れない。2013年にグループが開業した3つのエアラインの全てが、初期の立ち上げ期間を終えた事から、もう一巡の受領延期や、削減(エアバスと/またはボーイングの)も考えられる。
バティクエア、タイライオンエア、そして(特に)マリンドエアは、最初の急速な戦略的拡大期間を終え、急速成長の追及をやめて居る。グループのもともとのエアラインライオンエアもまた、ライオングループが新たな市場と分野に焦点を移したのに連れ、近年、目に見えて成長を緩めて居り、急速成長を再開しそうにない。
ライオングループの創始者ラシュディ・キラナは、2018年12月の数件のマスコミのインタビューの中で、ボーイングへの発注済みの残る全てをキャンセルすると脅して居る。この脅しは
、ライオンを激怒させた2018年10月29日のライオンエアの737MAX8の事故についてのインドネシアの中間報告に関する、ボーイングの非難したとされる声明の影響で発せられたものだ。
然しながら、ライオンは既に事故前に、機材納入の流れを調整する必要があって、そして最近のボーイングとの不協和音がその勢いを強める事になるだろう。
Lion Group fleet: slowing aircraft deliveries a good strategy
デルタ航空:細分化運賃提供のため販売チャネルを進化させる
01-Feb-2019
商品の細分化は日常的なエアラインの議論の中では今や当たり前のフレーズになって居るが、現実問題では、米国の大手世界的エアライン各社に於いては、その戦略が未成熟な状態のままである。
アメリカン、デルタそしてユナイテッドは、運賃の細分化により収入を牽引しようと努力して居り、デルタは2011年にべーシックエコノミーの一種を導入して、細分化運賃の開始では他社より進んで居る。
デルタは最近、商品細分化の進化についてのある考え方、そしてプレミアム商品を収入へと導く方法の改善での進展を世に出して居る。結果は、過去数年間にプレミアム席の収入の伸びが主たる客室のそれを上回って居る。
デルタにとって、重要な商品細分化の中で、現在進行中の使命の一つとしては、同社の提供する様々な運賃が、複数のチャネルを通じて在庫して居る事を確実にする事がある。細分化された運賃がそれら全チャネルに届くよう広げて行けば、デルタにとっては数百万ドルの価値がある。
Delta Air Lines: evolving sales channels for segmented fare offers
Premium Analysis
CAPAエアラインの利益見通し:循環が緩慢に
01-Feb-2019
2019年1月のアップデート版「CAPA世界のエアライン業界営業利益率モデル」では2019年の利益率予報を下方修正した。また、モデルは下降となる2020年の予報も初めて紹介、これは、2016年の循環の頂点以来、4年連続の利益率下降となる。
またモデルの6か月ごとのアップデートで、利益率予報が4回上方修正されたのに続いて、連続2度目の下方修正となる。これは、CAPAのモデルでのRPK拡大の鈍化に繋がる、IMFのGDP成長予報の最近の下方修正に反映された、世界経済の軟化の見通しの結果である。予期される、年間の原油価格の小規模な下落はエアラインのコストにとってはプラスの要素となるかも知れないが、需要の拡大が弱まる事との均衡を採るまでにはならないだろう。
それでも、そして世界のGDPとRPKの拡大は、長期傾向値を下回ると見られるにも拘わらず、エアラインの営業利益率は前回の業界の収益循環の頂点と記録された6%以上の水準を維持すると予報されて居る。若しこのモデルの正しさが裏付けられるなら、2020年は営業利益率が閾値を6年連続で上回る年になる。
若し、現在の、より大規模に原油価格が安定するという予報が現実のものとなれば、世界経済の成長は、再びエアライン利益循環の主要な牽引車という役割を取り戻すことになるだろう。
Premium Analysis
中国-欧州間航空業界拡大:路線申請の嵐
01-Feb-2019
2019年1月、中国の民間航空局に対し、欧州路線の開設が11件、増便が1件の申請があった。これらが全て認可されると、中国から10本、その内イタリアが7本の新路線が誕生する事になる。これらの開設候補は、既に2018年夏季スケジュールに対して、2019年に加えられた他の11本の新路線に上載せとなる。
新たな申請は、これまで欧に飛んだことの無い、上海航空(上海=ブダペストを申請)など5つの中国エアラインが提出して居る。過去5年間で、他に9社のエアラインが中国と西欧/中欧間の市場に参入して居る。
中国と西欧/中欧間の市場は過去5年間で大きく成長して居る。この市場で運航して居るエアラインの数は2/3近く増え、路線数は2倍以上に増加、そして年間供給席数は150%も伸びて居る。
Premium Analysis
ツールーズ空港:中国のコンソーシアムが売却=フランスの企業が待つ
01-Feb-2019
4年前の2015年、2つの中国企業(CASIL Europe)が、フランスの大手企業が見過されて居るという、国中に広がる懸念にも拘わらず、フランスで6番目に繁忙な空港であるツールーズブラニャック空港の、管理権全体ではないが、過半数の株式を確保した。この取引には、その過程に明らかに政治的な関与があった。
CASILは、中国空港シナジー投資株式会社(China Airport Synergy Investment Ltd.)の略である。CASIL Europeは、中国の国営グループシャンドン高速グループと香港を本拠地とする投資会社フリードマンパシフィックアセットマネジメントなどの共同事業である;それが、フランスに登記されたこの名前の企業を通じてフランスのツールーズ空港の49.9%の株式を買収した。
然し、政府は10%の株を留保し、等しく明らかに、それを売却する予定はない。このコンソーシアムが、誓いを遵守し、空港にそして拡大する旅客需要に投資して来た一方で、コンソーシアムは、もうこれで充分だと決断し、今やこれを売却しようとして居るのだ。
これを今か今かと待ち受けるのは最初の民営化の際に落選した入札者たちである。
Toulouse Airport: Chinese consortium sells; French companies wait
Premium Analysis
南欧-米国間エアライン需要拡大=年間12%
31-Jan-2019
南欧から米国への航空路線は、たった5か国(規模から言ってスペイン、イタリア、ギリシャとセルビア)から成り立って居て、北大西洋市場では小さな割合でしかない。
然しながら、この分野は急速に伸びて居る。過去5年間に亘り、欧州=米国間市場の合計の伸び率の2倍、年間平平均12%の割合で供給席数を伸ばして居る。
この伸びは、新たな定期便の数に牽引されて、2019年6月まで続く予定だ。2019年の夏季にはこの南欧諸国から米国への新たな便には、スペインから1便、イタリアから6便、ポルトガルから3便、ギリシャから1便が含まれて居る。
米国の3大エアラインは、供給席数で、南欧=米国間路線のトップ4社の内、3社を占めて居て、欧州からは唯一イベリアがランクされて居るだけである。然し、近年、米国エアラインは、ノルウエーエア、エアイタリーそしてレベルなどに存在感を感じさせられて、欧州のエアラインに成長でずっと遅れを取って居り、両グループは現在ほぼ同様の供給量を持って居る。この市場分野にはまた、イタリア(ミラノ=ニューヨーク)とギリシャ(アテネ=ニューヨーク)路線の第5の自由運航会社としてエミレーツが居る。
一部は、北欧州が世界航空同盟の共同事業に的を絞って居る理由から、南大西洋路線は、直航乗り継ぎ便が供給不足状態になって居る。このダイナミックな拡大は続きそうである。
米国エアラインの大西洋横断市場で需要軟化=Brexitが忍び寄るに連れ
2018年、大西洋横断路線は3つの世界規模の米国エアラインにとって、最も業績の良い国際路線だった。然し、2019年早々にこの市場にある種の軟化が表面化しつつある。
デルタ航空とユナイテッドは、それぞれの単位収入実績が、2018年第4四半期に、この年それまでの強固な状態から大きく下落した後に、大西洋横断路線に問題が持ち上がって居ると警告して居る。そしてBrexitの運命の不確実性が拡大するに伴い、大西洋横断市場での逆風が、2019年が進むとともに強まる可能性がある。
デルタは以前は、2019年の供給増の大部分は、国際線の拡大に向けられると述べて居たが、大西洋横断路線に弱さが出て来た事から、同社は米国の夏季の旅行ピークシーズンが終わった後にこれらの市場への供給の調整を行う事を決断して居る。
Premium Analysis
ANA、フィリピン航空に出資=PALが拡大する中で
30-Jan-2019
フィリピン航空(PAL)は、この先数か月のうちに、ハノイ、ニューデリー、そしてプノンペンに路線を開設し、既存の39の国際線目的地のうち12地点への増便を進め、更に急速な国際線運航の拡大を計画して居る。PALの国際線供給席数は、この夏、10%近く増加し、同社が第6の自由旅客を増やそうとして居ることから、実収単価と収益性に圧力がかかる事になる。
PALは、この夏、A350-900を受領するのに支えられ、北米大陸に50%近く供給を増やす予定である。PALは北米に新たに17便の増便をするに当たって、極めて競争の激しい北米=東南アジア間市場で、より多くの通過旅客需要を惹きつけようとして居て、これがハノイ、ニューデリーそしてプノンペンを追加する決断に繋がった。
この夏のPALの拡大の結果、同社の新たな戦略的提携社であるANAなど、北アジアの幾つかのエアラインとの競争がより強まるだろう。2019年1月29日、ANAホールディングズはPALとフルサービスの域内子会社PALエクスプレスの親会社であるPALホールディングズの9.5%の株を取得したと発表した。
この取引は、何年もの間、外国エアラインの投資を確保しようとして来たPALにとって、戦略的に大きな意味を持つ一方、持ち株比率は低く、9,500万米ドルはANAにとってはポケットの小銭の様なものだ。グループの収入が25億米ドルを超え、極めて魅力的な混雑するマニラ空港の発着枠と言う資産があるにも関わらず、この取引処理はPALを唯の10億米ドルの価値であると評価して居る事が、PALが直面する課題を反映して居る。
低コスト長距離狭胴機:アジアのゲームチェンジャー?
25-Jan-2019
日本は、2つのエアラインが声明したのに従い、大規模な低コスト長距離狭胴機の運航が行われる、アジアで最初の市場になろうとして居る。
ジェットスタージャパンとピーチは、双方ともA321neoLRを2020年に運航開始する計画であるが、これにより日本で最大のLCC2社が日本=東南アジア間の市場で拡大する事が可能になる。
低コスト長距離狭胴機は比較的小さいが、急速に伸びて居る分野である。2019年には、ノルウエーエアがA321neoLRの最初の一群を就航させる中で、拡大の殆どがこれも大西洋横断路線となる。ノルウエーエアは既に、2017年に始めた737MAX8を使った欧州=米国間市場で、いくつかの低コスト長距離狭胴機路線を運航して居る。
当面の所、アジアでは長距離狭胴機の運航は極めて限られて居る。然し、この広大なアジア太平洋地区内には、LCCが、航続距離の改善した新世代の狭胴機を活用して得られる巨大な商機が存在する。
エアアジアXが可能性としてA321neoLRを発注する事は、ゲームチェンジャーとなって、低コスト長距離狭胴機モデルを、アジア太平洋の他の市場の幾つかにも持ち込むかも知れない。
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