CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
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デルタ航空:沿岸エリア構築の後、国内線の核となるハブに回帰
27-Dec-2019
過去数年間に亘り、デルタ航空の国内線戦略は、焦点都市の上に構築する事に、そしてシアトル、ニューヨーク、そして(より最近は)ボストンなど、同社が沿岸のハブとみなす地点に集中して来た。同社はまた、オースティン、ナッシュビル、そしてサンノゼにも焦点都市を構築して居る。
然し、デルタが国内線で2020年に推進するのは、同社が国内路線網の別の地点で相当程度の規模を達成した後に、アトランタ、デトロイト、ミネアポリス、そしてソルトレークシティなどの、より出来上がったハブの幾つかへの回帰だろう。
この取り組み方は、夫々の核となるハブに集中して居る、他の米国大手グローバルネットワークエアライン仲間とは違う。然しデルタはその国内路線網の構造が、より高い収入を生み出すと考えて居り、その核となるハブへの再集中は、アメリカンとユナイテッドが、ずっと夫々の米国国内線のハブを拡大して居る最中に起こって居る。
Delta Air Lines: return to domestic core hubs after coastal build-up
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新プノンペン空港、「バックトゥザフューチャー」
26-Dec-2019
カンボジアが観光客を、特に中国から惹きつけて、新たなタイになろうと苦闘する中で、この国の首都プノンペンに新空港が計画されて居る。
然し、政府はフランスの運営会社で投資家でもあり、現在のプノンペン空港と他に2つの重要な(実際に重要なのはたった3つだ)を運営して居るヴァンシ・エアポーツ社を避け、民間航空庁ともう一つ、この分野には未経験の地元不動産会社のコンソーシアムを選び、未知の領域に敢えて踏み込もうとして居る。
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ベトナムのロンタン空港、スカンジナビアの輸出信用機関を惹きつける
24-Dec-2019
輸出信用機関による、航空機セールスの資金調達は、少しも珍しくないが、通常、空港のセールス、リース或はコンセッションには別の方法がある。
然し、常にそうではなく、ベトナム政府は、ホーチミンシティのタンソンニャット空港の混雑を和らげる事を意図した、新しいロンタン空港出資者を惹きつけるのが、難しい事が判った。
スウェーデンの輸出信用公社が、スウェーデンの企業には有利になるかも知れないプロジェクトに参入する。
Vietnam Long Thành airport attracts Scandinavian Export Credit
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737MAX危機の深刻さ、サウスウエスト航空を苛立たせる
前代未聞のボーイング737MAXの運航停止は、2020年3月に1年が経過する事になるが、この飛行機の明確な復帰日は未定で、MAXの最大の運航会社であるサウスウエストは2020年4月中旬まで自社のスケジュールからこの機材を外して居る。2019年12月17日の、MAXの生産を新年は停止すると言うボーイングの発表は、この不明確さを何ら低減してくれるものではなかった。
公には、サウスウエストはボーイングに対する可なりの忍耐力を見せて居るが、この機材の運航停止で、営業収入の減少分が、2019年第3四半期までで、4億ドル以上に及ぶなど、同社が直面して居る数々の問題は恐るべきものだ。
サウスウエストに於ける、MAX機材の不足分は、2019年3月以来運航停止となって居る34機を含み、68機に上って居る。同エアラインは、最近、ボーイングとMAX機の運航停止に起因する財務的な損害の、部分的な補償について合意したのだが、コストの逆風や、機材が尚も遊休化して居る事から来る路線網のそしてスケジュール作成上の頭痛のタネなど、定期便運航から強制的に外された事からのしかかる脅威は、2020年にも当然残るだろう。
The depths of the 737 MAX crisis wears on Southwest Airliness
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LATAMとIAG:ラテンアメリカの勢いは目まぐるしい速度で変遷
23-Dec-2019
IAGが、欧州からラテンアメリカへの路線で、この欧州のエアライングループを優位に立たせる、エアヨーロッパの買収を決めた後に、LATAMエアライングループとの共同事業の計画を止め、このアライアンスとエアライン運営グループの大きな変動が続いて居る。
然し、長期的観点から、IAGはラテンアメリカ内での送客が、特に南米で必要な筈で、それはLATAMくらいの規模の運航会社でなければ提供できない。
当面のところ、LATAMは現行のIAGグループとの、コードシェアリングとインターライニング契約はそのまま残る計画をして居る。
ラテンアメリカの航空市場で、現在行われて居るチェスのゲームは、つぶさに見守られるだろうし、全ての駒がチェス盤に上るまで、当面は、誰も敢えて誰が勝者で誰が敗者かを予想しようなどと思わない方が良いだろう。
LATAM and IAG: Latin America dynamics shifting at a dizzying pace
フルークハーフェン・チューリッヒ、新しいデリー空港の優先入札社に返り咲く
フルークハーフェン・チューリッヒAGは、インドの首都デリーの第2空港、ジュワル・ノイダ国際空港の40年間のコンセッションに対する優先入札社に選ばれた。
この新空港は、デリーの南約80km(50マイル)に位置し、「国家首都地区」に予測される航空便増加率を受け止める本拠地となる予定だ。
現存するインディラ・ガンディー国際空港とのつながりでどの様に運営されるかは、未だ明らかでない。
Flughafen Zurich returns as preferred bidder for new Delhi airpor
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仁川空港、発着枠不足が大韓航空の成長可能性を頭打ち
21-Dec-2019
ソウルの仁川空港は、旅客、貨物両方の領域で、世界を先導する空港の一つだ。然し、大韓航空の路線網計画管理者は、仁川を最大の悪者の一人だと指摘し、現在、旅客便に発着枠を得るのが非常に難しいと言う。
世界のハブ空港の選抜と仁川と比べると、航空機発着と滑走路ごとの旅客数の平均が、殆どの場合、下回って居る。
更には、仁川は10年以上前に遡るインフラ計画の第4期の段階にある。
それでは何故、この問題が生じて居るのだろう?金浦空港に比べ仁川に余りにも焦点を当てすぎて居るのか?そして貨物事業に?
Incheon Airport slot shortages limit Korean Air’s growth potential
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カタール航空、新ルワンダ空港開発に踏み込む
20-Dec-2019
カタール航空は、暫くの間モスクワのブヌコボ空港への投資をして来たが、青天の霹靂で建設中のルワンダの首都キガリのブゲセラ空港の投資家の一人になって居る。
このまっさらな施設は、暫くの間、他のアフリカの多くのプロジェクトと同様に、投資を呼び込む事とコストの上昇に苦労して居た。
今回レポートはカタール航空がこの新たな案件に、どの様な利点があるのかを探る。
欧州のサッカーはエアラインにとって何故良いのか
20-Dec-2019
一時は、若しサッカーファンが、海外で行われる試合に行きたいとしたら、彼は(時に彼女は)若し団体のチャーター便があればそれを使っただろう。より普通には、この頃は、LCCの影響で、航空運賃が実質下がって、サポーター達は外国であっても、リーグの試合を見るために、年間何度か定期便を使った旅をする事が出来る。
最も良い例の一つが、英国のクラブチームの人気の水準が、シーズン中はずっと、その需要のために定期便が張られる水準に達した、スカンジナビアである。
この様な傾向が長距離便にも広がるのだろうか?幾つかの例では、既にそうなっている。
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デルタ航空:短期間の大出費が国際線の状況を改善
19-Dec-2019
デルタ航空が、過去数年間に亘り 国際線エアラインの株式を買いまくって来た事は、世界制覇を追求する様に見えたかも知れないが、現実にはそれは大規模グローバルエアラインの競合社であるアメリカン、ユナイテッドとの競争力を維持するための、同社の戦略の一つだった。
歴史的には、デルタは米国国内線により集中して居て、過去5、6年間は、スカイチームの同盟の境界を越えて提携を形成したり、ある場合はグループ外のエアラインの株式を入手するなどの多方面戦略で、大西洋横断と太平洋横断路線での足場に力を入れようとして居る。
同社は国際線戦略の成果の収穫を続け、未だにその可能性を実現する筋道を残して居る。デルタにとって、共同事業を構築し、グローバルエアライン各社の株式を持つことは、基本的に、外国人所有制限を回避する、仮想の合併統合を生み出して居る事なのだ。
Delta Air Lines: spending spree improves its international stature
ベルリン/ブランデンブルク空港:2020年10月「正式開港予定」
19-Dec-2019
多くの新空港の開港遅延、その全ての中でも、ベルリン/ブランデンブルク空港の場合は、仮に2020年10月に最終的に営業航空便を迎え入れ、送り出す事が出来たら、その時には、9年間も遅れて居り、その最たるものである。
今回の期限こそは、最後のものだと言う約束は為されて居るが、依然として幾らかの資金調達が必要である。そして、同じ屋根の下に2種類の異なる事業モデルが共存する必要がある。それには既に、LCC各社が、ひどい扱いだと苦情をならし、不安が持ち上がって居る。
疑問は引き続き生まれて居る。事業の性格は、空港が最初にイメージされて以来、過去20年の内に変わってきて居る。火災対策、電気システムの問題を解決するのに余りに多くの努力が注ぎ込まれたため、今日の切迫する環境問題対策は、後回しにせざるを得ないのだろうか?
Berlin Brandenburg Airport: “officially to open” in Oct-2020
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欧州のエアライングループ:ルフトハンザ持ち株会社にヒント
18-Dec-2019
ルフトハンザの主要経営陣の任命に関する2019年12月11日の発表に埋もれてしまったのが、「ルフトハンザ航空の法的な独立計画」に関する事である。これは、欧州最大のエアライングループが、今年持株会社構造を採用した、IAG、エアフランス、そしてライアンエアと、より一線に並んで、持株会社の構造に転換し始める事を示して居る様に見える。現在の所、ルフトハンザ自身は、グループの親会社であり、最大の運航会社である。
欧州のエアライングループの中では、IAGが持株会社構造の概念を主導し、ブランドからは中立な親会社の名前で、依然として、他社に比べより完全な形で、これを適用して居る。
取り組みとしては、最大の見返りのある分野に資本を割り振り、異なった性格の市場には、異なるブランドを使い、運航会社の経営を邪魔することなく、将来の買収や、新規立ち上げを容易にして居る。
エアフランスーKLMは、持株会社もあるし、異なる市場には違うブランドを使って居るが、効率的な資本配分には熱心さで劣る。ルフトハンザは、その子会社に資本の規律を守らせ、異なるブランドを持たせて居るのだが、現在のグループ構造には、恐らく、身についた、親会社優先の偏向が残って居るだろう。
ライアンエアの修正版は、単に資本割当てに焦点を絞ると言うより、労使問題やブランドに関する柔軟性を増大させ、より現実的の様だ。
European airline groups: Lufthansa hints at holding company structure
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米国=中国間航空市場:オープンスカイが依然曇り空
18-Dec-2019
米国と中国の間のオープンスカイは、当局間の議論の中では、時に浮かび上がっては消えて行き、表面上は関連する全ての利害関係者がこの取引は歓迎される様に見えるのだが、現実には、現在の市場の趨勢は、合意が短中期的に達する可能性をどんどん小さくして居る。
貿易関係の緊迫から、通貨の変動と中国の経済成長の鈍化が、一体となって米国エアラインが短期的な中国戦略を再検証するシナリオを生み出そうとして居る。
然し、また同時に、エアラインが中国線の便数を限られた水溜に戻すという稀なる機会を目の前にして、エアライン各社は、提携を通してまた激しい発着枠争奪を通じて、米国=中国間の市場での地位について長期に亘って、競争力を維持する事を確かにしたいと努力して居る。
明らかに、アメリカン、デルタ、そしてユナイテッドは、夫々の中国の提携社と独禁法適用除外の共同事業を形成するために、最終的には中国と米国がオープンスカイ協定の合意に至るのを目のあたりにしたいのだが、当面の間は、見通し可能な将来に亘って、現状維持と言う実態が残る事に対して観念して居る様である。
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デルタエア:太平洋横断の構造改革ほぼ完了
18-Dec-2019
デルタ航空は、東京の事業を成田から羽田に移し、この地域での提携関係を固め、太平洋横断で、競争力ある路線網を構築すると言う、長年に亘る移行作業を完了したと発表しようとして居る。
太平洋は、通貨の変動、貿易紛争、そして全般的な供給過剰が実収単価を蝕み、殆どの大手米国エアラインにとって過去数年間と言うものずっと課題だった。
デルタにとっては、太平洋での業績を、自社の望む水準まで引き上げる為に、未だしなければならない事が残って居るのだが、同社はアジアでの事業の潮流を変える、強固な基盤を築いたと相当程度の自信を持って居る。
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超LCCカナダ・ジェットラインズ:飛び立つために幅広い網を投げる
16-Dec-2019
カナダ・ジェットラインズは、この国の航空市場に超LCCビジネスモデルを導入する意思を明言した、最初のカナダ企業の一つで、短いが色とりどりのその歴史には、浮かんでは消える、多くの創業日程目標があった。最も近くは、同社は、出資者のジェットラインへの関与を取り止める決断から、2019年12月と言う開業日程を、遅らせて居る。
ジェットラインズが、カナダの市場で、一体事業を始められるのか、確証は無いが、同社はウエストジェットの子会社スウープが、最低限必要なコストを下回る運賃設定をしたと糾弾し、業界のベテラン、デイビッド•ニールマンをジェットラインズが必要な資金調達を確保するのを禁じる人食いスキームに手を染めて居り、ジェットラインズ.comのホームページから、見出し写真が消えたと法的手続きを取ろうとして居り、黙って引き下がっては居ない。
これまでも常に、カナダの、2つ以上の超低コストエアラインを維持する能力については疑問があり、スウープとフレアが、まず市場に参入して居る。
ジェットラインズが、ニールマン氏に対する訴訟遂行に成功したとしても、険しい上り坂に直面すると結論付けるのは難くない。
LATAMのワンワールド脱退:航空同盟の生存能力にまた打撃
16-Dec-2019
LATAMエアライングループとデルタ航空間に結ばれようとして居る多分野に亘る合意については、今後何年にもわたり、航空業界全体に影響が残るだろう。LATAMのワンワールド同盟を抜けると言う素早い決断は、興味深く、かつ恐らく深く浸透する意味合いを持つだろう。
このエアライングループは、同盟にとっては、最大のメンバーのひとつで、一度、長く続くワンワールドとの絆を切り離すと、同盟は、アメリカンとIAGに牛耳られ、それにまだ残留する小規模エアラインが付随することになる。
ラテンアメリカ最大のエアライングループの独立すると言う決断は、また、地域に構造的な変化を起こす結果にもなる。2020年後半に、LATAMがワンワールドを去ると、ブラジルの3つの大手エアラインは、主要エアライン同盟に、関係するエアラインが全く居なくなり、域内の多くの供給座席が、独立エアラインの運航によることになる。
LATAMのワンワールドからの離脱はまた、路線網の力を達成するためには、どんどん伝統的なグルーピングの外を探す事が必要となり、同盟の価値について、より大きな疑問を呼び起こす。
勿論、LATAMの場合は、このラテンアメリカ最大のエアライングループが、貸借対照表を更に強化する、デルタの相当な投資がある。
LATAM’s exit from oneworld: another hit for alliance relevance
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アルゼンチンの混乱:ノルウェーエア、LCCの事業をジェットスマートに譲る
13-Dec-2019
アルゼンチンの国内線を開始して、1年ちょっと経って、ノルウェーエア・アルゼンチーナは、市場を撤退し、株式の100%をジェットスマート・アルゼンチーナに売却しようとして居る。
ノルウェーエアは、財政的健全性の持続を実現させようと努めて居て、世界を股にかけての3機運用は、道半ばで、断ち切られる論理的な紐の様だ。アルゼンチンの経済は破綻しかけて居り、この国でLCCを確立させようとする改革を考えた政権は、2019年10月の選挙で敗れ、政権の座を去る事となった。
仮に新政府が、低コスト運航会社が市場に参入する途を切り開く改革を維持しようとするなら、フライボンディとジェットスマート・アルゼンチーナと言う、2つの超低コストエアラインがアルゼンチンに生き残るだろう。多分、この国にはより妥当な数である。
現在の所、アルゼンチンの全エアラインは、この国の経済が引き続き苦闘して居る中で、通貨の逆風と全般的社会不安と戦って居る。
インフレが50%以上に昇る中でさえ、アルゼンチンの国内線旅客の伸びは依然として堅固であったが、今年の殆どが、2桁の伸びを示して来た後で、2019年10月には対前年維持と鈍化して居る。
Argentina tormoil: Norwegian cedes LCC operations to JetSMART
香港、需要減退がエアラインと空港を苦しめる
12-Dec-2019
香港の旅行需要は、特別区全体を巻き込んだ、市民生活の情勢不安から、大地震の様な衝撃を経験して居る。これは、エアライン、特に香港を本拠とするキャセイ太平洋と香港航空に大きな影響を及ぼして居る。両社とも需要が激減し、2020年に及び大規模な供給の削減を余儀なくさせて居る。
エアライン各社に対する、経済的な影響の全容は未だに明らかでは無い。
キャセイグループのエアラインと香港航空、特に香港航空にとっては、既に財政的に脆弱な状況にあった時に生じた、旅客需要と収入の損失は大打撃であり、更にアジアのエアライン業界にとって、広範な経済的な懸念も拡大して居る。
イベリアのエアヨーロッパ買収、そしてマドリード・ハブへの影響
11-Dec-2019
欧州の主要ハブ空港の幾つか、中でもパリ/CDGとフランクフルト、そして特にリスボンは、この大陸とラテンアメリカを結ぶ、最も幅広い接続便を持つことで知られたいと考えて居る。然し、これまで通常では、マドリードの天下だった。
スペインの景気後退と、そのイベリア航空への影響は、数年前、同社が西行きの長距離路線の多くを切り、競争相手たちに商機への門戸を開いてしまった時に、その地位を危うくして居る。
最近発表されたイベリア(IAGの一部)とエアヨーロッパ(グローバリア)の間の2020年下期に完了する計画の売買契約が、理論的には、再度マドリードにとって有利な方向に均衡を変えるのだが、イベリアが「360度のハブ」を実現しようとする中で、合併後のエアラインが、ラテンアメリカ地区を、どの様に取り込もうとして居るのか、依然明らかになって居ない。
Iberia’s purchase of Air Europa and the impact on the ‘Madrid hub’
米国大手エアライン各社、アジア戦略は長期的な視野で取り組む
09-Dec-2019
米国のエアライン各社は概して、太平洋横断路線について、しばしば、短期的な痛みには耐え、中長期的により高い見返りがあると考え、長期的な見方を採用して居る。
北米=アジア間市場は厳しいものである。米=中貿易戦争と香港での政情不安の始まる前でさえ、供給過剰と低実収単価に冒されて居た。
米国のエアラインは、中国の空港では良い時間帯の発着枠を得る事が難しい事に、長い間、不満をならして来て居り、昨年、アメリカンはシカゴから中国への便を切り、同社のライバル達が、使おうと検討して居る、その便のための発着枠を、最終的に返還する事を余儀なくされて居る。
アメリカン、ユナイテッドそしてデルタの、太平洋横断路線という財産が、改善する前に悪化するのか、この先何年にも亘って、競争力ある勢力として留まる事を約束してくれる、待望の発着枠を、このエアラインの内の誰かが獲得するのか、明らかになって居ない。
Major US airlines are playing the long game with their Asia strategies
05-Dec-2019
英国航空、スウープ、そしてスピリット航空が、今夕(2019年12月5日)マルタで開催の、CAPAの恒例、世界航空優秀賞表彰式で表彰されたトップエアラインに選ばれた。エアライン、空港、そして航空界リーダーシップなどをカバーする9つの表彰区分が、2019年CAPA世界航空見通しサミットの一部として、世界各国から集まった、150を超える航空界のお歴々の出席のもと、ウエスティン・ドラゴナラ・リゾート・イン・セントジュリアンズのめくるめく式典で授与された。
航空界の戦略的優秀性に対する比類の無い賞と考えられて居るこの賞は、CAPAが2003年にアジア太平洋地域を本拠とする、成功したエアライン、そして空港を顕彰するために設立したものだ。この賞は次いで2012年に地球規模とする舞台へ、世界の航空界の優秀性を認証するものへと拡大されて居る。
CAPAー航空センターの名誉会長である、ピーター・ハービソンは、「CAPAの世界航空優秀賞は、航空産業の、流動し、常に進化を続ける環境の中で、過去12か月の間に成し遂げられた、業界全体の主要な業績を、立ち止まって振り返り、顕彰し、業界の仲間で祝福する絶好の機会である。」と語った。
CAPA Global Aviation Awards for Excellence recognises top aviation leaders
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空港建設支出が遅滞して居る:CAPAの報告
2018年、2019年両年とも、イスタンブール(2018年10月)と北京大興(2019年10月)に、それぞれ世界水準の主要な新空港が開港するのを目撃して来た。
2020年、世界が息を殺してベルリン・ブランデンブルク空港が実際に開港するのを待つ一方で、今回のレポートは、業界団体に依れば、プロジェクトの数、そして既存及び新しい空港への資本支出が、「必要とされる時期」に大規模には増えて居ない事を示して居る。
全てが、エアラインの成長に対する環境問題に立ち向かう政治的な意志の欠如から、新たな建設は引き続き遅れる事を示して居る。
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LCCトランサビアの保有機群上限撤廃;ユーロウイングズ、ブエリングに遅れを取る
03-Dec-2019
2019年11月、エアフランス-KLMの投資家の日に、同グループはエアフランスとそのパイロットたちとの新たな契約で、以前のトランサビア・フランスの保有機群の40機と言う上限を撤廃したと報告して居る。
CAPA保有機群データベースに依れば、2019年11月25日現在、トランサビア・フランスは、狭胴機を38機、そしてトランサビア・オランダは36機、エアフランス-KLMのLCCブランドは併せて74機を保有して居る。
エアフランス-KLMの狭胴機LCC保有機群はルフトハンザグループに比べ32機少なく、IAGの半分にもならない。この3社の狭胴機LCC保有機群は、ライアンやイージージェットよりも遥かに少ないが、規模としてはウイズエア、ノルウエーエア、そしてジェット2.comのそれにより近い。
トランサビアは、今や、自由に拡大出来るのだが、その規模の不利な点があり、野心的な拡大計画に欠けて居る。エアフランス-KLMは、エアフランスがKLMとの利益率の格差を縮め、エアフランス-KLMグループがルフトハンザ・グループやIAGとの格差を縮められるよう、エアフランスのコスト効率と機材稼働率向上に優先順位を置いて居る。エアフランス-KLMは、LCC狭胴機の規模の点で、相変わらず、IAGとルフトハンザ・グループに遅れを取る事になるだろう。
LCC Transavia's fleet cap lifted; it lags Eurowings & Vueling
カナダ=アジア間航空市場:路線の厳しい動勢は変わらず
02-Dec-2019
多くの意味で、カナダ=アジア間の航空市場は対照の研究である。アジアは、特に中国は、引き続き、国内線、国際線ともに世界最速で成長する航空市場の一つである。然し、カナダとアジアの間の路線の実収単価は、圧迫され、そして供給過剰は相変わらずのしかかって居る。
その他にも、カナダ=中国の2か国間協定にある上限などの、市場を歪める太平洋横断路線で利益を上げる事を難しくする要素がある。
これらの、市場の力関係が、カナダ第2の規模のエアラインであるウエストジェットに、太平洋横断の便を開設する適正な時期を決定するのに、慎重な対応を採らせる結果になって居る。今のところ、ウエストジェットは、長距離太平洋横断市場に直ぐにも参入する計画は持って居ない。
殆どの カナダ=中国間市場の焦点は、相変わらずバンクーバーやカルガリーなどの西部カナダを出発地とするものに絞られて居る。然しカナダ=アジア間を運航するエアライン各社にとっては、各種民族の人口が増え続けて居る、トロントやモントリオールも有望な地点である。
アビアンカ:エアラインの再建、結実までには時間が
29-Nov-2019
ラテンアメリカのエアライングループであるアビアンカ・ホールディングズは、株主の格上げ、緊急の債務再交渉、そして経営上層部の大きな異動など、これまで波乱の2019年を過ごして居る。
同社は、20以上の不採算路線を切って居り、2020年のアビアンカの戦略の一部は、国際線都市組み合わせを20%増やす計画で、ボゴタにある同社のハブをフルに梃子にする事だ。同エアラインは、既に、ボゴタからアスンシオンそモンテビデオへの便を開設する計画を発表し、そしてつい最近GOLとアズールとのコードシェア契約を結んで居る。
アビアンカはその保有機群を縮小し、2019年末までに、保有するエンブラエル190全機の退役を目指して居る。同社はまた、残って居るA318と、2機のA320を追加で、2019年末までに外そうとして居る。
アビアンカはの新しいトップ経営陣は、不採算路線を切り、ボゴタのハブに再度焦点を絞り、小型の機材を退役させるなどの、基本に立ち返る計画を描いて居るのだが、同社の負債水準は依然として高く、貸借対照表の修復は将来に亘って続く懸念となるだろう。
CAPA-AWNエアライン事業リーダーサミット:2019年12月2日/3日於セビリア
29-Nov-2019
アビエーション・ウイーク・ネットワーク(AWN)とCAPA(航空センター)は共同で、初めての「エアライン事業リーダー・サミット」を2019年12月2日~3日、セビリアにて開催する。このサミット会議は、エアラインの事業運営、MRO、保有機戦略、路線網計画、そしてビジネステクノロジー最適化などを巡る、各種の議論に分け入る事に特化して居る。発足イベントは主要エアラインのCOOやその他のエアライン経営者など、業界の権威者たちをずらりと集めて居る。
このサミット会議は、アビエーション・ウイーク・ネットワーク(AWN)とCAPAが、的確な業界の話題をカバーした議題を作成するため、夫々の市場を先導する航空業界分析やデータを併せた結果を目にする事になるだろう。議論の主要な分野は、この業界の事業運営の効率性、保有機群と路線網計画の要諦、遅延に対する取り組み、ビッグデータと現実世界アプリ、航空業界従事者の採用と訓練、販売後需要分野での統合、そしてディジタル化による影響などである。
講演者には、エアフランス-KLM、アイスランドエア、LOTポーランド航空、ライアンエア、TAPポルトガル航空、ブエリング、ユナイテッド航空、そしてアリタリアと言ったエアラインから、事業運営のトップ経営陣、整備の高級幹部たちが居る。また、基調講演やパネルは、エンブラエル、MTUアエロエンジン、コリンズアエロスペース、ターレスそしてエアキャッスルなどのOEM企業やリース企業からのスピーカーが行う。
CAPA-AWN Airline Operations Leaders’ Summit: 2/3-Dec-2019, Seville
英国総選挙に於ける航空と観光:概して無視される
28-Nov-2019
英国は間もなく、向こう5年間の国の政治の方向を決定する、総選挙を実施しようとして居る(2019年12月12日)。それは多分、第2次世界大戦の終戦直後の1945年7月のもの以来、最も重要な選挙だろう。
2016年6月のEU離脱と言う国民投票と、それ以来、国会の両院で持ち上がったそれへの反対が、この選挙の核心である。その他の問題も、矢張り影響を受けるだろう。
英国の交通の未来がこの選挙と、その結果出来上がった政府によって決定される。
然し、特に航空輸送、並びに観光については、今回は、全般的に、ほぼ全ての党から、少なくともマニフェスト上では、見落とされて居る。
Aviation and tourism in the UK General Election: largely ignored
ACIヨーロッパと空港、「投資のギャップ」
28-Nov-2019
ACIヨーロッパ(国際空港評議会/欧州)は、欧州の空港への投資、特に民間の分野からの欠如について、及び、空港に於ける「脱CO2」について、北米のカウンターパートに追従して居る。
これは、未来の交通手段の選択に大きく影響する力を持つかも知れない、我らが環境、反飛行運動の拡大する潮流に対する反応の様に見える。
然し、欧州大陸に本当に投資の欠如があるのだろうか? 幅広く種々の交通に利用される、公開の場である空港を取り巻く環境保護には、投資家(官民を問わず)は、どの程度まで資金調達をすべきだと期待されるのだろう?
駐車場の様な、利益の上がる商売は放棄して、その代わりに、国会議員たちが、それに取って代る事を見たいと思って居る、別の旅行モードのために備えるのを期待されるべきなのだろうか?そして何れにせよ、旅行の拡大と言うのは、全く衰えること無く続くと、誰かが保証出来るものなのだろうか?これら全てが、どんどん広がる航空排気の排出率を低減させるために行動が必要だと言う認識をめぐる、複雑な枠組みの一部を形作って居るのだ。
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英国-カナダ間航空事情:欧州-カナダ間最大の市場が停滞
27-Nov-2019
エアトランサットは、英国とカナダの間の航空市場で、ヒースローの需要の重要さに着目し、熱心にその需要をガトウイックに惹きつけようと努力して居る。ヒースローは英国-カナダ間需要に君臨して居るが、この英国最大の空港からカナダに飛んで居るのは、両国の国を代表するエアライン、エアカナダと英国航空の2社のみである。
エアトランサットの英国、アイルランド担当の営業取締役エイドリアン・キーティングは「カナダの需要の大部分はヒースローに根ざして居る」のだから、この事をエアトランサットの「最大の課題」と述べて居る(ビジネストラベラー・アジア太平洋、2019年11月9日)。
英国はカナダ発着の年間供給席数で、欧州最大の市場だが、近年年間供給席数はほんの僅かしか伸びて居らず、欧州=カナダ間市場の全体に比べても更により緩慢な伸びである
エアカナダを始めとする、カナダのエアラインが、英国=カナダ間の市場を支配して居り、成長を牽引して居る(特に2015年のLCCウエストジェットの参入)。英国航空は席数を減らして居り、バージン・アトランティックは2014年にこの市場を去って居る。然し、2019年11月バージンは、ガトウイックからカナダに旅する旅客のために、ウエストジェットとカナダの32の目的地への、新たなコードシェアを発表した。
2020年、エアトランサットはA321LRを英国=カナダ間市場に導入しようとして居る。この様な長距離狭胴機が、市場を再活性化する可能性がある。
スピリット航空:2020年、市場の成熟が業績の上昇を創り出すかも知れない
26-Nov-2019
スピリット航空は、過去10年間、米国エアラインの中でも、最速で成長するエアラインのひとつであり、そして過去3年間に亘って、同社のASM(有効座席マイル)の伸びは、平均で20%近くになって居る。同社は202年には、国内線、国際線ともに拡大することから、供給の伸びを17%から19%と予測して居る。
スピリットはまた、路線網を多様化するために、その拡大に国際線目的地を加えて居て、国際線市場を同社の総供給の15%近くまでにする事を計画して居る。
カンクーンは、スピリットが自社の具体的な商品提供には成熟した市場であると結論した、最近の国際線推進の目玉である。同社は、また、昨年中に追加した、幾つかの新たな市場は、一定水準の成熟度に達し、2020年には、スピリットに利を齎す単位収入を創出して呉れると考えて居る。
Spirit Airlines: maturing markets could create upside in 2020
Premium Analysis
英国の地域航空フライビーとローガンエア、コードシェアで仲直り
26-Nov-2019
2019年10月、2つの英国最大級の地域航空であるフライビーとローガンエアが、新たなコードシェア契約を開始した。フライビーは、また欧州最大の独立した地域航空会社でもあり、ローガンエアはスコットランド国内の路線では最大のエアラインで、今冬のスケジュールでは両社は1路線を除く、14空港で重複して居る。新たな提携関係はアバディーン、エジンバラ、グラスゴー、インバネスそしてマンチェスターの路線網に焦点を絞って居る。
契約ではまた、ローガンエアがフライビーのコードとブランドの下で運航すると言う2016年のフランチャイズ契約が終了したのに従い、より対等な方向であるが、両社間の協力を刷新して居る。その関係から抜け出して以来、ローガンエアは急速に成長して居る。
対照的に、フライビーは、何年にもわたって損失を出す一方で、2017年以来、保有機群と供給席数を縮小して居る。フライビーは、今年既に、バージン・アトランティックとストバートエア、そして投資会社のサイラスキャピタルのコンソーシャムに買われ、2020年に、バージン・コネクトと改称される予定である。ローガンエアとのコードシェアはフライビーの継続する、多くのエアラインとの営業提携を築く戦略の新たな一段階である。
ローガンエアにとって新たな契約は、皮肉にもフライビーとの以前の関係が終焉したと同時に始まった、独立した地域航空としての展開の一段階である。
UK regional airlines Flybe & Loganair kiss & make up with codeshare
アラスカエア・グループ:合併後の力を発揮し始める
25-Nov-2019
2年半くらい前、バージン・アメリカの買収計画の詳細を決めた後に、アラスカエア・グループは、2019年第3四半期に目覚ましい収入の伸びを記録し、2019年の目標である漸増する収入の約束を守りつつ、合併後の力強い歩を進めて居る。
この業績は、大陸横断市場での環境改善や、プレミアム商品の力強い売り上げなど、数多くの要素に牽引されて居る。
アラスカはまた、2020年に、同社が目標とする利益率の達成に近づくのを支え、一年の確実なスタートのための基礎を築くに違いない、米国太平洋岸北西部での力を梃子にした、幾つかの路線網の再編を行おうとして居る。
Alaska Air Group: post-merger strengths setting in
Premium Analysis