CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
コパ航空、コスト目標達成のため、保有機群を単一機種へ
2年前、コパ・ホールディングズは、同社のエンブラエル190の保有機群を19機に縮小すると決断し、向こう数年間はサブフリートはこの水準に留める事を決めた。
然し、2018年後半、コパは同社のエンブラエル190のうち6機を売ることとし、今や同社は向こう18か月の間に、残りの100席のジェットを手放す事を計画して居る。
コパは、エンブラエル190を運用から外す事を加速する事から来る、短期的な逆風に直面するだろうが、同社は単位コスト目標:即ち燃油費を除くCASM(供給席数当たりコスト)を6セント未満にすると言うものを含む、これらの試練は、より長期的なメリットの為には価値があると考えて居る。
これは世界中の超LCCにとって、基本となるコスト実績である。そしてコパのビジネスモデルがフルサービスを提供する中で確実に固まって行く一方で、そのコスト目標が超LCCの範囲に該当する事は特筆に値する。
737MAXの復活と時を同じくして、エンブラエル190の退役を加速する決断は、2020年はコパにとって、絶え間ない変動の段階を招くだろうが、同社の今年の利益率目標速報値は依然、堅実さを保って居る。
Copa Airlines moves to a single fleet type to meet cost targets
セントルイス空港、リース資格取得申請に順調な18件の反応
23-Nov-2019
近年の米国の空港を民間にリースする話、主に停止だが、ずっと停止と開始の過程を続けて居る。サンフアン・ルイス・ムーニョス・マリン空港の運営を民間の手に委ねる話は、実に唯一の特筆すべき成功例である。
現在、一年以上も続いた、市当局内での議論が長引いた後、少なくとも資格取得申請(RFQ:Requests for Qualifications)を求めると言う段階まで、ミズーリ州セントルイスに到達した。
それを提出した企業の幾つかは参加する事が予想されて居るが、幾つか驚きもあって、そして前回の手続きが破談に終わって居るにも関わらず、RFQ提出の数が、まだ世界中の関心を集めて居る事を物語って居る。
Premium Analysis
韓国ー日本間航空市場:国家間紛争が需要をへこませる
21-Nov-2019
韓国-日本間の紛争の最大の被害者の中に、韓国のエアラインが居る。
韓国-日本間航空市場は、特に韓国に本拠を持つエアラインに取って、この地区の最も重要なものの一つである。だからここ数か月間に起こった、両国を結ぶ路線での劇的な需要の急落は、幾つかのエアラインには大規模な反動を伴う、アジア太平洋市場の趨勢に大きな展開である。観光エアライン間の激しいと複合されて、この事態は殆どのエアラインを赤字に追い込んで居る。
比較的に急速な客離れの主たる原因は、韓国と日本の間で、どんどん強まった政治的なそして交易上の緊張である。第2次世界大戦の前に遡って、この2国間には、明らかに幾つかの極めて緊迫した問題があって、それが両国の間の関係に常に不穏な背景を形作って来た。
賠償問題の様な、その問題の中の幾つか、今年、頂点に達して居て、旅行需要に対する影響が厳しく現れて居る。両国の指導者たちが行き詰まりの解決の為に、もっともらしい事を言って居るが、本当の突破口がいつやって来るかは定かでない。
CAPAの「2020年世界航空界の見通し」於マルタ、2019年12月5日/6日
21-Nov-2019
CAPA(航空センター)は、世界航空界の見通しサミットを2019年12月5日~6日マルタにて開催する予定だ。世界で最も魅力的な場所の一つで、次の10年間に航空業界に何が起こるかを探求する催しに是非ご参加願いたい。
マルタ観光省の主催、エアマルタとマルタ国際空港の共催によるサミット会議は、世界の航空界の見通しの全体像について、深く、大きな絵姿を提示し、同時に来る年にこの業界が直面するだろう傾向と課題について検証するものだ。
「飛ぶのは恥だ」運動(Flight Shaming)や、環境問題が、2019年後半、航空界の最優先課題になる中で、これがサミットの主要な議題を占めるのは避けられないだろう。地球温暖化が驚くほど加速する中で、次の10年間はエアラインに何を齎すのだろう?
LATAMがワンワールドを離脱し、デルタと一緒になったり、中国南方がスカイチームを去ると言った、エアラインの提携関係や世界的アライアンスには何が起こるのだろう?
我々が、次の10年間に期待する中で、CAPAの見通しサミットは、多くの業界の指導者たちと共に、これらの問題やその他多くの主要な課題を検討するための理想的なフォーラムを提供するだろう。
英国ー中国間のエアライン:バージン・アトランティック、AF-KLM/中国東方の共同事業に加盟
19-Nov-2019
2019年10月、エアフランス-KLMと中国東方は、2020年春から、彼らの中国と欧州間の共同事業契約に、バージンアトランティックが加入する予定だと発表した。
エアフランス-KLMは既に、2019年1月、中国東方との同社の提携の目的を拡大して居る。エアフランス-KLMがバージンアトランティックの株式の31%を買収したのに続いて、共同事業にこの英国のエアラインを加える事は、結びつきが更に深くなって居る事を反映して居る。
エアフランス-KLM/中国東方の共同事業は、中国とフランスそしてオランダンをカバーし、更に拡大した共同事業が、バージンと中国東方の中国=英国間路線を加える事になる。双方がともに、ロンドン/ヒースローから上海/浦東を運航して居る一方、中国東方は上海からロンドン/ガトウイックに飛んで居る。中国東方は、他に上海/浦東から125路線を飛んで居り、その内66路線は中国国内であり、大規模な国内線乗継を提供する。
英国=中国間は、ずっと強力な成長市場であり、大きく拡大する中国国際を市場リーダーとして、多くの新規参入組が居る。然し、第2位の運航会社である英国航空は、過去3年間この市場で事業を縮小して居る。中国東方との共同事業は、バージンに、英国での最大のライバルである英国航空への対抗手段を与え、エアフランス-KLMの中国線での主導的欧州エアラインという立場を強化する事になる。
UK-China airlines: Virgin Atlantic to join AF-KLM/China Eastern JV
Premium Analysis
米国エアラインの法人渡航需要、2019年は堅調;2020年は不確か
19-Nov-2019
デルタ、ユナイテッド、そしてアメリカンと言う、3つの大規模な世界規模の米国エアラインは、この年の殆どを通じての傾向だった、全体として好調な法人需要と言う見通しで、2019年を終えようとして居る。
3大エアラインは、この年最後の四半期に踏み入れるにあたり、世界的貿易紛争が長引き、全体として経済動向が不確実なのにも関わらず、法人需要の予測は良い状況と感じて居る。
この勢いが2020年に継続するのかについては、不確実であると言う見方がずっとあり、ある地域では、法人需要にも停滞が現れて来て居る。現在のところ、法人需要は急速に成長する事は無いが、正常な方向という傾向のままである。
US airlines' corporate travel demand steady in 2019; 2020 uncertain
Premium Analysis
ジェット2.com、イージージェット、トーマスクック航空の発着枠の過半を継承
18-Nov-2019
倒産したトーマスクック・グループの英国のエアライン子会社であるトーマスクック航空は、長きに亘って惜しまれる事は無い様だ。2019年9月23日に、同社が清算手続きに入って以降、債権者の為にキャッシュを創出すべく、その資産の何もかもを売却する目的で破産管財人が指名されて居る。
多くの英国の空港にある、トーマスクックの発着枠には、IAG、バージンアトランティックそして英国の主要LCC各社が、すぐに関心を示して居る。
2019年11月8日、イージージェットはロンドン/ガトウイック空港とブリストル空港にあるトーマスクックの発着枠を購入すると発表したが、これに続いてその数時間後にジェット2.comのマンチェスター、バーミンガム、そしてスタンステッドのトーマスクックの発着枠の購入が発表された。この二つの取引は、トーマスクック航空の夏季スケジュールでの供給席数の70%近くを占めて居る。
イージージェットにとっては、入手した発着枠は同社のガトウイックとブリストルでの主導的立場を固める事になる。
ジェット2.comにとっては、発着枠の獲得は、マンチェスターとバーミングハム(ジェット2.comの2つの最大空港)でライアンエアに先駆けて、両空港の最大エアラインになり、スタンステッドでイージージェットを出し抜いて第2位になる(ライアンエアに次ぐ)など、より構造改革的になって居る。
Jet2.com, easyJet take majority of Thomas Cook Airlines slots
アジア太平洋の航空業界トップ指導者達、CAPA航空優秀賞授賞式で発表される
14-Nov-2019
今夜(2019年11月14日)シンガポールで開かれたCAPAの第16回アジア太平洋航空優秀賞授賞式で、中国南方航空、スパイスジェット、べトジェット、そしてビスタラが、アジアのトップエアライ、そしてリーダーの中から表彰された。2019年CAPAアジア航空サミットの一部として行われ、カペラホテルに於いて150の域内の航空界の指導者たちが出席した、きらびやかな授賞式では、8つの賞の受賞者たちが登壇した。
航空界の戦略的優秀な対象に贈られる、秀でた賞として知られて居るが、CAPAは2003年、アジア太平洋地区内の、成功したエアライン、空港を顕彰するために、この賞を立ち上げた。
CAPA-航空センターの名誉会長であるピーター・ハービソンは、「CAPAアジア太平洋航空優秀賞は、過去12か月間に優れた戦略的指導性を発揮し、成功を修めたエアライン、空港、経営者そして幅広く航空業界を顕彰する事を目的とし、業界全体が前進する事を助ける為のものである。」と語った。
Asia Pacific’s top aviation leaders announced at the CAPA Aviation Awards for Excellence
ブラジル:航空市場、更なる成長の機は熟して居る、そして希望の兆しが
14-Nov-2019
ブラジルの航空界は、コントラストの研究である。ブラジルがラテンアメリカ最大の航空市場である事から、この国の商機は恐ろしく大きいー過去10年間、旅客数の水準は、2倍以上であるにも関わらず、一人当たりの旅行回数は、依然として、より成熟した市場の遥か下にある。
然し、成長は、ブラジルのエアライン各社にとっては、ビジネスをするための構造的コストが依然として高いままの、厳しい事業運営条件と言う背景の中で起きて来て居る。
だが、この国の政府が無料手荷物の必要要件を再導入しようとするのを止めたり、幾つかの租税の廃止を検討したりするなど、改善の兆候が浮上し始めて居る。
これらの兆候は、ブラジルが、旅客の潜在力一杯まで到達する可能性ありと言う楽観主義を形成しつつあるが、最近の変貌は持続する力を持って居るのかと言う不確かさが残って居る。
Brazil: aviation market ripe for more growth and some promising signs
宿泊業界の混乱=線引きがぼやける
組織が法制化し始めると、「混乱」が正常な状態になったと言うのは常に容易な事だ。
旅行と輸送の業界は、現在、そんな混乱に満ちて居る:無人飛行機(不充分な反応);セルフコネクション(幾つかの大きな空港に限られ、多くは正式に提供して居ない);シェアリングエコノミー;(そしてこれら全ての親父として)環境問題(抗議に対して、調整が出来て居ない、無力な反応)。
国連世界観光機関(UNWTO)は、宿泊業界の新しいビジネスモデルを、国の政府と地方の自治体が共に立ち向かい、管理する方法のシステマティックな概観を示す、「宿泊業界の新たなビジネスモデル」と言うレポートを最近発表した。
国連は、エアbアンドbの様な宿泊シェアリング代理業がホテル分野に参入し、そしてホテルグループの幾つかはシェアリング分野を狙って居る中で、まさに混乱への対応を本格化する、新たな形態としてこれを行って居る。
Premium Analysis
英国の国際線ハブ空港=ヒースローでは無く、アムステルダムが依然主要ハブ
12-Nov-2019
ロンドン発着の玄関口である事に加え、世界中のどの都市よりもエアラインの供給席数が多い、ロンドン/ヒースロー空港は英国の主要国際線ハブでもある。
2019年10月12日の週のOAGデータによれば、ロンドン・ヒースロー空港は、9つの英国の地域空港(ロンドンを除く)と直航便で繋がって居る。これら9つの空港からの送客がヒースローに英国のハブと言う地位を与えて居るのだ。
然し、他の西欧諸国の中には、ヒースローより多くの英国の地方空港に直航便を飛ばして居る空港が他に20箇所もある(2019年10月12日の週。出典:OAG):そのうち7つは、ジャージーの21を筆頭に、少なくともヒースローの英国地方空港への便の倍を持って居る。
これらの空港の過半数は、南欧のレジャー目的地であり、ヒースロー空港のハブの地位を脅かす事はない。然し、3つの重要な欧州のハブ空港が、ヒースローよりも多くの英国地方空港への便を持って居る:アムステルダム(20)、ダブリン(18)、そしてパリ/CDG(14)である。
アムステルダムとパリ/CDGは、共に大規模な世界路線網を提供し、またそれぞれがアフリカとラテンアメリカにヒースローより多くの目的地を持って居り、一方、ダブリンは北米に独自の強みを持って居る。加えて、マドリッドとミュンヘン、そしてフランクフルトは英国地方空港への便はヒースローより少ないのだが、これらのハブはヒースローに直航便の無い英国の空港への便を少なくとも一つ飛ばして居る。
UK's international hub airport not Heathrow. Amsterdam still main hub
Premium Analysis
エティハド航空、湾岸3社とトルコ航空の欧州コードシェアを主導:カタール航空は追い上げる
12-Nov-2019
エディハド航空は、2019年10月27日、TAPポルトガル航空とのコードシェア合意を拡大した。新たな合意の下で、TAPはリスボンから更に9つの路線とポルトからもう一つの路線(ロンドンガトウイック)でエティハドのEYコードを付けて飛ぶ。
この提携関係は、TAPがEYのコードを付け、両エアラインが数か所の相手先の路線で、複数のコードシェア提携先を持って居るのだが、相手方の路線網にそれぞれアクセスする事が出来る。更には、エティハドがもしリスボンに飛んで居たら、そしてTAPがアブダビに便を持って居たら、もっと大きな力を獲得しただろう。
エティハドの資金戦略の発表の後、同エアラインにとってコードシェアは欧州でのアクセスを拡大するために、引き続き重要な武器である。4つの超乗り継ぎエアライン(エミレーツ、カタール航空そしてエティハドの湾岸3社プラストルコ航空)の中で、エティハドが最も多くのコードシェア提携社と目的地を欧州内に持って居る。
然し、カタール航空は過去5年間で、欧州内に最も多くのコードシェア目的地を追加して居て、一方では自身の路線網も拡大して居る。確かに、カタール航空は自社の路線網、コードシェア、資金投資、そして地球規模のアライアンス加盟などのバランスを取りながら、他社に比べ、より遠くへ伸びて行こうとして居る様だ。
Etihad leads Gulf 3 & THY on Europe codeshare; Qatar Airways closing
北米のエアライン、継続可能性曲線の先を行く必要がある
飛ぶのは恥だとする考えが、ニュースの見出しに次第に目立つ様になり、ソーシャルメディアの支配的な勢力になるに連れ、継続可能性の長期的な戦略として、関心を持たないエアラインは、ある時点で、競争で不利な立場になって居ると気づく可能性がある。
継続可能性の中での前進の足取りは、立派なものであるとともに、必要な事であるのだが、そもそも遅々としたものであり、進捗が進んで居るとしても、増え続ける航空旅行を中傷する人々を満足させるだけ充分に速いペースでは無いかも知れない。
飛ぶのは恥だとする考え方は、世界のその他の地域に比べ、北米ではさほど強く無いが、北米のエアラインは、業界全体として、環境管理についてもっと適切にコミュニケートする必要がある事を理解して居る。
然し、エアライン業界から発信された、統一されたメッセージが本当にあるだろうか?
North American airlines need to stay ahead of sustainability curve
Premium Analysis
IAG-エアヨーロッパ:欧州―ラテンアメリカ間でNo.1、エアフランス-KLMを凌ぐ
2019年11月4日。IAGはイベリア航空がスペインでのライバルであるエアヨーロッパを、2020年下半期に完了する予定で、10億ユーロで買収すると発表した。これはIAGの株主の承認を得る必要のない事項だが、当局の承認は必要とするだろう。
エアヨーロッパのブランドは当初、維持されるが、イベリア社内で、独立したプロフィットセンターとして運営される予定だ。この「当初は」という言葉を使うのは、IAGがある時点でエアヨーロッパのブランドを消滅させ、多分イベリアに完全統合させる事を、しかし、同時に、同社の他のブランドのどれか(レベルまたはブエリングの様な)と統合させる選択肢を残そうとして居る事を物語って居る。
欧州発着の全供給席数の占有率から判断して、この合併統合は市場構造に大きな影響を与えないだろう。2019年夏季のOAGデータに依れば、エアヨーロッパはIAGの占有率を9.4%から10.4%に引き上げるが、依然ルフトハンザグループとライアンエアに次いで第3位のままである。
然しながら、これによりマドリードに於けるIAGの主導性を強化し、欧州―ラテンアメリカ間の供給席数占有率で、IAGにエアフランス-KLMを超えさせ、ラテンアメリカでの寄港地点数でのリードを広げさせる予定だ。更には、エアフランス-KLMのエアヨーロッパとの共同事業と言う望みに終止符を打ち、IAGのLATAM航空との共同事業計画の進展がない状態を緩和する事になるだろう。
IAG-Air Europa: #1 on Europe-Latin America, overtakes Air France-KLM
各地域の航空安全の当局、ボーイング737MAXの復帰について対応が分かれる
06-Nov-2019
欧州の航空安全の当局であるEASAは、ボーイング737MAXの飛行再開を承認するタイミングを、米国の当局であるFAAに追従して、同じ時期にするのでなく、自ら決める予定だと報じられて居る。中国もまた独自のタイムテーブルに従うかも知れない。
FAAは、他地区で更なる遅れが出る事は、この航空機への疑念を残し、FAAの権威を傷つける様に見られかねない事から、世界中で調整した決定の方が良いと考えて居るだろう。
歴史的には、航空機を運航停止したり、その運航再開を承認する事は通常(常に不変では無いが)、航空機メーカーの本拠地の、またはその機材の運航を承認した地区の当局の先導により、世界中で調整するやり方を採って来た。
然しながら、MAXの場合、中国民間航空局が一番手となって、2019年3月11日、FAAより2日早くこの機材を運航停止として、この紳士協定は始めから破られて居る。
ボーイングは2019年第4四半期に運航再開を希望して居るが、この機材の運航会社の幾つかは2020年1月或は2月の再開を計画して居る。
一方で、運航停止はボーイングの収支決算を直撃し、より幅広く米国経済にのしかかって居る。各地区の航空当局は、互いに不統一に動いて居り、MAXの運航再開を更に複雑にしかねない。
Aviation safety regulators may diverge over Boeing 737 MAX's return
Premium Analysis
エアカナダ:MAXの不確実性が長引く中で、同社は柔軟
05-Nov-2019
世界的な737MAX保有機群の運航停止は、同機種の全ての運航会社に大被害を与えて居り、MAXが復帰したとしても、平常な運航をとり戻すまでには暫く時間が掛かるだろう。
エアカナダは、MAX運航停止で痛烈に打撃を受けて居る。このMAXジェット機は、2019年第3四半期の夏季繁忙期に、狭胴機の保有機群の中でも大半の部分を運航すると想定されて居た。
同社はMAXが飛べない間、広胴機のウエットリースをしたり、これまでに既に保有機から外されて居たはずのエンブラエル190とエアバスA320の退役を先延ばしにするなど、幾つかの緩和策を取り混ぜて講じて居る。
エアカナダは、また、MAXの定期便への復帰に合わせ、MAXの再就航の時期が未だに極めて不確実なため、複雑な手続きを更に難しくして居るが、幾つかのリース契約の終了時期を決められる様に努力して居る。
Air Canada: airline is resilient as uncertainty over the MAX lingers
米国のエアバスに対する課税:エアラインは短期的な解決策としてモービル(アラバマ州)製を求める
05-Nov-2019
エアバスの保有機群を運航する、或は機材発注書がこの欧州の航空機メーカーばかりの米国エアラインは、皆、世界中のボーイング737MAXの運航停止をきっかけとする、長引く混乱の中で、ほっと安堵のため息をつく事が出来た。ーつい最近までは。
エアバスに対して提供されたとされる補助金をめぐる、長年の通商紛争の一部として、米国はエアバスの航空機に10%の課税をするお墨付きを勝ち取ったが、これはエアバスのジェット機への長大な発注リストを抱える米国エアラインには不安な事態を生み出して居る。
短期的な解決策は、これらの運航会社から、アラバマ州モービルにある、エアバスの米国組み立て工場で作られた航空機を納入するよう、大々的な要求をする事である。だが究極的にはエアラインが、そして多分消費者にも、これらの課税の矢面に立たないで済むように米国と欧州は合意に達する必要があるだろう。
US Airbus tariffs: airlines seek Mobile (AL) as short term solution
Premium Analysis
ブラジルのアズール航空:長期にわたる路線網の砦を構築
02-Nov-2019
ブラジルのアズール航空は、開業以来、最初の10年間でこの国で確固たる存在感を築き上げて居り、同社はその最大の資産の一つは強力な路線網であると考えて居る。そしてエアラインは低コストのDNAを持つものの、ブラジル市場への取り組みは、典型的な低コスト運航会社のそれとは、大きく異なって居る。
アズールの路線網の強味は、同社の最大のハブへの接続可能性であり、同社の旅客の半数以上が乗継の旅程で旅をして居る。このエアラインが提案するのは、低運賃では無く、むしろ過去には得られなかった水準のアクセスと良質の旅行体験なのである。
明らかにここに至るまでの途上で、アズールはこのモデルに数々のひねりを加えて来たが、驚くまでもないが、同社はこの公式は成功だと考えて居り、また、長年に亘り築き上げて来た需要を、同社にとっては流動的な燃油価格に対する防御策になる様に、また長期的に同社の単位コストを低下さて呉れる筈の、より大きな機材で収容する事を検討して居る。
Brazil's Azul Airlines: building a fortress network for the long term
南アフリカ航空、6億米ドルの補助金は最後の切り札
01-Nov-2019
南アフリカ政府は、かつてアフリカ最大だった国有航空会社への、民間分野の参画を認めて居る。
2019年10月31日、政府は、手続きの進捗を早める事を願って、向こう3年間で、この航空会社の負債を返済するため、6億米ドルの補助金を提供すると発表した。
一方で、LCC各社が南アフリカを先導的なモデルとして、この大陸により強固な足場を築きつつある。
現在の大きな疑問は、新たな、そして大規模な介入が、SAAを過去の栄光への道へと立て直す事ができるのかというものだ。
For South African Airways a USD600m bailout is last roll of the dice
Premium Analysis
超LCCジェットスマート好調、然しアルゼンチン新大統領がそれを止めるかも知れない
01-Nov-2019
2年前、チリのジェットスマートはこのモデルが、旅客需要を刺激し、大陸中に広がることに賭けて、正式に南米南部に超低コストモデルの到来を知らせて居る。
ジェットスマートは、チリの国内線市場の伸びが、デビュー以来、順調に推移し、同社は開業以来、チリの旅客需要占有率を2桁にまで築き上げ、ほぼその期待通りに現在に至って居る。ジェットスマートは、また、アルゼンチンで国内線事業を開始し、同時にチリとアルゼンチン双方から、国際線便も開設した。
これは、短期間での急速な拡大であるが、ジェットスマートは南米の市場は超LCCモデルにとって、充分に成熟して居ると考えて居る。
然しながら、革新主義者のマクリ大統領が退任してからは、アルゼンチンは低コスト運航会社にとって、事業を展開するのに好適な環境なのかどうか定かで無い。
ULCC JetSMART going well, but new Argentina president may halt that
バージン・オーストラリア-カンタス、羽田発着枠で同等の割り当てを得る
30-Oct-2019
2019年10月29日のIASC(国際航空サービス委員会)の裁定に従い、バージン・オーストラリアとカンタスは、日本から豪州への2つの新たな羽田の発着枠組合わせを分ける事になるだろう。
2020年東京オリンピックが近付き、日本の政府は、主に国内線空港である羽田の一日50往復便の発着枠を、全て国際線に使用する目的で、外国と日本の航空会社に均等に分けるように開放した。
最大数は、予想通り米国に与えられたが、豪州のエアラインには2つの発着組合せが与えられた。
カンタスは、ワンワールドの盟友であるJALとその子会社ジェットスターとともに、週間46便と、両国間で優に最大の運航会社である;一方ANAは14便、そして、今回の新たな配分までバージン・オーストラリアは市場に居なかった。
Premium Analysis
ウイーン空港、復活:ラウダがLCCを先導、エア・ベルリンは最早歴史の遺物
30-Oct-2019
ライアンエアのオーストリア子会社、ラウダモーションはこの冬、ウイーン国際空港から8路線を開設し、来夏には更に17路線を計画して居る。2018年夏のスタンディングスタートから、ラウダモーションは旅客数から言って、2019年上半期には、オーストリア航空に次いで、ウイーンで第2のエアラインになって居る。
ラウダモーションはこの冬、ウイーンから、去年の冬の23路線に対し、44路線を運航する予定だ(2019年12月16日の週と昨年の同等の週。OAGデータに依る)。若し、これらの路線が年間通じて継続されるとすれば、来夏に計画されて居る17路線を併せて、同社は2020年の夏には、24路線増の68路線に拡大する事になる。これに比べ、2019年の夏は31路線である(2019年8月19日の週。出典:OAGデータ)。
ウイーンの旅客数は、また、2018年のウイズエアと、程度は小さいが、IAGの低コスト子会社レベルの参入により、押し上げられて居る。今年のウイーンでは、3つの新たな参入LCCは、以前、第2の規模のエアラインだった、エアベルリングループが輸送したより、可なり多くの旅客を輸送する予定である。
エア・ベルリンと、その子会社ニキ(ラウダモーションはその子孫)の退場は、ウイーンに於ける輸送量の復活への触媒であった事を証明して居る。
Vienna Airport resurgent: Lauda leads LCCs, Air Berlin is history
英国のレジャー航空会社:ジェット2.com、トーマスクックの退場で勢いを得る
28-Oct-2019
2019年10月11日、ダートグループは、ことしこれからの同社のレジャー旅行事業の予約状況について、低コストエアラインのジェット2.COM及びそのパッケージホリデー会社ジェット2ホリデーズ両社に対する需要が強まっており、上昇傾向にある事を強調した。
ダートグループはまた、2019年遅くのトーマスクックグループの破綻以来、需要が増加して居ることも強調して居る。OAGデータにより2019年9月23日(トーマスクックの清算の日)の週の定期便をCAPAが分析したところでは、ジェット2.comとトーマスクック航空の重複は可なり大きい。ジェット2.comの路線の2/3、そしてその供給席数の42%が重複した路線だった。
トーマスクックに取っては、路線の47%、そして供給席数の49%がジェット2.comと競合して居る。トーマスクックの、イージージェット、ライアンエア、そして英国航空の様なその他の主要英国エアラインとの重複と比べると、英国での同社の事業が極めて強い競争に晒される性格だった事を物語って居る。同社はまた、ジェット2.comのパッケージホリデー事業とも競合して居た。
ダートグループは今、2020年3月期での黒字が以前の市場予想より大きくなる事を予測して居る。それでも同社は、旅行業界のコスト圧力や、英国ポンドの弱さ、そしてBrexitの不安な状況から、より慎重で長期的な展望を維持して居る。
今回のレポートはジェット2.comとトーマスクック航空の間に存在した路線重複について分析する。
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